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「ジョジョリオン」の謎と考察・予想をまとめたよ


No.37 【 吉良の死体は何故「枯れて」いたのか? 】






【第1版】
第45話にて、定助はカレラに吉良吉影の死について説明。その説明の中に、さりげなく気になる箇所がありました。吉良の死体に関しての言及ですが、「外傷とかは無く 肉体が「枯れて」死んでいた」……と定助は語っていたのです。
これはまったくの新情報であり、寝耳に水。まぁ、確かに……、実際に描かれた吉良の死体には、シワのようなヒビのような細かな線が無数に走っていました。ただ、それはてっきり、死後数日が経過して少々傷んだ死体を、絵的に表現しているだけのものと思っていました。しかし、定助の言葉を信じるなら、それなりの意味がある描写って事になります。吉良の死体は、どのような理由で「枯れて」しまったのでしょうか?



肉体が「枯れる」と聞いて、まず連想するのは、やっぱり「石化病」「岩人間」です。まだ幼い頃の憲助さん(常助少年)も、「石化病」について、「身体(からだ)の皮膚が 木の皮みたいに硬くなる病気」と表現していました。また、その直後に描かれた、「石化病」が発病した常助少年の姿は、吉良の死体にもよく似ています。そして同時に、夜露や愛唱といった「岩人間」達が、その肉体を岩石化している姿にも重なります。
つまり吉良は、「石化病」を発病して死んでしまったか、あるいは「岩人間」となって死んで岩石化した可能性があるのです。
吉良が死んでいたのは「壁の目」の土の中。恐らく、「X」(⇒ No.12 【第2版】参照) と共に埋まって2人が「融合」した結果、片方(「X」ベース)が「東方 定助」に、もう片方(吉良ベース)が「吉良の死体」になったのでしょう。「X」は生来の半「岩人間」、と私は予想しています。(⇒ No.38 【第3版】参照) この「融合」の際、彼の「岩人間」の要素を吉良ベースに移動させたとしたら、吉良の死体が岩石化するのも自然な流れ。その場合、定助の肉体はほぼ完全に「岩人間」ではなくなっているはず。
それとも、ひょっとするとジョースター家の「石化病」は、東方家とは異なるルールで発病しているのかもしれません。東方家の長男は10歳の時に発病しますが、ジョースター家の場合は29歳の時に発病する……とか。であれば、吉良自身に「石化病」が発病し始めたからこそ、他人と「融合」して病から逃れようとした……と考える事も出来るでしょう。


しかし、です。吉良の死体はしっかり検死され、「死因は心筋梗塞」「死後推定3日」「外傷や薬物反応は無い」といった結果が出されているのです。もし「石化病」か「岩人間」になって、その死体が石と化してしまっていたとしたら、そんな普通の検死結果になるとは考えにくい。病院も警察ももっと大騒ぎしそうなもんです。
もしかしたら、杜王町の名士とも呼べる東方家が、昔から病院や警察を抱き込んで「石化病」の存在を口外させないようにしていたって可能性もあるかもしれません。ただ、そもそも吉良の死体は、他ならぬ定助と康穂が発見したワケです。いくら病院や警察は言いくるめられても、2人には関係ない事。
定助達は実際に死体を目撃した上で、その検死結果に疑問も違和感も抱いてはいませんでした。むしろ、「キンタマが無い」って事にビックリしてるくらいですし。いきなり死体を見付けて冷静さを欠いていたのだとしても、康穂は吉良の死体をキッチリ写メで撮影しています。後日、それを改めて見ても、吉良の肉体の異変には一切触れていません。手首に描かれた「本屋のマーク」の方をしきりに気にしていました。
――その辺を踏まえると、吉良の死体が石化していた……というワケではない気がしてきます。



この場合の「枯れる」とは、「石化する」という意味ではなく、実は「痩せ細る」と同義の言葉なのかもしれません。吉良の死体から水分や栄養分がごっそり抜けたため、痩せ細ってしまったのです。ミイラと言うほど干からびてはいないものの、ゲッソリしちゃってたって事。急激に栄養が偏ってしまった影響で、体の負担が増して心筋梗塞を誘発し、死んでしまった可能性もありますね。
じゃあ、その水分や栄養分はどこに行っちゃったのか?……ズバリ、定助の肉体に行っちゃったんです。定助の肉体には、吉良のキンタマも「等価交換」されていました。でも、1人分の栄養で2人分のキンタマを養っていくのはちとシンドイ。そこで吉良は、キンタマと一緒に水分・栄養分までも移動させていたのです。それは完全に、自分のキンタマに使うためだけのもの。吉良は、たっぷりの栄養で自分のキンタマをより活発化・活性化させ、元気いっぱいの精子を大量生産し、自分の子どもを孕ませやすくしたかったのです。
吉良の目的は、東方とジョースター、この2つに分かれてしまった東方家の血を1つに戻す事……と、私は予想しています。(⇒ No.19 【第1版】参照) そのためには、ジョースター家の末裔である吉良が、東方家の娘(鳩ねーちゃんか大弥ちゃん)を妊娠させる必要があります。当然、栄養不足のキンタマでは心許ない。そういった理由で、自分の肉体が枯れ果てようとも、自分の命を半分失おうとも、吉良は「キンタマ」を死守・援護しようとしたのでしょう。吉良の「枯れた」死体は、このようにして出来たものだったのです。



(追記1)
ダモカンこと田最環とのバトルにて、「X(=空条仗世文)」と「吉良吉影」の過去編が描かれました。そしてそこでは、2人の奇妙で清らかな友情が謳われていました。あれを読んじゃったら、吉良に黒い企みがあるとは考えたくない。いや……、企み自体はあったとしても、仗世文がホリーさんのために協力すると誓ってくれた時からは、もはや最優先事項ではなくなっちゃったんじゃないかと思います。そのくらい、吉良にとって仗世文の「清い心」は、大きく衝撃的な存在だったのです。
ところが、ダモカン達に追い詰められ、偶然にも仗世文と吉良は「等価交換」を行なう事に。しかも、「継ぎ木」して育てた「ロカカカ」(以下、便宜上「新ロカカカ」と仮称)と、「壁の目」によるダブル「等価交換」。それに加え、「新ロカカカ」の破片を食べた犬(後の「岩助」)によって、もう1回「等価交換」が起きてしまいました。そんな予期せぬトリプル「等価交換」で、結果的に、吉良の「キンタマ」は仗世文の肉体へと移ったのです。(⇒ No.1 【第1版(追記1)】参照)

つまり、定助に4個の「キンタマ」があるのは、「吉良の計画通り」というよりも「元々の吉良の計画にあったせいで、偶然にも実行されちゃった」という方が正確なのでしょう。
その結果、仗世文と吉良の「生」「死」が半分ずつに分かれて繋ぎ合わさりました。2人の「死」は吉良の死体となり、2人の「生」は東方定助となりました。吉良の死体から水分や栄養分が失われていたとするなら……、定助(≒仗世文と吉良)の命を繋ぎ止めるためにはそこまでする必要があった、という事なのかもしれません。死体に栄養なんて不要だし、2人の栄養を合わせて、やっと定助1人が生きられたってワケです。
キンタマへの栄養はもちろん大事だけど、あの時は、それ以前に「生きる事」が最優先。キンタマにまで回った余剰分の栄養は、実際のところ、ごくごく僅かだったのかも。




(2015年7月21日:【第1版】更新)
(2016年6月30日:【第1版】追記1)




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