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完結記念!!
● 「ジョジョリオン」公式完全読本 ●

東方家編





Q01. 憲助さんからの康穂への伝言の真意は?

A. 康穂を巻き込むまいとした虹村さんの個人的な警告

( 解 説 )
東方定助が東方家に迎えられたその日、家政婦の虹村さんは、帰り際の広瀬康穂に対し東方憲助さんからの伝言を伝えた。(第7話) それは、「うちの常秀を誘惑したりするな」 「この家にも二度と来ることを許さない」 「今後 定助にも絶対に会わないように」 「余計なことはするな」 「おまえの家族に危害が及ぶぞ」という、明らかな脅迫であった。
しかし、これは無関係の康穂を危険から避けるために虹村さんが個人的に発した警告である。吉良家・ジョースター家編 Q10.でも触れたが、虹村さんは東方家を憎み、何を企んでいるか分からない連中と見ている。そこへ、吉良家・ジョースター家編 Q12.で述べたように、兄:吉良吉影の「融合」と思われる定助まで現れ、警戒心はMAX。このままでは、何も知らない康穂まで危険に巻き込まれてしまうと考え、あえて強い言葉で遠ざけたのだ。もっとも、康穂に対しては逆効果になってしまったが。
(2021年9月17日)




Q02. 憲助さんが定助に2階へ行くのを禁じた理由は?

A. 2階に興味を抱かせるため

( 解 説 )
定助が東方家に迎えられた初日、憲助さんは彼に、2階に絶対行かないよう命じた。(第7話) 階段にも近付くな。覗くな。行きたくなったりするな。過剰なまでの警告である。
だが、これはむしろ、逆に定助に2階への興味を抱かせるための誘導なのだ。憲助さんとしては、定助の記憶が蘇ってくれる事を期待している。(第27話) 何が記憶を呼び覚ますカギになるか分からない以上、じっくりといろいろ試してみたいというのが実情のはずである。
だったら2階にある家系図をさっさと見せてしまえば済む話ではあるが、そこはやはり、定助が自分の意志で見付け出し、辿り着く事が重要と考えての事だろう。受け身でぼんやり見せられるよりも、興味を持って自分から観る方が強い刺激になるに違いない。
(2021年9月17日)




Q03. 大弥ちゃんの太ももの負傷は何?

A. 彼女のスタンド能力の一環

( 解 説 )
定助が東方大弥ちゃんに気を遣わせ、スタンド『カリフォルニア・キング・ベッド』ちゃんが最初に発動した時、突然、大弥ちゃんは左太ももに重傷を負った。(第7話) 肉が大きくえぐれ、骨まで見え、血は噴き出し、焼け焦げるかのように煙まで立ちのぼっていた。ところが、ふと気付けば、その傷は綺麗さっぱり消え去っていた。
これは、『カリフォルニア・キング・ベッド』ちゃんの能力の一環である。負傷した彼女を定助が抱きかかえた途端、曖昧だった「本屋のマーク」に関する記憶がハッキリ思い出されていた。(第8話) あやふやなままの記憶では「駒」という明確な形を与える事が出来ず、大弥ちゃんがターゲットに直接触れる事で、そのあやふやだった記憶が引き出されるのだ。つまり、この負傷は、大弥ちゃんに触れさせるための「罠」であり「餌」である。
また、大弥ちゃんは、「不自然さ」とは人間関係を壊す「地雷」と捉えている。特別扱いされて不自然な言動を取られた彼女の心は、「地雷」で爆破されたかのように傷付いてしまうのである。この負傷は物理的・現実的なダメージではなく、彼女の傷付いた心のイメージなのだろう。それを見せ付けて「もう彼女を傷付けるようなマネはしたくない」と思ってもらうための、過剰な自己アピールでもあるのだ。
(2021年9月17日)




Q04. 定助がスタンド使いだと大弥ちゃんに教えたのは誰?

A. 定助を密かに調べていた憲助さん

( 解 説 )
大弥ちゃんは、定助がスタンド使いである事を知っていた。そして、それは誰かから聞いた情報らしい。(第8話)
恐らく、大弥ちゃんに話した人物は憲助さんと思われる。康穂や息子:常秀の証言を聞いたり、定助が発見された状況を調べたりして、定助が吉良であると結論付けた。それなら、スタンド使いである可能性が極めて高いと判断したのだろう。もしかすると、定助の行動をこっそり監視していて、彼がスタンドを使うところも実際に見ていたのかもしれない。
(2021年9月17日)




Q05. 憲助さんの邪悪な言動の数々は何だったのか?

A. 可愛い娘を持つ父親としての複雑な心境

( 解 説 )
初期の憲助さんは、それはもう、はち切れんばかりの怪しさであった。定助が大弥ちゃんとベッドの上で情事に及びかけていたその時、憲助さんは「ブッ殺すッ!!」 「あの定助はそのうち殺すッ!!」と、定助への敵意と殺意を露わにしていた。しかも、全ての真相を知る黒幕のように、「今は定助の身も心も奴隷にしていいぞ…」 「捕えるんだ……」 「どうせ定助の記憶が甦ることなどないんだからな…」などと企んでいた。(第9話) もはや怪しいどころの騒ぎではない。
だがこれは、可愛い娘を持つ父親としては致し方ないところがある。愛娘が男と抱き合おうとしているのを目撃したら、そりゃあ殺意の1つくらい抱くだろう。増して、つい今さっき出会ったばかりの男が相手なのだ。憲助さんは大弥ちゃんのスタンド能力については把握しており、定助の「記憶」をすでに奪ったであろう事も推測できた。だから、嫉妬も込みで「おまえなんかが大弥に勝って、記憶を取り戻せるワケないんだからな!」という意味合いの負け惜しみを言ったのである。定助の記憶が蘇ってほしいのも本音だが、そこは複雑な心境だったのだろう。現に、同じ愛娘:鳩ちゃんが彼氏を連れて来た際も、平静を装い切れず、怒りや悲しみを剥き出しにしていた。相当に邪悪な表情も浮かべている。(第47話、第48話)

なお、そもそも大弥ちゃんを定助に仕向けたのは、恐らく、大きく2つの目的があった。東方家に対して反抗的な態度を取れないようにする事と、あわよくば「石化病」の治療法に関する「記憶」を奪う事だ。
前者は……、Q02.でも述べた通り、基本的には定助の好きなようにさせるつもりであったが、あまり東方家に反抗的な態度を取られても困る。本来は定助に協力してほしい立場である以上、「敵」と見なされてしまうのは都合が悪い。だから、大弥ちゃんが定助の余計な「記憶」を奪い、うまく手懐けてしまえば、そんな心配もいらなくなるというワケである。後者は……、定助を引き取った理由に直結するが、憲助さんは「石化病」の治療法を知りたがっていた。(第27話) もしも『カリフォルニア・キング・ベッド』ちゃんでその「記憶」を奪えるなら、その方が手っ取り早いのだ。
(2021年9月17日)




Q06. ジョースター家の系図まで記録していた理由は?

A. 「石化病」を引き継ぐ一族としての記録だった

( 解 説 )
東方家の家系図には、何故かジョースター家の系図も並行して記録されていた。(第11話) 定助は、東方家と吉良家が繋がっているからだとすんなり納得していたが、理由としてはよく分からない。
恐らくこの家系図は、「石化病」を引き継ぐ一族を記録しているのだろう。憲助さんも、東方家の長として「石化病」を克服したいとずっと願っている。そして、吉良ホリーさんの一族(ジョースター家・吉良家)も同じ宿命と言っていた。(第27話) 一族にとって、これ以上ない程に大きな問題が「石化病」なのである。そう捉えると、ジョースター家も一緒に記録するのは自然な事であろう。
もっとも、吉良家・ジョースター家編 Q20.で述べた通り、実はジョースター家は「石化病」からすでに解放されている。しかし憲助さんは、度重なる「ロカカカ」の投与実験によるホリーさんの異変を、「石化病」の症状と勘違いしているのである。
(2021年9月17日)




Q07. 「離れ」の地下室は定助の過去と関係があったのか?

A. まったくの無関係

( 解 説 )
東方邸の「離れ」には地下室があり、その一室には定助が着ていたようなセーラー服やスニーカーがあった。(第24話) また、東方つるぎちゃんは定助に対し、「……あんたこそ早く… …帰っておいでよ」 「前 いた………… あのお部屋に…」と声を掛けていた。(第25話)
いかにも定助の過去と関係が深そうな部屋だが、実際のところ、まったくの無関係である。八木山夜露が定助をおびき寄せるために準備したものだ。夜露のスタンド『アイ・アム・ア・ロック』は、逃げ場のない狭い場所でこそ真価を発揮するからである。もしあの部屋を定助が見たり聞いたりしたなら、当然、まんまと調べに入って行くだろう。
夜露は定助を確実に始末しようと、さらにつるぎちゃんにも接触し、取り引きを交わす。「石化病」の治療法を教える代わりに、定助をおびき出せ、と。そこでつるぎちゃんは、定助にあえて意味深で思わせぶりな言葉を残す事で、意識を自分に向ける。そして、のこのことつるぎちゃんの後を尾けた定助は、夜露に襲われてしまったのであった。(第27話) 全ては用意された罠だったのだ。
(2021年9月17日)




Q08. 「離れ」の地下室から覗いていたのは誰?

A. 八木山夜露

( 解 説 )
つるぎちゃんのスタンド『ペーパー・ムーン・キング』に散々翻弄されまくった挙句、「離れ」の地下に戻った康穂。そんな康穂とつるぎちゃんを、地下室の覗き穴から密かに見つめる人物がいた。(第25話)
続く第26話でいきなり登場したところから考えると、あの人物の正体は八木山夜露であろう。フルーツパーラーの店舗設計の時には、夜露はこの地下室で仕事していたらしい。(第30話) しかも、彼はつるぎちゃんに接触し、取り引きをしている。地下室に居座っていたとしても、何ら不思議ではない。
瞳の感じこそ違うが、初登場時とデザインが変わる事は「ジョジョ」ではよくある事である。
(2021年9月17日)




Q09. 「石化病」の由来とは?

A. 遠い先祖が「知恵の実」を食べた代償

( 解 説 )
東方家に伝わる謎の「石化病」。何百年も前から代々受け継がれてきたもので、最初に生まれた子どもにだけ発病する。体が石のようになって死んでいくという、忌まわしき「呪い」の如き病気なのだ。(第26話) しかし、この病気が起こり始めたキッカケや由来は、一切不明のままである。
一切不明である以上、勝手に想像する以外にない。ここで、基本設定編 Q02.で触れた「知恵の実」が出て来る。「知恵の実」を食べると、1つだけ叡智が得られるが、代わりにその一族は肉体が岩石化する「病気」の宿命を背負ってしまうのだ。即ち、東方家の遠い先祖が「知恵の実」を食べ、そのおかげで一族は繁栄したが、同時に「石化病」も受け継がれる事になったというワケである。

例えばの話だが、こんなストーリーがあったのかもしれない。第1話ラストのモノローグから妄想してみた。
全ての発端は、1000年以上も大昔。奈良時代から平安時代にかけてのお話。坂上田村麻呂が行った蝦夷征伐により、今で言う「東北地方」以北が「日本」の支配下に置かれた。その際、幾度も争いが起こったが……、自分が生き残るために、多くの仲間を敵に売った裏切り者が蝦夷の中にいた。売られた者達はほとんどが無惨に殺され、裏切り者を怨み、憎み、呪って死んでいった。その裏切り者は後に、蝦夷を意味する「東方(とうほう)」=「東方(ひがしかた)」という名を与えられ、強かに生き抜いていったのである。これが東方家のルーツ。
この東方家の遠い先祖は、元々は貧しい生まれの孤独な人間だったが、同じ集落に住む仲間も親切にしてくれ、そのおかげでどうにか平穏に暮らしてこれた。そんなある時、「日本」の朝廷軍の人間が集落に近付いて来た。みんなで立ち向かえば勝てるかもしれない。ところが……、東方家の先祖は、何かそれらしいうまい事を言い出して、仲間を誘導して身を隠させた。そして、そのまま1人で朝廷軍と接触し、交渉。なんと、集落の仲間を密かに売り渡し、その代わりに自分の身の安全を確保したのだった。彼を信頼していた仲間達は、手酷い裏切りに会って死んでいったのだ。
実は彼は、この裏切りの直前、偶然にも見付けた「知恵の実」を食べてしまっていた。彼は、たとえ何を犠牲にしようとも「豊かに幸福に生き延びる」事を強く求めていた。そのために必要な叡智が与えられた彼は、1人無事に生き延び、やがては集落周辺の土地一帯を任されるまでに成り上がり、今日に至るまでの富と繁栄を得たのである。かつて集落の長が守り続けてきた「等価交換」の聖地も、彼が奪い取り、さらなる富と繁栄のために利用する事になったのだった。
しかし、彼の一族はその後、体が石になって死んでいく病に犯される。それはまさに、裏切られて死んでいった者達の「呪い」そのものに映った事であろう。一族はその「呪い」を恐れ、逃れようとしたが、決して解ける事はなかった。


―― 以上の回答は、あくまで私の想像・妄想に過ぎない。
それに納得できない場合は……、東方家の遠い先祖に「岩人間」がいて、長子のみに先祖返りに近い現象が起こっている、とでも解釈しておけば良いだろう。
(2021年9月17日)




Q10. 長男が「石化病」になるのは必ず10歳の時か?

A. ほとんどが10歳だが、「必ず」ではない

( 解 説 )
つるぎちゃんは、東方家の長男が「石化病」になるのは必ず10歳の時と言っている。(第26話) しかし、憲助さんは、自分が「石化病」になったのは11歳の時と言っていた。(第30話)
歴代の長男のほとんどが10歳の時に発病したが、ごくたま~に、少し遅れて11歳で発病する者もいるという事だろう。その辺も考慮して、長男は12歳まで女の子の格好をする習わしになったのだ。(第23話) とは言え、そんな例外までいちいち事細かに伝えてもしょうがないので、つるぎちゃんには単純に「必ず10歳」と話していたものと思われる。
(2021年11月7日)




Q11. 「離れ」で「石化病」を治す方法とは?

A. 地下に専用の隠し部屋があり、そこで「等価交換」する

( 解 説 )
つるぎちゃんが言うには、「離れ」は「石化病」を治すための建物らしい。(第26話) かつては「二本松」の根元の洞で「石化病」を「交換」していた。(第31話、第64話) だが、震災後にはその洞と「離れ」の地下室が繋がっていたように、土地・地点としては同一の場所と見て良いのだろう。吉良家・ジョースター家編 Q11.でも触れたが、その場所は「壁の目」でも特に強いパワーが宿っているのだ。
とは言え、ただ地下に行っただけで「等価交換」が起こってしまうようでは、恐ろしくて誰も近寄れない。恐らく、「等価交換」専用の秘密の隠し部屋があるのだろう。実際、果樹園に続く隠し通路があったくらいなので、隠し部屋があっても不思議ではない。(第72話) その部屋に「交換」したい者同士が一定時間入れば、あとは土地がその者達の肉体の状況や強い願いを感じ取って、然るべき「交換」が行われる。こうして「石化病」は「交換」されるのだ。

さらに付け加えると、つるぎちゃんの「でも今は治す方法が見つかったから大丈夫だって…」という言葉から、この方法は割と最近になって発見されたものである事が分かる。と言うより、発見されたからこそ、この「離れ」を建てたのだろう。
近年、「二本松」の根元の洞で何があったかと遡れば……、それは1901年、ジョニィ・ジョースターが「聖なる遺体」を隠した事である。(第22話) 基本設定編 でも述べたように、この「遺体」となった聖人は、「壁の目」や「ロカカカ」との繋がりが非常に強い。「遺体」の聖なるパワーが洞に宿り、その場所だけは他の場所にはない効果をもたらすようになったのである。
(2021年9月17日)




Q12. 夜露の死体の科学分析はどうなったのか?

A. 劣化が激しく、大した結果は得られなかった

( 解 説 )
憲助さんは、夜露の死体を科学分析させていた。(第33話) だが、その結果は特に明かされず。
「岩人間」が死ぬと、細胞組織は想像以上に劣化してしまうのだろう。粉々の砂塵と化して散っていくのだから無理もない。そのため、期待していたほどの結果も得られなかったのである。
(2021年9月17日)




Q13. 「ロカカカ」の形の予測が違った理由は?

A. 夜露が持っていたのは「生命の実」だった

( 解 説 )
夜露が持っていたフルーツの破片を見付け、憲助さんは『キング・ナッシング』で全体像の形を再現してみせた。(第33話) 予測とは言え、その枝の形はイチジクに近く、「ロカカカ」とは似ても似つかないものであった。
これは、夜露が「ロカカカ」以外のフルーツも所持していた、という事である。それこそが基本設定編 Q02.でも触れた「生命の実」なのだ。


―― この回答は、あくまで私の想像・妄想に過ぎない。
それに納得できない場合は……、たまには予測が間違う事だってある、と思っておけば良いだろう。
(2021年9月17日)




Q14. フルーツパーラーの果樹の記録は調べたのか?

A. 調べたが「ロカカカ」の記録はなかった

( 解 説 )
夜露が持っていたフルーツの正体を突き止めるべく、憲助さんは定助を連れて東方フルーツパーラーへ向かった。(第33話) 事務所にあるという、世界中の果樹の記録を調べるためである。
東方家は昔、「ロカカカ」を輸入した事がある。(第109話、第110話) だが、Q30.でも触れるが、1941年、透龍くんによって「ロカカカ」の果樹と記録を盗まれてしまったのだった。そして、その他編 Q10.でも述べるように、透龍くんの仲間の「岩人間」が日本軍に紛れてニューギニア島に渡り、現地の「ロカカカ」の番人となった。そのため、東方家は「ロカカカ」を再び手に入れられぬまま、やがて存在さえも忘れ去っていったのである。フルーツパーラーの記録をいくら探しても、どこにも載っていないのは当然と言えよう。
(2021年11月3日)




Q15. フルーツパーラーに客がいないのは何故か?

A. TG大学病院の「岩人間」達がモールを建てたせい

( 解 説 )
憲助さんがドヤ顔連発で定助に商売を語ったにも関わらず、東方フルーツパーラーに客は全然入っていないようであった。(第33話)
この理由は、東方常敏が説明している。T大病院の医者達が、杜王駅の西口にモールを建てた事で、駅前の人々の流れが変わってしまったからである。(第72話) ここで言う「T大病院」とは、恐らく「TG大学病院」の事であろう。そこの医者達とは、明負悟院長や羽伴毅ら「岩人間」の事だ。彼らは「不死産業」によって人間社会を支配しようと企んでいたが、金儲けも金儲けで重要視していた。(第79話) 自分達の利益のため、街の開発や商売にも手を出していたのである。東方家は知らず知らずのうちに、本業・商売の面でも「岩人間」に追い込まれていたのだ。
(2021年11月3日)




Q16. 『キング・ナッシング』が常敏のハンカチに反応した理由は?

A. 「岩人間」に協力する代わりに「ロカカカ」の研究をさせてもらっていた

( 解 説 )
常敏が落としたハンカチに『キング・ナッシング』は反応した。(第33話) それはつまり、夜露が持っていたフルーツを、常敏も触れていた事を意味する。
常敏は夜露達「岩人間」と手を組み、「ロカカカ」の輸入や資金洗浄を手伝っていた。(第49話、第59話) 恐らくは、「ロカカカ」の「等価交換」のパワーを知り、一族に伝わる「石化病」根絶の可能性を見いだしたのだろう。手伝う代わりに、「ロカカカ」の研究を許可してもらったのかもしれない。Q13.で述べたように、あのフルーツが「生命の実」だとすると、少なくとも夜露は常敏の研究にかなり期待していたはずである。「ロカカカ」以外のフルーツの存在まで教えているのだから。
(2021年9月17日)




Q17. 常敏が「ロカカカ」の事を秘密にしていた理由は?

A. 「石化病」を治せたとしても、デメリットが大きすぎるから

( 解 説 )
常敏は「ロカカカ」の存在を知っていながら、家族にも隠していた。(第34話) つるぎちゃんもそれにショックを受けていたようだ。
だが、常敏の立場を考えれば、秘密にするのも当然と言える。「岩人間」との関わりがバレてしまうとかもあるだろうが、何よりも、「ロカカカ」では「石化病」を根絶できないのだ。たとえ治せたとしても、「ロカカカ」は食べた本人の体内で「等価交換」を起こすのみ。結局、どこかの部位が石化するのは避けられない。Q16.でも触れたように、「ロカカカ」だけではなく「生命の実」もあったとしても同じである。「石化病」が治っても、「岩人間」になってしまうのなら意味はない。かと言って、手をこまねいているうちにつるぎちゃんが発病してしまったら、父:憲助さんか妻:密葉さんがQ11.で述べた「離れ」の地下室に入り、「石化病」を自分に移して死んでしまうであろう。
常敏の望みは、あくまで家族が全員無事で「石化病」を根絶する事である。だから、内心では焦りながらも、デメリットが大きすぎる方法しかない現状では、秘密にする他なかったのである。
(2021年9月17日)




Q18. 常敏が定助を調べる「心当たり」とは?

A. 「岩人間」達との繋がり

( 解 説 )
クワガタ相撲で負け、定助にランボルギーニを支払った常敏。そんな定助の正体を調べるにあたって、心当たりがあるようだった。(第38話)
常敏にしかないコネクション、それは「岩人間」である。「岩人間」なら、人間社会とはまったく異なる独自の情報網があるはずだ。ひょっとしたら、何かしらの手掛かりを握っているかもしれない。定助本人が「岩人間」である可能性、「ロカカカ」の顧客だった可能性、「岩人間」の敵だった可能性……、色々考えられる。
ただし、それから特に進展が見られなかったところから、残念ながら手掛かりは得られなかったようだ。
(2021年9月17日)




Q19. 憲助さんは吉良と親しかった?

A. 特に親しくはなかった

( 解 説 )
ダモカンこと田最環は、憲助さんが吉良と親しかったものと考えていた。(第49話) 憲助さんのパソコンにも情報が入っていたらしい。
だが実際は、決して親しい仲ではなかったはずである。本当に親しければ、吉良は「ロカカカ」の事を憲助さんにも話していたし、妹の存在を隠す事もなかった。それどころか、吉良家・ジョースター家編 Q10.Q14.でも述べたように、吉良は東方家に不信感さえ抱いていた。憲助さんと接触する際にも、教えても差し支えない情報しか与えていなかったに違いない。一方の憲助さんも、吉良の死を悲しんでいたようでもないし、病気のホリーさんを支援しているようでもないので、至ってドライな関係と思われる。お互いに「石化病」を治すヒントを求める以外には、「近くに住んでいる遠い親戚」程度の感情しかないのだろう。
(2021年11月3日)




Q20. 『スピード・キング』の能力の本質とは?

A. 「熱伝導」を無視できる事

( 解 説 )
第63話のトビラ絵によると、常敏のスタンド『スピード・キング』には、家族も知らない能力の本質があるとの事。つまり、触れた部分の「温度」をほんの少し上げるだけの能力ではない、という事である。
これについては、常敏自らがマコリンこと喜谷真亜子に説明していた。(第88話) 「熱」は普通、温度が高い方から低い方へと流れていく。「熱伝導」という現象だ。だが、『スピード・キング』はこの「熱伝導」を無視できる。そのため、「熱」を散らす事なく一ヶ所に留めておいたり、温度に関係なく自由に伝導させたりする事が可能なのだ。
(2021年11月3日)




Q21. 幼少期の憲助さんと常敏が女装していないのは何故か?

A. 女の子が常に可愛い服を着てるとは限らない

( 解 説 )
幼少期の憲助さんと常敏は、女装していないようだった。(第29話、第64話) 東方家の長男は「12歳まで女の子の格好で育てられる」という習わしがあるはずなのに、である。
だが、それは早とちりだ。ちゃんと女装はしているのだ。「女の子の恰好」と言っても、フリフリの服やスカートとは限らない。女の子だって、普通にTシャツを着たりズボンを履いたりする。作中で描かれた時にたまたまそういう服を着ていただけで、可愛い洋服やスカートの日だってあったのだろう。
(2021年11月3日)




Q22. 密葉さんの両足が石化していたのは何故か?

A. 「LOCACACA 6251」の実験が繰り返されていた

( 解 説 )
東方密葉さんは右耳や周辺の頭皮が石化しており、それを治療するため、TG大学病院に通っていた。(第77話) そして、1回きりの完璧な治療に2億円支払った。だがその後、車椅子に乗り、両足が石化した彼女の姿が目撃されたのであった。
まず、密葉さんは羽伴毅ら「岩人間」の医師に、「LOCACACA 6251」の実験台にされていたと思われる。「LOCACACA 6251」とは、「ロカカカ」の果実のデータから作り出された新薬。「ロカカカ」の効果を科学的に再現した、言わば「量産型ロカカカ」である。これを幾度も投与されていたのだろう。その意味では、ホリーさんに近い境遇だったのだ。最初は豊胸のために投与され、引き換えに歯やアゴが石化。その歯の治療で、今度は右耳が石化した。
彼女が次に行った完璧な治療法とは、本物の「ロカカカ」の果実を使う治療であった。そのため、値段は2億円。彼女は妊娠中であり、その胎児を犠牲にする事で彼女自身の肉体は完璧に治るというものだ。しかし、その前に一旦「LOCACACA 6251」を再投与し、石化部位を両足に移した。羽伴毅のスタンド『ドクター・ウー』で「ロカカカ」の成分の流れをコントロールできるが、本物の方が慣れていて扱いやすいのだろう。また、胎児だけに成分を送るとなると、非常に繊細なコントロールが必要になる。だから、石化部位も前もって下半身に集中させておきたかったのである。
(2021年9月17日)




Q23. 密葉さんの記憶の混濁は何なのか?

A. 羽伴毅に体を乗っ取られた影響

( 解 説 )
密葉さんは自分の治療に関する記憶が混濁し、特に「ロカカカ」絡みの事はほぼ憶えていなかった。(第78話~第80話)
これは、羽伴毅のスタンド『ドクター・ウー』で体を乗っ取られていた事による影響である。羽伴毅はそうやって、密葉さんの体内から治療していたし、彼女に取り憑いて東方家に何度か侵入もしていたようだ。(第80話) その時の記憶はおぼろげになってしまうのだろう。
(2021年9月17日)




Q24. 「新ロカカカ」収穫13分前の描写は何だったのか?

A. 「厄災」で捻じ曲げられなかった場合の「本来の因果」

( 解 説 )
第83話で、「新ロカカカ」収穫13分前の東方家の様子が描かれている。それは鳩ねーちゃん、常秀、大弥ちゃん、つるぎちゃんのほのぼのとした日常風景。そして、2階の書斎で倒れる憲助さんを引きずるつるぎちゃんという、なんとも不穏で物騒な光景。ところが、実際にはこの通りの出来事は起こらなかった。
この謎の描写は、透龍くんのスタンド『ワンダー・オブ・U』の「厄災」によって捻じ曲げられなかった場合の、「本来の因果」の流れを描いたものである。「厄災」というものの影響の大きさを表しているのだろう。

『ワンダー・オブ・U』は、「因果」の流れを利用して「厄災」を引き起こす能力を持つ。本来は起こるはずのない「厄災」が起こる流れに変えてしまう。言ってしまえば、「因果」や「運命」を変える力があるのだ。だからこそ、逆に透龍くんが大ダメージを受けた途端、「厄災」の流れは不安定になり、落下した飛行機のパネルも康穂から急に逸れたのだ。(第106話) これは、本来起こるはずのない「因果」であった事を示す証左と言えよう。
即ち、収穫13分前の描写は、そうやって変えられる前の「運命」の形なのである。「厄災」が起こらないから、家族も東方邸も無事だし、そもそも「新ロカカカ」もちゃんと熟してから収穫される事となる。もっとも、常敏と憲助さんの確執は「厄災」とは無関係で起こる必然の衝突だったため、憲助さんは人知れず気絶させられてしまったようだが。
そして、そう考えると……、「ジョジョリオン」作中の様々な謎や矛盾点は、これと同様に、『ワンダー・オブ・U』によって変えられた後の「因果」と変えられる前の「因果」という2つの世界を見せられた事で生じたものなのかもしれない。「厄災」のエネルギーと一体である『ワンダー・オブ・U』は、発現している限り、絶えず「因果」を変え続ける。恐らく『ワンダー・オブ・U』は、かなり長い期間、「明負 悟」として発現・存在し続けていたはずだ。とすると、少なくとも杜王町界隈での「因果」への影響は、相当大きなものであったと推測される。
(2021年9月17日)




Q25. ミナちゃんを鉄門に挟めた犯人はつるぎちゃんなのか?

A. 「厄災」によって起こったので、明確な犯人はいない

( 解 説 )
学校の野外活動から帰ってきたつるぎちゃんは、同じメンバーのミナちゃんが鉄門に挟まれて怪我をした事故の犯人と疑われてしまった。(第83話)
だが、つるぎちゃんは犯人ではない。第87話では、つるぎちゃん自身がモノローグでそう告白している。と言うよりも、この事故は『ワンダー・オブ・U』による「厄災」として起こされたものであり、明確な「犯人」は存在しないのだ。事故現場の監視カメラの映像に、『ワンダー・オブ・U』が成りすましている明負悟院長の姿が映っていた事が証拠である。(第84話) そしてこの事故により、密葉さんは孤立し、笹目桜二郎を東方邸に引き寄せる結果ともなった。
(2021年9月17日)




Q26. いつの間にか常秀達が定助の素性などを知っていた理由は?

A. 家族会議で情報を共有した

( 解 説 )
いつの間にか、常秀も定助が生まれた事情や家系に伝わる「石化病」の事を知っていた。(第101話)
プアー・トムとの戦いで「新ロカカカ」の枝を奪われた後、東方家は家族会議を行っている。(第77話) そこには定助も豆銑礼さんも参加しており、その会議の中でかなりの情報がお互いに共有されたのだろう。状況が状況だけに、康穂も含めたそれぞれのスタンド能力についても、ある程度は教え合ったものと思われる。
(2021年9月17日)




Q27. 右腕「交換」後、常秀が狂って康穂を襲ったのは何故?

A. 『ワンダー・オブ・U』の能力で「厄災」の一部にされた

( 解 説 )
右腕を失った康穂は「新ロカカカ」を食べ、常秀と「等価交換」を行った。(第101話) しかし、代わりに右腕を失ってしまった常秀は、急に狂ったように康穂を罵倒し襲い掛かって来た。(第102話)
常秀の名誉のために断言しておきたいが、これは決して、彼個人の意志ではない。『ワンダー・オブ・U』の能力により、「厄災」の一部として利用されただけなのだ。「厄災」という「因果」の流れに飲み込まれ、彼自身が康穂を襲う「厄災」そのものにさせられたのである。
事実、常秀が狂い出したのは、康穂がスマホを使おうとした瞬間からだった。透龍くんも忠告していたように、スマホの画面に触れるだけでも彼への「追跡」と見なされる状況下であった。だから、画面に触れようとすると、「厄災」が迫って来る。その「厄災」の形が、たまたま常秀だっただけなのだ。そして、そんな常秀を見た康穂は、この「厄災」をセンサーとして逆利用する事を思い付く。常秀が襲って来た時は、イコール「追跡」が成立した時となる。連絡先を次々とスクロールしていき、常秀が襲って来たら、その時に開いていた人に連絡すれば確実に「追跡」可能というワケだ。つまり常秀は、『ワンダー・オブ・U』の能力と康穂の策略によって狂わされただけの哀れな男なのである。
(2021年9月17日)




Q28. 花都さんがつるぎちゃんに樹液を飲ませた理由は?

A. 自分の健康な細胞を取り戻させるため

( 解 説 )
東方家の「呪い」とも言うべき「石化病」を、つるぎちゃんから透龍くんへ移した花都さん。そしてさらに、つるぎちゃんに「新ロカカカ」の樹液を飲ませていた。(第108話) 一見すると、「石化病」が透龍くんに移ったのなら、わざわざ樹液を飲ませて「等価交換」を再び行う必要はないように思える。
恐らく、最初の「等価交換」で、透龍くんがつるぎちゃんから「石化病」に侵された細胞を奪い取った。そして、続く樹液による「等価交換」で、今度はつるぎちゃんが透龍くんから自分の細胞を奪い返した。結果、「石化病」だけが透龍くんに残り、つるぎちゃんは自分の健康な細胞を取り戻したのである。花都さんがどこまで計算していたのかは謎だし、一か八かの賭けだった可能性もあるが、透龍くんが「岩人間」だからこそ「石化病」を優先的に持って行ってくれたのかもしれない。
(2021年11月3日)




Q29. 「新ロカカカ」で「石化病」が根絶できると分かったのは何故か?

A. クワガタとカブトムシの「等価交換」を見て直感

( 解 説 )
「新ロカカカ」のパワーによって、東方家の「呪い」は解かれた。(第108話) だが、「石化病」をも根絶できるという事に、いつどうやって気付いたのだろうか。
常敏と花都さんは、「新ロカカカ」の樹液を吸ったミヤマクワガタとヘラクレスの「等価交換」を目の当たりにした。(第107話) この時、「新ロカカカ」のパワーを直感したのだろう。Q16.で述べた通り、常敏は以前より「ロカカカ」の研究もしていた。そのパワーの違いも敏感に察知できたはずである。実際に東方家の誰かに食べさせたワケでもないが、それでも確信できるほどのケタ外れの「何か」を感じたのだ。
(2021年11月3日)




Q30. 2011年、東方家が「ロカカカ」を知らなかったのは何故?

A. 1941年、透龍くんに「ロカカカ」も記録も盗まれたから

( 解 説 )
1941年、東方家はニューギニア島で発見されたばかりの「ロカカカ」を輸入し、果樹園で育てていた。(第110話) にも関わらず、2011年には、東方家は(常敏を除いて)「ロカカカ」の存在などまったく知らなかった。
これは、1941年時点で、透龍くんに「ロカカカ」の果樹も関係する記録も全て盗まれてしまったからだろう。恐らく、東方家は世界中のフルーツの情報を仕入れていて、「ロカカカ」が「等価交換」のパワーを持つ事も突き止めていて、だからこそ輸入した。フルーツ屋としても、「石化病」克服を目指す一族としても、是が非でも手に入れたかったに違いない。そして、実際に栽培し、その研究データなども残していた。だが、それらは奪われてしまい、東方家の歴史の闇へと消えてしまったのだ。
それから70年後、東方家は再び「ロカカカ」と出逢い、透龍くん達「岩人間」と熾烈な争奪戦を繰り広げる事になった。実に運命的である。
(2021年9月17日)




Q31. 大弥ちゃんの視力が回復しているのは何故か?

A. 心が強く健全に成長したため

( 解 説 )
大弥ちゃんの目は、少なくとも定助と出会った時点では、ほぼ盲目だったはずである。(第7話) ところが、物語が進むにつれて「けっこう見えてねーか?」という描写が増えていった。しまいには、遠くから歩いて来る定助に気付き、手を振って呼んでいる程であった。(第110話)
実は、大弥ちゃんの心の成長に伴い、本当に視力が回復しているのだ。彼女のスタンド『カリフォルニア・キング・ベッド』ちゃんの「記憶を奪う」能力は、大弥ちゃんの「目が見えない」事と密接な関係がある。「壁の目」で転んだ後、だんだんと視力が弱くなり、その代わりにスタンドを身に付けたらしい。(第8話) そのため、「目が見えない」事で特別扱いして大弥ちゃんに気を遣わせてしまった者が、記憶を奪われる能力になった。言い方を変えれば、彼女の視力の弱さは、あくまでスタンド能力の一環なのである。
恐らく、母親がいない境遇やその母の罪に対する周囲の気遣いを、幼い大弥ちゃんは(内容までは理解できずとも)人一倍敏感に感じ取っていたのだろう。そして、傷付いてしまっていたのだろう。彼女は心を閉ざし、他人を見ようとしなくなった。それが形となって表に現れたのが「視力の低下」だったのだ。しかし、もう一方では、他人との関わりを求めてもいた。他人の記憶を奪い取るのは、その寂しい心を埋めるため。それが想い出の共有であり、自分の幸せと思い込んでいたのである。
だが、定助という「他人」との出会いと生活を通じて、彼女の心は健全な方向に成長できた。心を開き、他人を見ようとし始めたのだ。それに伴って、視力は徐々に回復。その分、気を遣われる事も遣う事も減り、スタンド能力としては弱体化してしまったが、人間としては強くなったと言える。
(2021年11月3日)








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