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これから杜王スタジアムを
調べる必要がある!


#040 大年寺山愛唱に迫れ!





●今回のトビラ絵は、杜王スタジアム前の公園で変な構えを取る康穂&つるぎちゃん。康穂だけなら、歩いてるようにもアキレス腱を伸ばしてるようにも見えますが、そんな彼女と向き合ってポーズを決めるつるぎちゃんのせいで、なんか2人して踊ってるようにも見えますね(笑)。
それと、普段とは違って、康穂が靴紐を足首に巻いて結んでいるのもなかなかシャレオツです。


●さて、本編。まずは『ペイズリー・パーク』の能力についての説明です。形も大きさも色も質感も同じで、まったく区別が付かない無限のドア。しかし、開けたドアには必ず、開けた「痕跡」がどこかに残る。何度も開け閉めされたのであれば、それは尚更の事。その僅かな「痕跡」を辿って、ドアの先へ先へと進んで行く。これこそが康穂のスタンド『ペイズリー・パーク』なのです。
抽象的な説明ですが、イメージとしてはよく分かります。「答え」を追い求めるのなら、そこに至るための「ヒント」は必ずどこかに散らばっている。「結果」があるのなら、そこに至った「過程」も必ず存在する。『ペイズリー・パーク』は要するに、それら「痕跡」「ヒント」「過程」という「情報」を得るための力なのでしょう。ただし、見付けた「情報」をどう捉え、どう扱うか?そこが重要になりそう。康穂には「柔軟な発想」「冷静な判断」が求められる能力です。
彼女が真に欲するものは、一体、あといくつのドアを開けた先にあるのでしょうか?


●『ペイズリー・パーク』と『ペーパー・ムーン・キング』が宿ったスマホ折りガエル。愛唱に見付かって踏んづけられ、蹴っ飛ばされて、康穂もつるぎちゃんも同時に大ダメージ!(ちなみに、カエルだからか、踏まれる擬音は「メメシャア」) のっけから大ピンチですが、康穂はまだまだ冷静でした。
愛唱にとって、あの折りガエルは初めて遭遇する未知のスタンド。こちらが2人である事も、なぜ自分が尾行されていたのかも、まったく理解していない。今は攻撃よりも、何が起きているのか調べる方を優先するはず。そんな康穂の読み通り、愛唱はそれ以上の攻撃をやめ、周囲をビンビンに警戒しまくっています。枝に止まった鳥ですら不気味がるぐらい、ドキドキビクビクしてる(笑)。意外と気が弱いヤツだなぁ。でも、そーゆー臆病なヤツほど、何をしでかすか分からない怖さも秘めてます。
愛唱はおもむろにスマホを取り出し、誰かに電話を掛け出します。その相手は、なんと八木山夜露!ご丁寧に夜露の画像まで設定してるよ(笑)。……でも当然、夜露が電話に出るワケもなく、愛唱はますますテンパッていくのでした。


●つるぎちゃんが言うには、愛唱は「フルーツ」をヤバい金額で売買していたらしい。そんなヤバい男が何を決断してくるか、とても予測は出来ません。つるぎちゃんの不安は的中し、愛唱はテンパッた挙げ句、折りガエルを思いっきり踏み壊そうとして来ました。だあ――ッ!結局、攻撃するんか!折りガエルがバラバラにされたら、康穂もつるぎちゃんも体がバラバラになってしまう!
しかし、愛唱がビクついていたおかげで、時間稼ぎには成功していたのです。康穂が覗くパソコンの画面には、『ペイズリー・パーク』からの選択要求がッ!「バナナの皮」か、「犬のうんこ」か?こんなしょーもない2択に大マジになってる康穂がちょっと笑えますけど、康穂は「バナナの皮」を選択!まあ、うら若き乙女だしね(汗)。そりゃ、そっちだよね。
愛唱の足元には何故か「バナナの皮」が落ちており、それをもう片方の足で踏んでしまっていました。そのせいで滑ってよろめき、折りガエルは踏み潰されずに済んだのです。ところが、効果はそれだけ。康穂は夜露の時のように、愛唱が滑って大コケする事を期待していたみたいですが……。当の愛唱はバナナの皮を拾い上げ、怪しい点がないか確認したら、そのままポイ捨てしちゃいました。『ペイズリー・パーク』不発か!?
――と思いきや、捨てられたバナナの皮が変形していくではありませんか。それは折りガエルそっくりの姿に。よく見れば、愛唱の周りには、無数の折りガエルがひしめき合っている!?不敵な表情を浮かべるのはつるぎちゃん。そうです、これは『ペーパー・ムーン・キング』の能力!折りガエルを安易に踏み付けた時点で、愛唱はすでに『ペーパー・ムーン・キング』の術中に嵌まっていたのです。愛唱は今、地面に落ちた「枯れ葉」を全て「折りガエル」の形に認識してしまっているのです。『ペイズリー・パーク』から『ペーパー・ムーン・キング』への連携、見事成功ッ!


●愛唱が「枯れ葉」にビクついてる隙に、本物の折りガエルはまんまと逃亡。でも、これで愛唱の追跡は打ち止め。鉢植えも食べかけの「フルーツ」も、このまま愛唱が回収し、栽培している場所に隠してしまう。それがどこかも、もう分からなくなってしまった。落ち込みムードのつるぎちゃん。
しかし!康穂の『ペイズリー・パーク』は、すでに動き出していたのです!折りガエルが踏み付けられた時、『ペイズリー・パーク』は愛唱から直接「情報」を得ていたのです!彼のポケットにあった、杜王スタジアムの職員が持つセキュリティ・カード。このカードをキーにして、康穂はまた1つのドアを開ける。その先にあったものは、「フルーツ」の栽培場所でした。
愛唱が杜王スタジアムの警備職員というのは事実。今は勤務中で休憩時間らしい。そして、セキュリティ・カードの記録によると、9分前に警備員室から退室している。ほんの9分前に職場を出て、「鉢植えのフルーツ」を持って交差点に来た。つまり、「フルーツ」の栽培場所は杜王スタジアムのごく近辺、あるいは杜王スタジアム内のどこかという事にッ!場所は限定されました。


●一方、愛唱は再び夜露に電話を掛けます。もちろん、出るはずもなし。夜露にも何かがあった事を察する愛唱。さらに、自分の身に起こった出来事から、敵が2人いる事にも勘付いてしまいました。そして、愛唱のスタンドも康穂やつるぎちゃん同様、遠隔操作タイプで触れた相手を攻撃できる能力らしいのです。不穏な空気が漂ってきました……。
杜王スタジアムを調べに向かおうとする康穂達!とは言え、直接攻撃できるスタンドを持つ定助がいないとデンジャラスです。何とかして定助と連絡を取らなくてはいけません。
その時、康穂はまたもや『ペイズリー・パーク』が選択要求している事に気付きました。いつの間に!今度は「イチゴ」か「ハシゴ」か?これは即ち、何かしらの危機が迫っているからこその選択要求であるはず。しかし、周囲を警戒しているうち、なんとまさかの時間切れに。パソコンの画面には「未選択」の文字。能力を自覚したと言っても、今も完全にコントロールできるワケではなさそうです。康穂にとっても無意識の部分が『ペイズリー・パーク』には常にあり、要求される「選択」や提示される「ヒント」そのものにも瞬時に気付けなければならないんですね。便利だけど不便な能力(汗)。


●康穂達がいるビルの階段。その下から、折りガエルが上って来ました。無事、つるぎちゃんの元に帰還。康穂は愛唱の尾行を警戒するも、つるぎちゃんは能力への自信ゆえ「絶対ない」と否定します。不安は残るものの、ひとまず安堵の吐息。
ところが、その康穂の吐息が空気に「渦」を巻き起こし、小さな「竜巻」が発生ッ!あまりに唐突ですが、これは間違いなく愛唱のスタンドです。発生した「竜巻」の中には、うっすらとスタンドのヴィジョンも見えます。王冠っぽい頭部に、1つ目、鋭いツメを持った手(それとも尖った尾っぽ?)……が確認できました。
小さいながらも「竜巻」の威力は凄まじく、かすっただけでつるぎちゃんの足がスッパリ切れちゃいました。パソコンもあっさり破壊され、コンクリート製であろう階段の手すりや壁をもガリガリ削ってます。「回転」の力はジョニィから愛唱に受け継がれていたのかッ!?しかもその上、「竜巻」は徐々に大きくなっていく!強風で吹っ飛ばされるような事は今のところないけど、巨大化したらどうなるか分かりませんし。
恐らくは……、『ボーン・ディス・ウェイ』に近い自動操縦タイプのスタンドなのでしょう。愛唱に触れられてターゲットにされた生物(=折りガエルの本体である康穂&つるぎちゃん)が起こす「空気」の動きをエネルギー源にしている、と推測します。つまり、激しい呼吸や動作をすると、「竜巻」を発生・成長させて、さらに自分へと引き寄せてしまうのです。あるいは、折りガエルが帰って来た途端に「竜巻」に襲われた事から……、ターゲットの条件としては、スタンドの本体とか関係なしに、愛唱に直接触れられたもの(折りガエル=康穂のスマホ)との距離が近い生物が「竜巻」を発生させてしまうのかも。
いずれにせよ、このスタンドを攻略するには、なるべく平静を保ってゆっくり動く事が必要そうです。条件次第では、生物ではないスタンドで攻撃するとか、スマホから距離を置くとかって手も考えられますけど。前者は攻撃タイプのスタンドを持たぬ2人には厳しいでしょうし、後者も『ペイズリー・パーク』の能力をフルに使えなくなっちゃうし、現実的には難しいでしょうね。やっぱ呼吸をあまりせずに、スローな動作で反撃のキッカケを作るしかない?


●突然の「竜巻」に襲われ、康穂のスマホを落としてしまったつるぎちゃん。眼前には成長を続ける「竜巻」。もう屋上に逃げ帰るほかありません。
しかし、康穂は違った!スマホを拾い、逆に前方・下階へと逃げる道を選んだのです。その強く前向きな意志、紛れもなく「ジョジョ」の主役級キャラ!……なのですが、都合の良い展開にはならないのも、また紛れもなく「ジョジョ」。スマホは拾えたものの、「竜巻」に先回りされ、窓の外に追い込まれてしまいました。見ると、隣の窓のすぐ下には「ハシゴ」が掛かっています。
実は康穂、さっきの選択要求でこの展開を予想はしていた模様。窓に逃げ込んだのも、「あえて」だったのかもしれません。でも、選択に間に合わなかったせいで、「ハシゴ」で降りる運命を引き寄せ切れなかったのか?もし選択できていたら、「ハシゴ」はこの窓の下にあったのか?「ジョジョ」的な運命論で言えば、康穂が「未選択」だった事も含めての運命なんでしょうけどね。「未選択」だからこそ得られるものがあったりして。
窓の外の出っ張り部分にしがみ付き、とりあえず「竜巻」を回避した2人。どこかに消えたかのように見えた「竜巻」ですが、2人の激しい息遣いの中から新たに誕生!ザ・ニュー竜巻は康穂の手を傷付けていくのでした!逃げ場のない状況で、どう切り抜けるのでしょうか?スマホはあるから、気まぐれな『ペイズリー・パーク』さんに頼るしかない?


★今月は47ページ!グッドなボリュームです。康穂とつるぎちゃんの連携プレイも燃えたし、愛唱のスタンド登場にも盛り上がりました。前回、愛唱が折りガエルを踏んづけた事が、3者3様に能力を駆使する合図になっていたってのも面白かった。遠隔操作同士のバトルも見応えありますね!
作者コメントは「今、一番欲しいのは東京駅のSuica。手に入れたけど。」との事。かなりの騒動になったこのSuica、荒木先生も興味あったんですね。騒動の結果、限定品だったのが、申込者全員に行き渡るようになったようで。荒木先生も無事にゲットできる事になって良かったです。




(2015年2月19日)




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