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や… やあ……
ね… 寝起きかな……?
やるよ  全部


#059 池の辺に住む男 その@





●今回のトビラ絵は、木々が生い茂る林の岩場で「何か」を探しているかのような定助の姿。もちろん、仗世文と吉良の意志を受け継いだ定助が探し求める物はただ1つ。今回からの新展開でも、その辺がメインとなってきます。


●ある日の朝、定助は東方家のリビングで窓の外を眺めていました。そして、おもむろに「バイクの運転を習いたい」と、憲助さんに懇願。どうやら憲助さん自慢のバイクだったらしく、「イケてる」とか「カッコイイ」とか褒められて御満悦です。……しかし、憲助さんと2人きりになった途端、定助はつれない態度に。バイクの件は、家族が揃ってるリビングでは出来ない話をするための方便だった模様(笑)。
ガレージにて、バイクに跨って教える気満々な憲助さんですが、定助は構わず本題へ。この日の早朝4時8分の防犯カメラの録画画像を、憲助さんに見せます。その映像には、東方家の果樹園で樹を調べている何者かが映っていました。そう……、かつて仗世文が「接ぎ木」した「ロカカカ」の枝を探しているのです!
憲助さんは、ダモカン達の仲間が他にもいるとは考えにくいと否定的。ダモカンの死後、憲助さんも「ダモカンクリーニング店」を調べたらしい。ダモカン達は「ロカカカ」の情報と競争を危険と考えており、それゆえに少数精鋭。仲間を失って追い詰められたからこそ、ダモカンも1人で東方家に来た。――そんな憲助さんの結論を、定助は「正しくない」と一蹴します。「ロカカカ」は船で輸入していたし、税関検閲もある。ダモカン達だけではそれは出来ない。しかも、1個2億円なんて取り引きをしていたのに、その利益をどこに隠していたのか?クリーニング屋の預金口座などではなかったようです。


●定助は、映像を明るくし、改めて憲助さんに見せ付けます。「ロカカカ」を探していた何者かの姿が、より鮮明に浮かび上がりました。それは……、憲助さんの実の息子でもある常敏だったのです!
常敏とダモカンは仲間。「敵」「味方」というのではなく、あくまで商売仲間。常敏は「ロカカカ」の売買に協力し、東方フルーツパーラーの船便で輸入していた。恐らく、利益の資金洗浄が仕事。その関係ゆえ、常敏も「ロカカカ」の枝の存在を知っていて、密かに探していた。――定助はそう推測します。自分の長男を信じたい一心で、定助の言葉を否定しようとする憲助さん。しかし、定助は続けます。
東方家の果樹園地帯のどこかに「枝」はまだある。「壁の目」の地盤は動き、「枝」の見分けも付かない。もしかしたら、すでに枯れているのかもしれない。……それでも定助は、「枝」が今も生きていると感じているようです。生きていれば、再び「ロカカカ」の果実を実らせるはず。そして、その「実」が起こす特別な「等価交換」が、ホリーさんのために必要。


「オレは絶対に あの「枝」をみつける!」
「探していいのは この「オレ」だけだ」
「それを邪魔する者は許さない」
「何者だろうと 決して「枝」は渡さないッ」


迷いの無い真っ直ぐな瞳で、定助はそう宣言します。憲助さんに感謝と敬意を抱いているからこそ、彼にはキチンと宣言しておきたかったらしい。
う〜ん、イイですねえ。この強い意志と、正々堂々たる振る舞い。「自分」のために行動していた今までより、明らかにステージが上がった感じがしますよ。自分以外の誰かのために命を賭して戦おうとする姿は、やっぱり気高くて主人公に相応しい!


●定助の宣言に気圧された憲助さん。その脳裏には、可愛い孫:つるぎちゃんが過ぎります。憲助さんだって、孫のために「ロカカカ」を見付けてやりたい気持ちはあるはず。花都さんの件もあるし、常敏への疑惑も浮上するし、憲助さんも問題山積みで大変ですね(汗)。
しかし、立ち去ろうとする定助を呼び止めると、東方家が扱う超高級なブドウや梅干しを見せて来ました。これらは全て、味・香り・大きさ・水分量・幸福感ともに超一級の特別な果実。まさしく「成長」と「勝利」の象徴なのです。……そして、それらを栽培できる人物がいる、と。その人物は、企業秘密で憲助さん以外は誰も知らないとの事。「植物鑑定人」で、「接ぎ木」した枝を見分ける技術も持っているというのです。
「この人物に会いに行け」と、憲助さんからスマホを受け取る定助。その「鑑定人」の画像も見せてくれました。髪は三つ編みなので、性別はハッキリしませんが、平らな胸板を見る限りは恐らく男性。服には「枝豆」(それとも「サヤエンドウ」?)の形のアクセサリーが付いていて、両腕部分には植物のツルを模した模様がデザインされています。顔は鼻筋にソバカスかイボみたいのがあって、決してカッコイイってタイプでは無い。なかなか面白そうな風貌をしていますよ。
……ともあれ、憲助さんは定助の手助けをしてくれるようですね。「あの枝はおまえのものだ」とあっさり認めてますし。定助を利用して奪い取る算段って可能性もあるけど、だったら、自分しか知る者のいない「鑑定人」をこっそり呼ぶ方が手っ取り早い。定助の手を握り、「『等価交換』には……」「「正しい道」が必要だ」と諭す憲助さんを、私も信じますぜ。


●家の中に戻ろうとする憲助さんでしたが、なんと目の前の庭で花都さん発見!水着姿でハンモックに寝そべり、のんきにペディキュア塗ってます(笑)。しかも、勝手に憲助さんのシャンパンまで飲んでる。フリーダムすぎる花都さんに凄んで、「消えろ!」と吐き捨てる憲助さん。
ところが、当の花都さんはもっと上手(うわて)でした。アゴの無精髭をイジる、憲助さんがウソをつく時のクセ。それを、今さっきの会話の最中でもやっていた事を見抜いていたのです。さらに、向こうを通り過ぎる定助がスマホを持っていた事にまで気付いていました。憲助さんは何かを企み、定助は憲助さんからスマホを受け取った。それはきっと、誰かに会うため。……それをすぐに常敏に電話で伝えます。花都さん、めっちゃ目ざといし鋭いですね。一筋縄ではいきそうもない人だ。
母から情報をゲットした常敏。しばし考え込んだかと思うと、どこかへ移動開始。ランボルギーニを手に入れ、ダモカンまで始末した定助です。当然、自分と「岩人間」の関係を疑っているであろう事は、常敏だって気付いているでしょう。そんな定助が憲助さんと手を組んで、会うに行く「誰か」。それはきっと、常敏の目的達成を阻む大きな障壁となるはず。このまま放っておくワケもなし。


●鳥居と小さな祠が祀ってある、とある池の辺(ほとり)。カエルもいっぱい住んでて、鳴き声が響いています。常敏がやって来たのはその池でした。常敏はそこら中にフライドチキンをばら撒き、「ル―――――――ルルルルルルルル」と何者かを呼ぶような声を出します。
すると、いきなり常敏の背後の足元に奇妙な男が現れたのです!自分で呼んどいて超ビックリする常敏(笑)。その男の風体は、「異常」としか言いようがありません。だらしなく伸びた長髪、シワやシミ(?)だらけの顔、ボロボロの歯、浅黒い肌、そして切断されてダルマ状態の四肢。「岸辺露伴は動かない」シリーズ「懺悔室」に出て来た、浮浪者の悪霊が一番イメージが近いかも。
その男は、大好物なのか、無言でフライドチキンを貪り喰っています。常敏は彼にフライドチキンを全部プレゼントすると、一方的に語り始めました。今の生活を楽しんでいるあんたには関係ない話だけど、「頼み」がある……と。ダモカン達チームが全滅した事も告げている事から、この男もやはり「岩人間」である模様。また、ダモカン達よりだいぶ長生きしているらしい事も窺えます。四肢を失って隠居した長老様的な存在なんでしょうかね?こういうキャラは初めてなので、驚きました。


●場面は再び定助へ。憲助さんのスマホに登録された地点を目指し、歩いているところです。……そこに、「晴天バーディーズ」のユニフォームを着た1人の少年(バーディーズのファン?)が、定助に近付いて来ました。そして、定助宛ての封筒を手渡してきたのです。
なんでも、少年はさっき男の人に頼まれ、定助に封筒を渡しに来たらしい。用が済むと、少年はさっさと立ち去ってしまいました。封筒には手紙が入っていると思いきや、中を透かしてみると、明らかに人間の歯にしか見えないシルエット!ビックリして封筒を手放す定助。一体、誰が何のために、こんな物を渡して来たのか?そう考えていると、さっきの少年が遠くで立ち止まっている姿が見えました。少年は何故かゆっくり振り向き、こちらを見つめると、再びこっちに向かって歩いて来たではありませんかッ!怖ッ!まさか、この少年も敵……!?
というところで、今回は終わりです。う〜む、何なんでしょうねぇ?あの歯は「長老(仮)」の歯で、スタンド攻撃。少年はスタンド能力に支配され、利用されちゃってる状態。何が何でも、定助に封筒を手渡し、開けさせ、歯に触れさせようとしてくる……とか?


★今月は45ページ!花都さんとはちょっと離れ、思わぬ展開に突入。でも、ますます東方家の面々が深く描かれ、さらには未知の新キャラも続々登場です。これで面白くないワケがない。加えて、4部を彷彿させるシーンが多かった印象。サブタイの「池の辺に住む男」は「送電鉄塔に住む男」で『スーパーフライ』、バイクは『ハイウェイ・スター』、クセを見抜くのは『エニグマ』、突然の少年はジャンケン小僧ってな具合で。4部アニメもちょうどその辺だし、荒木先生なりの応援的な描写でもあったりして??知らんけど。
とにかく次回が待ち遠しい限り……と思っていたら、なんと来月号は休載でした!ぐあああ〜、マジか〜〜……!気になるところでお預けは辛いです。また「岸辺露伴は動かない」の新作でも描いてくれているのなら嬉しいけど、どうなのかな?
作者コメントは「居酒屋でウツボを焼いて食べてみた。意外と旨かった。」との事。食った事ないなぁ。どんな味するんだろ?



(追記)
●四肢の無い、「岩人間」らしき謎の男。けっこう長生きしているみたいなので、名前が判明するまでは、とりあえず勝手に「長老(仮)」と呼ぶ事にします。
で、常敏がこの「長老(仮)」に頼んだ内容とは何なのでしょうか?……さすがに、いきなり「定助を殺してほしい」などとは頼まないはず。そこまで問答無用の悪党とは思いたくないんで。「定助が会う人物を突き止めてほしい」という線も、まず無いでしょう。だったら、わざわざ封筒なんて渡さずに、黙って尾行してれば良いワケだし。そう考えると、「定助が目的地に辿り着けないようにしてくれ」「目的の人物と会うのを阻止してくれ」的な頼みだったのだろう、と推測できます。

恐らく、「長老(仮)」のスタンド能力ならばそれが可能なのです。では一体、どんな能力なのか?
まず、私は以前から、「岩人間」のキャラクターが「7つの大罪」をモチーフに描かれているという仮説を立てています。夜露が「強欲」、愛唱が「嫉妬」、エイフェックス兄弟が「色欲」、ダモカンが「傲慢」……といった具合に。ひょっとしたら、「怠惰」はカレラだったりするのかもしれません。(詳細はこちらこちらで)
そうやって当てはめた場合、この「長老(仮)」は「暴食」なのかなと思います。登場早々、フライドチキンを貪り食ってましたしね。また、「暴食」を暗示する動物の1つが「ハエ」なのですが、「長老(仮)」の姿はどことなく「ハエ」っぽくも感じられます。健常な人間に比べて短い四肢といい、あの独特な模様のファッションといい、いかにもハエがたかってそうな不潔な風貌といい……、そう見えません?


それらを踏まえて、「長老(仮)」のスタンド能力も妄想してみました。封筒に入っていた「歯」がカギとなります。(奇しくも、ジョルノは「歯」を「ハエ」に変えた事もありました。) あれは「長老(仮)」自身の「歯」で、それを常敏が少年に預けたのでしょう。
「歯」とは、上下で互いに噛み合うもの。実は、封筒を手渡して来た少年も、気付かぬうちに別の「歯」を持たされています。それは、定助に手渡した「歯」と対になる「歯」。そして、「歯」を持つ定助と少年は、互いに噛み合おうとして引き合う事になるのです。きっと「歯」に直接触れなくても、それが入れられた封筒を手にした時点で、能力の支配下に置かれてしまったのでしょう。そのため、少年は執拗に定助に付きまとって来て、定助の行く手を延々と阻むのです。その上、「歯」そのものとも強く引き合い、封筒を捨てようが何をしようが、最終的には「歯」に触れてしまう結果になります。
さらに……、「歯」とは、食べ物を噛み砕くもの。「歯」に直接触れてしまうと、能力は次の段階へと移行します。急激に空腹感・飢餓感に襲われるのです。スタンドパワーをセーブすれば、単に目的も忘れて食事に夢中になるだけで済みます。しかしフルパワーなら、食べれば食べるほどに空腹感と食欲が余計に強まっていく。最後には、腹が裂けても食い続け、そのまま死んでしまうワケです。
――「長老(仮)」はたぶん、定助を殺してほしいとは頼まれていません。ただ、殺されたダモカン達への仲間意識ゆえか、それとも定助の反抗的な言動ゆえか……、何らかの理由で、途中から定助をガチで殺しに掛かって来るのではないかと予想します。




(2016年10月18日)
(2016年10月19日:追記)




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