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DIOの大阪(せかい)
~ なにわ色の誕生 ~





その①


2018年、「ジョジョ」連載30周年の集大成となる史上空前の祭典「荒木飛呂彦原画展 JOJO - 冒険の波紋 -」(以下「ジョジョ展」と呼びます) が開催決定ッ!この原画展は東京と大阪で行われる運びとなり……、東京展は2018年8月24日(金)~10月1日(月)の期間、東京・六本木の「国立新美術館」にて開催。来場者14万人超というド盛況っぷりで、平成最後の夏は大いに熱く燃え上がりました。 (レポートはこちら
そして、大阪展は2018年11月25日(日)~2019年1月14日(月)の期間、大阪文化館・天保山にて開催される事に。荒木先生にとっても、大阪では初めての原画展です。しかも、東京と大阪とでは展示内容に一部変更があるらしく、そうとなったらもちろん行くっきゃありません。東京展では落選したプレビューデーのチケットも、今回はどうにかゲット!さらに、初日・初回のチケットも押さえました。万全の体制で挑みます。言うまでもなく、今回も1人旅です。


なお、この企画の詳細については、荒木先生の公式サイトと「ジョジョ展」の公式HPをご覧になってください。




その②


<2018年 11月24日(土)>
飛行機で大阪へと飛び、お昼には大阪駅に到着。観光は去年(2017年)1月の「ルーヴルNo.9」の時に済ませてるんで(詳しくはこちら)、今回は脇目もふらずに天保山に向かいます。
地下鉄を乗り継いで大阪港駅に着けば、そこからは徒歩で数分。天保山の隣には「海遊館」という水族館があり、多くの家族連れやカップル達で賑わっています。とっとと「ジョジョ展」に行っちゃいたいところではあるけれど、まず軽く食事。腹が減っては原画は観れぬ、と古来より言われていますから。さらに、邪魔な荷物をここのコインロッカーに預けさせていただきました。そうして準備が済んだら、今度こそいざ天保山へ。



海遊館の様子


あそこに見えるは


DIOの館!



天保山の壁面には、大阪展のキー・ビジュアルがデカデカと飾られていました。遠目でもよく映える。天保山はもはや完全にDIOの手に落ちております。
私が持ってるのは14時の回の入場チケットで、まだ14時前のため入場できません。そこで、写真に撮れるものは今のうちに撮っておきました。キー・ビジュアルの巨大垂れ幕、案内ポスター、そして館内に入ってすぐの所に立つDIO壁。自ずとテンションも上がってきます。……つーか、ここにも普通にコインロッカーありましたわ。
入場時間が近付くにつれ、人も徐々に増えてきました。毎度毎度思いますけど、ここにいる皆がジョジョファン・荒木ファンなのです。日本中から、いやさ、世界中からこの地に集った同士達。その事実だけで感慨深くなっちゃいます。



垂れ幕


ポスター


館内に入ると



DIO壁!





その③


その時はついに訪れました。館内に突入し、エスカレーターで上階へ上がると、「ジョジョ展」会場への入口。後ろを向けば、いつの間にやら大行列。さあ、いよいよ入場です!東京展に続き、今回の大阪展でももちろん荒木先生の音声ガイドを借りました。わずか550円で作者直々のコメントを聴きながら原画鑑賞できる贅沢ッ!

東京展と大阪展は、会場の規模も間取りもまったく違うので、展示内容もまた異なります。まずはざっと全貌を説明しときましょう。
オープニングを飾るのは、CHAPTER1「ジョジョクロニクル」。荒木先生のごあいさつや、各部の概要説明を通じて、「ジョジョ」30年の歴史を一気に振り返ります。CHAPTER2「宿命の星 因縁の血」では、各部の主人公とライバルが向き合い、それぞれの原画が展示されています。その奥のスペースは、CHAPTER3「ハイ・ヴォルテージ」。2・3・5・7部という素数部のクライマックス原画が楽しめます。大阪展と東京展のキー・ヴィジュアルもここに飾られていました。
続くCHAPTER4「スタンド使いはひかれ合う」では、スタンドにスポットを当てた原画達がズラリと集結。小谷元彦氏の彫刻作品「Morph(モルフ)」もここに展示されています。CHAPTER5「映像展示 AURA〈アウラ〉」で、ビジュアルデザインスタジオ「WOW」による映像作品を鑑賞した後は、階段を昇って上階へ。
CHAPTER6「ジョジョリロン」で、荒木先生の作品制作の裏側に迫ります。ファッションブランド「ANREALAGE」デザイナーの森永邦彦氏による、衣裳+マネキンの作品「WEAR THE POSING, WEAR THE STAND」を観終わると……、そこはCHAPTER7「JOJO's Design」。魅力たっぷりのカラー原画のコーナーです。そしてラストを飾るのが、この原画展最大の目玉ともなるCHAPTER8「裏切り者は常にいる」!12枚1組の巨大原画が、現実世界と作品世界の境界を打ち破ってくれます。
全ての展示を堪能した後は、エレベーターで下の階へ。グッズ売り場で思い思いのグッズを購入し、大満足で会場を出る……って寸法です。




全体的な感想から述べますと……、東京展よりだいぶコンパクトにはなっているものの、その分、余力を持ってじっくり1つ1つの絵を楽しむ事が出来ました。初お目見えの原画もいくつかあってメチャ嬉しかったです。東京・大阪、両方行ってこその今回の「ジョジョ展」なのだと、そう実感しました。トータルで評価しても、やっぱ最高ですね!
では、例によってここからは、箇条書きで細かな感想や出来事を書いていこうと思います。


この大阪展では、モノクロ原稿は東京展のままですが、なんとカラー原画は総取っ替え!これが1つの大きな見どころでもありました。
CHAPTER2「宿命の星 因縁の血」においては、2部:カーズの原画として、リミックス版の表紙イラストが展示。2部連載時ではなく2005年に描かれたもので、この絵の原画を目にするのは初めて。見た瞬間、すっごいテンション上がりましたね。2部リミックス版の表紙は3点存在し、エシディシ・ワムウ・カーズの「柱の男」達とジョセフが描かれています。「柱の男」の衣装が黒一色で表現され、逆に肌は必要最小限の箇所にしか色が塗られていないのが印象的。とりわけカーズは頭巾を被っているため、その「黒」の「白」のコントラストをより深く味わえる絵に仕上がっているのです。直に観ると、なおさら美人でした。



麗しのカーズ様



CHAPTER2「宿命の星 因縁の血」CHAPTER3「ハイ・ヴォルテージ」のゾーンは、最初の原画展示エリアだけあって、常に大行列。他の空いてるゾーンから観たところで、全部しっかり鑑賞しようとすれば、結局ここは並ばなければいけません。
ただ、6部以降は比較的空いており、嬉しいような腹立つような……。「ゆったり観れるぜラッキー」って気持ちと、「6部以降も読んでくれ!」「もっと注目しろって!」って気持ちのせめぎ合い(笑)。


勝手な印象を述べますと……、1部はベタの美しさが際立っている気がします。ゴシック・ホラーなテイストですし、画面そのものが黒く、原画で観るとベタが輝いているワケです。2部や、3部の『法皇の緑』の原画などは、ホワイトのほとばしりがスゴイ。「波紋」とか「エメラルドの飛沫」とか、そういうエネルギー描写でホワイトが使用される事が多い模様。3~5部あたりは、少年漫画として最も脂の乗っていた時期でしょう。荒木先生の成長と共に、作風は荒々しい熱さとスタイリッシュなクールさとが入り混じり、原稿も豪快さと精緻さとが融合していってる感じ。
6部にもなると、荒木先生が表現したいものに紙面の面積がいよいよ足りなくなり……、1枚絵というか、紙自体の大きさも大きくなってきていました。週刊誌から月刊誌に飛び出した7部「SBR」以降は、もはや漫画の域を超えています。映画のような画面、陰影による効果・表現、とにかく美麗です。


CHAPTER3からCHAPTER4に移動する途中には、何点かのカラー原画が展示されています。特筆すべきは8部「ジョジョリオン」最新19巻のカバーイラスト。当然、原画は初公開です。私は荒木先生関連のイベント時は、いつもコミックス最新巻を持って行ってるんで、原画とコミックスを見比べる事が出来ました。意外にも、コミックスの方が色が濃く鮮烈に写っています。微妙な色合いの妙を楽しむのなら、やはり原画に限りますね。荒木先生が我々読者に見せたい色はどっちの色なんだろう?
そして、6部のコミックス6巻のカバーイラスト。この絵はトップクラスに大好きな絵なので、また会えてめっちゃ嬉しい。徐倫の肌の質感というか、色の濃厚な塗り方が超イカしてるんですよ。徐倫の表情もスゴくセクシー。本当にいっくらでも観ていられます。



8部19巻


6部6巻



CHAPTER4「スタンド使いはひかれ合う」での、3部の展示。『魔術師の赤』と『銀の戦車』の背景に描かれたタロット・カード。よく見れば、ラッキーランド版タロットの下に、別の絵柄がうっすら透けて見えています。これは当初、市販されているタロットの絵柄をそのまんま使用しちゃったせいです。著作権的にマズくってトラブルが発生し、コミックスでは荒木先生オリジナル・デザインのラッキーランド版タロットが使われるようになりました。ここでは、その名残りを感じられます。
東京展の時はタロットよりも人物の絵とかの方にばかり意識が行ってて気付かなかったんですが、注目して見れば一目瞭然。



魔術師の赤


銀の戦車



原画とは無関係の部分についても少々。まず、大阪展では東京展にあった計12点の巨大パネルがありません。よって、今回は撮影OKのポイントは一切無し。己の瞳と心にのみ、しかと絵を焼き付けてください。CHAPTER4に飾られているスタンド使い達のパネルは、羽先生と密葉さんも追加されてないかな~と期待してたんですが、特にそんな事はありませんでした。
そして、彫刻作品「Morph(モルフ)」。東京とはかなり展示スタイルが変わっており、印象もだいぶ違いました。複数の彫刻の集合作品ですんで、会場ごとに異なる表情を見せてくれます。


CHAPTER6「ジョジョリロン」では、羽先生と密葉さんの身上調査書が展示されています。改めて見てみると、羽先生の「特技・ワザ・能力」の項目にちゃんと「ドクター・ウー」って書いていたんですね~。東京展の時はスタンド名とは思ってなかったから、普通にスルーしちゃってたな(汗)。


CHAPTER7「JOJO's Design」は特に見どころ満載!カラー原画のコーナーで、東京展から総取っ替えのため、完全に別物になっています。
個人的に最高だったのは、何を置いても「UOMO」10月号(2018年)の表紙を飾ったブチャラティの絵ですね。当然、初お目見え。背景色が雑誌とは違うからイメージも大きく変わっているし、絵の上部にジッパーの引き手が描かれている事も判明。ブランドとのコラボは、やっぱりそのブランドの看板も一緒に背負うワケだから、いつも以上に繊細に美麗に描かれています。服の質感が出てるし、先生こだわりのブチャラティの肘も立体感がありました。この絵が観られただけでも大阪まで来た甲斐があったってもんです。
6部コミックス最終17巻のカバーイラストも素晴らしかった。この絵も実物が観られる機会って、ほとんど無かったよね?下手すりゃ、これも初めてかも?この絵はコミックス63巻(5部最終巻)のカバーイラスト同様、「生」と「死」が同時に感じられて静粛な心持ちにさせられるんですよ。全体の赤紫色も、そして徐倫の視線やバックの満月も、思わず目を奪われるような美しさがありました。
それと、「ジョジョリオン」4巻のカバーイラスト。改めて観ると、この絵もめちゃくちゃキレイ。どこか不思議な夢の世界を思わせる構図と色合いですけど、角度を変えながら観てみると、なんかあちこちがキラキラと煌めいてるんですよ。そういう塗料を使っているのか何なのか、いずれにせよ、幻想的な1枚です。



UOMO


6部17巻


8部4巻



CHAPTER8「裏切り者は常にいる」では、12枚の大型原画の他に、なんと「ジョジョリオン」18巻のカバーイラストとウルジャン8月号(2018年)の表紙イラストまで展示!
何故かと言えば、この2枚も大型原画「裏切り者は常にいる」の連作的な絵だからです。背景の描写や色を見れば、一発で分かるでしょう。この2枚を大型原画に取り掛かる前の試作品として描いたのか、あるいは大型原画を描いた後の余韻で生まれた作品なのか、はたまた同時進行的に描かれたのかは不明ですが……、なかなか粋な計らいじゃありませんか。他の人達はすぐに大型原画の方へ流れて行っちゃうもんだから、その分、私はじっくりと堪能させていただきました。この2枚の絵、すっげー好きなんですよ。



8部18巻


ウルジャン



大型原画「裏切り者は常にいる」は、東京展とはライトアップの仕方が異なり、絵がより鮮明に暗闇から浮かび上がって感じられました。しかも、東京展よりも近い距離で鑑賞できたので、存在感もマシマシ!……ただ、それぞれの絵の間に隙間が空きすぎなのは残念でした。せっかく12枚1組の絵なんだから、ピッタリくっ付けて展示してほしかったですね。とは言え、展示スペースを有効にいっぱいに使おうとすると、ああなってしまうのかもしれませんが。
まぁ、それはともかく、やっぱりこの大型原画は格別です。このエリアだけは、世界の境界が溶け合った奇妙な空間。再訪できて良かった。1つ1つの絵から筆遣いや息遣いが伝わって来るかのようで、陶酔しちゃいますね。いつまででもここに居たい気持ちになります。


客層としては、今回は比較的若い人が多い印象でした。男女比で見ても、女性の方が多かったかも。もちろん、行くタイミングによって全然変わってくるんでしょうけど、新しい世代のファンがどんどん増えてくれる事は単純に喜ばしいです。
プレビューデーだからなのか、大阪だからなのか、東京展よりは空いていて鑑賞もスムーズでした。会場の大きさや展示原画の数こそ劣るものの、大阪展ならではの色や味わいがあり、存分に楽しめます。東京展に行かれた方にもぜひ行ってみてほしい。


グッズ売り場は、東京展のような注文用紙(シート)方式ではなく、スーパーのような陳列方式になっています。直に手に取って見て、欲しい商品をカゴに入れて会計。混雑や品切れを心配しましたが、実際は特にそういった問題も感じる事なく、すんなりグッズをゲット!
私が購入したのは、まず大阪展のキー・ビジュアルの複製原画!大阪展の図録!これらは絶対外せません。そして、大阪展限定の「裏切り者は常にいる」のアクリルジオラマと12連レターセットも忘れずに。あとは、1~8部のポストカードや、缶バッジなんかも買っておきました。うん、満足です。



買ったグッズ





―― とりあえず前編はここまで。大阪から帰って来てからというもの、風邪ひいたり身内に不幸があったり仕事が立て込んだりで、なかなかまとまった時間が取れず、かなり時間が経っての更新となってしまいました。後編は早々に書き上げたいと思います。




(2019年1月4日)




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