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ジョジョの奇妙な冒険
ダイヤモンドは砕けない (TVアニメ)






第6話  広瀬康一 (エコーズ)



今回は玉美戦。ついにやって来た『エコーズ』発現の時です。まさに1・2部のアニメを彷彿とさせるスピードで進行し、見事に決着まで付けてくれました。
正直、テンポが良いのは嬉しい反面、どうしても削られるシーンやセリフが出て来ちゃうので残念でもあります。何と言うか、全体的にサラッと流された感じで、物足りなさもありました。もうちょいタメが欲しいな〜、とかね。康一くんが初めてスタンドを動かそうとするシーンなんかは、ちゃんと観たかった。
『エコーズ』を喰らった玉美が「音」に苦しむシーンは、もっと不協和音でクソやかましく耳障りにしても良いんだけど、視聴者にもダメージがあるから難しいところですね(笑)。

でも、激しいアクションの無い回だってのにも関わらず、とにかくビジュアルで魅せようという工夫が見られて良かったです。玉美は最初から低身長で描かれる事になったワケですが、その代わり、玉美のいた道路一面に派手なストリート・アートらしきものが描かれてて、それだけでも不穏でヤバそうな空気を感じさせました。『ザ・ロック』の発動・解除のシーンも、動きがあって面白かった。全編通してカラーリングや演出も凝ってて、画面もめっちゃカラフル
声優さん達の演技も、いつにも増して光ってます。特に玉美の声優さんは2部で「鋼線の(ワイアード)ベック」役もされていた鶴岡聡さんで、やっぱインパクト絶大で最高でした(笑)。康一くんも覚醒前後でうまく演じ分けられててカッコ良かったですね。
アニメならではの魅力で大いに楽しませていただきました!康一くんのさらなる成長にも期待大です。


最後にしょーもないツッコミですが……、『ザ・ロック』に書かれてる「銭」って文字、微妙に間違ってません?まあ、玉美の教養の無さが感じられる、とも言えますかね(汗)。

(2016年5月7日)




第5話  虹村兄弟 その3



今回はバトルの無い説明回的な回です。前回のような派手さこそ無いものの、ストーリーが動き出す重要な回。しかし、アニメである以上、アニメーションしてなんぼ。その点、スタッフさんも色々と工夫して頑張ってくれました。おかげで非常に楽しめました。
形兆が説明してる間も、親父さんが「箱」を開け、執拗にいじくり回してる描写が強調されています。その分、「真相」が明かされた時の納得も感動も大きい。思わず涙ぐんじまったぜ……。さすがに写真のパーツが大きすぎる気もしないでもないけど(笑)……、形兆が親父さんの「心」をもう少し信じられたなら気付けたのかなって、やるせない気分にもなりました。親父さんのやってる事を、ハナから「無駄な行為」と切り捨てなければ、形兆もまた違った生き方が出来たのかもしれませんね。この辺は形兆の表情の微妙な変化も良かったです。「父親」を知らない仗助も、さぞ複雑な心境だったろう。

今回は時間的な余裕もあって、形兆の死後の描写もけっこうありました。
息子の死に気付く事なく、家族の写真を幸せそうに見つめる親父さんの切ないオリジナルシーン。そして、音石が承太郎に電話するシーンも挿みつつ、最後はなんと、これまたオリジナルの億泰の初登校シーンも追加ッ!ここで「グレートにヘビー」とのコメントをいただいたってワケですな。今までのシリアスさが嘘のようにコミカルで、なんとも億泰らしい。ポルナレフにしても億泰にしても、重すぎる悲しすぎる過去を背負うヤツに限って超明るいんだよなあ。それが彼らの「強さ」ですよね。そのおかげで、爽やかに笑って見終われました。


ただ正直、虹村兄弟の最期のやり取りや、兄の死を目の当たりにした億泰のセリフなんかは、自分が抱いていたイメージと演技が違う印象はありました。形兆の「いつだって おれの足手まといだったぜ…」ってセリフは、「弟」への愛憎を穏やかに伝えてほしかったかな、とか。億泰の「仗助〜〜 見てただろォ〜〜〜〜?」の辺りのセリフは、もっとすがるような感じで喋ってほしかったな、とか。
まあ、そういうのは今に始まった事じゃないですし、それぞれがそれぞれの中に求める「ジョジョ」があるワケだから仕方ない問題。それは分かってる上で細かい事書いてるだけですんで(汗)。

(2016年4月30日)




第4話  虹村兄弟 その2



今回は形兆戦。「グレートにおっぱじめる」くらいまでかと思っていたら、予想以上のテンポの良さで、キッチリ決着を付けてくれました。そんなに駆け足にも感じないし、ちょうどいいペースかも。見どころ満載で面白かったです。
仗助が億泰を助けた理由を語るシーンは、やっぱ名シーン。じいちゃんの死を目の当たりにして、「人が傷付く事」「人が死ぬ事」の重みを心で理解したんでしょうね。理屈じゃなく、仗助の全細胞が、「人を護る」方へ、「人を助ける」方へ、自然と向かってしまったんだろうな。そんな仗助に心打たれ、1回だけ手助けする億泰もグレートにカッコいい。原作で何度も何度も読んでるけど、アニメとして観ると、また違った感動がありました。
『バッド・カンパニー』も、その不気味さや強さが遺憾なく発揮されていたと思います。何と言っても、「静」と「動」の切り替えが素晴らしい。スタンドが現れる前の、何かが潜む暗闇の館を少しずつ進んでいく緊迫感。スタンドの正体が判明してからの、次々に畳み掛けて来る圧倒的火力の高揚感。否が応にも盛り上がっちゃいますな。


ただ……、個人的には、『バッド・カンパニー』の攻撃を受けてしまった億泰を見て、形兆がつぶやく「億泰ゥ〜〜ッ」ってセリフが削られてたのが残念でした。この「億泰ゥ〜〜ッ」には、形兆のいろんな感情が込められていると思うんで。
でも、それ以外は特に不満もなく、楽しんで観れました。作画も声優さんの熱演もかなり良かった。億泰の状況を所々に挟んでいたのも、『エコーズ』の「卵」が一旦消える描写の追加も、実に芸が細かい。オーラっつーか、スタンドパワーのゆらめきの表現については、3部の時よりも落ち着いてて好きです。3部は完全に超サイヤ人で目障りなくらいの勢いだったけど(笑)、4部はそれぞれにカラーも異なるし、目にも優しいね。

(2016年4月23日)




第3話  虹村兄弟 その1



今回は、アンジェロ戦後のやり取りと億泰戦。見せ方にも工夫があって、テンポ良く違和感なく進みます。
DVD&Blu-rayは全13巻で、第1巻が3話収録との事なので、単純に考えれば全39話の3クール放送って事になりそう。4部の全エピソードを1・2部に近い形でサクサク展開させるらしく、スタッフの手腕も問われるところですな。まあ、その辺の心配は、このスタッフには不要かも。……あ、毎度の如く、Blu-rayの方はさっそく全巻予約しました。全巻購入特典のOVA「岸辺露伴は動かない」が嬉しいッ!

アンジェロへの尋問が、承太郎の回想という形で描かれ、それがエンヤ婆の写真にも自然に繋がるのが巧い。しかも、アンジェロがわざわざ自分の事を話したのも、いい気になってる承太郎達に恐怖を与えるため(無論、話に気を取らせるためでもありますが)。さらに、康一くんが自分で杜王町の危機を調べていたのも良かった。彼の正義感や「いい人」感が出てますね。この4部アニメはとにかく、ストーリーの流れの「再構築の仕方」と「間の繋ぎ方」が上手です。
それは億泰戦においても発揮されていました。あっけなかった原作とは逆に、ここではボリュームが増しています。億泰が仗助をより窮地へと追い込み、そして仗助の機転もより丁寧に描写されました。『ザ・ハンド』の能力の演出もカッコ良かったです。それだけに、正直、作画がまたちょっと微妙になっちゃってたのは残念!第2話くらいのクオリティを保ってもらえたら言う事ないんだけどな。

(2016年4月16日)




第2話  東方仗助!アンジェロに会う



冒頭は、アンジェロの朋子への接近を、アンジェロ最後の犯罪と同時並行で見せる展開。なるほど、こう来たか。てっきりTV的にNGでカットされたのかと思いきや、良い意味で裏切られたな〜。朋子に迫る危険がより強烈に感じられ、ハラハラさせられますね。
OP曲は「THE DU (ザ・ドゥ)」の「Crazy Noisy Bizarre Town」!これまでのOPとはまったくテイストの異なる、ポップでダンサブルな楽曲。ノリノリでアゲアゲなパーティー・チューンに仕上がっていました。OPのアニメーションは、なんと「神風動画」が関わっていない模様。それはそれで残念でしたが、私的にはこのOPで大満足!杜王町の「楽しさ」「賑やかさ」が存分に発揮され、見てて明るい気分になるのが好きです。康一くんの成長や新キャラの登場に従って、『エコーズ』が現れたりバリエーションが変化したりするんだろうなあ。

2話目って事で、スタッフが多少こなれてきたのか、私が早くも馴染んできたのか、色彩や絵柄にも違和感が無くなってきました(笑)。前回以上に、純粋に楽しんで観る事が出来ました。
今回はアンジェロ戦決着まで描かれましたが、初戦にして4部の魅力満載のスタンド・バトルです。雨が降るまで何日もじっと待ち続けるアンジェロがイイんですよね。巣に獲物が引っ掛かるまで待ち構える蜘蛛的な敵。己の能力と身近な物をフル活用しての、二転三転する戦況。これぞ4部ッ!原作を何度も読んでるのに、やっぱり盛り上がっちゃいます。
何より、良平じいちゃんの意志を仗助が受け継ぐシーンがカッコ良すぎ。ここで初めて仗助は、その名の通り、町と母を「護り助ける」事を決意するワケです。(変に「オレのせいだ」とかウジウジしないところが荒木先生らしい。)かつてリーゼントの少年に助けてもらった事が、仗助にとっての「黄金の精神」の萌芽だったとすれば、じいちゃんの死は「黄金の精神」の開花。4部を、仗助を語る上で、決して欠かせぬ重要なシーンと言えます。そこだけはしっかり押さえてほしいと願っていたので、アニメの出来に安心し、そしてグッと来ました。良平じいちゃんの「お茶目なじいちゃん」から「町を守る男」への緩急も、じいちゃんの死を徐々に受け止めていく仗助の表情や声も、実にグッドです。承太郎の仗助への言葉も、3部を知っているからこそ、余計に胸に来るものがありました。


まあ、細かい不満点もあります。牛乳ビンに潜んだ『アクア・ネックレス』が出て来るシーンも、ちゃんと牛乳ビンを描いてほしかった。「雨!?……」「……だと?」のシーンも、もうちょいタメが欲しかったっつーか、『アクア・ネックレス』が現れた瞬間の衝撃の静寂が欲しかった。家の中で「水」に追い詰められ、「ブチ壊し抜ける」シーンも、仗助達にグングン迫って行くようなカメラの動きとアングルで見せてほしかった。とは言いつつも、逆に細やかな配慮や小ネタも多く見られるので、印象が悪くなるような事は無いですね。大川さんのナレーションも嬉しい(笑)。
ED曲は「Savage Garden (サヴェージ・ガーデン)」の「I Want You」!OPとは打って変わって、「Savage Garden」らしいノスタルジックな楽曲。このちょっぴり物寂しくも優しい雰囲気が、これまた杜王町に合ってます。EDのアニメーションも「神風動画」とは無関係のようですが、奇妙な町をどんどん進んで行く感じが気に入りました。

(2016年4月9日)




第1話  空条承太郎!東方仗助に会う



第4部もいよいよ始まりましたッ!1〜3部ともまた違った魅力を持つ4部ですが、このアニメも4部ならではの面白さで我々をグレートに楽しませてくれるでしょう。
第1話はとにかく、東方仗助というキャラクター、杜王町という町の紹介に集中した印象。トボケたりキレたりビビッたりと、感情豊かな仗助に好感が持てました。クールな承太郎、等身大な康一くんと、その個性を活かし合ってますね。髪型をけなされるとキレる理由については、あえて語らず。露伴戦で明かされるエピソードと矛盾しないように、との配慮ですな(笑)。さらに、初っ端から吉良の存在を匂わせつつ、「鉄塔」もチラ見せし、露伴や形兆、億泰、由花子さん、間田……といった後に出会うスタンド使い達もさりげに描いていました。一見、とてものどかな杜王町の、裏側に潜む不穏な空気が伝わります。「日常」と「非日常」、「平和」と「狂気」の交差を意識した演出も多くてグッド。菅野祐悟さんによるBGMも、相変わらず素晴らしい。
朋子がナンパされる時の描写に、「村上のお婆ちゃん」を追加したのは良かったです。あれだけで、ナンパした男が朋子にブチのめされるのも、良平じいちゃんに言いくるめられるのも、「ま、しょーがないよね」って気分になる(笑)。その上、ご近所感も出るし、良平じいちゃんの人とナリがよく分かります。ずっと町のみんなに慕われてきたお巡りさんなんだろうな、と思わせてくれる。そしてそれは、彼の死への悲しみにも、殺したアンジェロへの怒りにも繋がっていく。ナイス改変と言えましょう。

ただ……、不満な点もあるにはあります。個人的には、カラーリングというか色彩が一番気になりました。せっかく高校入学の朝って設定にしたのに、空の色が常に黄色だから、朝なのか夕方なのか時間帯が読みにくかったです。いくら荒木作品のアニメ化と言えど、分かりにくくしちゃったら元も子もない。独特のカラーリングはあくまで「シーン特色」のみにして、普段は普通に青とか茜色で良い気がしました。
あと、スタッフさんの労力が増えて大変になるのかもしれんけど、背景の人々や車をもっと動かしてもらいたいかなぁ。「町」を描き、「町」を作っていくのが4部の醍醐味の1つですから、そういう部分の動きにもこだわってほしいです。「町が生きてる!」と思わせてくれる事を期待ッ!
細かい点を言っちゃうと、「杜王町」の発音が、私とは違ってて違和感(笑)。まあ、そのうち慣れるはず。『アクア・ネックレス』に関しても、あれは水分と一体化してるから、一般人にも見えるスタンドなんですよね。警官に見えてないようなセリフを言わせてたのが残念。


以前から色々言われている声優さん絵柄の問題は、私は特別気にしてません。漫画とゲームとアニメとじゃ、製作者も求められる演技も表現方法も違うのだから、別物になって当然。たとえ最初はしっくり来なくても、すぐに馴染むでしょう。「アニメ」の「ジョジョ4部」として全力で作っていただければOKです。
次回はついに新OP&EDもお披露目らしいし、今からとっても楽しみですね。きっと4部にピッタリの曲と映像で盛り上げてくれるはず。
とにかく、アニメーションする4部が見れるってだけでも感無量なのです。原作読んでた頃は近未来だった1999年も、今ではすでに遠い過去。また毎週、1999年の「あの杜王町」に訪れる事が出来るんだと思うとワクワクしてきます。――よろしく、杜王町。

(2016年4月2日)







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