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完結記念!!
● 「ジョジョリオン」公式完全読本 ●

定助編





Q01. 記憶を失っていたのは何故か?

A. 新しい人間として生まれ変わったから

( 解 説 )
「壁の目」による全身の細胞の「等価交換」で、空条仗世文と吉良吉影は「融合」した。そして生まれたのが、東方定助である。
「融合」以前の記憶は、ついに戻る事はなかった。それは、彼がもはや仗世文でも吉良でもない、「定助」という1人の新しい人間だからである。つまり、「融合」した者は定助に限らず、「かつての自分」の生まれ育ちに関する記憶や個人的な想い出が一切失われるという事。「融合」とは、一種の生まれ変わりなのだ。

ただし、記憶は失われても「知識」は残る。ある程度の一般常識や、自分のスタンド能力については、しっかり理解していた。(第2話) ただし、自身の特殊な生まれゆえか、生物の誕生と成長に関する知識はすっぽり抜け落ちているようだ。
また、「強い感情」も心の底に焼き付いている。自身の過去を知った事で、吉良ホリーさんへの愛情や、彼女を救う使命感がまざまざと蘇っていた。(第58話)
(2021年9月17日)




Q02. キンタマ4つなのは何故か?

A. たまたま

( 解 説 )
定助にはキンタマが4つ。(第1話) 後に発見された吉良の死体(厳密には、もう一方の融合体)には、キンタマが1つも無し。(第6話) 確かに、一見すると完全な「等価交換」にはなっていない。
だが、例えば「ロカカカ」は、小指に付いた数ミリの傷と脳の一部を「等価交換」するケースもあるらしい。(第81話) 即ち、「等価交換」と言っても、それは必ずしも人の視点・基準での「等価」ではないのである。もし実在するのであれば、ひょっとすると「創造主」にとっての視点・基準なのかもしれない。(第99話) いずれにせよ、定助にキンタマが4つあるのは、人の視点から見る限りはたまたまに過ぎないのだろう。

そこにもう少し理由を付け加えるなら……、「等価交換」の際、吉良のキンタマの細胞がたまたま辛うじて生きていたからである。詳細はQ08.を参照のこと。
自分の血と遺伝子をこの世に残そうとする彼の生きる力や本能の強さが、キンタマを生き長らえさせ移動させたのかもしれない。
(2021年9月17日)




Q03. 常秀への傷害容疑はどうなったのか?

A. 憲助さんのおかげで容疑が晴れた

( 解 説 )
定助は警察から、東方常秀への傷害の容疑をかけられていた。(第2話)
恐らく、定助を引き受けたいと考えていた東方憲助さんが、定助を擁護したのだろう。殴られた常秀本人にも口裏を無理矢理合わせさせ、警察からの疑いを晴らしたのだ。
(2021年9月17日)




Q04. 過去の記憶がよぎったのは何故か?

A. 土地の記憶が定助の中に流れ込んでいた

( 解 説 )
笹目桜二郎との戦いの最中、定助の脳裏に1人の謎の男の姿がよぎった。(第5話) 当然、定助は自分の過去の記憶と信じ込んだが、結局、この謎の男が「ジョジョリオン」の物語に登場する事は以降なかった。と言うより、定助に過去の記憶が蘇る事自体、二度となかった。
Q01.でも述べた通り、定助は生まれ変わった新しい存在である。仗世文や吉良だった頃の記憶が蘇る事は、そもそもあり得ない。あの記憶は、実は定助のものではなく、仗世文や吉良のものでもない。「壁の目」という土地に宿る記憶なのだ。第6部「ストーンオーシャン」で、地面の記憶を掘り起こすスタンド『アンダー・ワールド』が描かれたように、土地・大地は過去に起こった出来事を記憶しているのである。その情報が、あの土地に埋もれて「融合」した際、定助の中にも僅かに流れ込んでしまったのだろう。恐らく、謎の男も「壁の目」との深い因縁があり、だからこそ、そこから生まれた定助に記憶が紛れてしまったと思われる。

なお、この謎の男(「記憶の男」)の正体については、謎の人物編 にて詳しく述べる事とする。
(2021年9月17日)




Q05. DNA検査で吉良と同一人物とされたのは何故か?

A. たまたま吉良の方の細胞を採取したから

( 解 説 )
広瀬康穂が定助のDNAを検査してもらったところ、その結果は「95.8%の確率で吉良と同一人物」というものであった。(第8話)
これは、採取したDNAがたまたま吉良の方の細胞だったからである。定助の肉体が2人の人間の融合体である以上、別の箇所からは仗世文の細胞が採取できたであろう。そうなれば、検査結果も「まったくの別人」とされていたはずだ。
(2021年11月3日)




Q06. 支倉高校に通う件はどうなったのか?

A. 学校行ってる場合じゃなくなった

( 解 説 )
定助は「学校に行きたい」と憲助さんに直談判。(第18話) ところが、定助が学校に通う事はついに一度もなかった。
しかし、せっかく学校に行こうとしていたのに、「カツアゲロード」で絡まれ、東方つるぎちゃんの能力にやられ、それどころではなくなってしまったのは確かである。そしてその直後、「岩人間」「ロカカカ」の存在を知ってしまったのだから、もはやのんきに学校なんて行っている場合ではない。話の成り行き上、仕方がなかったのである。
(2021年9月17日)




Q07. 康穂を放置したまま朝を迎えたのは何故か?

A. 『ペイズリー・パーク』の反作用

( 解 説 )
つるぎちゃんが康穂を襲ったのではないかと疑惑し、東方邸に走る定助。(第26話) しかし、康穂には会えず、連絡も付かずじまいだったにも関わらず、定助は普通に寝て朝を迎えていた。(第27話)
実はこれは、『ペイズリー・パーク』の反作用である。例えば定助は、『ペイズリー・パーク』のナビを怪しんで無視する度に、不運なダメージを受けたりしていた。(第12話、第13話) 恐らく、少なくともこの時期の『ペイズリー・パーク』は、ナビが実現できなかった時、逆に目的から大きく遠ざかってしまうという反作用が起こっていたと思われる。
つるぎちゃんが康穂を襲ったのではないかという疑惑が芽生えたのも、『ペイズリー・パーク』のナビで閃いたからである。そして、定助が到着するより先に、康穂は八木山夜露に狙われ、深い眠りに就いてしまった。(第31話) 当然、『ペイズリー・パーク』のナビも強制終了させられてしまった。つまり、これまたナビが実現されず、定助は「康穂に辿り着けない」 「康穂の事が気にならなくなる」という反作用を受けてしまっていたのだ。
(2021年9月17日)




Q08. 定助が生まれるに至った「等価交換」の詳細は?

A. 「新ロカカカ」と「壁の目」によるダブル「等価交換」

( 解 説 )
定助が誕生するキッカケとなった、仗世文と吉良の「融合」。(第53話) 様々な要素が絡み合っているせいでややこしく見えるので、ここで整理したい。
まず、収穫された2個の「新ロカカカ」は、吉良の腹部と頭部の負傷を治すために使用された。しかし、この時点で吉良はほとんど死んでいたため、その部位の治療だけでは済まなかった。仗世文の細胞の多くが瀕死の吉良と「等価交換」され、石化していったのである。
続けざまに、「壁の目」の隆起が起こり、そのまま2人は地中に埋まる。ここで期せずして、全身の細胞の「等価交換」が発生。つい今さっき「交換」したばかりの細胞が、さらに「交換」し直される事となる。だが、仗世文も吉良もお互い、自分の命と引き換えに相手を生かしたいと願っていた。「壁の目」はその意志に反応。結果、2人の生きた細胞死んだ細胞が完全に分かれて「融合」する形になった。生きた細胞の融合体は定助として生まれ変わり、死んだ細胞の融合体は吉良の死体として発見・処理されたのである。
つまり、「新ロカカカ」と「壁の目」によるダブル「等価交換」、そして仗世文と吉良の願いによって、奇跡的に定助は生まれたのだ。

なお、この時、「新ロカカカ」の破片を食べた犬については、岩人間・岩生物編 Q03.にて詳しく述べる事とする。
(2021年9月17日)




Q09. 定助の帽子はどこから現れたのか?

A. 吉良が隠し持っていた

( 解 説 )
定助が、康穂と出逢った時からずっと被っている帽子。これは吉良が被っていた帽子とは別デザインの物である。にも関わらず、「壁の目」での「融合」後、どこからかいきなり現れ、定助が被っていた。(第53話)
帽子屋「SBR」の店主によると、「3日前に定助が買った」らしいが、これは恐らく吉良との見間違いである。(第2話) 事実、桜二郎も、彼に拉致された女の子も、定助と吉良を見間違えている。(第6話) よって、この帽子は注文書通り、吉良がオーダーメイドで購入した物と考えて良いだろう。彼が自分用に買ったのか、あるいは、仗世文へのサプライズ・プレゼントとして用意したのかは分からないが……、ダモカンこと田最環に襲撃されたあの日、彼は購入した帽子を密かに隠し持っていたのである。それが「壁の目」に埋もれる時に零れ落ち、偶然、定助の頭にすっぽりとフィットしたのだ。
ちなみに、埋もれた際の衝撃で、仗世文の服や吉良の上着はビリビリに破れてしまったものと思われる。
(2021年9月17日)




Q10. ダモカンに切り取られた腹部が治ったのは何故か?

A. 『ビタミンC』の能力を逆利用してくっ付けた

( 解 説 )
定助はダモカンのスタンド『ビタミンC』に軟らかくされ、腹部を切り取られてしまった。(第54話) ところが、能力が解除されると、負傷はいつの間にやら治っていた。(第55話) これは憲助さんの左手も同様である。
『ビタミンC』の能力が解除されて少しの間は、「軟化」の効果が残っているものと思われる。それを逆利用すれば、肉体の切断面同士を半ば強引に接着・癒合させる事も可能なのである。腹部の肉片を見ると、まだ思いのほかグニョグニョしていて、試しに傷口にあてがってみたらくっ付いたのだろう。
(2021年11月3日)




Q11. ホリーさんの治療費をどうやって支払っていたのか?

A. プアー・トムから奪ったカネで支払った

( 解 説 )
ホリーさんの治療費は1日12万円(第58話) 定助はそれを支払うと言ったが、そんな大金を彼が持っているとは考えにくい。
最初の何日かは、憲助さんから借りたのかもしれない。しかし、プアー・トムが命乞いしながら差し出したサイフを、定助は抜け目なく回収していたのだろう。(第76話) そのサイフには数十万円もの現金と、さらにキャッシュカードなどもうっかり入れっぱなしだったのかもしれない。戦いが終わった後、康穂の『ペイズリー・パーク』でキャッシュカードの暗証番号も難なく突破。医者の仕事や「ロカカカ」の売買で貯め込んでいた大金をゲットしたのである。
主人公らしくない行動ではあるが、現実はシビアで綺麗事など通用しない。今すぐ大金がなければ、ホリーさんは死んでしまう。のんびり働いて稼いでいる猶予などないのである。
(2021年9月17日)




Q12. 『ブレイン・ストーム』による負傷が治ったのは何故か?

A. 解除されると徐々に回復していく能力だった

( 解 説 )
定助はアーバン・ゲリラのスタンド『ブレイン・ストーム』に肉体のあちこちを溶かされてしまった。(第70話) ところが、アーバン・ゲリラを始末すると、負傷はいつの間にやらほとんど治っていた。これは豆銑礼さんも同様である。
恐らく、『ブレイン・ストーム』の能力が解除されると、肉体の「溶血崩壊」の進行が止まるだけでなく、徐々に汚染前の状態に回復していくのだろう。開けられた穴もだんだんと元に戻っていったのだ。もっとも、切断された部位がくっ付いたり、死んだ者が生き返ったりはしない。
(2021年11月3日)




Q13. 「しゃぼん玉」は最初から「ひも」だったのか?

A. 自分の出自を知ってから「ひも」が現れ始めた

( 解 説 )
アーバン・ゲリラ撃破後、豆銑さんが明かした衝撃の事実。『ソフト&ウェット』の「しゃぼん玉」は、「線」 「ひも」が超高速振動して「球」に見えていたと言うのである。(第70話)
だが、全ての「しゃぼん玉」が「ひも」であったワケではない。例えば、石化した夜露を殴って「しゃぼん玉」に閉じ込めた時は、明らかにしゃぼん液が広がって膜を作っている。(第31話) 『ブルー・ハワイ』でゾンビ化した男から噴き出す血をガードした際も、ペットボトルの水を使って膜にしていた。(第62話) また、『オゾン・ベイビー』戦では、「しゃぼん玉」に包まれた豆銑さんが、自分の体の一部を「しゃぼん玉」の外に出しても割れたりはしていなかった。(第74話) 以上の事から考えると、恐らく、普通の「しゃぼん玉」の方が多かったはずだ。
詳細はQ20.で述べるが、この「ひも」は仗世文の心の形。自分のルーツであった仗世文と吉良の過去を認識した事がキッカケとなり、無意識のうちに「ひも」が現れ始めたのである。 (そしてそれは、「ゴー・ビヨンド」という究極の形で結実する事になる。)
(2021年11月3日)




Q14. 患者殺しの容疑はどうなったのか?

A. 「厄災」から解放されたおかげで容疑も晴れた

( 解 説 )
明負悟院長を追跡したばかりに、定助は「厄災」に追い込まれる。TG大学病院の駐車場にて、絡んできた患者が目の前で死んでしまい、警察から傷害致死の容疑で追われる立場になってしまったのだ。(第86話、第89話) だが、定助が逮捕される事もなく、物語は無事に幕を下ろした。
これは、透龍くんが死に、『ワンダー・オブ・U』を撃破した事で、「厄災」から解放されたおかげである。「厄災」が消え去ったため、定助が一方的に不利になって追い込まれる事もなくなった。真っ当な捜査の末、無実が証明されたのだろう。
(2021年9月17日)




Q15. どうやってランボルギーニを樹上に上げたのか?

A. 「しゃぼん玉」で浮かせた

( 解 説 )
警察から追われた定助と豆銑さんは、なんと樹上のランボルギーニに身を隠していた。(第89話)
その高さまでどうやって上げたのかと言うと、『ソフト&ウェット』の「しゃぼん玉」を使ったのであろう。夜露や東方鳩ちゃんの時のように、巨大な「しゃぼん玉」で包んで浮かせたのかもしれない。(第31話、第54話) あるいは、スコップを引き寄せた時や、アーバン・ゲリラ戦での康穂と定助の時のように、無数の「しゃぼん玉」で浮かせたのかもしれない。(第61話、第67話、第68話)
(2021年11月3日)




Q16. 「LOCACACA 6251」一口で「等価交換」が発生したのは何故か?

A. 「厄災」のせい

( 解 説 )
新薬「LOCACACA 6251」を飲み干したワケでもなく、ほんの一口含んだだけで「等価交換」が起こり、定助は口や鼻が石化してしまった。(第92話)
これは無論、『ワンダー・オブ・U』による「厄災」のせいである。定助が院長を「追跡」する意志を抱いてしまったために、「厄災」として「等価交換」が引き起こされたのだ。最小限の量で、最短の距離で、超効率的に「等価交換」が行われたというワケだ。その他編 Q17.で述べた、田岡さんと同様の現象である。
(2021年11月3日)




Q17. 院長に追わせるために田岡さんを犠牲にしたのか?

A. 田岡さんが有能すぎただけ

( 解 説 )
定助は、院長に自分を追わせるため、「ロカカカ」の実物やSDカードを無関係の人間に郵送。(第93話) 科学情報誌「パンゲア・ランド」の記者:田岡さんが、それを受け取った。(第97話) だが彼は、院長を追跡してしまい、「厄災」に襲われて死んでしまった。そこまで含めて定助の狙い通りだったのだろうか?
恐らく田岡さんは、定助が想像・予測していた以上に動いてしまったのだろう。定助としては……、「ロカカカ」やホリーさんの取材だけしていてもらえれば、あとは院長の方がすぐにそれに気付き、自分の差し金と察して追って来るに違いない、というシナリオだったのだ。ところが、田岡さんはあっと言う間に取材を終え、事件の核心に迫り、あまつさえ院長本人にまで近付いてしまった。彼は有能すぎたばっかりに命を落としてしまったのである。
(2021年9月17日)




Q18. 「奪う能力」はどこへ行ったのか?

A. 心の成長・変化に伴って消えた

( 解 説 )
『ソフト&ウェット』は元々、「しゃぼん玉」によって何かを「奪う」能力だった。 しかし、その能力はだんだんと使われなくなっていく。
それもそのはず。『ソフト&ウェット』の真の能力とは、実は、「しゃぼん玉」に定助の「心の状態」や「魂の性質」を投影する能力なのだ。そのため、定助の心の成長・変化に伴い、目に見える能力も変わっていったのである。
記憶もなく、何も持たない最初の頃は、定助の深い孤独や渇望を投影し、他者から何かを「奪い取る」ための「しゃぼん玉」になっていた。康穂やホリーさんという、「守りたい存在」と「優しい目的」を得てからは、何かを「包み込む」ための「しゃぼん玉」へと徐々に変化。また、強い攻撃や破壊の意志を投影し、物質を「爆破」するための「しゃぼん爆弾」も作り出していた。Q13.で述べたように、「ひも」が回転する事で生まれる「しゃぼん玉」もだんだんと出現し始めた。だが、これはまだまだ未完成の力で、触れた物質を削る程度のものに過ぎない。その究極の完成形こそが、Q19.およびQ20.で述べる「ゴー・ビヨンド」なのである。
(2021年11月3日)




Q19. 「ゴー・ビヨンド」とは何なのか?

A. 存在しない「存在」であり、形を持った「無」

( 解 説 )
物語終盤、定助に目醒めた能力。名付けて「ゴー・ビヨンド」。無限ゼロに細い線が爆発的な回転をしているから生まれた「見えないしゃぼん玉」であり、この世の理をも超えて行ける。(第105話)
どこまでもどこまでも「無限に細い」という事は、「ゼロに限りなく近い」という事である。無限に細く、ゼロにほぼ等しい。無限でありゼロ。それはもはや、存在そのものが矛盾でありパラドックスであり、極めて曖昧であやふやな存在しない「存在」とも言える。「空論」 「概念」を具象化・物質化したもの、「無」を現実化・実在化したものなのだ。もっとも、この無限ゼロの「ひも」 「線」は、それだけならば、形を保てず瞬く間に霧散してしまう。
そこに「爆発」 「回転」という力が加わる事で、形と存在を維持し、さらには「無」の領域を球状に拡大・展開できるようになった。ただ「回転」する「無」のみの存在となるのである。(なお、この「回転」は、第7部「STEEL BALL RUN」で登場した「黄金の回転」の技術とはまったく無関係である。「黄金の回転」ならば、自然の中の「黄金長方形」を見ながらでなければ使えないが、定助はそんな事はしていない。そもそも、この「ゴー・ビヨンド」は技術ではないのだ。)
「ゴー・ビヨンド」は、この世に存在しない「無」であるがゆえに、誰の目にも見えず、この世のあらゆる「条理」に縛られる事もない。定助自身にもコントロールできず、全てを超えて飛んで行くのである。「ゴー・ビヨンド」が触れた部分は全て「無」となり、消滅してしまう。ただし、何を超えて、何に触れるのかは、この世の誰にも分からない。
(2021年9月17日)




Q20. 「ゴー・ビヨンド」を使えるようになったのは何故か?

A. 仗世文と吉良の想いを完全に受け継いだから

( 解 説 )
定助が「ゴー・ビヨンド」を使えるようになった理由は……、「ゴー・ビヨンド」が仗世文と吉良、そして定助の想いそのものだからだ。
「ひも」 「線」と、「爆発」 「回転」は、仗世文と吉良の心がそれぞれ投影されたものである。「自分など最初からどこにも存在していなかった」と自己否定しながらも、吉良とホリーさんを救う事で自分の存在を確かめたいと願っていた仗世文。(第53話) そんな彼の心の形が、か細く儚い「ひも」となった。片や、うぬぼれが強く、一度決心したらトコトン突っ走る吉良。(第92話) 彼の心の形が、凄まじいまでの「爆発」であり、途方もない「回転力」の源ともなった。
自分がホリーさんの子どもであるとハッキリ自覚し、仗世文と吉良の想いを完全に受け継いだ事で、2人の力はついに究極に引き出される。そして、定助の中で1つに結実した。「ひも」はとうとう無限ゼロに細くなり、「回転」は爆発的な勢いとなり、「見えないしゃぼん玉」の形を取った。存在しないはずの存在。2人がいたから存在できる存在。それこそが「ゴー・ビヨンド」であり、同時に定助自身の事でもあるのだ。
(2021年9月17日)




Q21. 左眼や皮膚の石化が治ったのは何故か?

A. 「ゴー・ビヨンド」を使った影響

( 解 説 )
腹部に負った重傷を治すため、「LOCACACA 6251」を飲み、引き換えに左眼とあちこちの皮膚が石化した定助。(第92話) ところが、回を追うごとに石化の状態は軽くなっていき、いつの間にやら眼球そのものではなくまぶたの石化に変わっていた。最終回では、もはやほとんど完治しちゃっている有り様である。
単純に石化部分が剥がれただけなのかもしれないが、もう1つの可能性も考えてみた。それは、「ゴー・ビヨンド」を使った影響である。Q19.でも述べた通り、「ゴー・ビヨンド」とはこの世の理を超える力。物質のみならず、「厄災」のエネルギーさえも消し去ってしまう。この力の発生源である定助自身にも、何らかの影響があったとしても不思議ではない。つまり、「ゴー・ビヨンド」が発射されるたび、定助の身に起きた異常も徐々に消し去っていたのである。
(2021年9月17日)




Q22. ホリーさんを救うための「ロカカカ」はもう無いのか?

A. 定助自身が全部破壊しちゃった

( 解 説 )
「新ロカカカ」を巡る争いに決着が付いても、ホリーさんの「呪い」は解けずにいた。どうやら、「ロカカカ」はもう杜王町にはないようだ。(第110話) だが、ラボではまだ「ロカカカ」が栽培されていたはずである。(第97話)
この「ロカカカ」は、岩人間・岩生物編 Q22.で述べたように、恐らく杜王スタジアムから移動させて補充したものである。しかし、定助は院長に自分を追わせるため、「LOCACACA 6251」もガンガン破壊しまくっていた。(第103話) 「ロカカカは全て破壊してやる」との宣言通り、試験管のみならず果実も全部壊しちゃったのだろう。院長をじっと待ち構えていた間に、果実の方は破壊し終えていたのだろう。この時は「新ロカカカ」を手に入れる前提だったワケだが、手に入らなかった今、その行動が自分の首を絞めてしまった。「ロカカカ」を求めて南の島に、行く、のだろうか……?
(2021年9月17日)








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