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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。
原作の設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




エボニー・デビル (悪魔) / 本体: デーボ
                           (通称: 呪いのデーボ)
< 「恨み」を抱くほど強くなる能力 >




15番目のタロット「悪魔 (THE DEVIL)」のカードの暗示を持つ。
カードには、松明(たいまつ)を手にする悪魔と、鎖に繋がれた小悪魔達の姿が描かれている。悪魔が纏っている漆黒のマントには、「山羊座」のシンボルらしきマークが刻まれている。(マークの上下・裏表が逆になっている。)山羊座=磨羯宮は、「規律正しさ」「思慮深さ」「用心深さ」「我慢強さ」「野心」、または「憂鬱」「悲観的」などを示す。(恐らく、デーボの星座でもあるのだろう。)
そして、悪魔が持つ松明は人間の下心を、悪魔の頭部に描かれた「スペード」のマーク(「剣」のシンボル)は危険や暴力を、鎖に繋がれた小悪魔達は欲望に縛られる人間の心の弱さを、それぞれ表しているのだ。人間が社会の中で生きている限り、大なり小なり、常に欲望との葛藤が生じる。生きるという事は欲望を満たそうとする事ではあるが……、欲望のままに行動すれば、たちまち社会や集団から排除され、余計に生きにくくなってしまうだろう。だが人間は、いつも欲望に打ち勝てるほど強くはない。悪魔の誘惑にそそのかれ、正常な判断を見失い、道を誤ってしまう事もあるのだ。
このように、「精神状態の悪化」「不吉なる墜落の道」「欲望」「暴力」「誘惑」「堕落」「拘束」などを象徴するカードなのである。




<特徴>
@本体:デーボは、「アメリカインディアンの呪術師」という触れ込みで商売する殺し屋である。裏社会では有名らしく、マフィア・軍人・政治家など、彼を雇う者は世界中に数多くいる。


Aスタンドが発現した経緯は不明。
しかし、スタンドを使った商売をしており、その名が世界中に知れ渡っている事から、ずっと以前から存在していたスタンドと思われる。生まれついてのスタンド能力である可能性が高い。


Bアフリカの呪術人形を思わせる、独特で異様な人型ヴィジョンを持つ。2本の角は先端部が球形になっており、互いにくっ付いている。右手にはを持ち、胴体部は左右2枚の円盤のような形状になっている。
『エボニー・デビル』は、このヴィジョンのままではまったく身動きが取れない状態にある。見た目通り、人形のように、(あるいは「スタンド」の語源そのままに、)ただ本体の背後に現れ立っているだけなのだ。




<能力>
「恨み」を抱くほど強くなる能力



@『エボニー・デビル』は、本来のヴィジョンの状態(=基本状態)で動く事が出来ない。よって、スタンド使いと対峙する時にのみ、相手にせいぜい警戒心・闘争心を与える挑発程度の役にしか立たない。
このスタンドが真価を発揮するためには、本体:デーボがあえて標的の攻撃を受ける必要がある。(そのため、デーボの全身は傷だらけだし、死なない程度に攻撃を受け流す術も身に付けているのだろう。)自分から攻撃を誘っておきながら、デーボは自分を傷付けた相手に対して「恨み」の念を抱くようになる。完全に逆恨みではあるが、ともかくデーボの「恨み」「憎しみ」「呪い」「殺意」といった負の感情が、『エボニー・デビル』のエネルギー源となるのだ。


A「スタンド」とは基本的に、本体の「生命」や「精神(魂)」のエネルギーから生まれる「スタンドパワー」によって形作られ、強い「意志」や「感情」のエネルギーによってコントロールするものである。そのスタンドパワーは、本体の持つ才能・個性・欲望に最も適したバランスで、スタンドの「ヴィジョン」、「基本スペック」、「能力」にそれぞれ振り分けられる事になり、そうして1つのスタンドとして顕現する。
しかし、『エボニー・デビル』は自身の能力によって、「恨み」の念(=「意志」や「感情」のエネルギー)をスタンドパワーへと変換するのだ。そして、そのスタンドパワーは「基本スペック」に上乗せされる事となる。
即ち、「恨み」が強ければ強いほど、スタンド自体も強くなっていく。それこそが、『エボニー・デビル』の能力なのである。


B能力を発動させると、『エボニー・デビル』は「人形」に憑依する事が出来る。
「人形」であれば何でも良いが、不気味な風貌をし、鋭い牙や武器を隠し持ったオリジナルの「人形」を使用する事が多いようである。
こうして、「人形」と一体化し実体化した状態(=憑依状態)になって初めて、『エボニー・デビル』はその身に溜め込んだ「恨み」を晴らすため、自由に動く事が可能となるのだ。


C前述の通り、「恨み」が強いほどにパワーやスピードや持続力もアップし、射程距離も伸びる。
憑依した「人形」との結合力も強まり、その分、「人形」自体の強度も増す(その代わり、「人形」のダメージはそのままスタンドのダメージとなり、本体:デーボのダメージともなる)。
そして、デーボの「恨み」が晴れるまでスタンドが解除される事はなく、そのパワーやスピードが距離や時間によって減退する事もない。
『エボニー・デビル』が手にした武器にも「恨み」から生み出されたスタンドパワーを込められるため、武器の殺傷力が増す上に、スタンドに対して攻撃する事も出来るようになる。


D作中では、歴戦の強者であるJ・P・ポルナレフにまったく悟られる事なく攻撃でき、直接「人形」を触れられてもスタンドである事がバレていなかった。
デーボの「恨み」の念やスタンドパワーは、憑依した「人形」の中だけに凝縮・濃縮され、「人形」の外には一切漏れ出ていないのだろう。動かずにいれば、完全にただの「人形」でしかないのである。
「人形」であるがゆえに、気配も殺気もエネルギーも感じ取られる事はない。「人形」であるがゆえに、人間には不可能なトリッキーかつアクロバティックな動作も容易く行える。そんな予測不能な不気味さ・奇怪さこそが、このスタンド最大の長所と言えるかもしれない。


Eこのように『エボニー・デビル』は、恨んだ相手を「人形」の姿で殺しに掛かる。襲われた相手は、動くはずのない「人形」に追い詰められる恐怖を味わい、絶望と混乱と後悔の中で死んでいく事となるのだ。その不様な姿を見て、デーボの「恨み」はようやく晴れるのである。何も知らぬ者にとっては、デーボが相手を呪い殺したようにしか見えず、彼は「呪いのデーボ」の異名で恐れられるようになった。
(もっとも、「恨み」の念で強化されたとしても、『エボニー・デビル』自体は決して無敵のスタンドではない。真っ向から戦いを挑めば、近距離パワー型のスタンドにはまるで歯が立たないだろう。だからこそ、スタンド使いを相手にする時は、まず相手の四肢の自由視界を奪うことに専念し、ジワジワと確実に死に追い込んでいく。逆に言えば、相手が四肢の自由や視界を取り戻したり、思わぬ反撃を喰らったりしたならば、デーボは途端に弱腰になってしまう。圧倒的優位に立ち、一方的に相手を嬲り殺す事のみに長けているがゆえの「弱さ」である。そしてそれは、醜い欲望に飲み込まれ、甘い誘惑に立ち向かう事すら出来なくなった人間の心の「弱さ」そのものでもある。)




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