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ジョジョの奇妙な冒険
ダイヤモンドは砕けない (TVアニメ)






第24話  シアーハートアタック その2



今回は『シアーハートアタック』戦決着!中盤最大の見せ場とも言えそうな回ですから、ここぞってシーンでの作画も相当カッコ良かったです。二転三転する死闘と追跡劇、大いに楽しませてもらいました。

まず、OPはついに『ACT3』解禁。3クール目からまたOP曲も変わりそうですけど、これでこのOPも完成を見たって感じかな?
吉良が康一くんの前に現れた際、「ムカデ屋」の店内から見たカットが挿入。これ、地味に気に入ってます。ボロボロに破壊されて真っ暗な店内が不吉さを煽るし、2人の距離がどれほど近付いたのかも分かりやすい。2人をそれぞれ写す窓と扉が、あたかもマンガのコマのようにも見えますね。また、吉良が康一くんの顔面を何度も地面に叩き付けた後、手に康一くんの髪の毛がへばり付いて、それをイヤそうに振り払うシーンがありました。これもアニメオリジナルですが、吉良の潔癖で神経質っぽい性格が現れていて良かったです。
個人的に大好きな、死にかけの康一くんの啖呵もやっぱグッと来ました。まあ、ぶっちゃけ「『ちっぽけなクソガキに……』」「バレたんだ………」のダメ押しゼリフは、もっともっと小バカにしたように喋ってほしかったし、「おまえはバカ丸出しだッ!」のあたりはもっともっと見下したような不敵な笑みを浮かべてほしかったけど。でも、吉良が完璧プッツンしたのが伝わったし、康一くんの瞳から光が消えていくのもなんか美しかったです。
承太郎のオラオララッシュも仗助の吉良騙しも、最高にスカッとしました。そして、彩さんが爆死するシーンでは、仗助が『クレイジー・D』で彼女を治そうとしてましたね。さらに、億泰が『ザ・ハンド』で仗助と康一くんを引き寄せ、爆発から守るところも。これはナイスなフォロー。治して助けたかったのに無理だった、ってのがあった方が、リアルに時間経過するアニメとしては自然でしょうから。


非常にグッドな出来ではありましたが、不満が全然無かったワケではありません。
気になったのは、BGMが延々鳴りっぱなしな印象だった事。「ジョジョ」のアニメは前からそういう感じでしたけど……、「無音」「静寂」だからこそ出せる空気ってのもあります。例えば、吉良が康一くんの前に現れるシーンなんかも、吉良が登場して長々と語るところはずっと無音のままで、康一くんが「こいつ………」と言うところから一気に音楽で畳み掛ける方が引き立つんじゃないかな〜と思いました。
それと、吉良が「わたしを見習いたまえ………」のシーンからすでに半ギレ気味でしたが、ここらへんはあくまで淡々としててほしかったです。「わたしを見習うんだよォ――――ッ ああ―――――っ!!」で一気に激昂する方が、平穏を装う吉良の本性・本質が浮き彫りになり、ゾッとするんじゃないかなぁ。康一くんの靴下が裏返ってるのを発見するのも、もうちょいを取ってもらいたかったところ。
あと、これは仕方ない事かもしれませんが、ラストの帰宅ラッシュではサラリーマン達をちゃんと動かし歩かせてもらいたかった。みんな止まってると、せっかくの雰囲気がちょっと崩れちゃう。製作スタッフ側は大変なんでしょうけど、視聴者の立場としてはそんな気持ちになりました。


細かい部分では、吉良の住所が変わってますね。原作は「杜王町浄禅寺1の28」だったのが、アニメでは「杜王町勾当台1の128」になってました。
スタッフは4部をアニメ化するにあたって、杜王町の地図をしっかり作ったようです。ぶどうヶ丘高校近くの湖だか池だかにも「与兵衛池」と命名してますしね。その地図に照らし合わせたら、吉良の住所も勾当台じゃないとおかしいって事になったんでしょう。原作は「定禅寺」も「浄禅寺」もあって割とテキトーなんで(笑)、アニメなりにキッチリ設定するのも悪くないと思います。

(2016年9月10日)




第23話  シアーハートアタック その1



今回は『シアーハートアタック』戦の続き。前回同様、作画の方もかなり気合い入ってました。承太郎瀕死から『ACT3』誕生……と、内容の方も当然、大盛り上がりです。緊迫する疾風怒濤の展開ッ!
窮地に追い込まれようと、どこまでもクールな承太郎がカッコイイ。久々に3部の承太郎のBGMでオラオララッシュをかましてくれたのも燃えました。また、ギリギリの状況から覚醒する康一くんもイカしてます。『ACT3』の、人を食ったようなカッタルそうな、どこかふてぶてしい喋り方もイイ味出してるぜ。
アニメ化するにあたって気になってた「見るんじゃあなく観ることだ…」「聞くんじゃあなく聴くことだ」のセリフは、「ただ「見る」んじゃあなくて よく「観る」ことだ…」「ただ「聞く」んじゃあなく しっかり「聴く」ことだ」に改変。それぞれの文字も背景に写し、視覚的にも理解しやすい。原作の言葉のリズムは削がれちゃうとは言え、これはなかなか良いアレンジでした。

ただ、『シアーハートアタック』が承太郎より康一くんの「体温」を優先的に追い始めるシーンは、残念ながらイマイチだったかな〜。
承太郎が能力の謎を解くより先に『シアーハートアタック』の視界を写しちゃってるもんだから、驚きが半減しそうです。それに、あれじゃあ康一くんの方に標的変更・方向転換したっていうのが分かりにくい。承太郎と康一くんの距離ももっと離さないと、承太郎が「遠すぎる」って焦ってるのが謎。まあ、セリフが多い割にスピーディーなシーンは、アニメにしにくいですよね(汗)。
『ACT3』の登場シーンも、もうちょっとだけタメがあれば最高だったように思います。せっかくの見せ場なのに、けっこうあっさり通り過ぎちゃったように感じて。やっぱ荒木先生の「間」や「リズム」の魅せ方は計算され尽くしてるんだなと実感すると同時に……、しかし、アニメにまでそれを求め過ぎてしまうのは良くないかもという気持ちにもなりました。海外ファン達のライブリアクション動画なんかも前から観てるんですけど、彼らみたいにもっと素直にまっさらにアニメを楽しむよう心掛けたいところです(笑)。


次回は個人的に大好きな、康一くんの死に際の捨てゼリフが聞けるので超楽しみ。敗れても心までは決して屈する事なく、最後の最後まで意地を貫き通した康一くんがカッコ良すぎて。あの回はホント、何度読み返した事か……。アニメの方も、何度も何度も見返さずにはいられない程の出来を期待してます!

(2016年9月3日)




第22話  吉良吉影は静かに暮らしたい その2



今回は吉良戦の続き。前回、まさかのショボい作画で叩かれまくったせいか、今回の『キラークイーン』はかなり気合い入ってましたね(笑)。せっかくの初登場シーンでやらかしちゃったのは、やっぱ痛かった。「出来るんなら最初からやっとけよ」って思われちゃうよ。
でも正直なところ、顔のデザインそのものに違和感がありますね。目や口とかも不安定だし、おでこ周辺に妙な凹凸があるけど、もっとのっぺりした輪郭でイイのになあ。まあ、そのうち慣れるかと思いますが。

内容の方はと言うと……、重ちー爆死の後、そのまま『シアーハートアタック』戦に突入!もう中盤のクライマックスってトコです。盛り上がって来ました。
重ちーの死は、見てて本当に辛い。スタンド使いと言えど、ごく普通に暮らす中学2年生ですからね。原作をジャンプ誌面で読んだ当時、私はちょうど重ちーと同学年だった事もあって、余計に感情移入しちゃったもんでした。心臓はドキドキバクバクで、すごいドス黒い気分になったのを強烈に覚えています。その数年後、リアル1999年6月24日のお昼には、重ちーへの黙祷もこっそり捧げましたよ(笑)。そんな特別な思い入れのあるシーンを、おっさんと化した今、アニメで観られるとは……!アニメだとより生々しくて痛々しくて、悲壮感・孤独感がとにかくヤバい。女子生徒達の他人への無関心・不干渉にイラつきさえ感じます。その辺、「ジョジョリオン」なんか顕著に描かれてますけど、現代日本の抱える闇に思えてきますよ。重ちーを殺したのは吉良だけじゃない。
そして集う、杜王町の人々。動き出す戦士達!エピソードの順番を入れ替えたおかげで、ここに彩さんも追加です。結末を知ってるだけに「ああ〜〜……」ってなりますけど、ナイスなオリジナル要素。重ちーを失った仗助と億泰の表情も胸に迫るものがありました。仗助達と吉良が、正義と悪が、平和と狂気が、互いの運命が交差するスクランブル交差点もしっかり描いてくれて良かったです。ここはかなり好きなシーンなので。
『シアーハートアタック』もなかなかの迫力でした。吉良の声ほぼそのまんまってのは意外でしたが、動作時のカタカタ音が恐怖を煽ってくれてグッド。「第1の爆弾」と「第2の爆弾」の能力を一緒の回に収めちゃうのは詰め込みすぎな気もするけど、しょうがないっちゃしょうがない。


あと、「靴のムカデ屋」のおっちゃんの再現度が素晴らしかったですね(笑)。株式会社ギンビスの協力も得て、「たべっ子どうぶつ」までズバリ出してるし。鈴美さんの時のポッキーも江崎グリコ株式会社の許可をもらってましたが、他企業との連携もバッチリなのが何とも微笑ましいです。

(2016年8月27日)




第21話  吉良吉影は静かに暮らしたい その1



今回からいよいよ吉良戦の開幕です。さすがに超重要エピソードとなると、尺もたっぷり。カットされるどころか、むしろ追加されたシーンやセリフの方が多かった!じっくりと描いてくれたおかげで、おおむね満足な出来に仕上がっていました。
まずアバンでは、吉良がツメを切ったり、指輪を「彼女」にプレゼントするシーンが追加。そんな吉良の平穏な日常が不気味だし、何より今後の布石にもなっていて、実に無駄がない構成でした。サンドイッチを選ぶくだりも、「サンジェルン」に店名がビミョ〜に変わったものの、しっかりやってくれてます。青白い「彼女」の肌が際立っていて、イイ感じ。そして、仗助・億泰・重ちーのやり取りはさりげにセリフも足され、すごく日常感があって良かったです。声や動きが生き生きとしてて、見てるだけでも楽しい。

惜しむらくは、体育準備室に侵入する吉良が指紋検出防止の手袋を付けていなかった点。あれじゃ、迂闊すぎるぞ。「サンジェルメン」の袋が破られて「彼女」が露わになるシーンも、なんか意外にあっさりしてたんで、もっとショッキングに劇的に描いてほしかったところです。
それと、『キラークイーン』登場シーン。淡々と自己紹介を語り続ける吉良からドス黒いオーラが立ち昇り、シルエットに包まれたスタンドが背後に現れる……ところまでは最高でした。しかし、全身像が描かれるシーンがちょっと引き気味の画になっちゃってて残念すぎ。せっかくの初登場なんだから、ここはもっとドアップで丁寧に描いてほしかったなぁ。顔から何から、変っつーか雑に描かれてるし。『キラークイーン』のデンジャラス&エロティックな魅力は、次回以降に期待しときます。


ついでに、ちょっと気になってた発音・イントネーションの件。結果としては、「吉良吉影」って名前のイントネーションは、私個人とはやや違ってました。「吉良」は一緒だけど、「吉影」の部分が違う。人それぞれの発音があるもんでしょうけど、違和感はあります。その辺、みなさんはどうなんでしょか?

(2016年8月20日)




第20話  山岸由花子はシンデレラに憧れる



今回は話の順番を変更し、なんと『シンデレラ』編。このエピソードは、童話「シンデレラ」をモチーフに、スタンド『シンデレラ』の能力を通じて康一くんと由花子さんの関係性を描き切った、完璧とさえ思える構成の珠玉の名エピソードです。これをどうアニメ化するのか、期待と不安が入り混じった心境で視聴しました。

原作6話分を詰め込んでいるので、やっぱり尺はキッツキツです。OPもEDも無く、原作の様々な描写はカット&省略。当然、残念な部分は多々あります。……しかし、それでも満足行く内容に仕上げてくれました。スタッフの方々がいい仕事をしてくれました。
まず、何より作画が素晴らしかったです。重要なシーンでは、ちゃんと由花子さんが「恋する乙女」としてキレイに可愛く描かれていました。彩さんも色っぽくて美人。それだけではなく、ミュシャを彷彿させる1枚絵とか、絵本「シンデレラ」の影絵とか、魔法チックなキラキラエフェクトも駆使して、女の子らしい空気をも見事に演出してくれています。こういう、原作には無いアニメならではのものを見せてもらえると嬉しいですね。
そして、由花子さんと彩さんが「外見」の美醜の話をしている時に、由花子さんの「性格」が好きだと言う康一くん。多少しおらしくなったとは言え、あの強烈な性格の彼女を丸ごと受け入れてしまうとは……、康一くんはやっぱ男前だぜ!たまに鼻に付く時もあるけどな(笑)。ラストの選択シーンでは、由花子さんと康一くんのお互いを想う心の美しさに、思わずジワッと来ちゃいましたよ。声やBGMも加わり、原作とはまた一味違った感動。

細かい点では……、吉良がエステ「シンデレラ」の前を通り掛かるシーンがありましたね。今後の展開へのさりげない布石。あと、「ドゥ・マゴ」のパチモンみたいなカフェが普通に出て来てビックリ(笑)。「れんが亭」とは別に存在するのね。
不満な点もあえて言っておくと、勝手に赤になった信号を渡るシーンは、もっと早足でヅカヅカ歩いてほしかったかなぁ〜。また、原作では康一くんとキスしてたから口紅を塗り忘れたワケなんですが、アニメではその辺のセリフも無かったので、単なる由花子さんのうっかりミスっぽくなっちゃってましたね。せめてキスしてる時に、腕時計をアップで写してくれれば良かったんだけど。


次回はついに「吉良吉影は静かに暮らしたい」!それも、どうやら1話では済まない模様。大事なエピソードだからジックリやってくれそうです。まあ、『シアーハートアタック』戦と連続するのなら、それをも含めて「吉良吉影は静かに暮らしたい」のサブタイトルで括るつもりなのかもしれません。とにかく、次回からはますます目が離せませんね。

(2016年8月13日)




第19話  「重ちー」の収穫(ハーヴェスト) その2



今回は重ちー編の後半戦。前回は文句無しの出来だったけど、今回は正直、微妙だったかも。作画に違和感ありすぎて、イマイチ入り込めないっつーか。まあ、重ちー自体は重要キャラだけど、この回が重要回かと言われればそうでもない。若手や海外勢にも経験を積ませるために、この回を使った……のかもしれません。
それはともかくとして、欲に目がくらんだ重ちーはホント腹立つな〜(笑)。最後はちゃっかり3等分にして、自分の取り分を増やす仗助も逞しい。カネを巡る浅ましい争いだったけど、やっぱ人間、痛い目見ないと学べない事もありますよね。でも、そんな俗っぽくてみみっちいトコもまた4部の魅力。普通の身近な人間達が生活する、杜王町の魅力。1〜3部までに描かれた、誇り高き戦士達やおぞましい怪物達とは一線を画しています。だからこそ荒木先生も、おバカで欲望に弱い重ちーがお気に入りなんでしょう。
あと、銀行員に質問されてる時の仗助が下唇を噛む「恐怖のサイン」を示していたり、重ちーが逃走してる時に酒屋の前を通っていたり、さりげなくタマ(後の猫草)っぽいネコがいたり……と、細かい点にも気が利いていました。そういうのはちょっぴり嬉しいポイントです。

次回はなんと『シンデレラ』編!原作通り吉良には行かず、ここでエピソードの順番を入れ替えてきました。なかなか思い切った事するなあ。1エピソードずつ挟む事で、重ちーや彩さんの死の唐突感みたいのを薄れさせる目的?それに、一気に吉良との戦いに雪崩れ込む形になって、盛り上がりも最高潮に達しそうですね。出来れば原作に沿ってほしいところですが、これはこれで面白い試みだと思います。
ただ、『シンデレラ』編は超美麗な作画じゃないと釣り合わない内容なんで、そこんとこはよろしくお願いしたいですね。無用な心配でしょうけども。

(2016年8月6日)







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