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「ジョジョリオン」の謎と考察・予想をまとめたよ


No.19 【 吉良が見付けた「石化病」の治療法とは? 】






【第1版】
憲助さんの推測によると、吉良吉影は東方家に伝わる病気「石化病」の治療法を見付けていたらしい。しかし、どういうワケか、それを誰かに教える事もなく死んでしまったのです。唯一の希望が、定助の失われた記憶!定助の中に半分だけ残っている吉良の想い!
それじゃあ、吉良が見付けたという「石化病」の治療法とは、どんなものだったのでしょうか?そして、吉良は何故、死んでしまったのでしょうか?



そもそも吉良家、いや、ジョースター家に「石化病」が発病するようになったのは、初代憲助さんの娘でありジョニィの妻である理那さんが発病した事がキッカケ。長子でもない彼女が発病した理由については、別のページでまとめています。(⇒ No.16 【第1版】参照)
子孫にとっては迷惑極まりない話ですが、これは東方家の繁栄を約束してくれる「知恵の実」の力が二分されてしまった事を意味しました。実は2000年もの遥か昔、磔刑から復活したイエス・キリストが現在の杜王町がある土地を訪れた際、「二本松」が聖なるパワーを受けて「生命の樹」と「知恵の樹」になっていたのです。(⇒ No.23 【第1版】参照) そして東方家の先祖は、「知恵の樹」に成る「知恵の実」を食べ、この「石化病」と引き替えに子孫繁栄を約束されていたのです。(⇒ No.15 【第1版】参照)
そんな重大な力が二分されたとなれば、一族にとってけっこう致命的な気もしますけど、実際はそうでもありませんでした。片や東方家は、1901年にジョニィが杜王町へと持ち込んだ「聖なる遺体」の影響で、東方家周辺の土地の聖なるパワーも一族に流れる「知恵の実」の力も超アップ!片やジョースター家は、ジョニィがスティール・ボール・ラン・レースの中でその身に宿していた「聖なる遺体」から得た聖なるパワーが、理那さんの「知恵の実」の力と共鳴し合って超アップ!結果的に両家とも聖なるパワー「知恵の実」の力が増大し、その加護が子孫にまで受け継がれて、ますます繁栄していく事になったワケです。


そして、その出来事はさらなる大きな流れを生み出していきます。1901年を境に、両家はそれぞれ別の「知恵」を得たのです。
東方家は、「壁の目」によって「石化病」をも「等価交換」する方法を。(⇒ No.18 【第1版】参照) ジョースター家は、「生命の実」と「知恵の実」の力を消滅させる方法を。(⇒ No.8 【第4版】参照) どちらも代償はあるものの、「石化病」を治す事が出来る方法です。
東方家はその方法を使って、「石化病」から長子を守るようになりました。一方、ジョースター家はその方法を実行する事なく、一子相伝の「秘密」とするようになりました。もし実行したなら、「石化病」の「呪い」から解放される反面……、これまで保たれてきた「吉良(きちりょう)」と「害悪」のバランスが急激に変化し、その反動で東方家もジョースター家もより大きな不幸を掴む危険があるからです。



――結局、ジョースター家には何の得もないまま。ところが、吉良は東方家を探り回ったり色々しているうち、やがて思い至ったのです。ある1つの可能性に。
それは実にシンプルでありながら、誰も思い付かなかった事。しかし、東方とジョースター、2つの血を継ぐ者だからこそ発想できた事。「知恵の実」の力が東方家とジョースター家とに二分されてしまったのであれば、血筋を1つに戻せばいい。その上、血筋も力も1つだった時代に比べ、今は二分された力そのものも倍増している。この状態で1つになったなら、かつては得られなかった「知恵」も授かるに違いない。それこそ、「果実」の力を消す必要も、家族の誰かを犠牲にする必要もない、「石化病」のより好都合な治療法という「叡智」!吉良にはそんな奇妙な確信があったのです。
分かれた血筋を1つにするためには、東方家の人間とジョースター家の人間とが子どもを作るのが手っ取り早い。吉良は母や妹には優しい一面もあったっぽいですし、かわいい妹にそんな汚れ役を押し付けるワケにはいきません。幸い、東方家には鳩ねーちゃんに大弥ちゃんと、子作りできる女性も揃っています。ただ、そうは言っても、自分がいきなり彼女達と子作りなんて出来るはずもなし。何せ、顔も割れている親戚同士ですから。
そこで吉良は、「壁の目」での「等価交換」を利用する事にしたのです。無関係の男と「融合」し、別人になってしまえば良い。もっとも、目的のためには吉良自身の精子が不可欠。だから、たとえ2×2になったとしても、自分の「キンタマ」だけは死守しようとしたってワケですね。


そんな感じで、吉良が見付けたのは正確には、「石化病」の治療法というより「石化病」の治療法を獲得する方法だったのです。まだそれを成し遂げる道の途中であり、現在進行形で行なわれている真っ最中。……ちなみに、血筋を1つに戻した末に得られるであろう「叡智」とは、ノー・リスクで「石化病」をも治癒できるほどの強い力を持つ「果実」を生み出す方法だったりします。
きっと吉良はそのアブノーマルな性格ゆえ、多くの人達に恨みを買う人生を送ってきた事でしょう。だから、桜二郎にも復讐されていたワケですし。そういう事情もあり、「吉良吉影」という人物が社会的に死亡してしまえば、余計なトラブルも回避できるはず。そのために、恐らく吉良は「融合」直前(というか真っ最中?)、スタンドで自分の心臓を傷付け、「融合」後に間もなく死ぬように細工したのでしょう。 (2016/03/31:削除) 加えて、彼は自分大好きなナルシストなので、他人にまったく欲情できない。桜二郎の策略で、女の子と一緒に囚われた時も、彼女に性欲など微塵も抱かなかったに違いありません。(⇒ No.4 【第1版】参照) 別人の心が混じってくれる方が、かえって子作りもしやすいと思われます。つまり、「融合」して別人になるという方法は、吉良にとっては、あらゆる意味で都合が良かったのです。
ただ、吉良にとって大きな誤算だったのが「康穂」との出会い。記憶がなく、厳密には吉良自身とさえ言えませんが……、まさか自分が誰かに恋をしてしまうとは。定助の康穂への恋愛感情は、きっと吉良の企みを根本から覆し、「ジョジョリオン」という物語そのものの行く末をも左右するほど重大な要素になっていく事でしょう。



(追記1)廃止



(追記2)
ダモカンこと田最環とのバトルにて、「X(=空条仗世文)」と「吉良吉影」の過去編がとうとう描かれました。仗世文達は「ロカカカ」の枝を「岩人間」から盗み出し、「壁の目」近辺の樹に「継ぎ木」して育てました。そして、そこに実った「果実」(以下、「新ロカカカ」と呼称)が、通常の「ロカカカ」を超えたパワーを宿している事が判明。「食べた本人」と「それ以外の他人」との間で「等価交換」を引き起こしたのです。
吉良が見付けた「石化病」の治療法とは、「ロカカカ」や「新ロカカカ」の事だったのでしょうか?……実際、吉良は「ロカカカ」を手に入れる事をとにかく優先していました。しかし、食べた本人の体内でのみ「等価交換」を起こす通常の「ロカカカ」では、結局、「石化病」と等価の犠牲を払わねばなりません。当面の危機を乗り切る程度には有効であっても、所詮は一時しのぎに過ぎない。また、「新ロカカカ」は確かに強いパワーを持ってはいます。ただし、発病する宿命そのものは変えられないし、どこかの誰かを犠牲にする必要があるワケです。
「壁の目」による治療も可能ですが、これも「新ロカカカ」と大差ありません。やはり誰かの犠牲の上でしか、「石化病」を治す事は出来ないのが現状。増して、すでに発病した母:ホリーを、東方家の誰にも見付からないように「離れ」の地下室まで連れて行き、全ての治療を終えて帰るというのは、容易ではないでしょう。
つまり、今のところ「石化病」を治す方法自体はいくつか存在するけれど、どれも犠牲が必要という事です。この程度のもので、「石化病」の治療法が見付かったなどと、手放しで喜べるはずもありません。吉良に限らず、「石化病」に苦しむ者達の望みは、「石化病」そのものを根絶する方法の発見に違いない。


吉良も「石化病」を根絶する方法を求め、その末に、前述した「2つに分かれた血を1つに戻す」という手段に思い至りました。「岩人間」と「ロカカカ」の存在を知り、「等価交換」のパワーが利用できるのではないか、と直感したのです。そして、「ロカカカ」を入手するために、偶然にも再会した仗世文を使ってやろうと目論みました。
ところが、昔の恩を返すためだけに自ら協力を志願した仗世文の純粋な心に、吉良は強い衝撃を受けます。それまで自分と家族しか大切に想えなかった彼は、少しずつ変わっていきました。本来の企みへの執着が徐々に薄れていき、躊躇いすら抱くようになったのです。自分の幸せのために、何も知らない誰かを不幸にして良いのか?そうまでして得られるものは、本当に「幸せ」なのか?そんな疑問が生まれます。
それと同時に吉良は、仗世文に対し、敬意希望を感じるようになりました。もしかすると、仗世文のように自分を犠牲にしてでも、大切なもののために行動する事それ自体が「幸せ」なのかもしれない。仗世文が歩む「清らかな道」がどこに続くのか見てみたい。その「道」こそが、誰もが幸せになれる場所へと繋がっているのだろうか?そんな風に思うようになったのです。だからこそ、吉良は己の身を挺しても仗世文を守り抜きました。仗世文を守る事は、吉良にとっては「幸せ」を守る事だったワケです。それが吉良の「幸せ」のイメージ


――ところが、皮肉にも吉良は、本来の企みの第一歩を成功させてしまいます。「新ロカカカ」と「壁の目」によるダブル「等価交換」、さらには犬(後の「岩助」)が「新ロカカカ」の破片を食べた事によるトリプル「等価交換」が偶発。(⇒ No.1 【第1版(追記1)】参照) 彼が心の奥に仕舞い込んでいたはずの、しかし強く深く心に刻み込まれていた企みを、無意識的に実行する形となってしまったのです。こうして、吉良は仗世文と「融合」。東方定助として生まれ変わったのでした。
つまり、吉良にとって、「2つに分かれた血を1つに戻す」という手段は、積極的に進める意思をすでに失った計画という事。むしろ、かつて仗世文だった定助が歩む「道」の先に、吉良が真に願う「石化病」の治療法が在る……のかもしれません。




なお、旧版はこちらに置いときます。 旧版




(2015年1月9日:【第1版】更新)
(2015年7月18日:【第1版】追記1)
(2016年1月31日:【第1版】追記1を廃止)
(2016年6月30日:【第1版】追記2)




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