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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。
ゲームでの設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




エル・シニョル・デ・ラス・モスカス (蠅の王) / 本体: ファビオ・ウーブフ
< 「蠅」を支配する能力 >





<特徴>
1973年頃に、本体:ファビオ・ウーブフが『矢』で射抜かれた事によって発現したスタンド。
ただしこの『矢』は、1986年にディアボロがエジプトで発掘した6本の『矢』とは別物である。中南米を拠点とする犯罪組織のボス:フェルナンド・アルホーンが、かつてどこかで手に入れた『矢』なのだ。
ちなみに、この時代の中南米にはまだ「スタンド」という定まった名称は無く、もっぱら「驚異の力 (ラ・マラビジャス)」「悪霊 (ファンタスマ)」、あるいは「幽体 (アストラル)」などとも称されていた。


ファビオ本人の談によれば、スタンドのヴィジョンは昆虫の複眼を持った王侯貴族のような姿をしている。まさしく「蠅の王」といった風情である。
「蠅」がいない場所では無力である事から、ヴィジョン単独ではほとんど行動できないタイプと推測される。


無気味な声で啼き、ファビオ本体に働き掛けてくる。
すると彼は、恐怖や不安にさらされ、自身の恐るべき衝動に身を委ねずにはいられなくなるようだ。その意味では、制御し切れてないスタンドなのかもしれない。




<能力>
「蠅」を支配する能力



能力射程内に存在する「蠅 (ハエ)」を支配し、コントロールする能力を持つ。
その射程は本体:ファビオ・ウーブフの視界内であり、広い屋外で能力を使えば、空を黒く覆う程の大群を呼び寄せる事も可能である。音なのか、匂いなのか、フェロモンなのか、「蠅」にしか感じ取れない何かを発して引き寄せているのかもしれない。実在する生物を操作するという意味では、『スカイ・ハイ』によく似た能力とも言えよう。


「蠅」を操作する際、ファビオはハンド・シグナルのように、あるいは指揮者のように、自分の腕や手、指をしきりに動かしていた。
恐らく、周囲から集めた「蠅」に、そうやって具体的な細かい命令を与えているのだろう。


「蠅」の肉体を鋼鉄のように硬質化させる事も出来る。硬質化しても、「蠅」は普通に飛行が可能である。
そのため、猛スピードで体当たりさせる事により、弾丸の如き破壊力・殺傷力を発揮する。人間が入り込めない場所にすら侵入でき、自由な軌道でターゲットを襲え、なおかつ弾丸も発見されない。暗殺に適した能力なのである。この超常の能力を、スピードワゴン財団は「見えない銃弾 (バラ・デ・インヴィシブレ)」「魔法の銃弾 (バラ・マヒカ)」と呼んでいた。
そして、この力でグアテマラのアンティグアの町の人々を殺していたファビオは、「アンティグアの怪物 (モンストロ)」と噂され恐れられていたのであった。


このスタンド『エル・シニョル・デ・ラス・モスカス』に支配された「蠅」は、灯りや体温に優先的に向かって行く習性と、ターゲットに対する凶暴性が付与される。
これにより、暗闇の中でも正確にターゲットを襲い、始末する事が可能となる。


何もない場所から「蠅」そのものを発生させる事は出来ない。
そのため、スピードワゴン財団は、換気口のない滅菌された狭い独房に拘禁する事で、彼の能力を封じ込めた。


ファビオはマヤ系のインディヘナ(先住民)であり、キチェ族の末裔である。キチェ族は数百年もの昔、スペインからの征服者と戦い、敗れ、生き残った者達は(たとえ表面的であっても)キリスト教の信仰を余儀なくされたという歴史を持つ。
だが、ファビオの家族は長い内戦の中で命を奪われてしまう。彼自身もグアテマラから他国へ逃れようとしたが、請負屋に騙され、身ぐるみを剥がされてしまった。この悲惨な経験により、彼は「異教の神に祈っていたから救われなかった」と思い込み、キリスト教の聖なる意匠やクリスチャンへの恐怖と憎悪を募らせていく。『エル・シニョル・デ・ラス・モスカス』の力の根源は、まさにこの冒涜心破壊衝動なのだ。




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