TOP  <<1~6話 戻る 13~18話>>



ジョジョの奇妙な冒険
黄金の風 (TVアニメ)






Episodio 12  ボスからの第二指令



今回はイルーゾォ戦序盤。ジョルノ・アバッキオ・フーゴの3人がバラバラになり、フーゴが大ピンチってところまで。
フーゴは元々、ブチャラティ達を裏切るスパイとなる予定で描かれていた事もあり、チームの中で彼だけ過去も設定もフワッとしています。しかし結局、荒木先生の慈悲の心により、その展開は実現しませんでした。そんな経緯もあってか、アニメでは遡って、フーゴの過去もより明確に描写できるようになったワケです。両親からの過度な期待に押し潰された心、歪んだ破壊衝動、大学のゲスホモ教師、全てを失ってからの荒んだ生活、そしてブチャラティとの出会い。荒木先生のアイディアなのか、アニメスタッフの完全オリジナルなのかは気になりますが……、シンプルながら、フーゴの性格や人生がどう形成されていったのかが分かる、良いエピソードだったのではないかと思います。他人も自分自身さえも見境なく傷付けてしまう抑え切れない衝動は、『パープル・ヘイズ』というヤバすぎる能力の説得力にも繋がっていました。後に、ひとりぼっちのナランチャを助けたのも、かつての自分と重ねたからだったんでしょうね。
フーゴの過去については、ノベライズ「恥知らずのパープルヘイズ」でも語られています。冷たい家族の中で1人だけ味方してくれた大好きな祖母を侮辱する教師にプッツンし、我を失ってメッタ打ちにする……という設定。こっちの方がアニメ版より「正しさ」「気高さ」みたいなものがあって感情移入できますけど、運命に流されるまま堕ちていったアニメ版の方が「どうしようもなさ」「抗いようのなさ」を感じて、ある意味、フーゴらしいとも言えるかも。うん、どっちも好きですね。荒木先生ご自身による描写や発言以外は全て等しく二次創作に過ぎないんで、あんまり不自然じゃない限りは、それぞれ自由にやっちゃってもOKでしょ。むしろ、いろんなフーゴ像が見られるのは楽しいです。

過去エピソードだけでなく、今回はフーゴに関するアニオリが多かったですね。冒頭では、得意げにポンペイの解説してたら道を間違えて、ジョルノにキレるシーンも(笑)。自分のミスを他人に責任転嫁してキレるようなヤツなのかって疑問はありますが、前回同様、ジョルノに信頼を抱くまでのギャップを演出しているのでしょう。そういう意味では、アバッキオもジョルノに対して危険な予感を感じ取っているシーンが追加。頭が良く理屈で考えがちなこの2人、そう簡単には他人に心を開いてくれませんな。
また、『パープル・ヘイズ』で鏡を割ったのが、フーゴからのヒントでありメッセージである事が強調されていました。まぁ、この戦いはフーゴにとって最初で最後のバトルですから、少しはいいとこ見せとかないとね!


『パープル・ヘイズ』のカッコ良さ、凶々しさ、可愛らしさもちゃんと描かれていたし、イルーゾォの赤い瞳も印象的でイカしてました。やっぱ色と音声と動きが加わると、原作とはまた違った魅力が引き出されます。また、フーゴが『マン・イン・ザ・ミラー』に殴り飛ばされるシーンも、ゴミ箱にブチ当たったにも関わらずゴミ箱自体は微動だにしないという、さりげない能力説明も兼ねていてベネ。
個人的には、ジョルノとアバッキオの対立が最高でした。2人の意見・気持ち、どちらも理解できるし納得もできるんだけど、決定的に違う「生き方」が如実に表れている名シーン。「死」さえも前提に戦い、どこか諦めて「犠牲の心」で生きているアバッキオに対し……、ジョルノは「死」を覚悟はしていても、どこまでも「勝ち残れる道」「生き抜ける道」を探して突っ走っています。そんな両者の立場や信念の違いが、アニメでもビンビンに感じられて素晴らしかった。相手が敵だろうと先輩だろうと、自分の信じる想いを貫くジョルノにシビれて憧れるのであります。



―― さて、3部アニメの時も書きましたけど、念の為、ここでも花京院の名誉のために書いておきましょう。花京院の言う通り、「鏡の中の世界」など存在しない、と。
『マン・イン・ザ・ミラー』は、その存在しない「鏡の中の世界」のような空間を創り出すスタンド能力なのです。能力の本質的には、「悪夢世界(ナイトメア・ワールド)」を創り出して引きずり込む『死神13』や、「写真の中の空間」に閉じ込める『アトム・ハート・ファーザー』に近いスタンド。ですんで、『ハングドマン』とはまったく異なる能力だし、花京院の発言に間違いなど無いのだと、ここで改めてハッキリ断言させていただきます!

(2018年12月22日)






Episodio 11  ナランチャのエアロスミス



今回はナランチャの過去、ホルマジオ戦決着、そしてボスからの次なる指令。
ナランチャの過去も、アバッキオ同様、よりドラマチックになっていました。ほとんどナレーションで淡々と進行していく原作も良いですが、動きやセリフでもって描かれるアニメもまた良し。ナランチャの純粋さ、忠誠心。フーゴとブチャラティの無償の行動、義侠心。やっぱり観ててグッと来ますね。あと、ナランチャの母さんの名前は「MELA(メーラ)」というらしい。イタリア語で「リンゴ」の意。リンゴとミカンの親子です。
ホルマジオ戦は逆転に次ぐ逆転の名勝負!ナランチャはおバカなキャラではありますが、「知識」は足りなくても「知恵」はある男です。「知識」は情報、「知恵」はその情報を活かす力。苦境に立たされるほど冷静に冴え渡る、生き抜く「知恵」を持つナランチャが最高にカッコイイのです。そして、「どんどん小さく」なっていくミクロな戦いの果てに「もっとでっかく」してやるという、スケールすら逆転する構図。視点もナランチャとホルマジオが移り変わったりして、とにかくこのバトルは逆転の魅力が詰まっています。……絶体絶命の死線を幾度も超えた先、燃え広がる炎の中での最後の一騎討ち。知略と機転の連続だったこの戦いを決するのが、小細工無用の男の決闘ってのがまたイカしてました。
ホルマジオのゲス度がアップしてたのは気になりましたが、暗殺チームがあまり同情的に見られないようにするためのバランス取りかもしれませんね。めっちゃクールで人気が高いのも頷けるものの、それでも彼らは「悪」なのですからね。麻薬ルートを乗っ取って利益独占を狙うという事は、結局、自分達の欲望のために他者を踏み躙る行為に他なりません。そこはブチャラティチームとの違いを見せ付けるって形にしたのでしょう。 (後でよくよく考えると……、車の炎上にも気付かないほどテンション上がってたって説明でもあったのかな。)
休む間も無く、今度はポンペイへ!ホルマジオが「暗殺はお手の物だぜ」って発言をしたため、敵が暗殺チームである事を知った模様。ペリーコロさんが「何か情報掴んだら教えるわ」的な事を前に言ってたから、てっきりペリーコロさんを通じて知らされるのかなって思ってたんですけど特にそんな事は無かった。あと、フーゴのジョルノに対するイラつきと不信感丸出しの皮肉が追加され、ポンペイでの戦いへの布石を打ってくれていましたね。


全体としてとっても盛り上がって楽しめましたが、それでもちょいと違和感や不満の残るところはいくつかありました。
細かい事を言うと、ナランチャが大量の水に流されるシーン。あれは唐突に水が降ってくるから「えっ!何事!?」って驚けるのに、何故かホルマジオが缶からドリンクをドボドボ流すカットが最初に挿れられちゃってて、非常にもったいなかった。
車を爆発させるシーンでは、原作では一度しか使われなかった爆弾を使用してくれた点は嬉しかったです。ただ、その後に弾丸を撃ち込んだ車が、少しの間を置いて爆発・炎上するところ。個人的には、ここは『エアロスミス』が飛んで行く描写は不要だったと思います。爆発するまでの「間」は静止と無音で溜めて、爆発を際立たせてほしかったです。
際立たせると言えば、最後の一騎討ちも。「………かもな………」「来い…………… ナランチャ…………」というやりとりは、やっぱりもっと「間」が欲しかったな~。ホルマジオの死の間際の捨てゼリフも、カッチョイイ勝利のBGMじゃなくて無音が良かったです。「余韻」ってのは大切ですから。付け加えると、「ホルマジオ 死亡」のテロップが無かったのも残念。原作で読んでて、ボス級の敵でもないのにガチで命の取り合いをする世界なんだと衝撃を受けたところだったので。
ポンペイの「犬のゆか絵」の資料をミスタとフーゴが見せるシーンも、バッ!バッ!って感じにテンポ良く勢い良くやってほしかったですね。
―― なんかいちいち小うるさくて申し訳ありません(笑)。原作で受けたイメージを大事に再現してほしい気持ちと、アニメならではの魅せ方を期待する気持ちがせめぎ合っているのかも。でも、アニメも大好きで楽しんでいるし、スタッフさん達に感謝しているのも本当なんですよ!

(2018年12月15日)






Episodio 10  暗殺者(ヒットマン)チーム



今回はサブタイ通り、暗殺チームがメイン。「暗殺者(ヒットマン)チーム」って呼び方は、原作でもブチャラティがそう呼んでいるので問題無し。でも、もちろん「暗殺チーム」とも呼ばれているんで、個人的には今後も馴染みの「暗殺チーム」で呼んでいきます。ホルマジオ戦の方はと言うと、ネズミに乗ったホルマジオを撃ち抜くところまで。
いや~、驚かされましたね。今の時点で、まさかここまで暗殺チームをアニオリで描いてしまうとは!ブチャラティチームが一気に全員登場したのに倣ってるんですかね。1人1人順番に登場して来た原作よりも、彼ら全員が「チーム」として描写されていました。これはやっぱ、すでに完結した原作をアニメ化する強みでもあります。「次の敵はどんなヤツだろう?」という楽しみは減っちゃうけれど、群像劇である5部は、「チーム」を描く方がテーマ的にも重要でしょう。今回だけでも、暗殺チームの面々の個性や関係性がよく表れていたと思います。どうせなら、生前のソルベとジェラートも一緒に見たかったな。
嬉しかったのは、輪切りのソルベさえも黒塗り無しでしっかり映してくれた点です。ズッケェロへの拷問然り、こういう残酷さ・グロテスクさを避けて通っては、5部をアニメ化する意味が薄れちまいますから。ごまかす事なく真っ向から挑んでくれたスタッフさん達に、改めて敬意を表します。しかも、ソルベとジェラートを処刑したのがチョコラータだったというオマケ付き(笑)。セッコも撮影頑張ってました。シルエットだけで一目瞭然。長年、ファン達の想像として語られてはいましたが、こうして実際に描かれると面白いもんですね。
ご多分に漏れず、私も暗殺チームが大好きです。何が好きかって、彼らの「プロフェッショナル精神」「哀しみ」。当然、ブチャラティチームにも同じ事が言えますけど、暗殺チームはよりアウトローで危うい暗黒な魅力があります。麻薬ルートを乗っ取ろうという邪悪な野心もさる事ながら、仲間を殺された恨みを抱いて行動しているところも、それを晴らせぬまま次々と散っていくところも、どうしようもない運命を感じてグッと来るんですよね。ある意味、裏の主人公と言っても過言じゃない。そんな彼らの活躍もまた熱望しています。


さて、バトルとしては、敵であるホルマジオ視点でナランチャの能力の謎を解くっていう逆転の構図。暗殺チームを描いた後だから、なんかホルマジオの方にも余計に感情移入してしまうなぁ。この辺はホント、見せ方が巧いですよね。敵味方関係なく登場人物1人1人が必死に戦い、懸命に生き抜こうとしているのが伝わって、これぞ「ジョジョ」って感じ。特にホルマジオは、そのタフな死に様も最高にカッコイイんで、アニメでもバッチリ決めてくれる事を期待!
ナランチャが自動ドアに苦戦するくだりはテンポが悪く感じられたし、両腕を滑走路にして『エアロスミス』を引っ込めるシーンでは「フオンッ」って音が欲しかったけど……、全体としては良く出来ていて楽しめました。次回はナランチャの過去もやると思いますが、その前フリ的に心配するフーゴの姿も描かれてましたね。決して馴れ合う関係ではないし、各々が孤独。それでも、彼らは繋がって生きてきたのだし、繋がらなくては生きてこれなかったワケです。その繋がり、それによって生まれた変化、そういったものを大事に描写・表現してほしいですね。

(2018年12月8日)






Episodio 09  ボスからの第一指令



今回はブチャラティ昇進からトリッシュ登場、そしてホルマジオ戦開幕まで。
まず、トリッシュが登場し、メイン・メンバーがとうとう勢揃い!彼女の声優は千本木彩花さん。クール・ビューティーな印象で良かったんじゃないでしょうか。あとは、中盤の怯える演技や、後半の明るく可愛い感じが出せるかも期待してます。それにしても、アニメのトリッシュは異様に艶めかしいというか、セクシーですねえ。とても15歳とは思えぬ見事なプロポーション
登場と言えば、暗殺チームもいよいよ登場です。ホルマジオはもちろん、他の面々も後ろ姿だけはちょびっと映りましたね。5部を語る上で彼らの存在は無くてはならないものですから、今の段階からこうやって「チーム」である事を意識させてくれるのは嬉しい。しかも、次回のサブタイトルもそのものズバリ「暗殺者(ヒットマン)チーム」です。ざっと語られるだけだった彼らの過去の行動や足取りを、アニメオリジナルで動かしてくれちゃってもいいですね。
ペリーコロさんも想像以上にシブいお声で、ギャング組織の幹部としての威厳や貫禄が滲み出ていました。それだけでなく、新入りのジョルノに「家族も同然」と言ってくれたり、財宝を見たがるミスタとナランチャを笑ってくれたり、優しさや大物っぷりを感じさせるオリジナルシーンも追加。血気盛んな若者ばかりの5部の中で、頼れる「大人」・落ち着いた「老人」であるペリーコロさんの存在は貴重です。


今回は比較的物静かな会話劇が中心でしたが、それでもカメラワークでうまく動きを作ったり、ちょっとしたリアクションを追加したりして、工夫によって飽きさせない画面になってました。しかし、こういう地味で些細なシーンにこそ、それぞれのキャラクターの個性が現れているもの。ナランチャやフーゴは特に、その魅力を増していたように思えます。
そしてラストは、一変してド派手に攻めまくる『エアロスミス』!原作とはまた違った見せ方で描かれていますが、これもまたカッコイイ。やっぱこのスタンドはアニメ映えしますね~。音も動きも加わると、見てるだけでテンション上がりますよ。ホルマジオ戦もド迫力で大好きなバトルの1つです。ズッケェロとサーレーとの戦いは、言ってみりゃただの内輪揉め。お互いにあんまり大事にしたくはなく、極力、殺しにまで発展させないよう気を遣っていたはず。しかし、ここからはボス直々の命令で裏切り者と戦う事になります。心にブレーキを掛ける必要の無い、ガチの殺し合い。その狼煙を上げる重要な一戦でもあるので、大いに盛り上げてもらいたいですね。

(2018年12月1日)






Episodio 08  セックス・ピストルズ登場 その②



今回はミスタの過去からサーレー戦決着まで。
アバッキオ同様、ミスタの過去エピソードも早い段階で語られました。ゴロツキ共を殺したところまでしかやらなかったのは意外でしたが、後から続きをやるのかな?でも、ブチャラティとの出会いを描くにしても、わざわざ分断するような事でもないと思うんだけど。カットされたとしても、それはそれで収まりが悪いし。う~ん。
サーレー戦の方は、移動するトラック上での死闘がスピード感溢れて面白かったです。動きがあると、印象もまた変わってきますね。シンプルな攻防ながら、裏をかき合い上を行こうとし合う、熱い男達の名勝負!サーレーも動きが付いたおかげで、イカレっぷりや野心家なところがより強烈に伝わりました。特に、トラックに再び飛び乗るシーンはカッコ良かった。やっぱサーレー、好きだなぁ。ズッケェロ共々、キャラも能力も使い捨てるにはもったいないですね。
『ピストルズ』の奮闘ぶりもワチャワチャした感じも、見てて楽しい。さすがはミスタを本体に持つスタンド。普段は賑やかだけど、いざという時はクールに決めてくれます。弾丸を発射する音や、薬莢が落ちる音などなど、SEも耳に心地良く臨場感を高めてくれていました。


ただ、もっと丁寧に描写してほしかったシーンもいくつかありました。
例えば……、ミスタが頭を振り下ろし、帽子に隠した弾丸を落として再装填するシーン。あまりに描写が省かれ過ぎで、初見の人には何が起きたのか理解できないんじゃないかな?ここはちゃんと、帽子の裏側に予備の弾丸が仕込まれている事を明かし、落ちていく弾丸もキッチリ見せるべきでした。
断崖に立つサーレーをミスタが発見した時点で、もう小石を「固定」して足場にしているのが見えちゃってたのもよろしくありません。あれは、平然と当たり前のようにそこに立っているから不気味なのであって、いきなりタネを明かしちゃダメですよ。
サーレーの口の中に弾丸ブチ込むシーンも、あっさりし過ぎ。弾丸が命中した際の衝撃がまったく感じられません。サーレーの頭部が後方に動くところをちょっと挿入するだけでも、弾丸が食い込んだっていうリアリティはまるで違ってくるはず。一視聴者としては、そういう一手間を惜しまないでもらえればな~と思います。

(2018年11月24日)






Episodio 07  セックス・ピストルズ登場 その①



今回はズッケェロへの拷問から『セックス・ピストルズ』登場、サーレー戦開幕まで。
『クラフト・ワーク』の能力が分かるくらいのところまでは行くのかと思ってましたが、じっくりやってくれてますね。本格的なバトルは次回に持ち越しな分、今回は繋ぎの回って印象。とは言え、もちろん見どころは盛りだくさんであります。
のっけから始まるズッケェロへの拷問。一番最初の、頭と胴体が切り離された姿の見せ方が工夫されてて良かったです。拷問シーンは、映像として見ると余計にエグいっスね~。でも、ここで変にビクついてカットしたり自主規制に走ったりするようなら、そもそも5部をアニメ化する意味などありません。彼らは社会からはみ出し、法を犯し、人を傷付けるギャングなんですからね。逃げ出すどころか余計にエグく感じさせてくれたスタッフさん達に、感謝&信頼を捧げたいと思います。
そして、やっぱりギャング・ダンスは外せません。誰もが期待してたシーンでしょうけど、見事に応えてくれました!昔のダンス・ミュージックのPV的なノリで、ズッケェロまでサイケデリックな演出に使用されちゃってるし(笑)。自分の想像とは違う方向性ではあったものの、だからこその驚きと楽しさを感じました。何の前フリも無く唐突にスタートするから、えらいシュール。
サーレーに目的地がバレていた事を知り、暗雲立ち込めると、太陽が雲に隠れる。ジョルノが決意を表明すると、太陽が彼を照らし出す。そんな絶望と希望を、影と光で演出していたのもカッコ良かったです。おかげでジョルノの神々しさもアップ!

満を持して、ついに登場した『セックス・ピストルズ』。声も動きもめっちゃかわいい。イメージ通りで理想的です。ただ、『ピストルズ』のバトルをアニメ化するのって、なかなか難しそうですね。絵が固定されている漫画なら、時間経過とか関係なくスピード感を演出できるけど……、実際に動きがあるアニメだと、今回のようにスローモーション的にならざるを得ないのかも。動きを取るか、セリフを取るかで、全然別物になっちゃうし。良い落としどころが見付かるといいな。
ミスタの声と演技の方も、けっこう気に入ってきました。拷問時のどこか無感情で無機質な感じも、『ピストルズ』の世話してる時の苦労人のパパっぽい感じも、だんだんと「ミスタらしい」と思えるようになってきてます。次回のサーレー戦では、クールでタフなところも見せてくれるはず!


少々不満な点としましては……、サーレーの出現をミスタに伝える際、ジョルノが何度か大声で叫んでたとこ。ここは即、無線で伝えてほしかったですね。せっかくジョルノの決断力や実行力のスゴさが分かるシーンなのに、無駄な行動を挟まれちゃったのは残念。似たような意味で、「カプリ島に先に上陸してサーレーを倒す」という案を、ブチャラティも考え始めていたっぽいのが余計だったかな。みんなの想像の枠を超えた、ジョルノの発想のブッ飛び具合が霞んじゃいます。
あと、ラストのトラックの運ちゃん、どう見たってサーレーじゃねえ!次回への引きにまで使ってるのに、別人だってのがバレバレですよ。だったら、やっぱサーレーはシルエットで描くべきだったと思いました。

(2018年11月17日)







TOP  <<1~6話 戻る 13~18話>>

inserted by FC2 system