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人ってのは…
何かを乗り越えようとしている時が 『幸福』なんだ


#061 ブルーハワイ その①





●今回のトビラ絵は、同じ道を歩く常敏・常秀・憲助さん・定助の東方家男衆!たとえ同じ家に暮らす家族でも、同じ「道」を歩んでいるかのように見えても、見つめる先も歩き方もそれぞれ違う。生き方まで重なる事は決してあり得ない。……一見、仲良さげにも映る絵ですが、そんな事を思わせる不穏さをも秘めていますね。先頭を歩く常敏は何を想うのか?


●時間は前回ラストから少し遡り、再び六壁神社のドロミテ常敏へ。ドロミテは自分の口を岩に打ち付け、「歯」を1本ヘシ折ります。その様子を見た常敏は、「あんたは正解だよ」とつぶやき、ドロミテに感謝。続けて、こうも語ります。……この六壁神社の池はあんたにとって「楽園」なのかもしれないが、「青い珊瑚礁」には決してならない。人は何かを乗り越えようとしている時が「幸福」。どんなに恵まれた生まれであろうと、生まれた地点がゼロであって、そこから上って行かなきゃ「幸せ」にはならない。
う~ん……、常敏のやろうとしている事はともかく、言ってる事自体はスゴくカッコイイですね。「真実」に向かおうとする意志だとか、荒木先生の「美しい心のために死ぬのはハッピーエンド」発言だとか、そういった「過程」を重んじる精神性が感じられる「幸福」論です。そして、荒木先生が少年漫画の「王道」として貫いているという、「常にプラス」の法則。これがそのまま、生きる姿勢や指針にもなっているのかもしれません。この向上心や飢えた心は、生きる上で我々も失ってはいけないものなのかもしれません。
ただ、さらに常敏は「定助の方は決して上らせない」と宣言しました。定助はきっと、父:憲助の指示によって、「ロカカカ」の枝を探せるヤツに会いに行こうとしている。定助をそいつの所へ行かせず、自分達が先にそいつの情報をゲットする……と。定助だけでなく、杜王町自体もかなりマズイ事になるというドロミテの警告にも、「オヤジにバレなきゃいい」と一言。自分が上って行くために、他の誰かを蹴落として踏み台にしようとする常敏のこの行動は、間違いなく「悪」です。家族への愛ゆえの行動だとしても、彼が今歩んでいる道は「正しい道」ではないでしょう。早く定助や憲助さんと直接バチバチに戦って、考えを改めてほしいところ。


●ちなみに、ドロミテのスタンド名は『ブルー・ハワイ』でした。見た目や能力のおぞましさとは裏腹に、やたら爽やかなネーミング。彼が夢見た「青い珊瑚礁」をそのまんま名前にした感じです。「SBR」で大統領が乗ってた船も「ブルー・ハワイ号」でしたが……、この「ブルー・ハワイ」とは、1961年に製作されたエルヴィス・プレスリーの主演映画の名であり、映画のテーマ曲の名でもあります。ビング・クロスビーの曲を、エルヴィスがカバーして歌ったらしい。共にそれが元ネタかな?
あと、仗世文と吉良が接ぎ木して育てた「ロカカカ」。私は勝手に「ロカカカ改」と呼んでましたけど、常敏は「新ロカカカ」と呼んでました。なので、今後はとりあえず彼に倣って「新ロカカカ」と呼んでいく事にします。


●こうして、常敏が封筒に入れた「歯」に触れてしまった少年に襲われた定助。その能力は伝染していくらしく、少年に触れられたババアの方に移った模様。少年をチラリと確認すると、彼がようやく正気を取り戻した事が分かりました。なるほど~、病気のようにどんどん拡散していくワケじゃなく、鬼ごっこの鬼みたいに転移していくってイメージですね。
そして、ババアもさっきの少年同様、我を失って襲い掛かって来ます。このババアの、というか敵本体の狙いは、定助を能力の支配下に置く事!定助に能力を感染させ、操ってしまえば、恐らく定助は知っている情報を全て敵本体に教えてしまう。そのために、ババアは定助に執拗に触れようとして来るし、自分の血を降り掛けようともして来ます。持ち前の軽やかな身のこなしと機転で、直接触れられる事だけはギリギリ回避していく定助ですが、このままではジリ貧。
家の建築現場にて、立体的な攻防を繰り広げる2人。最後は「しゃぼん玉」で引き寄せたスコップをババアの口にブチ込み、そのスコップでブン殴って家の中に突き落とすという、なんともハードなやり方で危機を乗り越えた定助でした。余裕なんて無いから当然でしょうけど、まるで容赦ねーな(笑)。しかし、攻防の中で靴も脱げて、裸足で町を駆けて行かざるを得ない。確実に徐々に追い込まれていく、依然としてヤバい状況です。
ババアの方はと言うと……、突き落とされた建築中の家の中で、悪ガキ共と遭遇。実はここ、「杜王連合」級のクズ共が溜まり場にしていたようです。特に女の子の性悪度はハンパなく、ババアから金目の物を奪うだけでは飽き足らず、パンツも脱がして「未成年の少年少女を誘ったババア」風の動画まで撮ろうとしています。エグい事考えるな~。愛唱の元カノといい、「ジョジョリオン」ってリアルに恐ろしい女の子が出て来るよね(汗)。


●裸足の定助は、憲助さんに電話しようとするものの、そこで改めて考えを巡らせます。自分と憲助さんしか知らないはずの「植物鑑定人」の存在がバレているという事は……、この敵と繋がった誰かが東方家にいる可能性が高い。であれば、憲助さんに連絡するのは危険。そこで窮地の定助が助けを求めた人物は……、そう、愛しの康穂です!康穂、久しぶりの登場です!「あれからずっとあたしを放置してたッ!」って、チクリと釘を刺して来ますが、彼女も定助からの連絡に喜んでいる様子。ってか、定助にもいろんな事情があるのは仕方ないにしても、大好きな康穂を何日も放っておいちゃダメでしょ。
ドロミテによる危機的状況以上に、2人の恋路も危機を迎えそうな予感がしますが……、とにかく定助は康穂に現状を説明。そして、1つの頼み事をするのでした。龍勝寺のバス停に行き、そこで「しゃぼん玉」でくるまれている「歯」を見付け、その「歯」の主を『ペイズリー・パーク』で捜し出してほしい、と。要するに、敵本体の捜索依頼です。『ボーン・ディス・ウェイ』戦ではお互い認識できてなかったけれど、今回はお互いの意志での共闘!これは燃える。
すぐさま康穂も出掛けます。ただ、母の鈴世さんとはやっぱり微妙な関係なのか、どこ行くのか訊かれても「教えない」とそっけない態度。


●一方の定助。周囲を警戒しまくりです。すると、前方でフラフラと無言で歩く女の子を発見!名は「ナミちゃん」というようですが、彼氏らしき少年の言葉もガン無視。これはあからさまに怪しい。当然、定助も能力感染者かと疑います。ところが彼女、どうやら目にゴミが入っただけらしい。さらに、定助の真後ろに太った男も迫る!しかし、彼も単なる通行人でした。……一体、誰が敵なのか?人混みの中ですっかり疑心暗鬼の定助。
そんな定助からやや離れた後方に佇む1人の少女。髪や服装からして、さっきの性悪女です。彼女が近付いて来ている事に、定助はまだ気付かず。これはヤバそうってところで、以下次号です。人混みだからこその、この能力の恐怖みたいなものが次回は描かれるのでしょうか?『ブルー・ハワイ』がフルパワー発揮で、能力が町中に「拡散」して大パニック!……的な展開も見てみたいな。


★今月は47ページ!戦況そのものは大きく進展はしていないけど、久々の康穂との協力プレイが見られて嬉しいです。ドロミテの『ブルー・ハワイ』のえげつなさも相変わらずで、先生も「ゾンビもの」として楽しんで描いてそうだな~って印象。常敏の「幸福」論もイカしてました。「ジョジョ」じゃないと見られない、荒木先生じゃないと描けない、そういう魅力が詰まった回で面白かったッ!
作者コメントは「新年おめでとうございます。今年も頑張ります。よろしくお願いします。」との事。「ジョジョ」30周年の幕開けですが、先生はいつも通り。それがステキです。私もいつも通り、先生を応援します。




(2017年1月18日)




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