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だが「何者」なのか?
こいつの人物像さえ 想像出来ない!


#062 ブルーハワイ その②





●今回はトビラ絵は無く、1ページ目から本編です。ドロミテのスタンド『ブルー・ハワイ』の能力から逃げ続ける定助。裸足だったもんだから靴を購入したようですが、その靴屋の名前がなんと「Mukade」「靴のムカデ屋」じゃねーか(笑)。店主のおっちゃんは別人だし、お店も今風でスタイリッシュな佇まいだけど、いきなりニヤリとさせられました。……とか思ってたら、続けざまにデパートの「亀友(カメユー)」まで発見!世界も時代も違えど、ここは確かに杜王町なのです。
まぁ、それは置いといて……、定助はめっちゃ「追い込まれています」。バスかタクシーに乗って「植物鑑定人」の場所へ向かおうと、杜王駅方向に来てしまった事が裏目に出ました。多くの人々が集まる駅前では、誰がいつどこから襲って来るのかも分からない。やたらと人相の悪いじいさん、「JOJO」と書かれたシャツを着こなす男性、眼帯や包帯を身に付けた女性……などなど、怪しさ満点の連中ばかり。しかも、読者だけは知ってる前回の性悪クズ女。彼女も着実に定助に迫って来ているのです。
人の心を奪い、「ゾンビ」のようにして操ってしまう能力。人が多ければ多いほど、被害も恐怖も拡大していく能力。町中をメチャクチャにしてしまえる能力。社会性も人間味も感じさせない能力。こんなスタンドを持つ本体について想像を巡らせる定助ですが、あまりの存在のイカレっぷりに動揺を隠せません。仮に「岩人間」だったにしても、この社会のどこで、どんな生活をしてきたヤツなのか?もはや定助の理解を軽く超えちゃっています。


●とうとうクズ女が定助の間近にまで接近ッ!彼女の首には、血が付着したパールのネックレス。そう、それは『ブルー・ハワイ』に操られたババアが付けていたネックレスです。どうやら有言実行でネックレスを奪ったら、まんまと能力がコイツに移った様子。迷惑なやっちゃな~。
ネックレスに気付いた定助は、クズ女の襲撃にもキッチリ対応。決して直接触れないよう、逃走中に買ってたペットボトル飲料や「しゃぼん玉」越しにガード&アタック!しかし、やっぱりダメージなど意にも介さないので、結局は逃げの一手です。通行人にぶつかりながらのチェイスを繰り広げるも、なんとクズ女、唐突にバイクに轢かれちゃいました!胸をマトモに轢き潰され、脚も折れて骨がヒザを突き破ってますよ。即死の可能性大、ですよね……。いくらクズ女と言えど、これはさすがに気の毒すぎる。バイカーの人も災難すぎる。思わず「うげっ」って声が出ちゃったし(笑)。
しかも、彼女にぶつかって血を浴びた色黒マッチョマンが、次の「ゾンビ」になっちゃいました。無論、彼も真っ直ぐどこまでも定助を追って来る!――定助は確信しました。自分はこの能力に「追い込まれている」のではなく、すでに追い込まれた崖から「突き落とされていた」という事に。ここはもう、地獄の底……!!


●ド迫力なマッチョマンの追撃。定助はまたまた軽やかな身のこなしで、駐輪場のチャリの上を走って大ジャンプ!一方、チャリのハンドルに手首が引っ掛かり、先に進めなくなったマッチョマンでしたが、そのまま強引に手首を引きちぎって前進!完全に切断はされてないけど、皮で辛うじて繋がってる程度だよ~。
大ジャンプで金網フェンスを飛び越え、着地する定助。ところが、マッチョマンはフェンスに激突しても前進をやめず、顔面に金網がめり込んで切れていきます。そして、フェンスの向こう側にいる定助に、顔面や手首から吹き出す血を飛ばすッ!捨て身の攻撃もいいトコですが、定助はクールに華麗に回避しました。ペットボトルに入っている水からデッカい「しゃぼん玉」を作り出し、それをシールドにしたのです。こいつはカッコイイ「しゃぼん玉」の使い方ですね。
マッチョマンはついに力尽き、崩れ落ちます。しかし、彼が飛ばした血は、通りすがりのチャリに乗った少年に付着していました。今度は少年が「ゾンビ」化し、襲って来ます。定助はすかさず少年の口に「しゃぼん玉」をいっぱい詰め込み、フワフワと浮遊させました。そして、少年が乗ってたチャリを奪い取り、猛スピードで逃走!
……しばらく走って、ようやく人通りの少ない場所まで移動できました。とは言え、敵はいずれまた来る。このスタンド能力の射程距離は恐らく無限。きっと何日掛けてでも、目的を達しようとしてくるはず。これでは「植物鑑定人」の場所になんて行けないし、憲助さんにも連絡できない。やはり本体を倒す以外に手はないのです。本体の人物像を想像すら出来ない今、全ては康穂に懸かっている!


●場面は変わり、龍勝寺のバス停前の康穂に。定助が電話で話していた、「しゃぼん玉」にくるんだ「歯」を発見しました。康穂が「歯」を写メると、スマホ内で『ペイズリー・パーク』が発動ッ!「歯」の画像を抱きかかえ、無数のドアのある通路を進み、1つのドアを開けて奥へと飛び込みます。コミックス10巻にもあったけど、この『ペイズリー・パーク』発動の象徴的・抽象的描写、すんごい好きです。イカしてる。
僅かな手掛かりを辿って、無限に広がる「情報世界」をどんどん奥へと進んでいく『ペイズリー・パーク』。康穂は『ペイズリー・パーク』がどこに向かい、何をしようとしているのかは分からないまでも、「情報世界」における各データの位置・座標みたいなものは感覚でおおまかに理解できている模様。そこが町の歯医者の治療記録の在り処なのかどうか程度は分かるようですから。やがて『ペイズリー・パーク』はどこかの錠を破壊し、そこに隠された資料を見付け出しました。これも現実の「物質世界」の描写ではなく、恐らく、「情報世界」内でどこかのデータベースに侵入した事を「絵」で表現しているんでしょう。パスワード等のセキュリティも力づくで破って、狙ったデータをゲットするという「絵」。
『ペイズリー・パーク』が見付けた資料は、歯のレントゲン写真のデータ。そのうちの1本は、「しゃぼん玉」に入ってる「歯」と同じ形です。しかもこの資料、調査をされている痕跡がありました。そこはS市の警察署の事件資料だったのです。それによると、2007年から2010年にかけて、六壁坂近郊の小学校や農家でウサギやニワトリが大量に食い殺される事件があったとの事。警察は、肉の破片に残された歯型とDNAから容疑者を特定。その容疑者の顔は、まさしく感電事故前のドロミテでした!


●ドロミテそっくりの容疑者。名前は「泥駒 政次 (どろこま まさじ)」。「まさじ」と言えば、4部で「ボヨヨン岬」の一件を目撃した漁師の「マサジ」を思い出します。なんか今回は、4部を思い返させるワードが多いなあ。
ともかく、この「泥駒 政次」は現在39歳との事。まあ……、名前は本名が「ドロミテ」で、他の「岩人間」同様、「泥駒 政次」という別人の戸籍を奪い取ったのでしょう。容疑者まで判明してるのに事件は未解決らしいので、ドロミテ(=「泥駒 政次」)を捜す者はみな始末されてしまい、きっと誰も今のドロミテの姿を写真に残せていないのです。それなら、昔の彼の写真しか無いのも頷ける。
さらに康穂は、「歯」に土が付着している事に気付きました。定助が「歯」を「しゃぼん玉」に包んだのだから、この場所の土ではない。という事は、本体と思われる「泥駒 政次」の居場所の土のはず。土の「土質」を調べ、それと一致した土壌のポイントが敵本体のいる場所!スゲーぞ、康穂!『ペイズリー・パーク』は反則的な探知能力ではあるけど、本体:康穂の観察力・行動力・推理力・発想力があって初めて本領を発揮できるのです。


●本体に繋がるヒントを定助に教えてあげられる。そう思った矢先、康穂に異変が襲います。急に頭の中が異常に熱くなり、そのまま気を失ってしまったのです。康穂の背後には、見覚えのあるスタンドの姿!そう、常敏のスタンド『スピード・キング』!このスタンドが康穂の頭の血管内部に「熱」を宿らせたワケです。久しぶりの登場でデザインも若干変わってますが、まぁ良し。
常敏は康穂の名も知っており、定助や父:憲助さんとの繋がりも知っていました。そのため、自分が疑われる危険があるからと、今の時点で康穂を殺す事はしませんでした。しかし、逆に言えば、疑われる心配さえ無ければ殺人も厭わないって事。このドロミテ戦で常敏の「ドス黒い悪」指数が跳ね上がってるよ~~。こんな事ばっかやってたら、最終回まで生きてられなくなっちゃうよ(笑)。憲助さんも死ぬ可能性は高いと睨んでるんで、もしかすると、成長したつるぎちゃんが東方家当主を継ぐエンドってのもあり得そう。
常敏はドロミテの「歯」も、康穂のスマホも、排水口に捨て去ってしまいました。これでドロミテに辿り着ける者はいない。そして常敏は、父:憲助さんへの不満を抱いている事が明らかに。「東方フルーツパーラー」の将来には、自分(常敏)のやり方で「ロカカカ」が必要である事を、父はちっとも分かっていない……と。彼は東方家に伝わる「石化病」の克服のために「ロカカカ」を求めているのかと考えていましたが、それだけではなさそうです。「東方家」ではなく「東方フルーツパーラー」の将来と言っている以上、「ロカカカ」を商売にも利用しようとしているのでしょう。ダモカンチーム亡き今、それが出来るのはもう常敏だけ。でも、それは絶対「正しい道」じゃないよな~。常敏のキャラが好きなだけに、行く末が心配になってきます。


★今月は45ページ!ラストページでは、能力に操られたあの少年が顔を腫らし、血を流しながら黙々と走り続ける姿……。少年の周囲にはハエも飛んでいます。ドロミテは「7つの大罪」のうち「暴食」を暗示するという仮説の信憑性が増したと同時に、「ハエ」は荒木マンガでは「死の象徴」としても使われているんで非常に不吉だし不憫だわ。ここ3回にも渡って延々と『ブルー・ハワイ』の能力が描かれてますが、これはホントに「呪い」ですよね。あまりにもえげつなく、おぞましく、無慈悲で無感情な能力。「熱さ」も「冷たさ」すらも感じさせず、淡々とこんな能力が使われている事が恐ろしい。
作者コメントは「昔からやってるけど、懸垂10回くらいやってる。何気にすごい気がする。」との事。たぶん私は10回も出来んな。さすがは荒木先生。肉体作りにも余念がありません。これだけの健康体であれば、これからも末永く先生のマンガを読めそうです。




(2017年2月17日)




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