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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。
原作の設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




ボール・ブレイカー / 本体: ジャイロ・ツェペリ
                      (本名: ユリウス・カエサル・ツェペリ)
< 物質を「老朽」化させる能力 >





<特徴>
@「技術」は極めると「能力」にさえなり得る。ツェペリ一族に受け継がれる「黄金の回転」の技術を、ついにジャイロ・ツェペリは極めた。
遠い伝承の中でのみ残されていた「騎兵の回転」を再現し、マスターした時、ジャイロの「技術」は究極に達する。その凄まじき回転エネルギーは、ハッキリとした形を持って現れ、スタンドの領域に到った。それが、この『ボール・ブレイカー』である。


Aスタンドのヴィジョンは、非常に小柄な人型。本体:ジャイロ・ツェペリの使う鉄球よりも、やや大きい程度のサイズである。
鉄球を彷彿させる「円」と、恐らくは「黄金長方形」であろう四角いパネルのようなもので、全身が覆われている。頭部を囲んだ、一際大きな円形の冠らしきものが特徴的。




<能力>
物質を「老朽」化させる能力



@「騎兵の回転」とは馬のパワーを加えた「黄金の回転」で、当然、馬に乗った時にのみ発生するエネルギーである。詳しい原理や理論は不明だが、どうやらその特殊な「回転」によって「重力」を生み出せるらしい。
「回転」と「重力」を結び付けるとすれば、考えられるのは「遠心力」。特殊な「回転」が特殊な「遠心力」を発生させ、それが「重力」を生み出している……という事なのだろうか?


A「重力」がどのように作用しているのかも謎だが、スタンドが触れた物質を「老朽」化させる効果があるようだ。
作中では、ファニー・ヴァレンタイン大統領の肉体が老い、耳が朽ちて落ちても気付かない程であった。物質に働く「重力」に干渉し、その「重力」を打ち消してしまったのかもしれない。大統領が大統領でいられるのは、「重力」が彼の存在を形作り、保っているからである。「騎兵の回転」の「重力」が、それを打ち消してしまい、大統領の肉体の細胞同士の繋がり等が急激に弱まったため、まるで年老いたかのように見えたのだ。物質に働く「重力」の方向を狂わせ、その物質を裏返してしまう『C-MOON』によく似た力と言えよう。
あるいは、発生した「重力」により、対象の「時間」が急速に進められてしまった可能性もある。「重力」と「時間」には密接な関係があるとも言われており、「時間」を歪めてしまう程の「重力」が生み出されているのかもしれない。この場合、『メイド・イン・ヘブン』に近い力と言える。
いずれにせよ、全てにおいて謎の多い現象である。


B次元を超えるファニー・ヴァレンタイン大統領のスタンド『D4C (Dirty Deeds Done Dirt Cheap)』は、自身の存在を保つために「重力」も同時に次元移動させている。いや、絶対にそうせざるを得ない。
「騎兵の回転」で生じるエネルギー体は「重力」の具現とも言え、よって、『D4C』の「次元の壁」を超える事が許された唯一の存在でもあるのだ。『ボール・ブレイカー』自体に次元を超える力があるのではない。『D4C』の方が『ボール・ブレイカー』に対し、(『D4C』と一緒に)次元を超える許可を出してしまっているという理屈である。


C作中で描写された『ボール・ブレイカー』は、楕円球の鉄球による「回転」であったため、不完全な能力しか発揮できていない。
もしも鉄球が真円であったならば、『D4C』の「次元の壁」を打ち砕く事さえ出来るらしい。その完全なる能力は、ジョニィ・ジョースターのスタンド『タスク ACT4』と同一だったのかもしれない。ヴィジョンも変化し、もっと大柄な姿になっていた可能性もある。真価は全て、未知に包まれたまま。


Dこの『ボール・ブレイカー』は、数あるスタンドの中でも非常に異質な存在といえる。
「能力」の域にまで達した「技術」は、――「料理」を極めた『パール・ジャム』然り、「エステ」と「占い」を極めた『シンデレラ』然り、「暗殺風水」を極めた『ドラゴンズ・ドリーム』然り―― 一度「スタンド」として発現してしまえば、あとは自由に操る事が可能になる。そして、元の「技術」を大きく超えた結果を生み出せるようになる。しかし「騎兵の回転」は、「優れた才能」と「自然への敬意」と「馬のエネルギー」が揃って初めて到れる極地。個人の力では決して辿り着けぬ領域なのである。
そのため、この『ボール・ブレイカー』は、普通のスタンドのようにいつでもどこでも発現できるという代物ではない。「技術」の極地にいる間だけ現れるエネルギー体なのだ。ジャイロ固有のスタンドというより、「騎兵の回転」により起こる「現象」の具現であり、その「現象」を起こす「原理」の具現でもある……と表現した方が正確であろう。かつて「騎兵の回転」を編み出したツェペリ一族の先祖も、ジャイロと同様に『ボール・ブレイカー』を発現させていたものと思われる。
そして、「超能力」の具現であるスタンド『グレイトフル・デッド』のように、特に理屈や理由もなく、老いさせているというワケではない。スタンドでありながらも、あくまで「技術」。いきなり「結果」が得られる「能力」ではなく、「結果」を得るための「過程」も不可欠な「技術」なのだ。




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