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ジョジョの奇妙な冒険
ダイヤモンドは砕けない (TVアニメ)






第18話  「重ちー」の収穫(ハーヴェスト) その1



今回は重ちー登場回。感動に満ちた前回とは一転、完全にギャグ回です。正直、重要とは言えない回だろうから、そんなには期待してなかったんですが……、何故かめっちゃ良かった(笑)。不満らしい不満も見当たらない、これまでの18話中でも五指に入る程の出来だったように感じましたよ。
まず、作画が文句無し。仗助達の表情はコロコロと変わり、動きもオーバーで、見てるだけで楽しかったです。やっぱ「カネ」っていう欲望がモロに絡んでいるだけに、みんな俗っぽく生き生きとしてましたね。また、第1話とかに比べると最近は、モブである「町の人々」も割と動くようになってます。もっと通行人や走行車が描かれれば最高ではあるけど、個人的に嬉しいポイントの1つ。スタッフもようやく4部に馴染んできた、掴めてきた、って事かも?
さりげに、康一くんと由花子さんの描写も追加。もうじき放送される『シンデレラ』回への布石です。原作では何の接点もなかった康一くんと重ちーだけど、ここでチラッとでも一緒に描かれた事で、後の展開でもちょっと感情的に変わってきそう。ナイスなタイミング&内容のオリジナルシーンでした。

重ちーの声優は、山口勝平さん。ゲーム「ASB」や「EoH」と同じ配役です。さすが、アニメの方でもしっくり来る声と演技で、見事に重ちーでした。次回は重ちーの欲望暴走となりますが……、イラッとするけど恐ろしい、そんな重ちーをキッチリ演じてくれるだろうと期待しています。

(2016年7月30日)




第17話  岸辺露伴の冒険



今回は鈴美さん登場回。バトルこそ無いものの、まさに4部の核心へと迫る超重要エピソードです。全体的に、切なく哀しい怪談っぽいしっとりとした空気が漂っていて、なんか見応えがありました。
キー・パーソンとなる鈴美さんにはスタッフも気合い入れてくれたようで、滑らかに動いてくれた上、とてもキレイにカワイく気高く描かれていて良かった。声優は原紗友里さん。あぁ〜、「デレマス」のちゃんみおか。アニメはそれほど見てない人間なんですが、意外と合ってると思いました。つーか、鈴美さんの「町を守るために15年も孤独に戦い続けていた姿」にグッと来るんですよね。あの涙の訴えは、声が付くと余計に胸に迫ります。ちょっと涙ぐんだよ。
そして、ラストではとうとう吉良が登場ッ!声優は森川智之さん。「金田一」の明智さんか。爽やかで落ち着いた声が、吉良の表向きのイメージに合いますね。ごくごく自然に異常な事をしてるヤバさが伝わってきて、非常に気に入りました。本性を見せる時にどうなるのかも楽しみです。

中には(吉良に限らず)「なんでゲームと声優を変えたんだよ?」と憤慨する人もいそうだけど、そもそも「なんで一緒にしなきゃならんの?」って話だしね。まったく別物なんだから、わざわざアニメがゲームに合わせてやる必要は無し。
実際、今までもCDドラマにOVA、映画、TVアニメ等々、ジャンルごとに声優は違ってたし、ゲームにしたってタイトルごとに別々です。TVアニメのスタッフが、TVアニメの各キャラに合うと感じた声優さんを選べば良いだけ。「変えた」「変わった」などという概念自体なく、それぞれ「選んだ」だけ。そうやって選ばれた声優さん達に期待しましょうぜ!


正直、今回は鈴美さんと吉良が出て来たってだけで充分満足してしまいました(笑)。さすがにだいぶ急ぎ足で進行し、カットされたセリフ等も多かったけど、話の軸そのものはしっかり通してくれてるから違和感は最小限です。残念な気持ちも当然ありますが、むしろ「よく1話に収めたな」と評価すべきなのでしょう。
……ただ、『ヘブンズ・ドアー』にもう明確なヴィジョンを与えちゃったのはどうなんだろう?気が早すぎやしない?この時点ではまだ「浮かび上がる絵」「輪郭線」だけで、独立したヴィジョンと化すのはジャンケン小僧戦からにしてほしいところでした。

(2016年7月23日)




第16話  「狩り(ハンティング)」に行こう!



今回は「虫喰い」(&「虫喰いでない」)戦。この戦いは、理詰めで獲物を追い詰めていく知的さがカッコ良くて大好きです。荒木先生も「ハンターになって、撃たなくていいから追跡だけしたい」なんて仰っていた事もあったし、さぞかし楽しんで描かれていたんだろうなと思います。
原作で5話分のボリュームを、アニメ1話分に凝縮。中身が濃い分、どうしても省略せざるを得ない箇所も多々ありました。それゆえ、不満な点もあったものの、それでも面白かったですよ。承太郎の冷静沈着さとは対照的に、仗助が非常に表情豊かに描かれているのが最高。仗助は、一緒にいる相手によって、ポジションもかなり変わってくるタイプですよね。二枚目も三枚目もいける、クールも賑やかしもいける、とっても便利で人間臭いヤツ(笑)。そんな動かしやすく親しみやすい仗助が、荒木先生も格別にお気に入りなんでしょう。


ただやっぱり、観たかったシーンがカットされた寂しさはありました。特に、仗助の「承太郎さんといっしょにいると「誇り高い」気持ちになれる」ってトコ。今まで父親の存在なんて無視して過ごしていただろう仗助が、承太郎と出会い、いくつもの死線を超え、父親とも交流。その末、ようやく父の血統を意識し、承太郎と同じ血を引く事を誇れるようにまでなった仗助の成長っぷりが感じられるセリフなんです。あと、「アラレちゃんのよーに」とか「ポパイにホーレン草」とかのセリフも欲しかったなぁ(笑)。
尺がギチギチの時は大概そうですが、せっかくのイカしたシーンが軽く流されちゃう感じもちょい残念。ベアリングを撃つシーンはもっとスピード感が欲しかったし、「虫喰い」の跳弾なんかもじっくり描写してもらいたかった。『スタープラチナ・ザ・ワールド』発動シーンも、なんか物足りなくて消化不良な印象。そもそも、「スタープラチナ・ザ・ワールド!」じゃなく「スタープラチナ!」「ザ・ワールド!」って区切って言うのも、スゴい違和感あります。
……などと色々書きましたが、かと言って2話に分ければ逆に間延びするだろうし、つくづく難しい問題ですよね。限られた条件の中で、この戦いの魅力はしっかりアニメにしてくれたと思います。

(2016年7月16日)




第15話  漫画家のうちへ遊びに行こう その2



今回は露伴戦の後半。作画がめっちゃ良い回で、気分的にも盛り上がりました。面白かったな〜。
2クール目の新OPは、「batta」の「chase」!曲もアニメーションも「Crazy Noisy Bizarre Town」とは対照的に、ロックでシリアスで雄々しく荒々しい。良くも悪くも、普通の少年マンガのアニメって感じ。でも、COOLでテンション上がるし、鈴美さんは超カワイかったです。いよいよ4部も中盤戦だなって気持ちになりました。やっぱ「Crazy Noisy Bizarre Town」みたいは曲は、長い長い「ジョジョ」の中でも4部前半でこそピッタリ合うと思うんで、スタッフの判断は的確だったと思います。


さて、本編の方ですが、今回は特に不満らしい不満もありませんでした。程良いテンポで進み、笑えるところは笑え、キメるところはキメてくれました。仗助のブチ切れ具合もオーバーに描かれていて、やたらインパクトあった(笑)。
まあ、仗助に原稿を見せた時、前回みたいな凄まじい光と風が欲しかったくらいかな。あれぐらいド派手に演出すれば、初見の人も「仗助やられた!」って思うし、その直後の逆転にも「ええっ!?」って驚けるんじゃないかな、と。

仗助の過去話は、アニメとして見ると、また違った感動がありますね。色と音と動きが加わり、臨場感タップリです。本当に清らかで美しい想い出だなぁ。ジワッと来ちゃったよ。リーゼントの少年のセリフは、声を付けず、字幕で表現。明確に仗助とは別人にして問題ない(荒木先生も4部執筆時に明言してるし)と思うけど、原作を読んだ時のイメージをあえて壊さないでくれたんでしょう。
ただ、やはりこのエピソードは、無関係の赤の他人が、自分には何の得もないのに、むしろ大事な学ランをボロボロにしてまで助けてくれたってところがキモですからね。人間が持つ「優しさ」や「善性」の象徴っつーか。仗助にとって「黄金の精神」の萌芽とも言える超重要エピソードなだけに、「未来の仗助自身かも?」という可能性は断ち切ってしまっても良かった……のかもしれません。


そして、次回は「狩り(ハンティング)」回です。これもある意味、4部を象徴するような名エピソード。私も大好きなので、待ちに待ってましたよ。すんごい楽しみ!

(2016年7月9日)




第14話  漫画家のうちへ遊びに行こう その1



今回は露伴戦の前半です。残念ながら、新OPは次週までお預け。まあ、楽しみに待ちます。それはともかく……、内容の方は期待通り面白かった!康一くん、間田、露伴の3人の個性がハッキリしてるから、ただ話してるのを見てるだけでも楽しいです。
正直、作画は微妙だったと思うけど、演出が光っていた印象。まず、露伴宅に入る時。敷居をまたぐ瞬間や、ドアが閉じられるシーンが、なんか「異界」に踏み込んでしまった感じがして良かったです。生原稿を見た「時が止まった」かの如き瞬間や、生原稿から放たれる凄まじい光と風も、笑っちゃうくらい大袈裟で最高。そして何より、たまに入る漫画的なカット。これは逆にアニメだからこそ可能な演出ですね。単調になりがちな会話メインの回ですが、しっかりと工夫されていました。
声優さんもイイ仕事してくれていました。間田役の下和田ヒロキさんは、相変わらず味があって好きです。間田の陰湿な小物っぽさや、普通の高校生らしさが伝わります。露伴役の櫻井孝宏さんは、声も演技も文句はないんだけど、まだ違和感はありますね。私にとってはずっと、5部ゲーのブチャラティなイメージだからなあ(笑)。まあ、そのうち慣れて、しっくり来るかと思います。
EDは、曲自体は変わらなかったものの、絵の方は変化がありました。露伴や音石、ジョセフ、透明の赤ちゃんが追加!だんだん杜王町らしくなってきた。


小ネタとしては、間田が小耳に挟んだという、不動産屋の会話。乙雅三らしき人物の後ろ姿が。彼と話している相手が不動産屋って事かな?
……ところで、自分とアニメとで、単語の発音・イントネーションが違って気になるって事ありません?私の場合、「ジョジョ」でしょっちゅうあるんですよ。「杜王町」の発音もそうだし、今回の「岸辺露伴」もそう。以前の部で言えば、「ワムウ」や「エシディシ」なんかもでした。「スタンド」の発音については、3部のTVアニメでやっと自分と同じになって、落ち着いたもんでしたが。
それこそ、「ジョジョ」好きを公言される一部の芸能人の方の発音や、ゲームで使われた発音を、安易にそのまま持って来たんじゃねーか?的に感じてしまう。この分だと、「吉良吉影」の発音も、「ASB」や「EoH」のまんまなのかな?……自分の発音の方が少数派でおかしい、のかもしれませんけど(汗)。別にどうしろこうしろって話ではなく、個人的にイマイチ収まりが良くないので書いてみただけです。

(2016年7月2日)




第13話  やばいものを拾ったっス!



1クール目最後の回は、透明の赤ちゃん編。初めて出逢った父と息子の心がちょっぴり近付く、ハートフルなエピソード。非常に面白かったです。ガッチガチのバトルもいいけど、こういう奇妙な日常こそが4部の味ですよね。
原作でも3話分しかないエピソードだけに、今回はオリジナルシーンも多め。康一くんのナレーションとかで済ませてた部分を、しっかり描写して補完してくれた形です。ラストシーンも、完璧に昔のギャグアニメみたいになってるし(笑)。「杜王町RADIO」やカフェでは、さりげに吉良や露伴の存在もほのめかされてました。
また、尺に余裕があると「間」も取れるので、さらっと流された感がない。ベビー用品購入のくだりもしっかりやってくれました。私としては、1話の中にギュウギュウ詰めにするより、このくらいのテンポの方が好きだなぁ。それだけに……、3クールしかない4部アニメ、今後はますますせわしなくなるでしょうから、少々不安もありますね。

ともあれ、このエピソードはやっぱ見ててハラハラします。仕方ないとは言え、ジョセフの事が信じられず、一方的に怒鳴りつける仗助にイラッとする部分もありますし。ジョセフがなんともいたたまれない。だからこそ、あのラストは最高にグッと来ます。見ず知らずの他人の赤ん坊のために、躊躇う事なく自分の命を危険に晒すジョセフを目の当たりにし、ニヤリと優しく微笑む仗助。そんな仗助を初めて「おまえ」と呼ぶジョセフ。この瞬間、2人はやっと「父」と「息子」になれた気がします。
仗助にとっては、「父」を認めるという事が「ジョースターの血」を誇りに思う事と繋がっているワケで……、それゆえか、アニメではこのタイミングで仗助の「星のアザ」まで見せてくれました。原作ではついに描かれなかったので、これは貴重なカットですな。


あえて微妙な不満点までいくつか挙げるなら……、まず「赤ちゃんの泣き声」ですかね。正直、可愛らしすぎて、笑い声なのか泣き声なのか分かりにくかった。もっとオーバーにギャン泣きしてくれても良かったかな、と思いました。
あと、ジョセフの『ハーミット・パープル』発現シーン。あそこは、それまでの老いぼれジョセフとのギャップが重要だと思うので、原作のようにキリッとクールに決めてほしかったです。「動」じゃなく「静」のイメージなんですよね。
そして、アニメである以上、どうしても付いて回る問題ですが……、乳母車が暴走してる時にのんきに解説してんなよ、と(笑)。いいから早く走れよ、と(笑)。11話での億泰VS『チリ・ペッパー』なんかも顕著でしたけど、漫画では良くてもアニメだと不自然になっちゃう。読者自身が「作中時間」を進めて行ける漫画と、勝手に「作中時間」が流れて行くアニメでは、まったく感覚が違ってきますからね。どうすりゃ一番良いのか、難しい問題です。

(2016年6月25日)







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