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ジョジョの奇妙な冒険
スターダストクルセイダース (TVアニメ)






第12話  女帝(エンプレス)




今回は『エンプレス』戦。次から次へと、休む間もなく敵が襲い続けて来ております。それでも悲壮感どころか、むしろ楽しい旅に感じられるのが3部の魅力。聖地ベナレスの紹介ナレーションはもちろん、背景の町並みや人々のおおらかさ(大雑把さ?)、パトカーのパトライトとサイレンなど……、エキゾチックな描写がいっぱいで、自分も一緒に旅をしているかのよう。荒行(カトゥー)を行なう修行僧達や燃やされる死体の描写は、残念ながら省略されちゃったけど。
さて、バトルの方はと言うと、実に面白かったです。貴重なジョセフ回って事で、ジョセフの知的さとカッコ良さとユーモアが表現されててグッド!『エンプレス』の声優さんの演技のおかげもあり、大いに盛り上がりましたね。『エンプレス』の成長度合いに合わせて声も変えているのが素晴らしい。『ハングドマン』にしても、本体:J・ガイルとは声質に変化を持たせていましたし、やっぱ声優さんの功績はデカいな。
ただ、さすがにカラーのアニメで見ると、コールタールが黒いからバレバレってばバレバレ(汗)。マンガみたいに、「水と思わせといて、実はコールタールでした!」と視聴者を欺くのは難しかったか。あ、あと「脳軟化人生」が「脳さんか(酸化?賛歌?)人生」に聞こえましたね。単なるミスかな?

オリジナルシーンとしては、メスを見た医者の「あら、ちょっとサビてるね。……まっ、ノープロブレムね」。プロブレムありすぎ(笑)。不意打ちで吹きました。
そして、ラストシーンの追加。ジョセフの医者殺し容疑のせいでホテルに泊まれなくなった一行、車を手配し、夜の闇に紛れてこっそり出発です。キーがポルナレフの頭に刺さっちゃうもんだから、また吹いた(笑)。次なるスタンド『ホウィール・オブ・フォーチュン』との戦いの幕開けともなっており、自然な描写でしたね。


公式の発表によると、どうやらこの3部アニメは4クールで確定のようです。1年間ブッ通しで彼らの旅を観れるのは嬉しい限り。正確には、4話収録のDVD&Blu-rayが全6巻なので、エジプトに入った時点で微妙にタイトルを変えて仕切り直す予感はしますけど。タイトルのおケツに「未来への遺産」とかくっ付けたりして。OPもEDも、そこから変わりそう。
まあ、どうあれ、承太郎達の遥かなる旅路はまだまだ終わりません。今後も超楽しみですねッ!スタッフさんも頑張ってください!

(2014年6月21日)




第11話  皇帝(エンペラー)と吊られた男(ハングドマン) その2




OPを省略し、1・2部の頃のようなスピーディーさで詰め込み、『エンペラー』&『ハングドマン』戦をキッチリ終わらせてしまいました。
もちろん熱くて面白かったんですが……、テンポ重視のあまり、全体的にあっさり流れちゃった印象も。変に比較してもしょうがないけど、OVA版の方がカタルシスはありましたね。特に、J・ガイルの挑発に乗ってしまうポルナレフとか、ポルナレフの口上とか、J・ガイルへのとどめとか、正直ちょっと物足りなかったです。ポルナレフの激しすぎる怒りと憎しみと悲しみがもっとビンビン伝わってくれば、J・ガイルをブッ殺す時ももっとスカッと出来たかな。
オリジナルシーンを挟む余裕もほとんどなく、承太郎とジョセフが倒れたアヴドゥルを見付けるシーンの追加くらいでした。あとはせいぜい、ホル・ホースがナイス・ダッシュでトンズラこいてる時の、彼の過去シーン。うん、いいキャラしてるぜ(笑)。


ちなみに、花京院の名誉のために言っておくと、「ジョジョ」に「鏡の中の世界」は実在しません。『マン・イン・ザ・ミラー』は、その実在しない「鏡の中の世界」のような空間を創り出すスタンド能力に過ぎないのです。
あの空間は数百メートル範囲しか存在しないようですし、そもそもイルーゾォを殺したらジョルノ達が元の世界に自動的に戻って来れたという事は、本体の死によってスタンド能力で創り出したものが消滅したという事。もし本当に「鏡の中の世界」であるのなら……、イルーゾォが死んでも、「鏡」を行き来する術を持たないジョルノ達は、逆にずっと「鏡の中」に閉じ込められっぱなしになっちゃうだけでしょう。
なので、花京院の認識は正しいのです。もっとも、『マン・イン・ザ・ミラー』のような能力を想像できなかった点は、まだスタンド・バトルの経験不足ゆえなのかもしれませんが。でも、『ハングドマン』の能力を推理する上で、花京院の常識的な思考は結果的に大いに役立ったワケですね。

(2014年6月14日)




第10話  皇帝(エンペラー)と吊られた男(ハングドマン) その1




今回でいよいよインド上陸ッ!『エンペラー』&『ハングドマン』との死闘が始まります。序盤のインド紹介にはやっぱり笑っちゃいました。さすがに「バクシーシ」とか「この宇宙で最悪の所」とか、インドのマイナスイメージに思いっきり繋がるようなセリフは削られた模様ですが、エネルギーに溢れた国ってのは充分伝わりましたね。豚のトイレも、怪しげに渦巻く妖気とゴゴゴゴ音と便器の中でキュピーンと光る両眼が最高(笑)。
敵スタンドやバトルの描写もカッコ良かったです。不気味な『ハングドマン』、飄々としたホル・ホース、それぞれの魅力が表現されていました。個人的に「おっ」と思ったのが、ポルナレフが単独行動で「両右手の男」を捜す時に雨が降っていた点。直後に『ハングドマン』がアヴドゥルを襲うために使った水たまりの布石にもなってるし、J・ガイルだけが透明の膜で覆われたように雨を避けたりもしていて、非常に丁寧で無駄のない構成です。また、相対して爆笑し合い、水たまりに水滴が落ちた刹那、同時に「てめ――っ ブッ殺すっ」と叫んで決闘するポルナレフとホル・ホースも、意外でちょっと燃えました。

オリジナルシーンは、食事の注文時の場面。ポルナレフの「フランス人のオレの口に合うゴージャスな料理」という言葉を聞いて、「何でもいいって事ですよ」とクールにあしらう花京院。思えばこの辺から、花京院のポルナレフに対する態度が雑になってきてますからね(笑)。そして、仲間割れの時の「確かにわたしは恐怖して逃げた。しかし、だからこそ勝てると信じるし、お前は負けると断言できる」ってアヴドゥルのセリフ。なかなか深いな。相手との力量の差を見定める事が出来るからこそ、「恐怖」を「恐怖」と認識できるワケです。今のポルナレフは、憎悪のあまり我を失い、「恐怖」を感じる事すら出来なくなっている。そして、「恐怖」にただ飲み込まれるのではなく、アヴドゥルのように「逃げる」という判断と行動を起こせるのなら、逆に「立ち向かう」事だって出来るはず。その「勇気」さえ持てれば、どんな「恐怖」にも打ち勝てるはず。
アヴドゥルが倒れたシーンでは、花京院もさすがに脈までは確認しませんでしたね(笑)。アヴドゥルも一応、のけぞった姿勢で額を撃たれた感じに描かれています。ただ、「ジョジョ」名物の死の煙が出てましたけど、あれだとなんか湯気っぽくて微妙かな?砂とか灰みたいな粒が、ゆっくりと昇天して散っていくように描けば、それっぽく見えるのかな?……ともあれ、アヴドゥルはひとまず戦線離脱となりますが、帰還の時を待つとしましょう。
いや〜、大事な回だけあって、スゴく面白かったです。今回は特に短く感じました。この戦い、なんだかんだで「その3」まで続きそうな予感。熱く激しいバトル、楽しみにしとります。

(2014年6月7日)




第9話  黄の節制(イエローテンパランス)




今回は『イエロー・テンパランス』戦です。なんと言うか……、こうやって動きや音声を付けて改めて見てみるに、ラバーソールの野郎はマジで花京院になりすます気ゼロですね(笑)。露骨に怪しすぎるし、平気ででっかくなってるし。いやいや、もうちょい隠せよ(笑)。あれじゃ裏切り者っつーか、ただの別人だって!せっかく疑心暗鬼になるようにDIOが演出してくれたのに。……そんな具合で、激しいアクションがあったってワケでもないけど、ラバーソールの不審すぎる言動罵詈雑言の数々が大いに楽しめました。クズな小者もここまで突き抜けるといっそ清々しい。けっこう好きなキャラですよ。
特に今回は、花京院の声優さんである平川さんの演技が光ってましたね。まったくの別キャラになり切ってしまえるのは見事です。まあ、そもそも花京院に変身してるはずなのに「別キャラ」になっちゃってる時点でおかしいんですけど(笑)。「レロレロ」も文句なし!もちろんラバーソールの声優さんも頑張って演技してらっしゃるのですが、個人的には「ドゥー ユー アンダスタンンンンドゥ!」はもっとねちっこく挑発するように言ってほしかったかな〜。

オリジナルシーンとしては、やっぱりありました。本物の花京院の描写が。どうやら承太郎と一緒に出掛ける約束をしていたのに、承太郎はラバーソールの方と行っちゃったので置いてけぼりにされ、しょうがなくプールサイドで1人ぼっちで日向ぼっこしていたらしい……。切ねえ。しかも学ランのまま。その学ランへのこだわりで、ジョセフ達も本物と判断したようですが、そんなんでいいのか?(笑) ケータイとかがない'80年代だからこその、すれ違いのサスペンスでした。
逆に省略されちゃったのが、冒頭のココナッツ。店のおっちゃんがココナッツをガツンと割って、ジュースの甘さや果肉のおいしさの解説なんかもしてほしかった。あれを原作で読んで、ココナッツに異常な憧れを抱いた人も少なくないでしょう。私もそんな1人でした。現実には正直そこまでうまいもんでもなかったけど、超暑い時に飲む冷えたココナッツジュースは格別だったな。


さて、いよいよ次回は3部序盤クライマックス!インドでの『ハングドマン』&『エンペラー』戦です。予告だけでも面白そうッ!
ただ、今回は微妙に作画が安定してなかった気がするので心配です。公式Twitterを見ると、この9話もけっこうギリギリで完成したっぽいし。アニメがどういうスケジュールで制作されてるのか分からないんで、勝手な事も言えませんけど、スタッフの方々にはどうにか頑張ってクオリティーを保ってほしいところ。陰ながら応援しております。

(2014年5月31日)




第8話  悪魔(デビル)




今回は『エボニー・デビル』戦。この『エボニー・デビル』は身軽でアクロバティックな動きをするヤツですし、カメラワークやアングルにも力が入っていたので、非常にアニメ映えした回だったなって印象です。グリグリ動いて、とってもカッコイイ。また、前回の『ストレングス』戦に続いて、ホラー的演出も凝ってて恐怖感が出ていました。血みどろの戦いのため、画面はやたら黒かったけど(笑)。それも愛嬌……というか、かえって「悪魔」っぽくてムードがあったかも?
オリジナルシーンもかなり追加されており、しかも展開上、ごく自然な挿入でもありました。ホテルの部屋割りとか、ジョセフの部屋に集合するところとか、一般人であるアンへの気配りが窺えます。そういうシーンでも、それぞれのキャラクター性に沿ったリアクションをしてくれるので、むしろオリジナルシーンが楽しみにもなっています。デーボやホテルのボーイさんが変死を遂げた事により、ポルナレフが警察の取り調べを受け、それをスピードワゴン財団がフォローするってエピソードも追加。殺人すら揉み消せる財団の謎のパワー(笑)。実に頼もしい、旅の助っ人です。

ただ、不満と言うほどのもんじゃないけど、個人的にはこうしてほしかったなって部分もけっこうありました。
ボーイさんが顔を切断され、部屋のドアが閉じられるシーンは、もっとじっくり描写してほしかったところ。ボーイさんの体が部屋の奥に一気に引きずり込まれ、ドドオーンと派手にドアが閉じられるからこそ……、異界に飲み込まれて、外界から完全にシャットアウトされた絶望感と緊張感が倍増すると思います。人形がベッドの上から覗き込んでくるシーンも、もっといきなりでビックリする風に描いてもらいたかったですね。
それと、人形が酒やジュースで部屋をビチョビチョにしまくるのは、あくまでポルナレフへの攻撃の最中じゃないと違和感アリアリ。デーボの「メ――ン!」ももっと伸ばして、ハイテンションっぽく言ってほしかったです。「乾かしてやるんじゃねーぜッ!」ってセリフも、「乾かしてやる(マジ声)」「……んじゃねーぜッ!(嘲笑)って感じの方が面白かったかな。そして、ポルナレフの「タマキン」発言も、原作の「○○○○」に近付けるためにピー音とかで隠せば良かったんじゃないかと思いました。
ネコドラくんが別アニメに変えられちゃってたのは、まあ……、こればっかりはしょうがないよね。なんかいろいろ細かい事を書いちゃいましたけど、素晴らしい出来だからこその贅沢な欲求なんですよ(汗)。


この『エボニー・デビル』戦、ボーイさんが顔切られて殺される回は、まだ純真無垢な少年だった私が「ジャンプ」で初めて読んだ「ジョジョ」3部でもあります。あまりの恐ろしさとキモさに震え上がった想い出深い回だったせいか、いつも以上に楽しく観る事が出来ました。3部の盛り上がりはますます加速していくので、今後も大いに期待ですね!

(2014年5月24日)




第7話  力(ストレングス)




今回は『ストレングス』戦です。作中で初となる「人間以外のスタンド使い」「スタンド使い以外の者にも見えるスタンド」が登場する、記念すべき回とも言えるでしょう。そんなスタンド使いのオランウータン、その名はフォーエバー。山口勝平さんの熱演により、ますます不気味で恐ろしい存在となりました。
バトル自体はあっさり風味でしたけど、やはりあのシチュエーションの怖さは独特なものがあります。いきなり目の前に現れた無人の巨大タンカー、ひとりでに動く機械、妙に人間臭いオランウータン、シャワーという無防備状態に迫る影、静かに不吉さを奏でるBGM……。まさにホラーです。常識外れのこのスタンドに誰もが飲み込まれていく中で、主人公:承太郎のカッコ良さ・強さが際立っていましたね。
ただ、キッツい歓迎の挨拶を見せまいと、承太郎がアンの目を覆ってやるシーンはちょっと不自然に感じられました。そもそもアンが見ちゃった後じゃ遅いし、原作通りに片手でサッとアンを抱き寄せるようにしてやった方がしっくり来たかな。一方で、アンの不安な気持ちを察して、ジョセフが「我々は君の味方だ」と安心させてやろうとするシーンはグッドでした。アンが言葉に出さずとも、ジョセフが気遣ってくれてるのが、なんかイイですね。

ナレーションの猿語通訳も、ポルナレフのまるで空気読まない「ガム噛むかい」も笑いました。個人的には、フォーエバーの心境を承太郎が勝手に想像して「ウキャッキャ」言ってる原作が面白かったんですが、感情がこもったナレーションもまた良し(笑)。
そして、DIOの背後に半透明で描かれる『ザ・ワールド』!真の出番はまだまだずっと先ですけど、後半への布石が続々と打たれてきててワクワクさせられます。

(2014年5月17日)







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