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「ジョジョリオン」の謎と考察・予想をまとめたよ


No.12 【 定助の半身「X」とは何者なのか? 】





【第1版】 (旧版)
「壁の目」の泉で発見された定助。彼は2人の人間が「壁の目」の力で「融合」した存在でした。
2人のうち、1人は吉良吉影。しかし、もう1人の正体は未だ謎に包まれています。そのもう1人の人物を「X」と仮称しますが、「X」とは何者なんでしょうか?



私は、1901年に杜王町に漂着した幼児の息子が「X」である、と予想しております。
「岩に生まれたのは貴様の方だッ!」という夜露の言葉を真に受けたとしたら、「X」も「岩人間」のはず。それどころか、むしろ夜露は後天的な「岩人間」であり、生粋の「岩人間」は「X」の方っぽい。
これらの謎も、幼児が「岩人間」になってしまい、その息子である「X」も生まれながらにして「岩人間」だった、と考えれば解決です。今の定助は、人間の吉良と「融合」しているから、「岩人間」としての性質・要素がまだ表に出て来ていないだけなのでしょう。
自分に関する記憶がないだけで一般常識は覚えているのに、定助が人間の成長過程やベッドでの寝方を知らなかったのも「岩人間」だから。そもそも普通の人間ではないのなら、それら当たり前の事について知識自体はぼんやり持っていたとしても、経験や理解が伴っていないはず。常識として身に染み込んでいるワケではないので、ピンと来なくても仕方ありません。



幼児は東方家で育てられたものの、「岩人間」の体質ゆえ、やがてジョースター家に引き取られる事になりました。こうして彼は、遠いアメリカの地へ。
ジョースター家は東方家本家よりもオープンでフランクな家だったので、自分の体質がコンプレックスだった彼も、次第に心を開いていくのでした。そして1人立ちし、けっこうな時間が過ぎ去った頃、ある女性と恋に落ちるのです。その女性こそ、ホリー・ジョースター!ホリーの和やかで不思議な性格は、長年、恋愛と無縁だった彼の心に火を灯してくれました。ホリーもまた、彼の純粋さや素朴さに惹かれていきます。実年齢は差がある2人ですが、「岩人間」は不老長寿のため、肉体年齢はほとんど変わりません。自然と結ばれ、1人の男の子を授かるのでした。
本来、「岩人間」と人間の間に子どもは出来ません。もはや別の種族ですから。それ以前に、死の危険が少ない「岩人間」には、そもそも子どもが出来にくい。「岩人間」同士がセックスしたとしても、滅多に子どもが産まれる事はないでしょう。ところが、ここに奇跡が起きました。その奇跡の子が「X」です。
即ち「X」は、「杜王町に漂着した幼児」と「ホリー・ジョースター」の息子!「X」もジョースターの血統を受け継ぐ者だったのです。

しかし、運命とは残酷なもの。2人が結婚する事はありませんでした。
ホリーは医師としての道を志していたのですが、そこに現れたのが吉良吉輝という男。吉輝は金持ちのボンボンで、強い権威を持った医師でした。若く美しく聡明なホリーを見初め、己の財力と権力と知力を駆使して、強引にホリーと結婚してしまったのです。そうしなくてはジョースター家が潰されてしまうってくらいに追い込まれて、それを全てホリー1人が抱え込んでしまったのでしょう。まあ、吉輝と結婚したおかげで、彼女の医師としての地位も確固たるものになったのかもしれませんが。
愛するホリーを吉良吉輝に奪われた彼。でも、「岩人間」である以上、普通の人間と共に歩む事など所詮は叶わぬ夢。彼は息子と2人でひっそり暮らす道を選んだのでした。こんな事が起こっているなんて、東方家は知る由もなかったでしょう。東方家の家系図に、彼らの存在がないのも当然と言えます。


それから数年後、ホリーは吉輝との間に2人の子どもをもうけました。吉影と、(これは偽名?)。彼らは、「X」と異父兄弟に当たります。
もちろん、もう1人の息子「X」を忘れたワケじゃありません。たまに手紙のやりとりくらいはしていたのでした。そして、自身が「石化病」に罹った事を知ったホリーさんは、「X」を杜王町に呼んだのです。
定助は、かつて記憶があった頃の自分を、「石化病」について「何か」知っていたから杜王町に来た……と推測していました。しかし実際のところ、「石化病」をどうにかしようという目的で杜王町に来たのではありません。「何か」を知っているホリーさんに呼ばれたから来たのであって、その後、ホリーさんから初めてその「何か」を教えられたワケです。確かに「X」は、彼自身が「岩人間」だし、父親からは杜王町に漂着した時に口にしていたという「奇妙なフルーツ」の話を聞いた事もあり、さらにジョースター家の「石化病」の存在も知っている。天地がひっくり返るほどの秘密は知らずとも、それなりに情報を持っていた事は間違いないんですけどね。



(追記1)廃止
第44話で、ついに「X」の本名らしき名が語られました。その名も「空条 仗世文 (くうじょう じょせふみ)」
作並カレラが持っていた写真を見る限り、この仗世文のビジュアルは第4部の「東方 仗助」に似ています。しかし、名前は「ジョセフ」と「承太郎」と「仗助」を合わせたような、かなり強引なネーミング(笑)。正直言って、同じく4部の「鋼田一 豊大 (かねだいち とよひろ)」の方がよっぽど普通な名前じゃありません?
……そう、ここでようやく明かされた名前すら、なんと偽名だったと予想しましょう。もちろん、カレラがウソをついているのではなく、そもそも「X」自身が偽名を使っていたのです。


何故、わざわざ偽名を使う必要があったか?それは単純な話、知られてはマズい本名だからです。
彼は「星のアザ」も持っていたので、上述した【第1版】の予想をそのまま継続しますと……、「X」の父親は、かつて杜王町に漂着した幼児。彼は東方家に引き取られたため、その姓も「東方」になっています。つまり、息子である「X」も、本来は「東方」姓なのです。
杜王町にやって来た「X」は、異父兄弟である吉良吉影と出会い、本名を名乗りました。しかし、吉良はこの時点ですでに「記憶の男」と接触し、東方家に対する強い疑念・敵意を植え付けられてしまっていました。東方家はジョースター家を、自らの家系の「石化病」を移すための身代わり・人柱として利用しようとしている。「記憶の男」にそんなデタラメを吹き込まれ、誤解しているのです。「X」が本名を使って行動すれば、自ずと東方家にも彼の存在がバレ、「X」まで東方家に都合良く利用される危険がある。それは吉良にとっても好ましくない事。
そーゆーワケで、吉良が「X」に偽名を使うようにと、それとなく提案したのでしょう。その名の由来は謎ですが、「X」なりの意味があるのかもしれません。「条」という文字には「筋道」「枝」なんて意味もありますので……、自分のルーツさえ分からない「空っぽの血筋」、それでも「空高く伸びていく枝」のように生きる、という決意も込めて「空条」を名乗る事にしたのかも?「仗世文」に関しては……、ホリーが吉良吉輝と結婚させられた後も、祖父のジョセフだけは「X」に会いに来て遊んでくれていたとか。で、そんな「大好きなおじいちゃんの名前」から、勇気をもらおうとしたのかも? (2015/09/22:削除)

ついでに言うと、あのヘアースタイルやファッションなんかも、念のための変装です。
もともとは全然違う髪と服の趣味なんですが、どうせ偽名を使うのならと、吉良がイメチェンも提案してきたのでした。杜王町にいる間、場合によってはヤバいヤツと関わり合いになる時も、法を犯さざるを得なくなる時もあるかもしれない。後々の事を考えれば、普段の自分からかけ離れた姿で動く方が無難なのです。だから、そもそもカレラが認識している「空条 仗世文」と本来の「X」は、事実上、ほとんど別人という事になるでしょう。
定助が「空条 仗世文」という人間をどんなに調べても、結局、ほとんど何も掴めないはずです。「空条 仗世文」は、社会的には存在しない人間なのですから。 (2015/09/22:削除)


――では、「空条 仗世文」が偽名であるとしたら、「X」の本名は何なのか?勝手に予想して名付けてみたいと思います。
姓は「東方」ですが、やっぱ「ジョジョ」であるからには本名も「ジョジョ」になってほしい気持ちがあります。また、「ジョジョリオン」は「呪い」を解く物語なので、「浄」(=「清める」「清らか」の意)という文字が合いそう。そこで考えた名前が、「東方 浄星 (ひがしかた じょうせい)」です。「明星 (みょうじょう)」の「星 (じょう)」で、「浄星 (じょうじょう)」=「ジョジョ」!ジョースターの「星」にも掛かってて、なかなか悪くないネーミングではないかと(笑)。



(追記2)廃止
第46話冒頭の「岩人間」解説によると、「人間」と「岩人間」との間には遺伝学上、子どもは産まれないとの事です。しかし、だからこそ私は、「X」は「人間」と「岩人間」との間に産まれた子どもだという予想を貫きたいと思います。
「X」は、本来ならば絶対に存在し得ないはずの存在。神に選ばれたのか、悪魔に魅入られたのか、奇跡的にこの世に生まれ落ちた「運命」の子。しかも、「生命の実」を食べて「岩人間」となった者の血と、「知恵の実」を食べて「石化病」の宿命を背負った者の血を、同時に受け継ぐ唯一の存在でもある。まさしく、あらゆる次元に1つしか存在しない「聖なる遺体」並みのイレギュラーなのです。そういう設定の方が、なんか面白そうなんで(笑)。

そんな「X(=自称:仗世文)」ですが、同じく第46話のエイフェックス兄弟のセリフから、今の定助とは違う顔をしているっぽい事が判明しました。これについても、ちょっと考えてみます。
まあ、追記1でも書いたように、「空条 仗世文」が「X」の変装した姿だとすれば、顔が違って見えても仕方ないかもしれません。むしろ「X」としては、それが狙いだったんでしょうし。しかも、今の定助は、「壁の目」での「融合」によって吉良の要素も持ち併せており、印象も微妙に変わっているはず。
それらに加えて、「岩人間」が6年ごとに「変態」する事も明らかになりました。少なくとも、震災の日の深夜に夜露に殺されかけてから「壁の目」で吉良と「融合」するまで、およそ半年は空白の時間があります。もしその間に「変態」が起こり、「脱皮」していたとしたら……、顔立ちも成長して、別人のように感じられる可能性もありそうです。



(追記3)廃止
第47話にて、康穂が『ペイズリー・パーク』で「空条 仗世文」という名を探索。その結果、戸籍を掴む事に成功しました。つまり、どうやら「空条 仗世文」は、(少なくとも社会的には)実在する人物であるらしい。
しかし、だからと言って、「X」の本名と決め付けるには早計すぎます。すでにカレラが持っていた写真で顔は割れているはずなのに、わざわざ顔写真を後回しにしたりしている展開からも、「X」と「空条 仗世文」が同一人物ではなさそうな気配が微妙に立ち込めている。そこで私は、「X」と「空条 仗世文」は別人であり、仗世文はジョセフ・ジョースターの隠し子ならぬ隠し孫という予想をしてみました。

「X」は仗世文の名前を借り、似たヘアースタイルとファッションをして、仗世文になりすましていたのです。つまり、あのハンバーグ・ヘアーも、仗世文本人の趣味って事(笑)。
「X」が仗世文を装ったり、「融合」後の定助が吉良そっくりの格好をしたり……というのも、「自分」が何者なのか分からない事の暗喩にもなっていそう。定助が本当の意味で「自分」を知った暁には、ひょっとすると、誰のマネでもない彼だけのビジュアルに変わるかもしれませんね。




なお、最新版はこちらに置いときます。 最新版




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