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お… 追って来るわ
一秒後に来るッ!!


#041 恐怖のトルネード





●今回のトビラ絵は、主要人物達の現在位置を示した杜王町マップ。やっぱイイねぇ、こういうの。杜王スタジアムの場所も、これでハッキリしましたね。康穂つるぎちゃん、それと愛唱は、もちろんスタジアム付近に固まっています。
一方、定助は常敏から逃げ切った後、「瞑想の松」こと一本松周辺に身を隠しているっぽい。そして、定助の正体に迫る「心当たり」を探っているはずの常敏は、まだ東方邸にいる様子。町のあちこちに点在する彼らが交わる時、どんな出来事が起こるのでしょうか?


●さて、本編。未だ公園にいる愛唱の服に、鳥のフンが落下!愛唱は無言でゆっくりしゃがんだかと思うと、いきなりキレて、鳥に向かって靴や木の枝をブン投げる!鳥は飛んで行っちゃったけど、まだまだ怒り冷めやらぬ愛唱。靴を持って、木や地面を手当たり次第に叩き付けてます。涙まで流してるし、今回もドキドキドキドキしまくってる(笑)。肝っ玉が小さいっつーか、すぐ緊張して動揺して取り乱し、唐突に癇癪を起こすタイプらしい。ずいぶんと情緒不安定なヤツだな。
――そんな愛唱の脳裏に過ぎる、ある記憶。やはりというか何というか、愛唱も「岩人間」でした。どっかの川沿い(一小川?)で岩石化して眠っている時、大雨が降って増水し、危うく溺れかけてたところを、誰かに起こしてもらった模様。その時に死にそうな目に遭って、「危険」というものに対し、必要以上に怯えるようになったのかも?ちゃんと自分の家を買う事にしたキッカケでもあったりして。つーかそもそも、愛唱を起こしたのは誰だったんでしょうか?「起きて」とか「溺れるよ」とか、言葉遣いからすると夜露や常敏ではなさげ。女性か子どものような口調に思えます。今後、女の「岩人間」なんかも出て来るかもしれませんね。
ふと我に返ると、通行人達が愛唱を不審そうに見つめていました。そそくさと公園を後にする愛唱。自分を落ち着かせるかのように、冷静に状況分析スタート。夜露は今、眠ったり身を隠す時間帯ではないらしく、それなのに連絡が取れないという事は、夜露に何か問題が起きたという事。公園で取り引きを探られていた事とも関係があるはず。敵は、現時点で2人。この異常事態に、「もう夜露には会えないのかもしれない」と直感します。うむ、的確な分析だ。


●愛唱は愛用の薬を取り出します。それは、生薬強心剤「救心」!コレって実在する薬で、動悸・息切れ・気つけに効くみたい。薬に頼らんといけないほどなのかよ(汗)。しかし、薬はラスト1錠しかありませんでした。思い通りにいかず、また癇癪を起こしとる。
苛立ちからか、分析ゆえか、愛唱は2人の追跡者をとっとと始末する事に決定。死ぬか救急車で運ばれるかすれば、そいつらが何者かも分かるって寸法です。自分達の「領域」に踏み入って来るのであれば、取り除くのは当然なのです。この「領域」って言葉も、さりげに重要そう。「場所」の重要性を語った、第1話の康穂のモノローグ。「呪い」を、「白」と「黒」の間に起きる摩擦とも説明していました。吉良は吉良で、物事の「境界」を行ったり来たりする者を見下していました。また、「壁の目」の「融合」も、お互いの「領域」「境界」を超えて混じり合う現象です。荒木先生自身、己の「分」を弁えずに、いろいろ手を広げるようなヤツが大嫌いですし。決して超えてはいけない、守るべき一線ってのがあるんでしょう。
そして、あの謎の「果実(フルーツ)」の名前も判明ッ!その名は「ロカカカ」。これまた奇妙なネーミングですが、意味のある文字列なのかな?何にせよ、ようやく固有名詞が出来てくれて良かったです。


●場面は変わり、康穂とつるぎちゃん。突如発生した「竜巻」から逃れるため、窓の外に追い込まれた2人。しかし、「竜巻」はなおも襲って来たのです。「竜巻」内部に潜むスタンドの爪に引っ掻かれ、康穂はバランスを崩して落下!辛うじて出っ張りを掴んでぶら下がりはしたものの、今度はつるぎちゃんがピンチ!
でも、2人はスタンド使いとしても、人間としても、成長していました。隣の窓に掛かるハシゴに手を伸ばす康穂を見て、つるぎちゃんもすかさず「折り紙」でセミを折る!セミはハシゴにぶつかって、そのままハシゴを康穂の方へ倒してみせたのです。そして、倒れるハシゴへダイブ!2人はハシゴにしがみ付き、転がり落ちる。ダメージはあるけど地面への直撃は免れ、どうにか地上に脱出成功!さらに愛唱のスタンドの射程外へと逃れるため、なるべく遠くへ走る走る。夜露から聞かされていたのか知りませんが、つるぎちゃんは自動操縦タイプのスタンドも知っている様子。そんな豊富な知識も、スタンド・バトルでは頼もしい武器になります。
どこまで逃げれば良いのか分からない上、犯罪よりもドス黒く深い「ロカカカ」の謎もある。もしも愛唱に自分達の事がバレたら……と、不安を覚えずにはいられない康穂。しかし、つるぎちゃんの考えはまったくの逆でした。自分達は「ロカカカ」の正体を掴みかけている。今の危機をそう前向きに捉え、「ロカカカ」を必ず手に入れると心に誓うのでした。東方家の「石化病」を差し引いても、あの「ロカカカ」はとてつもない利益を齎すはず。「あのフルーツは『パワー』だ!!」。つるぎちゃんは、そう断言しました。


●つるぎちゃんは、これから定助を呼び、一緒に杜王スタジアムへ乗り込むつもりらしい。でも、これ以上は康穂を巻き込めないと思ったのか、康穂にお礼を言って立ち去ろうとします。このシーン、なんか好き。定助も康穂もつるぎちゃんも、それぞれに孤独を抱え、孤独なまま行動を共にしてる感じがイイですね。あくまで「自分1人」の戦い。誰もが、自分がここにいる意味を、自分が何者なのかを、自分がどこへ向かうべきなのかを知ろうと、1人で必死に戦っています。その物悲しい空気が、なんか好き。
……するとその時、康穂のスマホがブルブル鳴り出しました。なんと、またもや『ペイズリー・パーク』からの選択要求!「バス」か「雑誌」か、どちらを選ぶ!?そして、それはつまり、危機が再び迫っている事も意味しています。康穂は「バス」を選び、すぐ近くに停車しているバスに向かおうとしました。ところが、つるぎちゃんを見ると、すでにそこには「竜巻」が発生ッ!つるぎちゃんの髪の毛を巻き込みながら、「竜巻」は走る2人を追跡して来る!全然嬉しくないつるぎちゃんのパンチラもありつつ、2人はなんとかバスに辿り着く!『ペイズリー・パーク』が強引にドアを閉めて発車させます。ギリギリセーフ。
これで射程外まで逃れられると思いきや、このバスは杜王スタジアム経由で走るバスでした……。結局、「竜巻」からは逃れられない。バスの中にも「竜巻」は発生し、2人を攻撃して来るのです。さっきは「バスに乗せろ」と騒いどいて、今度は「停めろ」とわめく2人。命が懸かってるとは言え、無関係な人にとっては超迷惑な客だな(汗)。


●2人がわめき立てるほどに、「竜巻」は大きくなっていく。それを見て、つるぎちゃんは気付きました。この「竜巻」は、つるぎちゃん自身や康穂の「呼吸」に反応しているのです。
つるぎちゃんが口を手で押さえ、「呼吸」を止めると、「竜巻」に飲み込まれても無傷のまま。康穂の口も押さえ付けると、「竜巻」はどんどん小さくなっていきました。2人の「呼吸」が「竜巻」を作り出し、強くしている事は確かなようです。……かと言って、息を止め続けてたら死んじゃいます。そんな事、どうしたって無理。しかも、康穂がこぼした咳だけでも、「竜巻」は敏感に成長してしまう。
たまらず康穂は、座席に置かれていた雑誌を丸めて咥え、水遁の術のように「呼吸」をし始めました。しかし、そんな小細工は通用せず、「竜巻」は雑誌をどんどん切り裂いていく。絶体絶命です!
ちなみに、この「竜巻」は一般人の乗客達にはまったく気付かれていないっぽい。「竜巻」に切られるワケでもなければ、風さえ感じているようには見えません。ターゲット以外には無害で、存在さえ感じ取れない「竜巻」なんでしょうね。中心に隠れたヴィジョンだけじゃなく、あの「竜巻」「渦」自体もスタンドなのかも。空気じゃなく、スタンドパワーを渦巻かせているのかも。また、「竜巻」からある程度の距離まで離れると、一定時間は発生しないルールもあったり?それなら、2人がしばらく走って息切れしてたのに、一向に発生しなかった理由になるし。


●突然震え出す、誰かのケータイ。それに出たのは、東方邸にいる常敏でした!彼はスマホじゃなくガラケー派なのか〜。スプリンクラーで水浸しになった部屋を掃除しているのか、モップを持ってます(笑)。
電話の主は、言わずもがな愛唱。関わるのは交差点だけって約束だったため、電話を掛けて来た事を常敏に咎められるものの、愛唱にとっては緊急事態です。謎の2人組の追跡者の心当たりを、常敏に確認したかった模様。常敏が怪しむのは、やはり定助。さらに、クワガタ相撲の知識もあるであろう父:憲助さんに対しても、定助の協力者として疑いを持っている風に感じられます。しかし、定助にしても憲助さんにしても、愛唱の存在を知って追跡まで出来るワケがない。「それはありえない」とだけ返す常敏。
まさか、愛唱に狙われている1人が、自分の息子だなんて想像もしていないでしょう。とは言え、この愛唱からの電話は、常敏に不吉な予感をビンビンさせたはず。こりゃあ、マジでトビラ絵の全員集合もあり得るか?
また、愛唱の言葉から察するに、「ロカカカ」には「等価交換」よりヤバい秘密もありそうです。う〜む、栽培方法か何かかな?「ロカカカ」を喰って石化・土砂化した人体こそが、「ロカカカ」の最大の養分だったりすれば、見た目にもかなりエグい栽培になるでしょうし。杜王スタジアムのどこかで、そんな光景が隠されている?


●執拗に康穂を襲う「竜巻」。康穂はどうにか「竜巻」を窓の外に逃したようですが、また発生するのは時間の問題です。もはや逃げる事は不可能!逃げられないのなら、倒すしかない!再び愛唱を見付け出し、こっちから攻撃するしかない!倒して、前に進むッ!つるぎちゃん、静かに闘志を燃やします。そしてその手は、素早く「折り紙」の自動車を折るのでした。
つるぎちゃんのひたむきさ、カッコイイよ。ちょうど康穂も窓を開けてる事だし、次回はそこから外に飛び出すのかな。「折り紙」の自動車に乗って……なんて事が出来るんならいいけど、同じの4つ折ってローラースケートみたく履いて移動するとか?『ペーパー・ムーン』の応用力の高さが発揮されてきて、次回への期待も高まります。さあ、いよいよ反撃開始!


★今月は47ページ!ページ数も内容も充実し、ディ・モールト面白かったです。やっぱ回を重ねるごとに、つるぎちゃんが好きになってくなぁ。
作者コメントは「一筆書き山登り番組『グレートトラバース』にはまっている。」との事。ちょっと調べてみたら、登山の旅のストイックさや苛酷さがいかにも荒木先生好みな感じ。「SBR」に通じるものもありそうです。
そして、荒木先生の3冊目の著書「荒木飛呂彦の漫画術」が4/17に発売です。これはもう、最高でしょ。楽しみすぎるでしょ。待望の1冊、一刻も早く読みたいです。



(追記)
「ロカカカ」という奇妙なネーミングについて、ちょっと調べてみました。
そのまんま日本語で検索してみてもサッパリでしたが、「LOCACACA」で検索してみたところ、けっこうヒット!さらに突っ込んでみた結果、ようやっと元ネタっぽいものが判明しました。それは、やっぱり洋楽でした。「JUAN MAGAN」という名の男性アーティストが歌う、「Ella se vuelve loca」という曲。この曲は英語じゃなく、スペイン語らしき言語です。なかなかにCOOLでエレクロトニックなナンバーであります。
……で、その曲の中に、「Ella se vuelve loca-ca-caって歌詞があったんです。想像するに、荒木先生はこの曲のこのフレーズが異様に耳に残り、フルーツの名前にまでしてしまったんじゃないでしょうか?
スペイン語で「loca」とは、「クレイジー」「おバカ」って意味があるようです。まあ、その辺は音の響きで命名しただけかもしれないし、深く考える必要はないのかも?でも、杜王町で「クレイジー」と言えば、やっぱし『クレイジー・ダイヤモンド』を連想しますよね。「ロカカカ」の実にも、「等価交換」とは言え、一応「治癒」の力があるようだし。「仗助≒定助」的な繋がりもあるワケだし。それなりの意味が秘められたネーミングである可能性も否定は出来ません。




(2015年3月19日)
(2015年3月20日:追記)




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