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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。

原作の設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




アトゥム神 / 本体: テレンス・T・ダービー
< 「魂」を物質に宿す能力 >




「エジプト9栄神」第9の神「アトゥム神 (ATUM)」のカードの暗示を持つ。
カードには、これと言って大きな特徴もないアトゥム神の姿が描かれている。このアトゥム神は原初の神であり、「天地創造の神」である。あらゆる神々、あらゆる存在が生まれる始まりとなった神だからこそのオーソドックスさなのかもしれない。
太陽神ラーと同一視される事もあり、闇以外に何もなかった世界を最初に照らした「太陽の神」としての側面を持つ。

なお、この「エジプト9栄神」とは「ジョジョ世界」独自の概念であり、カードとしても表されている。我々の世界には存在しない概念ではあるが、タロット・カードの起源・源流と言われているようだ。
各々の神の番号や位置付け、役割などについては謎が多いものの、その名からして、エジプトを栄えさせた神々である事は間違いない。恐らく、この9柱の神々による創世神話が、(「ジョジョ世界」の)エジプトでは古代より語り継がれているのだろう。「精神世界の成長過程」を意味するタロット・カードの前身として、「エジプト9栄神」のカードは「物質世界の成り立ち」を意味しているのかもしれない。
また、タロット・カードと同様に、「エジプト9栄神」のカードを用いる占いやゲームも存在している可能性がある。その場合、カードの縦横が違うものも混在しているため、タロットとは異なるルールなのだろう。




<特徴>
@スタンドが発現した経緯は不明。しかし、生まれついてのスタンド能力である可能性が高い。


A体中にハートマークがあしらわれた、細身の人型ヴィジョンを持つ近距離型スタンド
両頬には、本体:「ダービー(弟)」ことテレンス・T・ダービーのイニシャル「T」「D」の文字が書かれている。両眼は真ん丸い。また、顎と首とを繋ぐ2本のチューブも特徴的である。


B兄:ダニエル・J・ダービーのスタンド『オシリス神』同様、「魂」に干渉する能力と本体のゲーマー精神ゆえ、物質に対する干渉力は非常に弱い。
ただし、TVゲームのコントローラーを正確に操作できる程度のパワーと精密さはあるようだ。




<能力>
「魂」を物質に宿す能力



@生物の「魂」を物質に宿す能力を持つ。
――万物を生み出した神の名に相応しい、まさに「生」を象徴する能力である。


A生物の「魂」というものは、自分の「敗北」を認めた時、そのエネルギーが限りなくゼロに近くなる。それゆえ、「魂」と「肉体」の結び付きも弱くなってしまう。
その瞬間を狙って、『アトゥム神』は相手の「魂」を掴むのだ。そしてその手は、掴んだ「魂」を別の物質の中に押し込め、宿らせてしまうのである。


B「魂」を奪われた者の「肉体」は仮死状態になり、長時間そのままにしておくと、本当に死んでしまう。また、もし本体:ダービー(弟)自身が死んでしまうと、彼が所有している「魂」も全て「あの世」に行ってしまう。
「魂」を奪われた者を復活させるためには、なるべく早くダービー(弟)に「敗北」を認めさせ、奪われた「魂」を取り戻す以外にないのだ。
ただし、「肉体」が完全に死んでしまうと、たとえ「魂」を取り戻せても「あの世」に行かざるを得なくなってしまう。


C作中では、ダービー(弟)は標的とTVゲームで勝負し、負けた者の「魂」を奪ってお手製の人形に宿らせてしまった。
『オシリス神』との最大の違いは、「魂」が人形の中で生きている点にある。「魂」を物言わぬチップに変え、ただコレクションしていただけの兄とは異なり、ダービー(弟)は意志ある人形とコミュニケーションを取る事が出来るのだ。
つまり、「肉体」を失った「魂」に、新たな「肉体」を与える能力と言えよう。


Dただし、人形は自由に行動する事は出来ず、目や口を動かす程度がせいぜいらしい。しかも、どうやらダービー(弟)以外の存在を認識できないようで、人形同士がコミュニケーションを取る事はない。
ダービー(弟)は、人形にとって唯一無二の「創造主」であり、暗闇の中の一条の「光」となるのである。そのため、人形は孤独の中でダービー(弟)を求めてうめき続け、ダービー(弟)との会話に至上の幸福と安らぎを感じるのだ。


Eまた、「敗北」までは認めずとも、エネルギーが弱まった「魂」に触れる事も出来る。その時、触れた「魂」に自身の手を食い込ませて切り離せる。切り離した手も操作可能で、そのまま「魂」を直接攻撃する事も出来るのだ。
「肉体」としっかり結び付いた「魂」は、「スタンド」に近い存在である。「魂」がダメージを受けると、「肉体」も同じ部分が傷付くのだ。とは言え、『アトゥム神』は格闘を得意とはしないスタンド。この能力はもっぱら、標的を自分のペースに巻き込むための「脅し」や「交渉材料」として利用される。


Fこの能力は兄のスタンド『オシリス神』同様、「約束」「公約」「契約」が密接に関わってくる。
ダービー(弟)は、自身との勝負に「魂」を賭ける事を、相手に承諾・宣言させた上で勝負を開始する。能力のルール的には必要不可欠な手順ではないが……、相手にも明言させる事で公正性が確保され、能力のパワーが(相対的にも絶対的にも)増すのだろう。後ろめたさのない正々堂々たる精神には、より強い力が宿るものである。


G恐らくは、その場にいない者の「魂」さえも賭けの対象に出来、勝った時には奪う事が出来るものと思われる。その場合はやはり、勝負相手の「証明」が必要となるだろう。


H「約束」「公約」「契約」を通じた場合に限って、能力射程に限界はなくなる。
「魂」を奪う相手がどんなに遠くにいようと、どんな場所に隠れていようと、『アトゥム神』は勝負相手との「約束」を辿って、一瞬のうちに現れるのだ。しかし、いきなりその者の「魂」を奪う事は出来ず、まずは事の成り行きや経緯を説明しなければならない。そうして勝負相手の「敗北」を理解させ、認めさせ、初めてその者の「魂」を奪えるのである。
そして、ただ「約束」に従って「魂」を奪うだけだからこそ、逆に相手からの攻撃も一切通用しない。そういう意味において、『マリリン・マンソン』に非常に近い能力と言える。


I前述の通り、アトゥム神は太陽神ラーと同一視される神でもある。『アトゥム神』のスタンド・ヴィジョンには、そんな古代エジプトの歴史的・文化的背景と、「魂」に干渉する能力とが融合したかのような、もう1つの性質が宿っている。それは「太陽」を象徴する能力、とも言えるであろう。
『アトゥム神』の両眼は、それこそ「太陽」のように真ん丸く、人の眼には見えない「心」の闇を照らし出してしまうのだ。『アトゥム神』は生物の姿を普通に見る事は出来ないが、代わりに「魂」の状態を視る事が出来るのである。その視界はまるで「光子暗視装置」か「サーモグラフィー」のようだ。しかし、それでも明確に詳細に「魂」を読み取る事は不可能。投げ掛けた「質問」に対する「魂」の変化を捉え、「YES」「NO」かを判断する程度である。
つまりは、制限付きの読心術なのだ。どんな聖人であろうと詐欺師であろうと、己の「魂」に嘘をつく事は出来ないため、それだけでも充分にアドバンテージを保てるだろう。


J「魂」の状態を視る力は、厳密に言えば「能力」ではない。
「魂」に深く関わる能力を持つからこそ、『アトゥム神』は通常のスタンドと比べて、本体の「魂」のより深い部分から生まれたスタンドなのだろう。そのため、自身と近い存在である他者の「魂」が視えるのだ。生ける屍と化したブローノ・ブチャラティが、「魂」の形だけを見、「魂」の音だけを聞いていたのと似た原理と言えよう。
あくまでこれは、望遠鏡顔負けの『スタープラチナ』の視力などと同様、スタンド・ヴィジョンが持つ性能・性質の1つなのである。




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