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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。
原作の設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




カリフォルニア・キング・ベッド / 本体: 東方 大弥
< 「記憶」を奪う能力 >





<特徴>
@本体:東方 大弥(ひがしかた だいや)が、まだ幼い頃に目醒めた能力。彼女の住む家は、後に「壁の目」と呼ばれる場所の間近に建っていた。彼女は2〜3歳の頃、その場所で転んだ事でスタンド能力を発現させたのである。
「壁の目」とスタンド能力の因果関係は明らかになっていないが、「壁の目」の未知なるエネルギーに影響を受けたものと推測される。
(なお、この能力を得たのと同時期に、彼女は視力をほとんど失っている。)


A『カリフォルニア・キング・ベッド』は、頭部・胴体部・両手両足の計6つのパーツが細いロープで結ばれている、独特なヴィジョンのスタンド。
頭部以外のパーツにも、それぞれ小さな可愛らしい顔が付いており、オモチャのような印象も受ける。


B物理的なパワーは無いに等しいが、しかし、その能力は厄介この上ない。
加えて、発動条件や弱点などのルールをあえて大弥自らが明かす事で生まれる、負い目や引け目のない公正で堂々たる精神が、スタンドのエネルギーをより強固なものにしている。


C大弥は自らのスタンドを、『カリフォルニア・キング・ベッドちゃん』と呼んでいる。




<能力>
他者の「記憶」を奪う能力



@このスタンド『カリフォルニア・キング・ベッド』は、視力を失った本体:東方 大弥の心理を大きく反映させた能力になっている。
目が見えないせいで不公平な扱いを受ける事や、他人に不自然な言動を取られる事を、彼女は嫌う。その不公平さ・不自然さは、彼女の心を不快にさせ、要らぬ負担を掛け、傷付ける結果となる。そんな風に「彼女に気を遣わせてはならない」、それが絶対のルール。このルールを破ったと彼女が認識すると、ルール違反者に対し、この能力は発動するのだ。


Aルール違反者は、大切な「記憶」を、違反1回につき1つ奪われる事となる。
「記憶」はチェスの「駒」のような形となって、ルール違反者の体内から吐き出される。当然、奪われた「記憶」は、完全に忘れ去ってしまう。大弥は「駒」に触れる事で、その「記憶」を見る(感じ取る)事が出来るらしい。彼女にとって、これは「思い出」の共有であり、真の「幸せ」なのだ。彼女はそうして、いろんな人からいろんな「記憶」を「貰って」、コレクションしている。
ちなみに、「駒」の中央部には球体があり、奪われた「記憶」を象徴する映像がその中に浮かんでいる。


B奪われた「記憶」を取り戻すには、また別の条件が存在する。自分の「影」を、大弥に踏ませなければならないのだ。
しかも、ほんの一瞬ではなく、恐らく数秒程度は踏ませ続ける必要がある。すると、「駒」が砕け散り、奪われた「記憶」が戻って行く。これ以外の方法で「記憶」を取り戻す事は不可能。もし「駒」を強引に破壊してしまうと、その「記憶」は永遠に消滅する。あくまで正攻法で挑むしかないのだ。
ただし、大弥は視力がない代わりに、視力以外の感覚が異常に鋭敏になっている模様。目に頼らずとも、モノのある場所を把握し、人の行動を読み、出来る「影」の位置を完璧に推測できる。並大抵の手段では、「記憶」を取り戻す事など出来ないだろう。


C「ジョジョ世界」におけるというものには、その者の魂がごくごく僅かながら投影されているらしい。
とは言え……、それは通常、たとえ影に何をされようと、その者には何の影響も無い程に微弱でか細い繋がりに過ぎない。しかし、逆に言えば完全に無警戒・無防備な箇所であり、その隠れた急所を突ける能力を持つスタンドも稀に存在する。(例:『セト神』『ブラック・サバス』『マリリン・マンソン』等)
『カリフォルニア・キング・ベッド』も、ルール違反者の「影」と大弥が重なり合い、そのか細い繋がり同士が結ばれるからこそ、奪い取った「記憶」がそこから逆流して持ち主の元へと還って行くのだろう。


D大弥が奪う「駒」は、その本人の「記憶」のみならず、生命エネルギーをもまとめて形にしたものであるようだ。それとも、「記憶」それ自体が、生命エネルギーの一種なのか。いずれにせよ、複数の「記憶」を奪われた者は生命エネルギーも失われ、全身の力が弱まってしまう。
また、「駒」を傷付けると、その「記憶」の持ち主の肉体も僅かながら傷付いてしまう。スタンドと本体の関係性に近い。


E作中で最初に東方定助が「記憶」を奪われる直前、大弥の左太ももは、何故か大きなダメージを負った。それはまるで爆破されたかのようにえぐれ、焼けた傷。骨まで見える程の大ケガだった。ところが、いつの間にかその傷は消えてしまっており、定助も大混乱。この現象の正体は謎だが、これもまた、大弥の心理を反映させたものと思われる。
大弥は、「不自然さ」とは人間関係を壊す「地雷」、と捉えている。つまり、不自然な言動を取られた彼女の心は、「地雷」で爆破されたかの如く傷付くという事である。自分がいかに傷付いたのかを、ルール違反者に思い知らせるため、彼女の心のイメージを見せているのかもしれない。「もう彼女を傷付けるようなマネはしたくない」と思ってもらうための、過剰な自己アピールという事。
もしくは……、負傷した大弥を定助が抱きかかえた途端、曖昧だったマークに関する「記憶」がハッキリ思い出されていた。あやふやなままの「記憶」では、「駒」という明確な形を与えられないのかもしれない。とすれば、大弥がルール違反者に直接触れる事で、そのあやふやだった「記憶」が引き出されるものと考えられる。つまり、謎の負傷は、自分に触れてもらうための罠でありエサという事。


Fヴィジョンといい、能力といい……、大弥の無邪気さ、残酷さ、複雑さ、不安定さといった、様々な「矛盾」や「ジレンマ」を内包した未成熟な心が顕れたスタンドと言えよう。
そもそも、『カリフォルニア・キング・ベッド』の能力と、大弥の「目が見えない」事とは、実は密接な関係がある。母親がいない境遇やその母の罪に対する周囲の気遣いを、幼い大弥は(内容までは理解できずとも)人一倍敏感に感じ取っていた。そして、深く傷付いてしまっていた。そして彼女は心を閉ざし、他人を見ようとしなくなった。それが形となって表に現れたのが「視力の低下」だったのだ。「目が見えない」事で特別扱いして彼女に気を遣わせてしまった者が、記憶を奪われる能力になった。言い方を変えれば、彼女の視力の弱さは、あくまでスタンド能力の一環なのである。
しかし、もう一方では、他人との関わりを求めてもいた。他人の「記憶」を奪い取るのは、その寂しい心を埋めるためである。それが「思い出」の共有であり、自分の「幸せ」と思い込んでいた。
だが、定助という「他人」との出会いと生活を通じて、彼女の心は健全な方向に成長していく。心を開き、他人を見ようとし始めたのだ。それに伴って、視力も徐々に回復。その分、気を遣われる事も遣う事も減り、スタンド能力としてはむしろ弱体化してしまったが、人間としては強くなったのだった。




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