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「ジョジョリオン」の謎と考察・予想をまとめたよ


No.1 【 定助が記憶を失い、キンタマ4つなのは何故か? 】






【第1版】
「壁の目」の泉で発見された定助。彼は「壁の目」の力によって、吉良吉影ともう1人の人物「X」(⇒ No.12 【第2版】参照) が「融合」した存在でした。
眼球や舌も半分ずつくっ付いた状態で、定助の口の中の粘膜をDNA鑑定しても、「吉良のDNAと同一」との結果が出るくらいです。(恐らく、別の箇所から粘膜を採取すれば、「X」のDNAとも同一になるんでしょう。)また、パッと見の印象や雰囲気も両者が混ざった感じっぽい。肉体のみならず、精神・心も混ざり合い、スタンドもまったく別物になっているらしい。
しかし、ここで疑問なのが、やはり定助の肉体と精神について。彼は「壁の目」で発見される以前の自分の記憶がなく、なんとキンタマも2×2だったのです。つまり、キッチリ半分ずつ「融合」したワケではない、という事。これは一体、何を意味するんでしょうか?



今のところ、定助以外に「壁の目」で「融合」した例が、レモンとみかんしかありません。とは言え、「融合」はあくまで「等価交換」の結果との事。東方家の長である憲助さんの説明ですし、同じ「等価交換」の力を持つ「聖なる遺体」とも関わった土地ですから、信憑性は充分でしょう。
つまり、一見いびつな「融合」であっても、ちゃんと公平で平等なギブ・アンド・テイクが行われた末の「融合」なのです。では、吉良と「X」、お互いに何をギブして何をテイクしたのか?問題はそこです。
基本、「壁の目」の「融合」は、2つの物を1つにするワケじゃなさそうです。2つの物は2つのままだけど、その中身が入れ替わって混ざり合うという形で行われます。吉良と「X」も同様。現に「壁の目」からは、吉良の肉体をベースとした融合体(=吉良の死体)と、「X」の肉体をベースとした融合体(=定助)が……、即ち、2人の人物が発見されたのですから。吉良ベースが失っている物は「キンタマ」。「X」ベースが失っている物は「記憶」。単純に考えれば、吉良の「キンタマ」「X」の「記憶」を交換した、という事になりそうです。


ただ、もうちょい突っ込んで考えると、それだけではない気がします。
たとえ「X」の「記憶」が交換されて失われたとしても、吉良の記憶(の半分?)ぐらいは残りそうなもの。しかし定助は、自分に関する記憶が一切ない。さらに、桜二郎との戦いの最中、定助は不意にフラッシュ・バックを体験しました。過去の記憶が断片的に蘇ったのです。もし「記憶」を「等価交換」していたら、記憶そのものが完全に失われる事になるはず。何があろうと、思い出せるはずがありません。
つまり、吉良の「記憶」も「X」の「記憶」も、定助の奥底で眠っている状態と考えるべきなのでしょう。キッカケさえあれば思い出せるのです。そうなると、「等価交換」のやり方自体が違うのかもしれません。単純な物々交換ではなく、「物」と「条件」の交換だった可能性があります。「X」の肉体が吉良の「キンタマ」を貰い受ける代わり、自分自身の「記憶」を封じ込められる。ある条件を満たすまで、「記憶」が完全に戻る事はない。……とか、そーゆー具合で。



それじゃあ、吉良が何故、そこまでして自分のキンタマを死守しようとしたのか?これは吉良の目的に大きく関わる理由なのでしょう。
別のページにて、予想をまとめました。(⇒ No.19 【第1版】参照)



(追記1)
ダモカンこと田最環とのバトルにて、「X(=空条仗世文)」と「吉良吉影」の過去編が描かれました。この2人が「融合」し、定助が誕生するに至るストーリーも語られたワケですが……、そこには驚きの事実も隠されていたのです。
なんと、「壁の目」近辺の樹に「継ぎ木」して育てた「ロカカカ」の実に、他の「ロカカカ」には無い新たなパワーが宿ったのです。通常の「ロカカカ」は、食べた本人の体内でのみ「等価交換」を引き起こします。本人の「眼」と引き換えに、「脚」を取り戻す。「口」と引き換えに「肩」を治す。実際に食べた者達には、そんな現象が起きていました。……ところが、「継ぎ木」して育てた「ロカカカ」(以下、「新ロカカカ」と呼称)は、「食べた本人」と「それ以外の他人」との間で「等価交換」を起こしたのです。「新ロカカカ」を食べた吉良の肉体と、その吉良に触れた仗世文の肉体との間で「等価交換」が発生しました。これにより、吉良が負った致命的な傷は、仗世文の肉体と引き換えに完治。
この世のどこかの誰かと「等価交換」する「聖なる遺体」。一緒に埋まったモノ同士が「等価交換」される「壁の目」。……「食べた者」と「触れた者」が「等価交換」する「新ロカカカ」は、つまり、それらに次ぐパワーを有しているという事です。


しかし、定助の誕生は、「新ロカカカ」のパワーだけでは起こり得ませんでした。少なくとも仗世文は、自分の命と引き換えに、吉良の命を救おうとしていたのですから。そして、現に仗世文の全身は石化して、崩れ去ろうとしていたのですから。
ここで、さらなる予想外の事態が起きました。それが、地震(大震災の余震?)による「壁の目」の再隆起。「新ロカカカ」での「等価交換」の真っ最中、仗世文と吉良の2人は「壁の目」の隆起と崩壊に巻き込まれ、土の中に埋まってしまったのです。恐らく、この「壁の目」での「等価交換」によって、2人は「融合」してしまったのでしょう。簡単に言うと、「新ロカカカ」と「壁の目」のダブル「等価交換」の結果だったワケです。
「新ロカカカ」のパワーで傷が癒えた吉良は、体は動かないまでも、実はかすかに意識を取り戻していたんじゃないかと思います。その直後、土に埋まってしまいました。吉良はきっと、自分と仗世文の身に起きた事を直感的に理解し、「壁の目」に願った事でしょう。「仗世文を生かしてくれ」、と。吉良にとっても、仗世文はいつの間にか特別な存在になっていたのです。ところが、仗世文は仗世文で「吉良を生かしてくれ」と、「新ロカカカ」で「等価交換」中。
自分の命と引き換えにしてでも、相手を生かしたい。そんな2人の相反する願いが、2人の「生」と「死」を半分ずつに分けて繋ぎ合わせました。結果、2人の「死」は吉良の死体となり、2人の「生」は東方定助となったのです。ダモカン曰く、仗世文と定助は「顔がまったく違う」「背格好も違う」。仗世文と吉良は、肉体も精神も生命も、それほど複雑に混じり合ってしまったようですね。
(スタンドも、一見すると仗世文の『ソフト&ウェット』そのままですが、徐々に吉良の『キラークイーン』の能力も混ざってきている様子。時間の経過なのか、定助がかつての自分を知るにつれてなのか……、だんだん2人の「融合」の度合いも深まっているという事。やがては、『ソフト&ウェット』とも『キラークイーン』とも異なる、まったく新しいスタンドに変化するかもしれません。)



では、本題の「記憶」「キンタマ」に関してはどうなのか?「新ロカカカ」のパワーは誰にとっても予想外だったし、「壁の目」に埋もれる前後は、2人ともお互いを救いたい一心だったはず。そこには不純な欲望や打算など無かった、と信じたい。
ここで、もう1つの想定外の要素があった事を忘れてはいけません。「岩助」の存在です。仗世文が吉良に食べさせた「新ロカカカ」の破片を、偶然にも、後に「岩助」と名付けられる犬が食べてしまったのです。この破片は、吉良が食べた「新ロカカカ」とエネルギー的に繋がっており、なんと「岩助」が食べた事でさらなる「等価交換」を齎しました。これによって、吉良の「キンタマ」は仗世文の肉体へと移り、代わりに2人の「記憶」が封じられてしまったのでしょう。
何故、「記憶」と「キンタマ」なのかと言えば、仗世文の気高い心に感化される以前から目論んでいた吉良の目的・計画だったからなのかもしれません。心の奥に仕舞い込んでいたはずの、しかし強く深く心に刻み込まれていた「それ」が、「新ロカカカ」によって無意識的に引き出され、実現させられてしまった……と。
即ち……、定助が「記憶」を失い、「キンタマ」4つなのは、期せずして起こったトリプル「等価交換」の結果だったという事です。同時に、「岩助」の全身が岩石化してしまったのも、それゆえだったのです。(⇒ No.24 【第2版】参照)




(2015年1月9日:【第1版】更新)
(2016年6月30日:【第1版】追記1)




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