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ジョジョの奇妙な冒険
クレイジー・D(ダイヤモンド)の悪霊的失恋





「ウルトラジャンプ」1月号(2022年)より連載が開始された、「ジョジョ」第4部のスピンオフ作品です。
原作は上遠野浩平氏、作画はカラスマタスク氏。上遠野氏はご存じ「恥知らずのパープルヘイズ」の作者さん、カラスマ氏は漫画「ノー・ガンズ・ライフ」の作者さんであります。
「ジョジョリオン」と「JOJOLANDS(仮)」の空白期間を埋めるかのように、まさかの連載と相成りました。果たして何回の連載なのかは分かりませんが、これから毎月の楽しみになっていってくれる事を期待しています。それでは、以下、各話の簡単な感想です。




#8

うん、なかなかイイ感じですよ。やっとこストーリーが進んで、面白みも出て来ました。
やはり清原は三下野郎に過ぎず、ペットサウンズも生きていましたね。どうやら仮頼谷が黒幕っぽい。まぁ、露骨に怪しかったですからねぇ。名前の響きや美しい見た目、豹変する性格などから推測するに、マライアの親戚ってトコかな。リョンリョンが花京院の従妹なので、彼はマライアの従弟なのかも。マライアの血縁が日本人と結婚し、産まれたのが仮頼谷 一樹。それなら、エジプトとも日本とも繋がりがあって当然。スタンドという能力の存在を知り、ペットサウンズに辿り着けたのも不自然ではありません。彼自身にもスタンドが発現しそうだし、盛り上がっていきそうな期待が芽生えますよ。

良平じいちゃんの温かい人柄は、まさにこの作品のオアシス。彼の純粋な応援により、内気でネガティブなボインゴの心にもちょっぴり変化が起こりました。ボインゴだって、今の自分のままでいたくないワケですからね。ずっと欲しかった「変わるキッカケ」を、良平じいちゃんがくれたようで良かったです。……あと、みんなが集まってた場所って杜王グランドホテルなんでしょうけど、明らかに仙台の江陽グランドホテルを意識したビジュアルですよね?2017年の「ジョジョフェス」の時に行ってたから、すぐにピンと来ましたよ(笑)。
そして、『トト神』を持っている事が仗助にバレちゃったリョンリョン。ここで花京院が「肉の芽」にやられるシーンが、リョンリョン視点で描かれます。花京院の死を告げられるシーンも相まって、かなり切ない気分に。花京院推しの人は耐えられるのかな?どうやらDIOは、彼を手下にするために色々と小細工を仕掛けて、エジプトまでおびき寄せていた模様。よっぽど手に入れたい人材だったんでしょう。ただ、手下になってポーズを決める花京院が、なんかノリノリで笑った。ともかく、リョンリョンの悲痛な告白を聞いて、仗助もきっと手助けしてくれるはず。


あと、作画的な事を少々言わせていただくと……、リョンリョンが仗助から逃げ出す際、雨がポツポツと降り始めるコマをちゃんと描いてほしかったですね。たぶん荒木先生なら、丸コマでも何でも使って、そういうシーンは必ず描くと思うんですよ。でないと、雨なのか効果線なのか分かりにくくなっちゃいますから。
でも、カラスマ氏もけっこう描き慣れてきたのか、以前より「ジョジョ」っぽさが増しているような気がします。仗助の表情とか、それっぽく感じる事が多くなった。グッドです。

(2022年8月19日)




#7

今回は今までで一番面白かったと言いますか、「ジョジョ」っぽさを感じられた回でした。オウムも敵もブッ倒して、スカッと終了ッ!
ただ……、やっぱこれで終わりじゃないですよね?ペットサウンズも羽根を撃ち落されただけで、死んだワケではなさそう。それどころか、あのオウムは実はペットサウンズじゃないのかもしれませんし。黒幕にしたって、あの清原幸司みたいな小物ではないっしょ。黒幕に利用されてただけの三下ってトコかな。でも、ストーリーに一区切りが付いたのは良かったです。
ペットサウンズのスタンド能力から逃れるには、強い意志と感情が必要な様子。ホル・ホースも、DIOという圧倒的恐怖を糧にして、見事に窮地を切り抜けました。まだ過去を乗り超えたワケじゃありませんけど、あの過去のおかげで恐怖に対する耐性は付いています。忌まわしい過去を逆に利用するだけのタフさがあるのです。そして、エジプトの婆さんとの約束を破り、オウムを撃ち抜くホル・ホースがカッコ良かった。女性にウソはつくし、平気で利用もするけれど、決して傷付けたりはしない男。約束を破って婆さんを傷付けてしまう事に、ちょっぴりセンチになっちゃうのでした。

さて、リョンリョンの方はどうしているのかな?導火線探しは順調なんでしょうか?そこに火を点けたらどうなるのか?気になるところです。
ペットサウンズや黒幕絡みでもさらなる展開が待っているはずですし、徐々に面白みが出て来た感じですね。

(2022年7月19日)




#6

私は未だにペットサウンズの能力を把握し切れてなかったなぁ。『ホワイトスネイク』の「DISC」のように、あの「楽譜」をターゲット個人に直接挿し込んで、スタンド能力の支配下に置く。それだけじゃなく、恐らくペットサウンズのスタンドが「楽譜」を再生し、「記録」されていた音声が出る。それを聞いた者が能力に支配される。……という別の発動方法もあるんでしょう。
で、その音声を聞かせる相手というか範囲というか、そういうのは「再生」する「記録」の内容次第なんだろうな。今回の「暴動鎮圧」のような大勢が関わった「記録」なら、多くの人々に広く聞かせる事が出来る。逆に、「DIOに血を捧げる女達」のような特定の人物だけが関わった「記録」は、その音声も狙った人物にのみ聞こえる。また、深く心に刻まれている相手の声は聞こえやすい、みたいなルールもありそう。平岡警部が「DIOに脅される上院議員」の「楽譜」を挿し込まれた際、DIOの声がホル・ホースにまで届いたのはそのせい。(ただ、その場合は能力の支配下に置かれるワケではない。) 今のところはそう解釈しておきます。
能力の解除条件としましては、やはり「再生」された出来事とかけ離れた感情がカギになってる気がします。今回の仗助を見た限り、能力の支配下に置かれた者は、その「再現」された人物の感情・感覚をも植え付けられてしまう模様。仗助も、ヘリに追われる民衆が抱いた「強い恐怖」を植え付けられていました。しかし、ボウガンに撃たれた少年を目にして、その恐怖を超えるほどの「強い怒り」を覚えたワケです。だからこそ能力から解放された、と考えて、まず間違いないと思います。この物語のテーマにもなっていそうな「過去を乗り超える心の強さ」を、ストレートに表現できますしね。

カラスマ氏の絵の見せ方も巧いです。最初、仗助とホル・ホースはどっかの道端でダベッてると思いましたが……、仗助が缶を捨てる時に引きの絵になって、ここが地下通路である事が分かるようになっていました。会話の流れに沿って、絵も流れているのが自然で良いですね。そして、ペットサウンズの能力に侵された2人が背中を合わせて周囲を警戒するコマ。本当は真っ直ぐな一本道を、特殊レンズで見ているような丸く歪んだ構図で描いていて、絵的な面白さと状況の不穏さを同時に描写できていました。
狭い地下通路でヘリに襲われるという、あり得ないヤバいシチュエーションも、いかにも「ジョジョ」っぽくてワクワクします。しかも、ちゃんとアフリカ・エジプト由来の「記録」である理由付けもあるので、唐突なようでいて説得力がありました。


黒幕さんもいよいよ積極的に襲って来て、ストーリーもようやくちょっと盛り上がり始めたかな。敵の正体と目的が判明して、それに対峙する仗助達がどう反応し、変化していくのかが楽しみ。でも、まだまだ引っ張りそうな予感もするのよね。逃げられるとか、あれは黒幕さんの「記録」を「再現」させられただけの一般人でしたとか。
絶賛ウジウジ中のボインゴも、今後どう絡んでくるのか気になるところ。「ジョジョ」本編では成長しそうで出来なかったので、今こそ本当の意味で「大人」に成長してほしい。

(2022年6月18日)




#5

なるほど、ず~っと気になっていた仗助のトゲトゲしさの理由が判明しましたね。これはある意味、花京院に近い心境かも。スタンドという他人とは異なる力を持つがゆえの孤独。花京院はそれを内に向けて、仗助は外に向けた。それだけの違いで、本質的には一緒だったのでしょう。スタンドも含めての「自分」なのに、誰にも理解してもらえない。見てもらう事すら叶わない。他人から、社会から、世界から、真に受け入れてもらえる事がない。おっさんの私的には「そんなスゴい能力持ってんだからどーでも良くね?」って思う気持ちも正直ありますけど、こればっかりは当人にしか分からん悩みよね。多感な年頃だしね。
幼少の頃から抱えてきた暗い感情が、仗助をイライラピリピリさせていたようです。……それなのに今日、同じ異能を持つホル・ホースに出会った。さらに、なんとオウムまでその力を持っている。今まで自分が悩んでいたのは何だったんだ?と、バカバカしくなって拍子抜けしたおかげか、ようやっと我々がよく知る仗助の姿に近付いてきたなって印象。ホル・ホースから自分の能力を頼りにされ、すっかり得意満面(笑)。仗助の性格の違和感が、上遠野氏の意図したものであった事が分かって安心しました。
ラッシュがひらがなで「どららら」なのも、どうせ治すんだから殴ってもいいっしょなノリも、初期仗助っぽさが感じられて良いです。

一方、リョンリョンはと言うと、ホル・ホースがDIOの事を知っていると分かって、次なる行動に出ます。『トト神』の予言によれば、導火線を見付けて火を点けろ、と。こいつは比喩とかじゃなく、文字通りの導火線なんだろうな。急に物騒な話になってきた(笑)。でも、そうすりゃ花京院の死の真相に辿り着けるみたい。そこで3人が1つになって、オウムを利用するヤツに立ち向かう形になっていくんでしょうか?仗助が花京院に通じる孤独を持っている事も、リョンリョンとの関係性に何かしら繋がってきそうな予感。
今のところ、ストーリー全体のどの辺まで進んでいるのか謎ですが、ついに本格的に動き始めてきた気がします。これからどんどん盛り上がってほしいですね!

(2022年4月19日)




#4

オウムのスタンド能力に支配されたホル・ホース。予想に反し、なんか過去の事を思い出してたら解除されました。
……え、どゆこと?ホル・ホースとボインゴはどうやら、花京院の放った最期のエメラルド・スプラッシュを目撃していたらしい。夜空に煌めく緑色の星々。カラーで見たら最高に美しい光景でしょうね。でも、それと能力の解除とどういう関係があるんだろ?「再現」されている出来事とはかけ離れた感情を抱けば、能力の効果が弱まるとか?ホル・ホースがDIOを撃とうとした時は「野心」や「恐怖」の感情が強かったはずですが、エメラルド・スプラッシュを見た時の気持ちは、それとはまったく異なるものだったのかもしれません。ただ、その美しさに見とれて、無心になっていたのかもしれません。そういうのが影響した……のかな?
ホル・ホースが推測したところによれば……、オウムの能力は「過去の声」を聞かせ、その時の行動を「再現」させるというもの。なるほど、オウムだから「声」がキッカケってのは納得です。そして、この能力はやはり複数人に同時に使う事が可能でした。今度はDIOに血を捧げた女達の「声」から、町の女性達が操られてしまった。周りの者達や自分自身を刃物で襲い、血を出させようとして来ます。「皇帝」の天敵は「女」。女性を攻撃できないホル・ホースは、まんまと腹部を刺されて大ピンチです。

そして、その様子を隠れて見ている人物の影。オウムを手懐けてるようなので、こいつが黒幕っぽい。黒幕さんが呼んだオウムの名前は「ペットサウンズ」。「ザ・ビーチ・ボーイズ」のアルバム「ペット・サウンズ」が元ネタですね。ペット・ショップの兄弟分として、オウムの名前として、申し分ないネーミング!
で、この黒幕さん、何者なんでしょか?上遠野氏の事だから、絶対に本編のキャラと何かしらの深い関係があるに違いない。でも、スタンドの事はほとんど知らない感じです。……私なりに考えた結論!黒幕さんの正体は、なんとワンチェンの子孫なのですッ!実はワンチェンにも家族はいたんです。しかし、稼ぎ頭のワンチェンが「屍生人」にされちゃったせいで、一家は「食屍鬼街(オウガーストリート)」の中でも最貧層に堕ちてしまいました。その子孫である黒幕さんは、「占い」の超天才。先祖の人生を狂わせたDIOという男の存在を知り、そこからスタンド能力やペットサウンズの事を知り、そして運命の地「杜王町」へと訪れたワケですよ。先祖から続く因縁にケリを付け、全てを利用し、人生に逆転勝利するために!!…………うん、無いか。

(2022年3月21日)




#3

う~~ん……、楽しんで読んでいる方々には申し訳ないんですが、私個人はあんま楽しめてないですねぇ。つまらないってワケじゃないけど、正直「面白い」とも全然思えてません。
元々この作品は、上遠野氏が何年も前から執筆していたようですし、本来なら「小説」という形態だったんでしょう。完成品をドンッと出せる小説とは違い、これは毎月1話ずつ進めていく連載漫画ですからね。連載漫画は1話ごとにヤマ場を作って盛り上げていかなきゃならんのに、今作は小説を単にブツ切りにして漫画にしただけっぽく感じてしまいます。そのせいか、ストーリーが淡々としてて今イチ盛り上がらない。そもそも花京院の死の真相なんて、読者はとっくに知ってるんだから、それを今さら追われたところで何の新鮮味もありません。オウムも結局、ペット・ショップの亜種に過ぎないんでしょうし。過去キャラさえ出てれば楽しめるというほど純真じゃないので、やっぱ今までとは違うものを、新しい何かを、見せてほしいです。
そして何より、キャラクターが好きになれないのがデカいですね。この第3話までの印象ではありますが……、ホル・ホースはともかくとして、涼子ちゃんは辛気臭いし、仗助はいちいちガラが悪いしで、見ててストレスが溜まってしまう。仗助があえて意図的に涼子ちゃんを怒らせてリラックスさせようとしてたらしい描写でしたけど、「ホントか?」って疑ってしまうよ。予想外にビンタされたもんだから、慌ててそういう事にしようと取り繕ってない?(笑) まぁ、これからだんだん打ち解けていって、イイ感じに落ち着いてくれるといいなと思います。


さて、第3話を個別に見ていきますと、良平じいちゃんが登場しました。相変わらずお人好しで、この人には素直に好感が持てます。端正な顔立ちの「仮頼谷 (からいや)」という警官もいましたが、名前が「マライア」に似てるのは理由があるのかな?何か裏がありそうな気がします。
ずっと行方不明だったボインゴは、普通に交番で保護されていました(笑)。『トト神』の予知に従って、漫画本を手放していたとは思わなかったです。なるほど、そういうのもあるのか。この予知の内容は意外性があって面白かったです。
そして、オウムのスタンドによって、今度はホル・ホースが操られてしまいました。オウムの方から襲って来たって事は、無差別攻撃ではなく、ホル・ホースがターゲットにされてるんでしょうか?平岡警部さんが操られたのも、あくまでホル・ホースを狙っての事?平岡警部を射殺させ、ホル・ホースが身動き取れない状況に追い詰められてから、そこでじっくりととどめ……っていう回りくどい作戦?まだちょっと読めませんね。いずれにせよ、ボインゴが不本意ながら助けてくれて、無事に再会となる運びかな。

色々言いましたが、これから大いに盛り上がり、楽しめる作品になる事を期待してます。根本的に自分には合わない可能性もあるけれど、それはそれとして、最後まで見届けた上で判断します。

(2022年2月19日)




#2

はぁ~、なるほど~。行方不明のオウムがスタンド使いだったのか。ペット・ショップの兄弟分みたいなもんなのに、何故かその可能性はまったく考えてなかったなぁ。恐らく、あのオウム自身が見聞きした出来事を、手回しオルガンの「楽譜」(巻物状のロール、折りたたみの冊子状のブック)のような形にして他人に挿し込み、その過去の出来事を「再現」させる能力なんでしょう。まるでオウムが、聞いた言葉を真似て「再現」するように。イメージ的には、『ムーディー・ブルース』と『ホワイトスネイク』の合いの子って感じ。スタンドのヴィジョンも独特だし、なかなか面白いですね。
という事は、リョンリョンこと涼子ちゃんはこのオウムの能力を利用して、花京院の死の真相に辿り着こうと考えるんでしょう。彼女がオウム捜索に加わる明確な動機が生まれますね。上院議員の「楽譜」を持っているって事は、オウムはたぶん、常にDIOの周囲にいたって事でしょうから。第1話冒頭の言葉を借りるなら、DIOの身に起こる出来事を記録するための「監視者」だったのかもしれません。王の物語を伝承する者。だとすると、当然、花京院の死にまつわる「楽譜」だって持っているに違いない。
ただ……、オウムがどうして杜王町にいるのかが謎。オウム自身の意志だったのか、誰かが連れて来たのか。誰かがって言ったって、エジプトにも杜王町にも縁があるヤツなんて、そうそういませんからねぇ。吉良の親父でもないでしょうし、承太郎達が関係してるはずもない。ひょっとすると、それこそが涼子ちゃんのスタンド能力だったり?ワープ的な能力とかで。ボインゴ消失にしても、『トト神』を手に入れるために彼女のスタンドが無意識に発動し、ボインゴをどこかへ飛ばしちゃったのかも?

さて、ホル・ホースと仗助の邂逅の方は、意外といいコンビになれそうなムードでした。気難しいお年頃なもんで、正直、4部の仗助よりもやや荒んでてスカしてる印象を受けましたが(笑)。口調も、「そうなんすよ」じゃなく「そうなんスよ」と、「ス」をカタカナで書いてほしかった気持ちはあります。まぁ、でも……、自分のポリシーを貫く生き方をしている者同士、シンパシーを感じたっぽい。仗助もちゃっかりホル・ホースを「兄貴」呼び。J・ガイル、ボインゴに続く、3人目のパートナーになれるのでしょうか?
何はともあれ、これで仗助、ホル・ホース、涼子ちゃんの3人が出逢った事になります。ただ会話してるだけで楽しめるくらい、デコボコなトリオになってほしいですね。そして、この3人がどんな奇妙な冒険を繰り広げるのか、とくと見届けたい。やっとプロローグが終わったあたりでしょうし、個人的にはまだまだ無条件で「面白い!」とまでは思えてないので、3人の個性が起こすケミストリーに期待ッ!

(2022年1月18日)




#1

第1話の時点では、正直、面白いかどうかの判定すら不可能ですね(笑)。まだまだ「同窓会」的な要素が強く、ドタバタしてて、ストーリーが具体的にどう動いていくのかまったく読めません。
ただ、カラスマ氏の美麗な絵は、荒木先生の絵とはまた違った形で「ジョジョ」の世界に馴染んでいます。単純なモノマネや劣化コピーなんかじゃなく、ちゃんとカラスマ氏の絵や作風で描かれているのが良いですね。


物語は1999年3月のエジプト・カイロから幕を開けます。あのペット・ショップと同じ調教師に育てられたオウムが姿を消すという、奇妙な事件。その調教師は、DIOの元から逃げようとして殺されたらしい。それ以降、彼の母親にとって、オウム達は我が子同然になったようです。オウムは随分と長寿の生き物なので、DIOの死から10年以上経って生きているのもおかしくはありません。まぁ、とにかく、その母親から頼まれ、オウム捜索を引き受けたのがホル・ホースだったのです。
そして、再びコンビを組むべく、ボインゴがいる宿屋へ。その宿は、なんと結婚したケニーGマライアが営む宿でした。兄・オインゴもボインゴと一緒に宿に居座っている模様。ボインゴとしては『トト神』の予言に出ちゃってる以上、ホル・ホースに付き合わざるを得ないものの、これを最後に関わりを絶つ事を条件に協力するのでした。『トト神』に描かれた行き先は、杜王町 ――

杜王町では、花京院典明のお墓参りをする、従妹(いとこ)の涼子ちゃんの姿。なんと彼女、10年前、花京院がDIOに「肉の芽」を植え付けられた時、すぐそばに隠れていたのです。彼がそのままいなくなってしまった理由を知りたがっているみたい。「花京院」は仙台の地名なので、彼の一族が杜王町出身だとしても不自然じゃないんですが……、それよりも彼のお墓がなんともうら寂しいお寺にある事が気になっちゃいましたね。しかも、承太郎が10年間、彼のお墓参りに来ていない事にならないっスか?仗助に会いに来た時がたぶん初めての杜王町だよね?
涼子ちゃんは道端に落ちていた『トト神』の漫画本を拾い、ちょうど通りすがったホル・ホースは突然、DIOの声を聞く。ウィルソン・フィリップス上院議員の再現とばかりに、車が歩道を爆走し、通行人を次々と撥ねていく。ドライバーの目は『ムーディー・ブルース』の目みたくなってて、明らかに異常事態です。そして、ホル・ホースに直撃しそうな車を吹き飛ばしたのが、我らがヒーロー!東方仗助ッ!ホル・ホースが自分と同じ能力を持つ事を知り、じっくり聞き出そうとしてます。早くも一触即発!?


……と、こんな具合で、3部と4部の要素が山盛りでした。小ネタもくどくない程度。でも、少なくともボインゴはもっと成長させて良かったんじゃないかと思います。せっかく10年という歳月を実感させてくれそうだったのに、あれじゃあDIOの死から半年後くらいに見える。
それと1つ心配なのは、仗助がスタンドについて知り過ぎやしないだろうかって事。この時点でスタンドについて詳しくなっちゃったり、スタンドバトルに慣れちゃったりすると、翌月にやって来る承太郎の立場が無いよ。でも、さすがにその辺のバランスくらいは考えているでしょうし、いざとなりゃ「本編と無関係のパラレルワールドです!」って作中で言い訳しても良いしね(笑)。二次創作とは言え……、いや、二次創作だからこそ、いっそ思いっ切り堂々とハジけてほしいかも。本編や過去に縛られ過ぎて、こじんまりした話になってもつまんないですから。何かしらの「新しいもの」「新しい要素」を見せていただきたい。
一連の謎の現象は何なんでしょうか?恐らく、ボインゴも行方不明になっちゃいましたよね。ここまでもったいつけて、何者かのスタンド能力ってオチだと少々弱い気がします。もっと別の何かであってほしい。例えば……、DIOの残留思念が『矢』と結び付いた、とか何とか?う~ん、イマイチか?やっぱシンプルに、涼子ちゃんのスタンド能力の方がまとまりが良いのかもしれません。自分でも気付いていないスタンド使いで、人と人の「縁」を辿って操る能力……みたいな。花京院の死の真相を知りたい想いが、花京院と繋がりのある者達を引き寄せ、その当時の記憶や出来事までも甦らせている……みたいな。花京院が「紐」のスタンドなので、彼女も「縁」という名の「紐」なのです。
タイトルから想像するに、仗助はこの涼子ちゃんと出逢い、恋をして、最後は失恋しちゃいそうな雰囲気です。涼子ちゃんの存在が、この物語における最重要人物なんでしょうね。

(2021年12月18日)




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