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●青マルジャンプ感想





2004年2月26日、「SBR」読者待望の「青マルジャンプ」が発売されました。これさえ読めば、「SBR」や荒木先生への理解も深まり、ますます作品を楽しめる事受け合いのこの1冊。
その感想などを、ここで書いてみようと思います。


<表紙>
見よ!このこいつ何かヤバイ事考えてるぞ的な満面の笑みをッ!!こんな表情を出せる主人公なんてジョセフと仗助くらいのもんでしたが、ついにジャイロがそのお株を奪っちゃいました。今にも「誰でもいいぜ。かかってきな!」とでも言い出しそう。
それにしても、なんと美しいイラストでしょうか。構図やポーズは第1話のジャンプ表紙イラストと似ていますが、放っているオーラがまるで別種です。今回は豪快な勢い底抜けな明るさのようなものを感じさせますね。ジャイロのキャラクター性が滲み出ていて好きです。自分の中の少年心や冒険心が駆り立てられてなりません。
彼の愛馬も、初のカラー出演という事でニヒルに決めてくれています。
ところで、ちょっと気になっている点が1つ。「SBR」になってから、キャラのカラーリングがあまり変化しなくなっているように思います。色が固定されているというか。細かい部分は変わっても、パッと見の印象はそう違いがありませんね。ここらで髪をピンクにするとか、目や唇を紫にするとかしてほしいです。それとも、荒木先生はあえて今までと異なる色使いに挑戦しているのでしょうか?


<ポスター>
一体、どんなイラストなのかとワクワクして広げてみたら……、第3話のカラー扉絵イラストでした。さすがにそこまで期待するのは贅沢か……。まあ、このイラストもカッコイイから別に構わないですけど。


<キャラ解説&インタビュー>
実に濃いインタビューでした。これはまさに荒木ファン必見!読まなきゃ損です。
「SBR」の世界は「ジョジョ」6部ラストの世界という事がハッキリしました。これだけでも大収穫です。そうなると、やはりプッチの死によって、宇宙が根本から新しく生まれ変わったと見て良いでしょう。単純に一巡後の世界とかなら、あそこまで歴史は変わっていませんから。ジョニーの首筋にも「星のアザ」があるっぽいので、彼の子孫がアイリンになるのかな?「石仮面」が存在しない世界でもあるらしく、カーズも平和に暮らしてたと思われます。のんびりと彫刻やヘンテコな発明品でも作ってたのかも。
更には、サンドマンの「砂」はスタンドに近い能力である事、ジャイロの「回転」は波紋に近い技術である事も判明。そのものではないようなので、どのように描かれ、説明されるのかが楽しみですね。それに伴ってか、ジャイロの過去も考えられている模様。読者にとっては謎だらけにはならなそうです。
「SBR」には完全な悪役は登場しないようです。それぞれの人生と目的を背負った者達が織り成す人間模様を、レースを通してストレートに描くつもりらしいですね。荒木先生の新境地に期待大。熟達すると同時に柔軟にもなってきている荒木先生は、今もなお成長期と言えましょう。
そして驚きの発言「ジョジョ9部くらいまでテーマも物語の形態も決めてる」。きゅ、9部だってえ――ッ!?「SBR」を7部とした場合での9部って事ですか?一体、荒木先生の頭の中はどうなっているのでしょう?アイディアの泉ですよ。いや…、もうアイディアが溢れ過ぎて、描きたくて仕方ない状態なのかもしれません。
他にも見所満載なインタビューでしたが、とにかく荒木先生のマンガへの情熱・矜持・信念がビンビン伝わってきました。この人は本当に作品を愛してるんだなあと思わせられます。それが一読者として一ファンとして嬉しいし、そして頼もしい。どこまでもついて行きますよ、私は。


<「SBR」番外編>
わずか8ページの中に、スティールの人生が凝縮されています。順風満帆な人生を歩んでいたと勝手に想像していたのですが、実際には波瀾万丈な人生だったようです。栄光と挫折の繰り返し、人生そのものが挑戦の歴史……、そんな人物でした。あの年表を見ているだけでも、ちょっと勇気が出て来る気がします。人間、その気になれば何でも出来るって感じで。
14歳ちゃんが最高にカワイイです。荒木作品史上最大に萌えました。彼女は幼いながらも、聡明で母性溢れる優しい女性。男の夢やロマンにも理解があるみたいです。スティールじゃなくてもホレますね、ありゃ。
スティール大泣きシーンは一見ギャグなのに、悲恋を経験して恋を閉じ込め続けてきた彼の気持ちを想像すると、感動的なシーンになるから不思議。14歳の妻なんて、ちょっとしたネタで描かれたとばかり思っていましたが、まさかこんな切ないドラマが秘められていようとは……。荒木先生、恐るべし。きっとスティールは彼女と2人でいる時だけは、15歳当時の心に戻っているんでしょう。
あと、このエピソードは「変人偏屈列伝」の匂いがしますね。プロモートに懸けたスティールの人生は康芳夫氏を彷彿とさせますし、彼が腸チフスに感染した話も腸チフスのメアリーを読んだ人ならニヤリとさせられます。時代や舞台はウィンチェスター・ミステリーハウスと同じ。「SBR」のために彼らの物語を描いたのか、たまたま「SBR」にも生かされただけなのか、興味が湧くところです。
ともあれ、スティールと14歳ちゃんの熱き夢と愛の結晶がスティール・ボール・ラン・レースだった訳です。スティールの引力が他の参加者達を引き付け、彼らの運命の歯車をも回転させていく。まさしく影の主役ですね。この2人が生み出した、純粋なる一大ファンタジーに酔いしれたいと思います。




(2004年2月27日)




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