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ジョジョの奇妙な冒険
ダイヤモンドは砕けない (TVアニメ)






第39話  さよなら杜王町 - 黄金の心



ついにこの時がやって来ましたね。第4部、最終回です。……うん、最高でした。杜王町に関わるみんなが1つになった、いいエンディングだったなあ。まさしく大団円!この回だけでも、大画面&大音量の劇場で「ジョジョ」ファン達と一緒に観てみたい。

まず、吉良の「勃起」発言もキッチリ放送してくれて安心しました(笑)。『バイツァ』再発動成功っぽく見せるシーンも雰囲気たっぷりで、初見の人も「えっ!?マジ?」って思ってくれそう。そして、個人的に嬉しいポイントだったのは、時間停止中の承太郎ですかね。ラッシュの前に一拍置き、仲間達の意志をも拳に乗せて叩き込むって感じに描いてくれてグッと来ましたよ。これを誰も知らないところでやるってのがまたヒーローだよねえ。やけに生々しい吉良の死に様も印象深い。
鈴美さん&アーノルドによる、吉良との完全決着はカタルシスが味わえました。肉体のみならず、そのドス黒い魂にもケリを付けた。やっぱり4部ラストは「正義の心」のバトンリレーが美しい。町を守るみんなの意志に、杜王町そのものの意志に、吉良は追放されたのです。ただ、残念すぎたのは、吉良の「ここで幽霊として暮らすのも悪くない」発言が無かった事!これがあるのと無いのとじゃ、怖さやヤバさが全然違うくなっちゃうよ。何より、吉良の「平穏」への執着がスゴすぎるから、「今ここでコイツの魂も葬り去らなくちゃダメなんだ!」って気持ちにさせてくれる事が重要なのに。


しかし、全てが終わってからの、鈴美さん達の昇天シーンは素晴らしいの一言。涙が静かに頬を伝ったね。あんなん泣かないなんて無理っしょ……。4部アニメの中で最高のシーンだった、と断言できます。最終回に最高が来るってのがニクいよね~。
それとは対照的に、川尻家の切なさも胸に迫りました。もう二度と帰って来ない人を待ち続ける姿。そしてそれは、重ちーの家族や吉良に殺された人達の家族も同じ。町を守り抜くまでに失われてしまったものも確かにあり、その悲しみもまた町に刻み込まれてしまっているのです。でも皮肉にも、家族としての絆を深める事が出来た早人としのぶさん。それだけがせめてもの救いと言えるのかもしれません。
――そして、ジョセフ・承太郎との別れ。この時のジョセフの「黄金の精神」についてのセリフ……、これぞ「ジョジョ」です。それだけに「彼らの示したその「精神」は 吉良の事件を知らない他の人々の心の中にも 教えなくとも 自然としみわたって行くものじゃ」「そして 次なる世代にもな………」という部分を、なんで省いちゃったのか?むしろこここそが超大事なのに、実に残念でした。ただ、しんみりとしたお別れじゃなく、ジョセフと仗助らしいお茶目なお別れ。お互いを「親子」と認め合えた2人です。きっとまた笑顔で会える事でしょう。

ラストはなんと「Great Days -Units Ver.-」に乗せてお届け!1~4部の歴代OPのボーカリスト達が大集結した「JO☆UNITED」なるユニットが、「黄金の精神」への讃歌を高らかに歌い上げてくれました。
まだまだ続いていく、杜王町の奇妙な日常。今まで登場して来た全員が集合の、オリジナルシーン満載のエンディング。原作のように余韻を残したラストも良いけど、こうやって楽しく賑やかに終わっていくラストも良い。露伴の準備運動や、村上のお婆ちゃん、間田をブチのめした男と「明るいブス」のカップル……など、ニヤリとさせられるカットも多く、本当に終わりなんだな~って気持ちになりました。んで、最後は「露伴万引き疑惑」というよく分からん話題に(笑)。事実かどうか不明ですが、またしても奇妙な事件が起こりそう。まぁ、杜王町はたぶん、この先もずっとこんな感じなんだろうな。杜王町よ、永遠に。



……という事で、4部アニメはこれにて完結ッ!3クールゆえの詰め込み具合や、作画の不安定さなど、正直言って不満点はけっこうありました。それでも「面白かった!!」と、声を大にして言いたいです。いつもながらの声優さん達の熱演、観る者の感情を増幅させてくれるBGM、様々な工夫を凝らした構成や演出、ちょいちょい見られるめっちゃイカした作画……、そして何より、制作陣の「ジョジョ」愛!それらがこの最高の最終回にまで辿り着かせてくれました。
4部も4部で、これまでの部とはあまりにガラッと変わっちゃってるせいで、その魅力に気付けていない人達も多いように感じていました。他にも、今まで「ジョジョ」に触れて来なかった人達だって大勢いた事でしょう。しかし、TVアニメという入り口を作ってくれたおかげで、そういう人達にも「ジョジョ」4部の面白さをいっぱい伝えてくれたんじゃないかと思ってます。もちろん、私自身もますます4部が好きになりました。何だかんだ言ったって、やっぱり圧倒的感謝しかありません。ありがとうございました!

さて、次に会えるのは、円盤全巻購入特典の「富豪村」ですかね。大好きなエピソードなんで、これまた楽しみです。
そして、気になるのは続く第5部!どうなるのかな?もしアニメ化するとしたら、急がなくても全然OKです。「ジョジョ」30周年に無理に合わせなくてもいいんで、とにかくベストな状態で製作できる体制になった上で作ってほしい。まぁ、2001年の訪れを再び気長に待つとしましょうッ!

(2016年12月24日)




第38話  クレイジー・D(ダイヤモンド)は砕けない その2



今回は吉良との最終決戦の続き。屋内戦を経ての一騎打ち、そして億泰復活からの全員集合……と、私が予想していた以上に先に進みました。億泰は前回死んだばっかだから復活は次回かな、って勝手に思ってたんですが(笑)、キッチリ吉良を追い込んでくれました。逆に、最終回でちゃんと尺が持つのか心配になるところですけども、まぁ、余計な心配なんでしょうね。
まず、今回はOPが恒例のSE付き!……って事は、次回はOP無しなのかな?つーか、1~3部と違って戦闘やアクションのシーンが少ないため、SEも無理矢理付けた感はありますね(汗)。『バイツァ・ダスト』も打ち破って、無事に通常バージョン(最終版)になってましたが、早人の顔付きまで元に戻っちゃってた点は残念でした。


アバンでの、梨央ちゃんのパンティー男の無駄に高い再現度で掴みはOK!素晴らしいキモさで、幸福の絶頂のまま昇天されました(笑)。
「空気爆弾」が仗助を追跡していくところは、原作通り、「空気爆弾」がちょっぴり裂けて加速&方向転換してほしかったです。ただフワフワ漂っているよりも、明確な吉良の意志を感じさせるから。ただ逆に、仗助のガラスの「自動追尾弾」の軌跡はダイヤモンドのような輝きを放ち、明確な仗助の意志を感じさせてくれました。
吉良が最後の「空気爆弾」を放つシーンや、仗助と吉良の一騎打ちシーンは、作画の方もかなりエッジが効いてたり重厚だったりで燃えます。BGMも最高にテンションをアゲてくれるし、今回は全体的に不満もほとんどありませんでした。面白かった!

今回は特に、億泰の復活シーンが良かったです。形兆兄貴がめっちゃ穏やかで優しい表情してるのが、また泣ける。そして何より、形兆が億泰自身に「道」を選ばせ、億泰も自分自身の意志で「道」を選び取ったってところがね。ずっと亡き兄の影を追い続けていた億泰が、ここでようやく「自分の道」を歩み始めたワケです。『チリ・ペッパー』にも言われていた「兄貴を超える」というテーマが、ここでようやく結実したワケです。能力のパワーアップとかじゃなく、しっとりと心の成長が描かれている名場面。億泰の本当の「生」はここからスタートする、とさえ言えるのかもしれません。
未熟だったヤツが自分で選んで決めるってシーンは、私も大好きでして、やっぱスゴい感動しちゃいましたよ。億泰のこのシーンは、5部でのマジョーレ島での決断などにも繋がっていく重要シーン。まだ気は早いものの、5部のアニメ化への期待も高まってしまいます。


さあ、次回はついに最終回ッ!「さよなら杜王町 - 黄金の心」!サブタイトルだけでグッと来るわ~。楽しみなような、寂しいような……、複雑な心境。個人的には、ラストこそ「Crazy Noisy Bizarre Town」で締めてくれると嬉しいなあ。この町の奇妙な日常はこれからも続いていく、的な気持ちにさせてほしいのです。

(2016年12月17日)




第37話  クレイジー・D(ダイヤモンド)は砕けない その1



今回は『バイツァ・ダスト』攻略からの最終決戦!イイ具合に盛り上がってるし面白かったんですが……、正直、前回に比べると微妙だったかな。前回、圧倒的絶望のうちに終わらせた分、『バイツァ』攻略があっさりし過ぎに感じちゃって。アバンでささっと済ませるくらいなら、アバン無しでOPからスタートするなり、前回を『バイツァ』攻略で終わらせるなりしてほしかったですね。
開始早々、速攻で吉良の本名暴露だと、単に吉良がマヌケに見えかねないのが残念(笑)。テンションMAXなところで畳み掛けてくれれば、もっとカタルシスも得られたんでしょうけど。これはアニメ化の難しい部分だよなぁ。

でも、この『バイツァ』攻略法自体は、個人的には非常に好きです。早人自身も言う通り、これは「偶然」でも「運命」でもない「賭け」。「強運」に守られた吉良を打ち破る絶対の方法など無く、早人に出来る事は、自分のすべき事を全てやり切った上で「信じる」事。ネットに引っ掛かって弾かれたテニスボールが向こう側に落ちる事を「祈る」事。自分が「正しい道」を歩んでいる事を信じ、女神が「正しい者」に微笑んでくれる事を祈る。それだけです。
そんな早人が果たすべき事は、仗助と吉良を鉢合わせさせる事、さらに吉良の本名を吉良自身に名乗らせる事。これらはどちらも、『バイツァ』内の「運命」として固定されている出来事ではありません。早人は、仗助に吉良の存在を伝えるため、この2つの「賭け」に同時に勝つ目を出さなければいけないワケです。「鉢合わせ」は仗助にコールして早起きさせる事で、「吉良の本名」は吉良を(「前々回の周回」の時のように)勝ち誇らせる事で、見事に誘発させ達成。しかし、この2つが重なるタイミングだけは完全に「運」任せ。「運」に守られた吉良を、最後は「運」でも乗り超える。この構成が美しいし、実に爽快なんです。
アニメでは、鎖で雁字搦めにされた「時計」が破壊され、そこから青空が広がるという描写で、クソッタレな「運命」への勝利を表現してくれました。解放感溢れる、ナイスな心象描写だったと思います。


ここから人知れず雪崩れ込む最終決戦は、声優さん方の気合いもノリノリでスゴかったです。作画もなかなかにカッコイイし、スピード感や臨場感もあってドキドキ。特に、「空気爆弾」の威力や、猫草の獣性というか冷たい凶悪さがより理解できました。

不満点を挙げるとすると……、細かい部分では、『バイツァ』解除前の早人の顔。「本」になってる事、すっかり忘れてない?(笑) ついでに言うと、吉良が壊れた腕時計を捨てちゃってたけど、スタッフさん、吉良の死後の展開も忘れてない?あの時計、地味に大事なアイテムよ?
治したはずの億泰が一向に目を醒まさない時の、仗助の涙にも違和感がありました。絵そのものや演技は素晴らしいんですが、あそこで涙を出しちゃったら、復活後の涙の感動が薄れそうな気がします。そもそもあの時点では、「億泰の死」を頑なに認めようとしない仗助だから良いのであって、涙を出しては「億泰の死」を半ば受け入れちゃってる事になる。「まさか……。いや、そんなはずはねえッ!」って感じで、不安を押し込め、あえていつものように語り掛ける風にしてほしかったかな~。
あと、「空気爆弾」から逃げる仗助達の位置にも疑問がありました。めり込んだ破片に引っ張られて回避した割に、なんか位置が変わってなくない?もっと離れた位置にまで逃げた上で、破片に引っ張られ、さっきいた場所に戻って回避するって流れなんだから。つまり、吉良の立ち位置も、同じ歩道上ではなく、原作通りに車道を挟んだ向かいの歩道にするべきって事ですね。荒木先生は、キャラクターが東西南北どちらを向いて話しているのかにもこだわっているとおっしゃってましたけど、それはこういう些細なところに表れてくるんだなと実感しました。吉良が早人の方を向かずに本名を名乗って勝ち誇ってたのも気になったし。

EDでは、しのぶさんと早人が追加!これで完成……なんでしょうか?出来れば、ラストの宝石に映る吉良と猫草も最終バージョンに変化してほしいところです。

(2016年12月10日)







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