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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。
原作の設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




ハングドマン (吊られた男) / 本体: J・ガイル
< 「鏡」による「反射」を操る能力 >




12番目のタロット「吊られた男 (THE HANGED MAN)」のカードの暗示を持つ。
カードには、木の枝に逆さまに吊るされた男の姿が描かれている。この男の組んだ両腕は「3」を、クロスさせた両脚が「4」を示し、タロットのナンバー「12」を表している。「12」とは完全性を意味する数字で、それゆえに「身動きの取れない状態」をも暗示する。
しかし、よく見れば、この男を吊るす木の枝は細く、今にも折れてしまいそうなほど。男の体もまた、左足以外はまったく縛られてはいない。まるで、何らかの目的のために、あえて自ら吊るされたままにしているかのようでもあるのだ。
このように、「自己犠牲」「試練」「忍耐」「努力」「着実」などを象徴するカードなのである。……が、このスタンド『ハングドマン』は後述する「鏡」の能力により、カードの暗示すらも逆転・反転させてしまう。そのため、例外的に逆位置のタロットの暗示を持つ事となった。その意味は「徒労」「失敗」「自暴自棄」「無駄な努力」「欲望に負ける」である。




<特徴>
@スタンドが発現した経緯は不明。
しかし、DIOにスタンドを教えたエンヤ婆の息子である事から、生まれついてのスタンド能力である可能性が高い。


Aヒビ割れた皮膚に、包帯のようなボロ布を巻いた「ミイラ男」そっくりな人型ヴィジョン。
見た目に反して、かなりの遠隔操作が可能なスタンドである。その射程距離は数百mにも及ぶ。


B一方的に相手をいたぶる能力を持つ反面、スタンド自体の「基本スペック」は低い。パワーも弱いため、主に、手首の内側に仕込まれたナイフによって敵を攻撃する。


C本体:J・ガイルは両腕とも「右腕」の男だが、このスタンドの左右の腕は普通の両腕っぽい。(ただし、その時によっては「両右手」っぽくも見えるので、実際のところは謎。)


D後述するように、このスタンドは「鏡」の能力を持つ。そのため、「鏡」に映っている時、『ハングドマン』のヴィジョンは左右反転している。
「鏡」の中の『ハングドマン』の左側に与えた傷は、「鏡」の外のJ・ガイルの右側に付く事となる。




<能力>
「鏡」による「反射」を操る能力



@この『ハングドマン』は、「光」に近い性質を持つスタンドである。実際の光には及ばないながらも、想像を絶する速度で移動している。
ただし、光の性質を持つがゆえに、「映る物」から「映る物」へと「反射」しながらでなくては移動できない。さらに、今いる「映る物」が何かで遮られると、近くにある別の「映る物」へと強制的に移動させられてしまう。(瞬き程度の一瞬の遮りなら、留まる事が出来るようだが。)移動中は無防備の上、その軌道も直線的で読まれやすい……といった点が弱点となる。


Aモハメド・アヴドゥルの『マジシャンズ・レッド』は、その「火炎」の熱によって光を屈折させてしまう。移動しようとしていた「映る物」を焼き尽くされてしまう事もあるだろう。
目論見通りの行動を封じられてしまう恐れが非常に高いため、本体:J・ガイルはアヴドゥルを最も危険視していた。


B『ハングドマン』が真価を発揮するフィールドは「鏡」。実際の光とは違い、このスタンドは1つの「鏡面」に留まり続ける事が出来る。(逆に、「鏡面」以外の場所には留まり続ける事が出来ないようである。)
この時、『ハングドマン』はあたかも「鏡の中の世界」に存在しているかのように「鏡面」に映り込む。だが当然、「鏡の中の世界」など実在はしない。それをさも実在するかのように振る舞い、相手に錯覚させる事が出来れば、相手は『ハングドマン』の性質や弱点を正確に見極めるチャンスすら失ってしまうだろう。
(ちなみに、イルーゾォのスタンド『マン・イン・ザ・ミラー』は、その実在しない「鏡の中の世界」を創り出す能力である。)


Cそして、『ハングドマン』の能力は「鏡面」自体と一体化し、その「反射」を支配する。光が「反射」するかのように、鏡面に映っている「虚像」から「実像」へと破壊・ダメージを「反射」させてしまうのだ。
「虚像」の窓を割ると、「実像」の窓も割れる。「虚像」の人間を切り刻めば、「実像」の人間も同様に傷付く。しかし、この「虚像」から「実像」への反射はあくまで破壊・ダメージに限られたものであり、「虚像」の窓をただ開けたからといって、「実像」の窓も開くワケではない。
少々回りくどい能力だが、そもそも『ハングドマン』自体には、「実像」に直接干渉する力がまったくないのだ。その欠点をカバーし、なおかつ「鏡の中の世界」が実在すると相手に錯覚させるための能力なのである。


D鏡に映る『ハングドマン』を攻撃したとしても、その時点では「鏡面」と一体化しているため、ただ鏡が割れるだけで『ハングドマン』自体のダメージにはならない。
それどころか、割れた鏡の破片の1つに映り込み、そこから再び攻撃してくる。「鏡面」に潜んでいる限り、『ハングドマン』は完全無欠である。狙われた者は身動きも取れぬまま、成す術もなく殺されるのみだろう。
ダメージを与えるには、移動中の『ハングドマン』を攻撃するか、J・ガイルを直接狙うかしかない。


EJ・P・ポルナレフの妹:シェリーを殺害した際、その友人が目撃したという「雨がドーム状にJ・ガイルを避けていた」件について。
これはごく単純に、水溜りに『ハングドマン』が潜み、そこに映り込んだJ・ガイルの「虚像」に覆い被さって、傘代わりになっていただけと思われる。『ハングドマン』に当たった雨の「虚像」が砕け散って伝い落ちると共に、「実像」の雨粒も散っていき、あたかも雨がJ・ガイルを避けているかように見えたのだろう。




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