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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。
原作の設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




ハイエロファント・グリーン (法皇の緑) / 本体: 花京院 典明
< 「破壊」のエネルギーを操る能力 >




5番目のタロット「法皇 (THE HIEROPHANT)」のカードの暗示を持つ。
カードには、迷える人々を導く法皇が描かれている。信者らしき2人の姿は対照的で、両手を上げた後ろ姿の人物は「法皇に救いを求める者」を、正面を向いてピースしている人物は「法皇に救われた者」を示しているのだろう。また、法皇が持つ「杖」は十字架を3つ合わせた形になっている。「3」という数字は、三位一体を意味する神聖なる数字。これは、法皇の権威が精神・肉体・魂にまで及ぶ事を表している。
このように、「慈悲」「協調」「連帯」「権威」「道徳」「維持」などを象徴するカードなのである。




<特徴>
@生まれついてのスタンド能力である。


A全身に無数のスジが入り、緑色に輝く人型ヴィジョンを持つスタンド。空条承太郎曰く、「まるで光ったメロン」


B顔や全身にプロテクターを纏っているような姿をしている。口を覆うマスクを破壊された際には、普通の口が見えていた。


C『ハイエロファント・グリーン』はパワーは弱いが、その体を紐状にほどく事が出来る。
スタンド自体が本体から離れられる射程距離は、ほんの数m程度である。しかし、そこからさらに体をほどいて、遠くまで伸ばしていく事が可能なのだ。紐状に延長できる距離は、数百mにも及ぶ。ただし、長く細く伸ばすほどに、スタンドは脆く切れやすくなる。


D紐状に伸ばした「触手」「触脚」は、様々な事に利用される。
敵を縛って絡み付いたり、狭い場所へ潜り込んだり、鋭く尖った先端部で刺し貫いたり、「結界」を張って罠を仕掛けたり……など、その応用は多岐に渡る。
気配を殺し、敵が気付かぬ間に捕らえてしまう姿は、「静なるスタンド」の呼び名に相応しい。




<能力>
「破壊」のエネルギーを操る能力



@本体:花京院 典明(かきょういん のりあき)は生まれついてのスタンド使いであり、それゆえに、スタンドが見えない者と真に心が通い合うはずがないという孤独を抱えて生きていた。また、彼は何よりも「誇り」を重んずる性格で、尊敬できない相手に服従する事を極端に嫌う。そのため、DIOに恐怖し、精神的に屈服してしまった自分を許せずにいた。
誰からも理解されずにいた、自分を肯定できずにいた彼の心の中には、「今の自分を変えたい・壊したい」という孤高の破壊衝動・昇華願望が満ち満ちている。そのイメージは『ハイエロファント・グリーン』の体内にも、「破壊」のエネルギーとして常に流れ、駆け巡っているのだ。


A『ハイエロファント・グリーン』は、自らの体内に流動する「破壊」のエネルギーを自在に操る能力を持っている。
「スタンド」とは基本的に、本体の「生命」や「精神(魂)」のエネルギーから生まれる「スタンドパワー」によって形作られ、強い「意志」や「感情」のエネルギーによってコントロールするものである。そのスタンドパワーは、本体の持つ才能・個性・欲望に最も適したバランスで、スタンドの「ヴィジョン」、「基本スペック」、「能力」にそれぞれ振り分けられる事になり、そうして1つのスタンドとして顕現する。
『ハイエロファント・グリーン』が操る「破壊」のエネルギー「意志」や「感情」のエネルギーだが、自身の能力により、主に「ヴィジョン」を形成するスタンドパワーへと変換される事になる。


B「破壊」のエネルギーは、(基本的には)『ハイエロファント・グリーン』の両手にある「円形の模様」から溢れ出してくる。それらを激しく波立たせて衝突させ、無数の飛沫を発射する技が「エメラルド・スプラッシュ」である。
花京院の明確な「攻撃」「破壊」の意志により、「破壊」のエネルギーは硬質化。飛沫はまるでエメラルドのような形と輝きのヴィジョンになり、弾丸のように物理的な破壊をもたらすのだ。
逆に言えば、「攻撃しない」「破壊しない」という明確な意志を向けたモノに対しては、「エメラルド・スプラッシュ」を命中させても破壊は生じないようである。この技を飛行機内で平気で使用していた事からも、そんな性質が覗える。


C花京院が強く冷静な「理性」「知性」で自己を律し、「衝動」「願望」を制御・抑制する事によって、『ハイエロファント・グリーン』の「破壊」のエネルギーはその流れを止める。この時、『ハイエロファント・グリーン』は非常に希薄な存在となり、スタンド使いからさえも気付かれにくく見えにくくなる。
その状態のまま体を紐状にし、細く長く伸ばしていけば、完璧に気配が消え去ってしまうだろう。そして、エネルギーの流動が停止したからこそ、『ハイエロファント・グリーン』の感覚は鋭敏になり、ほんのかすかな空気の動きですら手に取るように感知できるのだ。


D上記Bの「エメラルド・スプラッシュ」と上記Cの「流動停止」との複合技も存在する。
『ハイエロファント・グリーン』を紐状にほどき、気配を消し、周囲に張り巡らせて「結界」を作る。そして、その「結界」内で『ハイエロファント・グリーン』の紐に触れてしまった侵入者に対して敏感に反応し、自動的に「エメラルド・スプラッシュ」を放つのだ。これをいかに巧みに回避できたとしても、花京院の意志1つで全方位からの一斉射撃も降り注ぎ、侵入者は確実に殲滅される。
「結界」内の秩序や和を保ち、それを脅かす者を排除するための力と言えよう。


E紐状にほどいた『ハイエロファント・グリーン』を、人間やスタンドの体内へと潜入させる事も可能。
『ハイエロファント・グリーン』から滲み出てくる「破壊」のエネルギーは、スタンドに対する抵抗力が弱い者(=スタンド使いではない者)の「肉体」と「精神」のバランス・繋がりを一時的に破壊してしまう。そして、潜入した者の肉体を思いのままに操れるようになるのだ。
スタンド使いの肉体は乗っ取れないものの、体内からの攻撃も可能になるため、どちらにせよ脅威である事に変わりはない。


Fそもそも『ハイエロファント・グリーン』の紐状にほどける性質自体、その体に流れる「破壊」のエネルギーの影響と思われる。
「今の自分を変えたい・壊したい」という衝動が、人型のヴィジョンを壊し、紐状のヴィジョンへと変わっていくのだ。その逆も然り。こうして、2つの姿に変えられる性質を得たのだろう。
(「紐」である理由は、人と人の繋がりを求める心理が反映されていそうだ。)


Gちなみに、空条承太郎を襲って来た際、花京院が用いていた「絵」や「マリオネット」は、能力とは直接関係ない。
メッセージ入りの「ハンカチ」にしてもそうだが、あの時の花京院は、妙に演出に凝っていたフシがある。DIOに植え付けられた「肉の芽」のせいで、普段は抑制されている自己主張自己顕示欲がちょっぴり表に出ちゃったのかもしれない。




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