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ジョジョの奇妙な冒険
スターダストクルセイダース (TVアニメ)






第42話  亜空の瘴気 ヴァニラ・アイス その1




ありがとう。そして、さようなら。アヴドゥル……!!

とうとうこの時が訪れてしまいました。モハメド・アヴドゥル、正真正銘死亡。誰よりも熱く優しい、掛け値無しにいいヤツでした……。
その根っからのお人好しな性格ゆえに命を落としたけれど、その性格ゆえに、ヴァニラ・アイスの予想をも超えた行動を起こし、結果的にポルナレフを勝利に導いてくれるワケです。あの壁のラクガキを事前に仕掛けておけるほどに計算高く、先を見通せるはずのアイスでさえ、アヴドゥルの最期の行動は読めなかったワケです。その気高き魂、天晴れすぎんぜッ!

やっぱりアイスが出て来た途端に空気が張り詰め、一気に緊迫したなあ〜。分かっちゃいるのにドキドキしました。アイスの声は、「ASB」でプッチ神父を担当されていた速水奨さん。うむ、声が若い。演技力とかではなく、声としてはOVAよりよほどしっくり来る(笑)。ベテランの声優さんですし、怒り狂った豹変ぶりの方も期待してます。
アイス戦はとにかく哀しい戦いですが、1つ嬉しかったのは、館突入直前のポルナレフ達の描写。堅い握手と約束を交わすポルナレフとアヴドゥルに加え、不敵な笑みを浮かべるイギーをも描いてくれた点です。原作以上に、3人の意志が1つになった事が感じられ、観てるこっちも勇気が湧いてくる良いシーンでした!BGMもスゲー盛り上げてくれるし、なんかこのシーンだけでグッと来たよ。


でも、アイスとアヴドゥルが全部持って行っちゃって、前半のダービー(弟)の印象が薄いですね。もう完全にアイスの前座じゃん(汗)。この配分は何とかならなかったんでしょうかね?ダービー戦とアイス戦はキッチリ分けた方が良かった気がします。
それはさておき、だんだんとペースを乱され、壊れていくダービーの姿が楽しかったです。諏訪部さんの熱演もグッド!『アトゥム神』が魂を見る描写に関しては、個人的なイメージとはちょっと違いましたけども。もっとサーモグラフィーっぽい見え方で、「YES」の時は赤くざわめき立ち、「NO」の時は青く落ち着いて見えるのかな〜って想像してました。
……あとついでに言っとくと、DIOの寝室の壁にさりげなく『弓と矢』が飾られていた点も、細かい仕込みでニヤリとさせられました。

(2015年5月9日)




第41話  ダービー・ザ・プレイヤー その2




ダービー(弟)とのバトル中盤。前回はやたらスピーディーな展開で、花京院との「F-MEGA」対決を一気に終了間際まで進めたので、今回でダービー戦に決着付けるつもりかと思っていたんですが……、そういうワケでもありませんでした。手堅く進行し、承太郎の投球予告で終わり。
絵は違和感もなく安定していた反面、演出面も普通な感じで、特にこれと言った感想がありません(笑)。普通に面白かったです。「ジジイうるせえよ(笑)」とか「承太郎ってかっけーなー」とか、そんなぐらい。
ただ、出来れば、承太郎がバッティングの方はだいたい覚えて初ホームランを打つシーンのカッ飛ばし音は、もっとカン高く響くようなSEが劇的で良かったかな。現実の野球ではどうであれ、あのシーンにはスカッと爽快な音が欲しかったところでした。

アニメのオリジナル要素としては、「ジャガーズ」と「レッド・ドラゴンズ」以外の4チーム「ファイアー・フォクシーズ」「ベアーズ・ティアーズ」「スノー・ファルコンズ」「グレイ・キャッツ」の球団マークを新しくデザインした点。荒木先生のデザインとはテイストが違う印象は否めませんが、それもまた個性的と言えるかも。
アニメとは無関係だけど、やっぱ「ジャガーズ」のマークデザインは秀逸だよなあ。「ジャガーズ」を「ジョースター」側の「承太郎」が、「ドラゴンズ」を「DIO」側の「ダービー」が使う事で、3重の意味で「J」と「D」のバトルになっているところも巧いんスよね〜。
それと、投手変更の際、「ドラゴンズ」の選手名が数人分描かれていたのもオリジナル。実在の野球選手か誰かが元ネタなんでしょうか?けっこう細かい設定です。
笑っちゃったのが、弟にブチのめされるダービー(兄)の図。わざわざ絵付きで説明されると、「兄ちゃん何やってんだ(笑)」感バツグンです。一行をあそこまで追い詰めた男とは思えない情けなさ。


次回はダービー戦決着と、いよいよ現れる亜空の瘴気!次回ではアヴドゥルもギリギリ死なないかもしれませんが、ついに来てしまったか……って感じ。まだお笑い的空気が漂うダービー戦から、急激に暗く冷たく引き締まる温度のギャップを上手く表現していただきたいですね。

(2015年5月2日)




第40話  ダービー・ザ・プレイヤー その1




ダービー(弟)とのTVゲーム戦の前半です。正直言って、今回は絵に違和感たっぷりで、話に集中し切れない部分がありました。
ただ、ダービー(弟)とのバトルはキャラクター自体の動きは少ないエピソードなので、絵的に力を注ぐとすれば、先に控えるヴァニラ・アイス戦とDIO戦って事になるでしょうね。それに、冒頭でダービーが長々と語る時のカメラワークは張り詰めた雰囲気が出てましたし、ダービーの人形コレクションの不気味さもイイ感じに表現されてました。何より「F-MEGA」の臨場感とスピード感は素晴らしかったです。
また、花京院がDIOに屈服した時のシーンも良かった。あの場の空気の冷たさの演出として登場したペット・ショップや、DIOの甘く危険な囁きも注目ですが、バラが花京院の「恐怖」DIOの「妖気」の象徴として使われている点が巧みです。絵そのものはともかく、見せ方は非常にグッドな回でした。ここが上手く描ければ、恐怖を乗り超えんとする花京院の誇り高さもより際立つというもの。

一方で、最初に『スタープラチナ』の右パンチを読まれた事に対する、承太郎のモノローグが無くなっていたのはいただけません。スピードで避けられたのではなく、右でパンチする事をすでに知られていた衝撃が、視聴者に伝わらないまま進んでいく事になっちゃいますから。……あ、でも、『アトゥム神』の耳から蒸気が放たれるってのは、『ダークブルームーン』の関節部のフタが開閉して空気を取り入れてる動きなんかを思い出させる、アニメならではの工夫でしたね。ロボットっぽい見た目のイメージに合ってました。
それから、せっかくの絶海の孤島というシチュエーションなのに、ピンクの空とオレンジの海がベースになっちゃってるのも残念。幻覚らしさの演出かもしれませんが、どうせなら真っ青な空と海を描いてから、シーン特色としてピンクやオレンジにした方が良かった気がします。


そんな具合で、良いところもそうではないところも目立つ回でした。尺の都合上でか、カットされてる部分もちょいちょいあるしなあ。とは言え、トータルではとっても面白かった!
今回でついにダービー組とアイス組に分断してしまったのも、ラストが迫っている雰囲気バリバリです。ああ、もう彼ら6人が揃う事は二度とないのか……と、センチな気分にもなってしまいます。しかし、彼らの命と誇りを懸けた死闘、最後まで見届けたいと思います。スタッフも必ずや大いに盛り上げてくれるに違いない。期待してます。

(2015年4月25日)




第39話  地獄の門番ペット・ショップ その2




ペット・ショップ戦の後半です……が、バトル自体はAパートで決着!『ザ・フール』のドームにツララが突っ込まれたシーンは、もうちょっと衝撃的な感じにしてほしかった気はします。でも、水の中だろうと土の中だろうと追って来るペット・ショップの怖さは、充分に表現されていました。そんな鳥公に噛み付くイギーもド迫力ッ!
バトル後、水中へ沈んでいくイギーに走馬灯が過ぎるオリジナルシーンも追加されています。ニューヨークで野良犬の帝王として君臨し、イイ女をはべらせ、人間を小馬鹿にしまくる姿。そして、アヴドゥルと戦い、ついに捕獲されてしまう姿。これだけで彼の人生(犬だけど)がどんなものか、彼がどんな性格なのかがよ〜く分かります。……つーか、原作未読の方からすれば、マジでイギーが死んじゃうって焦った事でしょうね(笑)。自分が救った少年に救われるという、因果や運命の循環が美しい。

Bパートでは、イギーと共に花京院も合流です。それにしても、ポルナレフがイギーを気に掛けるシーンがやけに多い印象。後々の展開のための布石なのは理解できますが、正直、ややしつこく感じられる部分も(汗)。
そして、一行はついにDIOの館に到着!原作では1人涼しい顔してた承太郎も、アニメでは冷や汗ダラダラでちょい違和感はありました。まあ、これはこれで、DIOが放つ「悪」の大気がいかに圧倒的なのかが伝わりますね。門番を消されて、いよいよDIOも本気って事でしょう。「STAND PROUD」をバックに、今までの遙かなる旅路を振り返るオリジナルシーンがまたグッと来ました。ここで初めて、クルセイダース全員の想いが、DIOに対する闘志が1つになったワケです。これは燃えるな〜。
最後にはダービー(弟)も登場です。どうせなら原作同様、ダービーの弟である事を告げて終わりにしてほしかったけど、次回からのゲーム対決も期待してます。花京院の復帰戦でもある「F-MEGA」がどう再現されるのか楽しみですよ。

(2015年4月18日)




第38話  地獄の門番ペット・ショップ その1




多くのファンが楽しみにしていたであろうペット・ショップ戦の前半です。スタッフもかなり力を入れてくれたようで、スピード感と迫力があって良かった。
ついにイギーが喋ってくれたワケですが、悪ガキっぽい感じでイメージに合ってると思います。ただ、どうせならバカ犬のフリしてる時や、犬好きの少年を逃がすために吠えてる時も、副音声っぽく喋ってくれたら最高だったんだけどな〜。
対するペット・ショップもカッコイイ。どこまでも執拗な殺戮追跡マシンの冷酷さ・非情さ・恐ろしさ!車の下をくぐり抜ける際や上空を滑空する際の疾走感も見事です。氷が割れて『ホルス神』が発現し、雄叫びを上げるシーンもクールだったぜ。動く音も機械的で、「らしい」ですね。

惜しむらくは……、ペット・ショップが最初にイギーの目前に降り立つシーンを、もっとジックリ描いてほしかったところ。ゆっくり悠然と、空気を冷たく巻き込みながら着地するように描けば、大物感が増したんじゃないかな、と。
あと、氷のミサイルにやられた『ザ・フール』が、イギーの姿から元の姿に戻っていくってシーンを描いてほしかったですね。それがあってこそ、ペット・ショップが騙された理由を絵としての説得力で見せる事になると思いますんで。

(2015年4月11日)




第37話  ホル・ホースとボインゴ その2




ホル・ホース&ボインゴのリベンジ後半戦であります。ハイクオリティーでめっちゃ楽しかった。
原作再現度の高さゆえの安心感というか、期待にしっかり応えてくれるのが嬉しいね。だからこそ、「楽しかった」以外の感想もあんまりないんですが(汗)。でも、トラックが突っ込んで来る前に、走って近付いて来るタイヤのシーンが挿入されていて丁寧でした。大焦りのホル・ホースと、沈着冷静に「運命」を眺めるボインゴの対比も活きてます。下水管工事の男達とのやりとりも笑わせてもらいました。
一方で、ポルナレフの顔芸が若干控えめになっちゃってた点は残念(笑)。原作ほど前衛的な顔面にはならんかったな。まぁ、1枚絵だけで表現するマンガと、動きを連続させて見せるアニメの違いもあるし、仕方ないのかもしれませんね。あれでも充分笑えたし。

そして、「運命」に敗れるホル・ホースとボインゴ。ホル・ホースは、インドでアヴドゥルに与えたのと同じ傷を受けて入院。ボインゴは、爽やかに成長したと見せかけて、もっと暗い性格になったまま入院。皮肉の効いたオチが、なんとも荒木先生らしい。そうそう都合良くはいかないよね。
今回もEDは「アク役◇協奏曲 〜ホル・ホースとボインゴ〜」。しかも、ラストの絵は前回と変えてきやがった!スタッフ、力入れすぎ(笑)。


さて、ギャグ成分たっぷりなエジプト編でしたが、ここからは空気も一変!次回は、いよいよペット・ショップの登場ッ!イギーの喋りっぷりにも期待大です。予告だけでテンション上がってきましたよ。DIOとの最終決戦に向け、我々視聴者もジョースター一行も冷たく凍り付かせてほしいですね。

(2015年4月4日)






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