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おまえが……
『吉良吉影』か


#005 soft & wetA





●トビラ絵は吉良くん『ソフト&ウェット』!吉良くんは血の「印」が刻み込まれた両手を前に突き出し、真剣な眼差しでこちらを見つめてきます。でも、スキっ歯設定があるばっかりに、どんなシリアスなシーンでも大概、口は半開き。チラリと覗くスキっ歯が、愛嬌を感じさせます。彼が被っている帽子は、手形マークが付いてて、被る部分もねじり鉢巻きっぽい感じになっているバージョン。帽子もセーラー服もパンツも、本編の方でも早く完全体になってほしいものです。
吉良くんの背後には、『ソフト&ウェット』が無表情で突っ立っています。これぞ正しいスタンドの姿。なんとも言えない不思議なデザインですが、それも吉良くんの持つ雰囲気には合っていますね。記憶が戻ったら、デザインや能力がちょっと変化したりするのかも?


●ベランダに活路を見出し、部屋を駆ける吉良くん。あと1ヶ所、右足に「印」を付けられたら、そこで敗北。そうなる前に、何としても脱出しなくてはいけません。その時、彼の視界に入ってきた物は爬虫類図鑑糸ノコギリ。何故かベランダに通じる窓のそばに、無造作に置かれていました。図鑑はヘビのページが開いている様子。いかにも危険な匂いがプンプンしますね。
「しゃぼん玉」を窓に当て、再び「音」を奪う。そして、そのままガラスを無音でブチ破ってベランダへ!すると、そこに待ち受けていたのは……、やっぱりヘビだったッ!シマシマ模様で、見るからに毒々しいヘビが2匹。なんと吉良くん、早くも右足首をヘビに噛まれてしまいました。「ウソだろォ〜〜…」と動揺しまくり。敵に「真上」に立たれたら、この傷がすぐに「印」となってしまう。そこに、さらなる追撃。上階のベランダから、もう1匹のヘビがブランと垂れ下がってきたのです。敵はこうやって下階にヘビを放ってきたみたい。
しかも案の定、このヘビは毒ヘビでした。徐々に呼吸が苦しくなってきています。先程の図鑑を見ると、ちょうど噛まれた毒ヘビのページでした。毒の強さはAランクとのお墨付き。そして、そこに置かれている糸ノコを見れば、「切り落とせばぁ…?」と書かれたテープが貼られているではありませんか。毒が全身に回る前に、噛まれたところを切り落とせ、という事なのでしょうか?つーか、そもそもコレ、誰が置いたんでしょうか?吉良くん自身が保険として?それとも、敵が吉良くん達をおちょくって?……不気味です。


●敵がもう1匹の毒ヘビも投下してきたので、吉良くんは慌てて部屋に避難。それを予測していたかのように、敵もベランダから部屋に戻った音が聞こえてきます。出来るものなら「しゃぼん玉」で、体内の毒を奪いたい。しかし、『ソフト&ウェット』は自分には使えない能力だったのです。この設定、『クレイジー・D』っぽくてグッド。でも、当の吉良くんには超バッド。どんどん息が苦しくなります。こんな毒ヘビまで使ってくるとは、敵は本気で彼を殺すつもりなのでしょう。何故、そこまで憎悪されなければならないのでしょうか?
理由なんて分からないけど、そうとなれば、ただ逃げるだけでは危機は去りません。敵を完全に倒さなくては、ずっとこの能力に狙われ続ける事になってしまう。しかし、こんなワケの分からない戦いをしなければならない自分と敵。一体、自分は誰なのか?敵は何者なのか?
――その時!ほんの一瞬、吉良くんの脳裏に過ぎる映像。……そこは「壁の目」。セーラー服姿の吉良くんと、もう1人の謎の男が対峙しています。その謎の男は、鬼太郎みたいな髪形をした、少し頬のこけた若い男。上品そうな顔立ちだけど、あまり特徴のない、目立たない印象の男。もしや、コイツは吉良吉影!?対峙する彼らの距離感や空気感みたいなものは、敵同士って感じではないんですよね。むしろ、先生と生徒みたいな……。う〜ん、スゲー気になります。
ただ、これで分かったのは、吉良くんは『ホワイトスネイク』的な記憶喪失者ではないって事。『ホワイトスネイク』は「記憶」をDISCという形にして、丸ごと引き抜いてしまうから、DISCを再び差し込まない限り、記憶が戻る事はありません。しかし、こうやって何らかのキッカケでフラッシュ・バックする以上、単に思い出せないだけで、「記憶」そのものは吉良くん自身の中に眠っているのでしょう。能力による効果ではなく、物理的な症状なのです。裸で地面に埋まる程の「何か」があったワケですから、そのショックで偶然、記憶を喪失してしまったものと推測します。


●突然の記憶フラッシュ・バックに戸惑う吉良くん。でも敵は、それをゆっくり考える時間など与えてはくれません。部屋の電話が鳴り出したのです。そこへ裸の女の子が現れ、吉良くんに警告。この電話は罠である、と。電話に出たり、声を出したりしたら、正確な位置がバレてしまう。
さらに彼女は、自分の人生について唐突に語り出しました。自分はいつも誰かに利用されてばっかりだった。自分はただのアイテム。用が済んだら、もういらない便利な子。……でも、こんな所でこのまま殺されたくない。
すると、彼女はいきなり電話を取り、上階の敵と話し始めたのです!「あたしの命だけは助けてね。約束したんだからね。」……。そう言うと、彼女はなんと、冷酷にも吉良くんの位置を敵に教えてしまった!瞬間ッ!吉良くんの四肢には「印」がハッキリと刻まれ、ついに完璧に支配されてしまいました!「印」が立体的に浮かび上がり、四肢に喰い込んでいく。それはまるで、磔の杭のよう。さすがに発動条件がえらく厳しい能力な分、一度完成してしまうと、その支配力・強制力は尋常じゃありません。4点を取られてしまうと、「印」の付いた両手両足どころか、全身がまったく動かせなくなるのです。
吉良くんは人形のように軽々と操られ、吹っ飛ばされ、糸ノコで自分の口をギーコギーコと切る事を強制されます。まさに絶体絶命ッ!女の子もすでに、「あなたがいるせいであたしは拉致された。あなたが悪いのよ〜。」と、COOLに立ち去ってしまっております。別に彼女とは恋人でも友達でも何でもないんだから、裏切りと言うべきではないんでしょうけど。自分の命を守るための、リアルな選択と思いますけど。それでもビックリしました。ただ、この異常な状況が吉良くんのために用意されているかの如き発言をしているのが、ちょっと引っ掛かります。


●予想通りというか何というか、こんなヤバいタイミングで康穂がカムバック!吉良くんは、きっと「吉良吉影」ではない。そう感じ、わざわざ戻って来てくれたのです。優しい子だなあ。でも、そんな彼女の目に映ったものは、あまりにも理解不能な光景。グシャグシャに破壊された室内。自分で自分を切ろうとしている吉良くん。それを傍観しているだけの裸の女の子。完全にポカ〜ンとなっちゃってます。
どんどん康穂に近付く上階の足音。敵は康穂をも捕えるつもりです。「逃げろ!」と叫ぶ吉良くんですが、逆に敵に操られ、康穂の右手を傷付けてしまいました。康穂にも「印」が刻まれていくッ!さらなる傷=「印」を付けようと、糸ノコを持つ吉良くんの腕が、彼女に向けられるッ!吉良くん視点から彼女を見上げるアングルが、臨場感と緊迫感を増してくれますね。
脅える康穂。しかし、吉良くんはもう余裕そのもの。「君を傷付けたりは絶対にしない。今、逃げろと言ったが、もう逃げなくて良くなった。」と、何故か勝利宣言ッ!どうやら康穂を攻撃するために動いた事で、今まで押さえ付けられていた左肩が床から離れた様子。そのおかげで、「しゃぼん玉」を発動する事も出来た、と。現在の吉良くんは、「しゃぼん玉」を「星のアザ」からしか作れないのですね。そして、射出口とも言える「星のアザ」が何かで押さえられていると、「しゃぼん玉」を発射できないようです。これは盲点な弱点


●「しゃぼん玉」は天井に触れて割れました。今回、奪ったものとは……!?次の瞬間、ズデェェェンとコケる音と、「ぐえ」といううめき声が、上階から聞こえてきました。そうです、「しゃぼん玉」は上階から「摩擦」を奪ったのです!床がツルツルすぎて、立ち上がる事など不可能。敵に操られている吉良くんもまた、同様にツルツル滑っています。4点を取って支配した相手とは、完全に互いの位置関係を固定する事も出来るのでしょう。吉良くんが常に自分の「真下」にいるように、能力で固定しているのでしょう。そのため、結果として、下階にいる吉良くんも上階の敵と同じように滑るのです。
吉良くんは敵に引っ張られるまま、ベランダまでスライディング!滑りながらも、再び「しゃぼん玉」を発動ッ!敵は、吉良くんをまた毒ヘビに噛ませてやろうと、ベランダの窓を開けてしまいました。自分がベランダに出れば、「真下」にいる吉良くんもベランダへ出る。でも、足掻いたところでもはやチェック・メイトです。開かれた窓から「しゃぼん玉」が入り、敵に命中!常に「真上」にいるのなら、自分の居場所を教えてくれているも同然。今度は常秀の時と同じく、敵の「視力」を奪ったのです。しかも、奪う度合いも調整可能みたいで、少しだけ見えるように残したらしい。暗闇の中、より明るい方へ歩いて行きたくなるように。
体は滑るわ目は見えないわで、パニック状態の敵。精神力も集中力も切れ、吉良くんを束縛する能力も解けた模様。悲鳴を上げて、敵がベランダから落下してきます。それは、イルーゾォみたいなモコモコのジャケットと、「印」と同じ形のアクセサリーが付いた長い手袋を身に付けた若い男性。産毛しか生えてねーんじゃねーかって感じの髪型です。その背後には、スタンドのヴィジョンも見えます。これまた、あちこちに「印」と同じデザインがちりばめられた、まさにマリオネットのような人型スタンド。けっこう好みのデザインです。
落下してくる敵に、吉良くんが繰り出すオラオララッシュ!……ところが、実際はブン殴るワケではなく、敵本体をしっかりキャッチ!まあ、同じ階まで落ちてきた以上、もう「真上」を取られる危険もないでしょうしね。コイツが知っている事を、洗いざらい吐いてもらうつもりなのでしょう。もっとも、吉良くんは「おまえが吉良吉影か。」と言ってますが、たぶん違います。吉良くんの記憶の男とも別人ですし。ただ、これで少しは自分の正体や、記憶の男にも近付けるのでは?


★今月は49ページ!!すんごい読み応えがあり、めっちゃ面白かったです。荒木先生お得意とは言え、よくこんな限定された空間だけで、ここまでサスペンスを繰り広げられるよなあ〜。いたく感心しますよ。ようやく敵を倒したワケですが、次回からいよいよ「ジョジョリオン」も話が広がっていきそうな予感。今回の敵は記憶の男(=吉良吉影?)に利用されているだけで、敗れ去ったとなれば、すぐに始末されてしまうんじゃないかな。まだまだ核心には遠いでしょうけど、「ジョースケ」と呼ばれる時は近いか?つか、とっとと病院に戻らないと、毒でいい加減にヤバそうだ(汗)。
なお、待望の「ジョジョリオン」コミックス第1巻は、12月19日(月)に発売しますよ!楽しみですね!
作者コメントは「最近好きなのは、固いのよりユルユルのスパゲティ。」との事。スパゲティはソフト&ホットがお好みなんでしょうか。
「恥知らずのパープルヘイズ」に続く、「VS JOJO」第2弾の情報も!西尾維新氏が紡ぐ新たな「ジョジョ」の物語、それはなんとディオを主人公とした物語!その名も「JOJO'S BIZARRE ADVENTURE  OVER HEAVEN」!!まさかまさかの新事実です。12月16日(金)の発売との事なので、意外ともうすぐですよ。タイトルからすると、DIOが『天国』へ行く方法を見付け、『天国』を求める姿が描かれたりするんかな?2011年も最後まで目が離せないですね。



(ちょっと追記)
●上階の敵=「操り師」さんをオラオラキャッチした吉良くん。フルボッコにしなかった理由は、情報収集ももちろんですが、もう1つあるんでしょう。それは、血清の入手。毒ヘビに噛まれた割に元気っぽく見えるけど、このままではヤバいはずです。実は病院に行ってる猶予もないのかもしれない。でもでも、きっと大丈夫。血清ならば、恐らく「操り師」が持っているからです。
「操り師」は上階から数匹の毒ヘビを、下階のベランダに投下しました。つまり、上階で毒ヘビを飼っていたという事。しかも、投下する際には直に手掴みでしたし。いくらグローブを着けていたとしても、万一の危険があります。もしも自分自身が毒ヘビに噛まれてしまったら?……用意周到にトラップを仕掛けまくってるヤツの事。無論、すぐさま手を打てるように、血清くらいは準備しているに違いありません。どういう状況でも迅速に対処できるためには、どこかに保管しておくのでは間に合わない。ヤツ自身が、常に持っている必要があります。
吉良くんはそれを読んでいたのでしょう。「操り師」のジャケットをまさぐって、血清と注射器を発見。すぐに血清を注射し、どうにか解毒に成功するのです。そして、改めて情報を聞き出そうと問い詰める、と。


●相当に強力なスタンドと思われる『ソフト&ウェット』ですが、強力である分、制限や弱点もまた多そうです。自分自身には使えない。「星のアザ」からしか発射できない。……今のところ、このような弱点が判明しています。他にも、「しゃぼん玉」の移動スピードが遅いとか、別の物でガードされやすいとか、奪っていられる時間が短いとか、色々と予想も出来ます。狙いはけっこう正確っぽいけど、もし風の影響を受けてしまうようなら、屋外ではあまり自由に使えない能力とも言えるでしょう。
あと、同時に2つ以上のものは奪えないとも考えられますね。今回も、「操り師」から「視力」を奪ったら、床の「摩擦」は元に戻った様子でした。でなければ、明るい方へ行きたくても行けないし、そもそもベランダから身を乗り出して落下なんて出来ないはずですから。まあ、これはもともと吉良くんの狙いなワケだから、仮に2つ以上奪えるとしても、同じ事をしているんでしょうけど。ただ、能力の制限としてはちょうど良いと、個人的には思います。
それにしても、「奪う能力」とは主人公らしからぬ能力ですよねえ。マリンファッションの吉良くんから、海⇒津波⇒全てを奪う……的な、大震災をも絡めた連想だったりするのかな?「しゃぼん玉」は、「海」や「津波」といった「水」の象徴で。しかし逆に、何も傷付ける事なく奪えるという、ある意味で優しい能力とも言えるかもしれません。ほんの僅かな時間や衝撃で消えてしまう「しゃぼん玉」の不安定さも、この能力の効果がすぐに切れてしまう事を暗示しているかのようでもあります。「奪う」という言葉の物騒さとは裏腹に、案外、控え目で慎ましい能力なのかも。
本体の発想や閃き次第で、使い勝手や可能性が全然変わってしまう。そんな『ソフト&ウェット』は、「しゃぼん玉」のように華麗で儚く、そして掴めぬスタンドなのです。




(2011年10月18日)
(2011年10月20日:ちょっと追記)




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