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『厚い信望』…
良く理解出来た…


#069 岩人間と岩動物 その②





●今回のトビラ絵は、定助の顔のドアップ!しかも、アーバン・ゲリラのスタンド『ブレイン・ストーム』に襲われそうになってます。こいつはヤバいぜッ!


●というワケで、冒頭は『ブレイン・ストーム』の能力説明から。『ブレイン・ストーム』はまず、針状の触手で生物の皮膚表面に掴まる。そして、表面を突き破り、触手を奥に伸ばして体内へ侵入。スタンドそれ自体が毒素であり、「溶血」を引き起こす。更に奥へ入っていき、2倍2倍で個体数が増殖。こうして、「穴」を開けるように、相手の肉体を崩壊させていく。……う~ん、おぞましい能力です。「溶血」とは「赤血球」の破壊を意味しますが、実際のところ、それだけに留まらず「細胞」の破壊を行っているように感じますね。
さて、そんな『ブレイン・ストーム』の攻撃を受けてしまった礼さん!ゲリラは余裕顔で、「おまえを靴ひもにして使ってやる」「そして東方の敷地に『ロカカカ』を採りに行こうぜ」などと挑発して来ます。やはりゲリラにとっても礼さんの鑑識眼は必要なようで、肉体を崩壊させても、今はまだ殺す気はなさそう。ギリギリで生かし、利用するだけしてから始末するつもりなんでしょう。それにしても、「靴ひもにしてやる」なんて脅し文句、初めて聞いたわ(笑)。


●礼さんの大ピンチを見つめる定助&康穂。自分達もドレミに襲われてる真っ最中なのに、康穂は礼さんに責任を感じ、自分を責めています。自分がバスに乗ってこの山に来てしまったから、余計な事をしてしまったから、礼さんは巻き込まれて殺されかけている。康穂だって礼さんにリフトから突き落とされて生贄にされたってのに、つくづく康穂は人がいいな。
でも定助は、そんな康穂に「言っても無駄なことは口にするな!」と檄を飛ばします。過ぎた事を悔やむより、今どうするべきかを考えろって事。まったくもって仰る通り。誰が悪いとか何が原因とかじゃなく、ただヤツらの方が上手(うわて)だっただけ。だったら、そのさらに上を行けばいいんです!


●ゲリラは「新ロカカカ」がこれから齎すものについて、礼さんに語り始めます。「ロカカカ」は「岩人間」がずっと昔から見付け、栽培してきた植物。つまり、「岩人間」のためにある植物なのだそう。「ロカカカ」による「等価交換」も、「岩人間」のためのもの。どうやら肉体の質の違いのせいで、もともと「人間」と「ロカカカ」は相性が悪いらしい。「岩人間」の細胞に炭素成分が多く含まれている事はすでに明かされていますが、ケイ素と結合した肉体でもあるようです。
そういう細胞と肉体を持つ「岩人間」だからこそ、「新ロカカカ」の恩恵もフルに享受できるって事みたい。「人間」じゃ「等価交換」した部分が岩になって崩壊するけれど、「岩人間」だとそうはならないで済むとかなのか?とにかく、東方家の「石化病」も確かに治せるかもしれないし、「長寿」や「健康」、「金儲け」にも使える。しかし、ゲリラが言うには、これから「人間」にとっては酷い世の中になり、逆に「岩人間」にとってはワクワクする新しい世界になるらしい。それは、「岩人間」が「人間」を管理・支配する社会に変化するという事なのか、はたまた、地球環境そのものが「岩人間」に都合の良いものに変化するという事なのか。それとも……?
いずれにせよ、「人間」と「岩人間」は相反する存在であり、決して共存は出来ない関係なのかもしれませんね。いよいよ敵の目的も徐々に見えて来つつあります。


●ゲリラがご高説を垂れまくってる隙に、礼さんは次なる一手。『ドギー・スタイル』で解体した腕を、器用に組み立てて編み込んで「弓」を作ってしまいました!そして、その「弓」にフォークという「矢」をセット!歯で弦を引き、物凄い勢いで「矢」が放たれ、ゲリラの眼の上に突き刺さった!おおッ、めっちゃカッコイイ!「農民」である彼が、「弓矢」という原始的な道具で攻撃するってのもまた熱い。
続けざまに第2弾を撃ち込もうとする礼さんですが、ゲリラも『ブレイン・ストーム』を大量発現。辛うじて「矢」を放ったものの、礼さんの肉体は崩壊が進行し、ついにワイヤーから落下してしまいました。しかも、せっかく放ったフォークも柱に刺さっただけ。ゲリラには命中せず。
地面に落ち、敵スタンドに体を蝕まれ……、しかしそれでも、礼さんの眼差しには闘志が宿っています。その気高き姿を目の当たりにした定助は、心を強く揺さぶられるのでした。

「『厚い信望』…」 「良く理解出来た…」
「憲助さんがあなたを頼る理由が…」
「鑑定人としてだけで無く…」
「なんとしてでも あなたが必要な理由が」


自分の「立場」と「仕事」を最後まで全うする、彼のプロフェッショナルな姿勢。そこには確かに、「人」として信頼すべきものがあった!
礼さんを守るため、定助は康穂の制止も聞かず、岩盤から飛び降りました。体に多少の「穴」を開けられるダメージを負ったとしても、まずはゲリラから仕留めるッ!それが定助の順番!


●ゲリラに向かって地面を走る定助に、ドレミが再び襲い掛かります。そんな定助を、ゲリラは見下しながら挑発。「生き物は岩と土の上に存在している」「死を迎えたら「下」に存在する」「おまえらの事だよ…」「うっかりしてたら ずっと「岩の下」に居る事になっちゃっていた…」「岩人間の「下」になあ」。人間を侮辱する言葉を吐くゲリラに、熱く鋭い眼光を向ける定助。……これはもはや、定助とゲリラだけの闘いではありません。「人間」と「岩人間」の戦争なのです!
「来い!」と叫び、ゲリラは定助を迎え撃つ。柱から飛び降りると、『ブレイン・ストーム』を地面に発射!土は『ブレイン・ストーム』に侵食され脆くなり、そこにゲリラがダイブ!セッコのように地中へ潜ってしまいました。ついさっきとは逆に、定助を見上げるゲリラ。そんなゲリラを睨む定助。2人の視線が交わった次の瞬間、『ソフト&ウェット』のオラオララッシュが炸裂ッ!ところが、ゲリラはすでにドレミと合体していたのです。「オレは岩人間……」「おまえらの「上」だ…」
気付けばドレミ達は、定助の真下の地中に潜んでいました。そして、『ブレイン・ストーム』をマトモに喰らってしまったのか、ドレミが噴出した土砂に巻き込まれたのか、定助は全身にダメージを負って流血!礼さんに続いて、こっちも大ピンチです。しかし、そんな定助を見つめる礼さんの眼は、未だ闘志衰えず。何か逆転の秘策があるのか?―― ってところで、次号へ続く!


★今月は33ページ!ページ数は少ないけど、内容は激熱でした!いやぁ~、ヘタしたら「ジョジョリオン」中で最も燃える展開を迎えてますよ。礼さんのクールなカッコ良さはもちろん、ゲリラも「敵」としていい味出してきてるし、礼さんに感化された定助も「主人公」としてイカしてる!マジ面白かったです。
次回のちょっとした予想としては、礼さんがすでに勝利への布石を打ってくれていたって事で。フォークが突き刺さった柱の箇所から、実は燃料が漏れ出してきていて、それを込めた「しゃぼん玉」を撃ち込む事でドレミ達は炎上。ドレミの外に脱出したゲリラも、急に体に異変が起きて動けなくなる。実は、礼さんがゲリラに刺したナイフやフォークには、この山に生えている毒草の「毒」をたっぷり塗り込んであった。「岩人間」だからか効き目が遅かったが、油断して敵の攻撃を安易に受けた時点でゲリラは負けていたのだ。毒には毒を。―― みたいなのはどうでしょう?
作者コメントは「そっくりな姉妹でやってる歯医者に通ってる。名医なんだけどさ。2人で来ると怖いよォ。」との事。1人でも歯医者さんは怖いのに、同じ見た目がダブルはヤバいですね(笑)。




(2017年9月17日)




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