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しっかりわたしを守れよ


#064 植物鑑定人 その①





●ウルジャン今月号は「ジョジョリオン」が表紙!「ジョジョ」30周年記念って事で、定助と『ソフト&ウェット』が一緒にダンスするゴキゲンなイラストです。「心の具現」とも言うべきスタンドと共にダンスしてるワケで、文字通り、心躍る定助。表情こそクールですが、表紙用にオシャレもキメ、天を指差すハイテンションっぷり。そんな定助にリードされる『ソフト&ウェット』もキュートです。
カラーリングは、落ち着いたオリーブ色が基調の定助に対し、ブルーとピンクという「無敵の組み合わせ」の『ソフト&ウェット』。そして、オレンジ色が両者の差し色に使われています。互いに存在を引き立て合いつつ調和した、なんとも楽しい1枚でした。


●今回のトビラ絵は、寄り添い合って前を見る定助&康穂。その背後には『ソフト&ウェット』と『ペイズリー・パーク』の姿も。2人ともあどけない表情で、なんだか可愛らしい。
再会した後も、なかなか2人きりでゆっくり過ごせてはいないみたいなので、せめてトビラ絵でぐらいは密着しちゃってもバチは当たらんでしょう(笑)。


●まず冒頭は、つるぎちゃんのモノローグから始まり、花都さんと常敏の罪が次第に明らかにされました。……つるぎちゃんは語ります。「地形」とは呪いだ、と。生まれる土地と、付けられる名前は、自分の自由では選べない。確かに、その土地・その地形だからこそ起きてしまう災害もあるでしょうし、その家・その名前だからこそ見舞われてしまう不幸もあるでしょう。自分の意志ではどうにもならないもの。それは「呪い」であり、「宿命」でもあります。
そして、つるぎちゃんが生まれた場所「東方家」は、特にその「呪い」と「宿命」が強い場所。何の因果か、代々の長子に襲い掛かる「石化の病」。かつて描かれたように、憲助さんも11歳の時に発病し、母:伴子さんが身代わりとなってくれました。この行動はどうやら東方家の因習でもなければ、誰かからの強制でもない、純粋に伴子さん自身の意志による選択・決断だった模様。東方家に嫁いだ女性の生涯はとても短いとの事なので、きっと歴代の母達は誰に言われるでもなく、自分の命と引き換えに我が子を救ってきたのでしょうね。気高き母の愛です。
……さて、時は遡り、現在(2011年)からおよそ20年ほど前。東方邸ももちろんまだ新築されておらず、昔ながらの立派な日本家屋であった頃。花都さんと鳩ねーちゃんが、屋敷のそばの原っぱ(現在の「壁の目」付近)でピクニックしています。当時、花都さんは常秀を妊娠中だったらしく、お腹もだいぶ大きい。そんな彼女が見つめるものは、1つの祠(ほこら)。1901年、ジョニィが「聖なる遺体」を隠した二本松の根本の洞に、祠を建てて祀っている様子。憲助さんが子どもの頃にはなかったので、恐らく、憲助さんが母や先祖の供養の意味も込めて建てたんでしょうなぁ。この因縁深き二本松によじ登るのは、幼い日の常敏。花都さんは彼に「降りて来て」と必死に呼び掛けながら、瞳には涙を浮かべていたのでした。


●ある日、常敏は町内の子供会に出掛けました。花都さんは常敏を、過保護とも思えるほどに面倒を見、どうでもいいような些細な事までメモを持たせています。常敏と行動を共にする少年達もまた、礼儀正しく頼もしい。
ところが、実はその少年達……、人の目の届かぬところで常敏をイジメていたのでした。それというのも、常敏は明日になれば今日の記憶が失われてしまうから。しかも、皮膚にはヒビも入っており、足元もフラフラとおぼつかない。そう、常敏はすでに「石化病」が発病していたのです。だから花都さんは、弱っていく息子の姿に涙し、甲斐甲斐しく世話を焼いていたワケですね。ただ、子どもはやっぱ残酷なもんで、そういう変わった子を見下しがち。平気で殴るわ、カネ取るわ、木の棒で脳天コスッて火を焚こうとするわ、もうやりたい放題。
挙げ句、事前に常敏に命令して、花都さんのおパンティーブラを持って来させて奪取!さらに、花都さんのシャワーシーンを盗撮させ、そのノゾキ写真もゲット!花都さんが超好みのタイプらしいのです。う~む、中学生にして人妻熟女属性とは。しかも相手は知り合いの母ちゃんで、プラス妊婦だぞ。このエロガキ、只者じゃねえ~。上級者すぎるぜ。


●そんな具合にイジメられていた常敏を見付け、声を掛けてくれた女の子。なんと、事の次第を知り、学校のみならず警察にまで話してしまった(笑)。そのせいで、隠してたおパンティーや写真も発見されちゃったらしい。これはもう、伝説の男として語り継がれる事必至です。完全に人生詰んでます。自業自得もいいとこですが、エロガキは自暴自棄に陥り、復讐の鬼と化しました。
常敏をブン殴る程度ならまだしも、なんとチクッた女の子の家に放火するよう、常敏に命令しやがった!その上、もし大人になっても皆が例の事件を忘れてなかったなら、花都さんを強姦して池に沈め、常敏も殺すと!……この時点でエロガキは一線を超えちゃいました。いや、「男」として超えてはいけない線は余裕で超えちゃってたけど、ついに「人」としての領域をも踏み外しちゃったな。コイツがどんな目に遭おうが、もはや一点の同情の余地も無し。
完全にキレて、常敏を脅して来るエロガキ。その時、無意識的に『スピード・キング』が発動ッ!頭部の血管が熱せられたエロガキは、瞬時に卒倒してしまうのでした。……この時の記憶さえすぐに失ってしまった常敏は、花都さんに助けを求めます。まだ生きていたエロガキのために、救急車を呼んでもらおうと。しかし、花都さんはエロガキを救うどころか、車のトランクに押し込めるのでありました。


●エロガキが死にかけてるのは自分のせいなのではと感じている常敏に、花都さんは優しく諭します。「これからあなたはこの事をきっと覚えている」「もう忘れたりしない」「そして、あなたは何もしていない」……と。「男次第で決まる女の人生なんてまっぴら」「でもあたしは、あなたのためなら生きられる」……と。
花都さんはジョニィ・ジョースターの伝説を思い出していました。そして、あの祠の事を。


「場所って不公平… 絶対に平等なんてありえない」
「生まれる場所は選べない」
「でも人は その場所で幸せになるように登って行く」

「常敏 これからあなたはこの場所で登って行き…」
「そしてこいつは元々 底にいるヤツって事なのよ」
「このままこいつは地面の底に沈めてやる」


かくして、常敏とエロガキは祠の奥にある穴に一緒に埋もれ、「壁の目」による「等価交換」が行われたのでした。「石化病」はエロガキに移り、常敏は回復!
なるほど、こういう経緯だったんですね。エロガキが常敏をイジメてた事や自分に欲情してた事なんかも、警察沙汰にまでなってる以上、花都さんも当然知ってるでしょうし、常敏がスタンドに目醒めちゃうぐらいガチで追い込まれてたって事でもあります。そりゃあ、こうなっちゃっても仕方ない。法的には悪であっても、心情的には花都さんを支持しますよ。


●この「等価交換」から5年。常敏は16歳になったかならないか、っていう時期。どういう理由か「石化病」が治まっている様子の常敏を不思議に思い、健康診断を勧める憲助さん。しかし、当の常敏は「光GENJI」ばりにローラースケートを絶好調満喫中です。彼の顔に入っている数本の縦線は、やはり「石化病」の名残りだったっぽい。そして、この頃にはもう常秀も大弥ちゃんも産まれ、ハタから見れば、まさに幸福で温かな家庭そのもの。(幼い4兄弟も可愛いんだけど、ビジュアルがまんますぎて笑えますね。)
ところが、この年の秋の終わり。愛好家に飼われていたカミツキガメが逃げ出し、町中が捜索され、東方家の土地から白骨化したエロガキの遺体が発見されました。殺人事件と断定され、エロガキの指や手首から検出されたDNAなどの物的証拠から、花都さんが犯人として逮捕されたのです。こうして彼女は15年、刑務所に服役する事となったのでした。
結局、花都さんも愛ゆえに過ちを犯した人だったんですね。でも、その「過ち」を犯さなければ、エロガキは確実に誰かの命を奪っていた。なら、彼女の行動は本当に「過ち」なのか?これもまた、この土地に生まれ、出会ってしまったからこその「必然」であり、「宿命」であり、「呪い」なんでしょう。この「呪い」を解く術はあるんでしょうか?


● ―― 時は現在に戻り、「植物鑑定人」の元へ急ぐ定助と康穂。バスに乗って移動中です。定助は窓の外を警戒。ドロミテはあの後、康穂がフルボッコにして気絶させたらしい(笑)。しかし、定助が不安を抱いているのはドロミテ本人ではなく、ドロミテの話にあったのです。
ドロミテは定助達に「「ロカカカ」は本当にヤバイ」「オレは何も知らないし、「ロカカカ」の真の目的なんて知りたくもない」「オレは何も知らないからこそ、まだ生きているし自由なんだ」などと語っていました。「ロカカカ」から引き返せば、今なら定助もまだ助かる。「ロカカカ」とは、誰も知らない事に無限の価値がある。一部の誰かの「超一級限定品」であると同時に、社会への影響も一級品。定助が新種の「ロカカカ」を食ったのがマジなら、その効果は凄すぎる。……次々とドロミテから発せられる、不穏な言葉。
ただ、定助が最も気になっていたのは、話の内容自体よりもドロミテの態度・話し方。自分は「ロカカカ」になんて興味はないし、「新ロカカカ」とも無関係だとアピールするかのような口ぶり。あの時、ドロミテは本当は、定助ではない「何者か」に対して話していたのです。つまり、どこからかドロミテや定助達を監視していた者がいた、という事。そして、定助はドロミテに操られ、「植物鑑定人」の情報を明かしてしまっている。事態は思っていた以上に、風雲急を告げる危険なムードMAXです。


●バスの運転手さんが、いきなり運転席から立ち上がり、ヒョイっと移動し始めました。もちろん、バスは走行したまんま。唐突すぎる出来事に、定助達を始め、乗客はみんな面食らって呆然。すると、運転手は倒れて気絶してしまいました。まさか敵の攻撃!?
そう思った時、運転席から顔を覗かせた1人の男。それはなんと、捜していたはずの「植物鑑定人」その人でした!曰く、すでに彼の所にまで複数の敵がやって来たようなのです。で、この運転手じゃダメだから自分で運転する事にしたらしい。どうやら憲助さんから定助の事は聞かされていたようで、定助の名も知っている。わざわざ定助の元に現れたのも、自分の身を守らせるためみたいです。その言動からは、なんと言うか、揺るぎない自信を感じさせますね。このまま謎の追っ手と、早い者勝ちの「新ロカカカ」争奪戦に突入?
やっぱり「植物鑑定人」もスタンド使いなんでしょうけど、どんな能力なのかな?シンプルに「植物を操る能力」で……、運転手さんも体内に植物を生やされ、自分の意志とは無関係に体を動かされたとか?


★今月は45ページ!花都さんの犯した罪、真の敵対勢力の存在、「植物鑑定人」の登場。かなりストーリーの核心に迫りつつあって、めっちゃ盛り上がりました。個人的には、この真の敵こそ、1巻で描かれた「記憶の男」であってほしいところです。
作者コメントは「スマホが買い替えの時期なんですが、驚くような進化系のスマホってないのかな。」との事。ケータイを持たない主義だった先生が、今はこうしてスマホを買い替えようとしている。時の流れを感じずにはいられません。




(2017年4月18日)




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