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「ジョジョリオン」の謎と考察・予想をまとめたよ


No.27 【 「鉢植えの男」は何者なのか? 】





【第1版】 (旧版)
康穂の『ペイズリー・パーク』によって、常敏のランボルギーニ・ガヤルドのドライブレコーダーを調べたところ、常敏と接触する1人の男の姿を発見!その男はなんと、定助達が探し求める謎の「フルーツ」を実らせた木を鉢植えで持っていたのです。
康穂が感じ取った印象では、かなりヤバそうなヤツ。果たして、この「鉢植えの男」は何者なのでしょうか?



謎の「フルーツ」の存在を知っていて、なおかつ所持までしているのですから、この男も「岩人間」である可能性は高そうです。
彼は一体、どうして「フルーツ」を持っているのか?何のために常敏に接触してきたのか?……思うに、彼はあの「フルーツ」を栽培しており、常敏にその発育状況を報告し、さらにアドバイスをもらうために近付いたのです。つまり、「鉢植えの男」と常敏は協力し合っている、という事。いや、彼も夜露も「記憶の男」に「岩人間」にしてもらった仲間同士と、私は考えております。それぞれの本音はどうあれ、表面上は「岩人間」サイドと常敏は協力関係にある、と言えるでしょう。
常敏があんな怪しさ満点の「岩人間」達と協力し合うのは、当然、お互いの利害が一致しているからに他なりません。常敏は、「生命の実」についてもっと研究し、品種改良し、何の副作用もなく「石化病」を治癒できる「果実」を手に入れたい。大切な家族の誰かが何かを犠牲にしないといけない、そんな悲しい宿命を乗り超えたい一心なのです。ただ皮肉にも、常敏が渇望する理想の「果実」を生み出す方法こそ……、吉良が追い求める、2つに分かれた東方家を1つに戻す事で得られるであろう「叡智」そのものだったりもします。
「記憶の男」は、「生命の実」の栽培方法を発見・確立し、大量生産を可能にし、より多くの「岩人間」を生み出したい。「生命の樹」も「知恵の樹」も、数百年に一度しか「果実」を付けないのです。1901年の件は、「聖なる遺体」というイレギュラーが存在したから。その時に大量に入手した「果実」からを取り出し、それを人工的に栽培してみようと試みてはいるものの、なかなかうまくいかない。フルーツのプロである東方家の知恵と経験と発想こそが必要、と判断したワケです。
なお、仲間の「岩人間」達には本当の狙いなど教えず、より強力な力を与えてくれる「果実」を生み出すため……とかウソついて利用しているのでしょう。


「鉢植えの男」はやっぱり、スタンド使いでもあります。その能力は恐らく、「嫉妬」に関する能力でしょう。例えば……、相手の「優れたもの」と自分の「劣ったもの」を入れ替えるような能力とか。
というのも、「岩人間」は「7つの大罪」をモチーフにしている、と想像できるからです。「7つの大罪」とは、キリスト教において、人間に罪を犯させてしまう原因となる感情の事。「傲慢」「強欲」「嫉妬」「憤怒」「暴食」「色欲」「怠惰」の7つが挙げられています。
夜露は「岩人間」でありながら、「人間」としての豊かさも追い求め、東方家の財産も富も奪い取ろうと企んでいました。スタンド『アイ・アム・ア・ロック』も、欲しい物をトコトン引っ張り寄せて手に入れる能力、とも言えます。まさに「強欲」そのもの。また、「7つの大罪」にはそれぞれ関連付けられた動物もいるんですが、「強欲」を示す動物は「キツネ」と「ハリネズミ」らしい。夜露の全身トゲトゲなファッションとスタンド、「ハリネズミ」そっくりじゃありませんか。そう考えると、「鉢植えの男」のファッションは、なんか「ヘビ」が絡まり合っているようにも見えます。「ヘビ」は「嫉妬」を示す動物なのです。
常敏とのクワガタ相撲の際、定助のモノローグでも「7つの大罪」に微妙に触れてたから、これは充分あり得そう。まあ、他の作品との関係もあるでしょうし、さすがに作中で「オレは「7つの大罪」の1人ッ!」などとは言わないでしょうけどね(笑)。



ついでに予想しておくと、この「7つの大罪」を暗示する7人の「岩人間」達を倒しても、まだ終わりではありません。
この作品のタイトルは「ジョジョリオン」、即ち「ジョジョの福音」です。「福音」と言えば、「4つの福音書」!「新約聖書」に収められている「マタイによる福音書」「マルコによる福音書」「ルカによる福音書」「ヨハネによる福音書」の4つです。これらにもそれぞれを意味するシンボルがあり、4大元素とも対応しています。「マタイ」のシンボルは「天使(人)」で、「風」を司ります。「マルコ」のシンボルは「獅子」で、「火」を司ります。「ルカ」のシンボルは「牡牛」で、「地」を司ります。そして、「ヨハネ」のシンボルは「鷲」で、「水」を司ります。これら4つのシンボルは、「世界」のタロット・カードの4隅にも描かれていますよね。
この「4つの福音書」を暗示する4人のスタンド使いをも倒せば、いよいよこの物語「ジョジョによる福音書」も完成間近……と超勝手に予想!



(追記1)廃止
この「鉢植えの男」は、「大年寺山愛唱」という名である事が判明。愛唱が持つ「フルーツ」の方はと言うと、出来損ないの「生命の実」である、と私は予想します。
それを食べた者は、自分の体内で「等価交換」が行なわれ、代償とした部分が石化・崩壊してしまうのです。「記憶の男」や夜露が持つ「天然モノ」の「生命の実」より、さらにタチが悪い。

愛唱は、と言うか「岩人間」達は……、そんな出来損ないを人の弱みにつけ込んで売りさばき、カネや欲しい物を得ているワケです。ただ、目標としては「天然モノ」と遜色ない出来の実を作り出し、大量生産したいと考えています。前述の通り、そのために、利害が一致する常敏と協力し合っているのです。それほどに「生命の樹」の栽培は困難なんでしょう。
また常敏は、「石化病」を副作用なしで治せる「果実」を作り出すため、愛唱からゲットした出来損ないをも入念に調べて研究しています。それだけじゃなく、夜露からも「天然モノ」を貸してもらったか見せてもらったかしており、そちらの方も同時に研究を進めようとしています。その両方を知り尽くし、両方を超える「果実」を早急に作り出さねばならないのです。

要するに、愛唱は「実」が成ったら常敏に見せ、その出来や発育状況を確認してもらう。アドバイスや新たな提案なんかもしてもらう。で、もし「実」が出来損ないの失敗作であれば、それを適当な誰かに売りさばく。常敏はそれらの情報も参考にしながら、「実」の品種改良を試み続ける。……こういう流れです。
もっとも、常敏がそんな悠長な事をやっている間にも、出来損ないの「生命の実」を食べて石化する犠牲者はどんどん増えていきます。しかし常敏は、それもお構いなしに……というか、むしろそれさえも研究に必要な犠牲として、積極的に情報を集めているのです。愛する家族を守るため、無関係の他人を踏み台にしているワケですね。その意味で、彼は「悪」でしょうし、東方家の宿命に呪われた男と言えそうです。



(追記2)廃止
大年寺山愛唱は「岩人間」で確定しました。しかし、愛唱がかつて彼女に告白した言葉によると、「岩人間」としての肉体は「生まれた時からの特殊な体質」との事。つまり、その言葉を信じると、彼は生まれついての「岩人間」らしいのです。
なるほど。ただ、そうなると……、定助の半身「X」こと自称「空条 仗世文 (くうじょう じょせふみ)」こそが唯一の生まれついての「岩人間」……という予想を組み立てている私としては、正直ちょっと困る(笑)。あえて言えば、これもあくまで愛唱視点でのセリフなので、ウソや間違いの可能性も否定は出来ません。「神の視点」「作者の言葉」としてのナレーションで語られたら信じるほかありませんが、今のところは愛唱の誤認ゆえの言葉としておきたいと思います。

彼は「生まれつき」と認識しているけど、実は物心つく前の幼い頃に、「生命の実」を食べて後天的に「岩人間」になったのです。もちろん、そんな物を偶然食べるはずもなく、何者かが意図的に彼に食べさせたのでしょう。何者かと言えば、それは恐らく「記憶の男」
もしかすると、まだ赤ん坊だった愛唱に何らかの素質を見出したのかもしれません。あるいは、生まれたばかりの赤ん坊を「岩人間」にする事で、その発育・成長の過程を観察しようという研究・実験の一環だったのかもしれません。いずれにせよ、愛唱はそんな事など知る由もなく、自分を生まれついての「岩人間」と誤解して生き続けてきたワケです。しかも、自分を「岩人間」にした張本人「記憶の男」の仲間となり、都合良く利用されながら……。
――という事にしておきましょう(笑)。




なお、最新版はこちらに置いときます。 最新版




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