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「ジョジョリオン」の謎と考察・予想をまとめたよ


No.40 【 「東方 花都」が犯した「罪」とは何か? 】






【第1版】
家系図にその名が記されているだけで、登場はおろか、まったく話題にすら上った事がない人物。それが東方 花都 (ひがしかた かあと)さんです。彼女は憲助さんの妻であり、常敏・鳩ねーちゃん・常秀・大弥ちゃんの母親でもあります。ついつい、憲助さんの幼少期の出来事となぞらえて、花都さんは常敏の「石化病」を引き受けて死んでしまったのだろう、と思ってしまっていました。……ところが、第55話で突然の登場ッ!
その人となりも予想以上にブッ飛んでいました。なんと、15年にも渡って刑務所に服役していたらしいのです。この度、ついに出所となった様子。また、息子の常敏を溺愛している風ではありますが、夫の憲助さんに対しては複雑な感情を抱いているみたいです。出所を秘密にして驚かせてやろうと言い出したり、憲助さんから贈られたであろう指輪(結婚指輪?)をポイ捨てしたり……、何というか、愛憎渦巻く心境っぽい。
果たして、そんな花都さんが刑務所行きとなるキッカケとは、何だったのでしょうか?一体、どんな罪を犯してしまったのでしょうか?



懲役15年と言えば、「ジョジョ」6部の徐倫と同じ刑期です。徐倫の罪は「轢き逃げ」と「殺人」と「死体遺棄」。日本とアメリカでは法律も違うので(徐倫は司法取引もしてるし)、一概には言えないでしょうけど……、花都さんの罪もそれに匹敵する程のもの、と推測されます。看守達の「世間様はあんたの罪を きっと まだ許してはいない」との言葉も、人命に関わる罪を犯した事を示唆しているかのよう。
一方で、花都さん自身は「後悔はしていない」と発言。また、彼女の所持品のトランプや、ファッションに散りばめられているカードには、「東方ふるうつ屋」のマークが描かれています。東方家という「家」への敬意や、「家族」への愛情は、けっこう強いんじゃないかと思えました。それなのに、憲助さんに対しては複雑な感情。
つまり、花都さんは東方家や家族を守るために殺人まで犯したにも関わらず、憲助さんはそれを分かってくれず、一方的に非難してきた……というような構図があり得るワケです。夫に対して失望しつつも、心の片隅では、今でも希望を抱いている。認めてほしい、と思っている。そーゆー事なら、なんかしっくり来る気がします。


もしかすると、常敏の「石化病」を、無関係の他人に「等価交換」して治したのかもしれません。赤の他人をどこかから攫って来て、息子の身代わりにして死なせた。それなら、一族の慣わしを破った花都さんの行動を、憲助さんが決して認めなくても不思議じゃないでしょう。(もっとも、その場合、石化した死体が残るだけなので、花都さんを法的に罪に問えるものなのか疑問はありますが。)
あるいは、花都さんとホリーさんの年齢が同じ52歳というところから連想して……、花都さんがホリーさんの夫:吉良吉輝を殺害したのかもしれません。ジョースター家の利益となり、同時に東方家の損失となるような「何か」を吉輝がやらかそうとし、それを阻止するために始末した、とか。



いろんな可能性が考えられますが、まず、花都さんが常敏と密接に繋がっているところに注目してみたいと思います。花都さんのスタンドは、ケータイをも刑務所内に持ち込める能力。その口ぶりから、服役中もちょくちょく常敏と電話していたっぽい事が窺えますし。そして、そんな常敏は、「岩人間」と契約関係にある男。「ロカカカ」と深く関わっている男。実は、花都さんと常敏の2人も手を組んでいるのです。
――始まりは1988年。常敏がまだ9歳の頃。今のつるぎちゃんと同じく、常敏も、近いうち自分を襲う「石化病」に怯えていました。そんな時、花都さんの前に現れたのが「記憶の男」(⇒ No.5 【第1版】) 彼は花都さんに、見た事もない奇妙な「フルーツ」を差し出し、こう言います。この「フルーツ」を食った者は「岩人間」となり、もう「人間」としては生きられなくなる。だが、その代わりに「石化病」は克服できる。この話を信じるかどうか、「フルーツ」を食わせるかどうか、それは君が決めろ。ただし、もし「フルーツ」を食わせる事を選んだなら、私の目的に協力してもらう。……と。
その「フルーツ」は「生命の実」。2000年もの遥か昔、磔刑から復活したイエス・キリストが、現在の杜王町がある土地を訪れた際、「二本松」は聖なるパワーを受けて「生命の樹」と「知恵の樹」になっていました。(⇒ No.23 【第1版】参照) 「生命の樹」に成る「生命の実」を食べると、あらゆる病気やケガも治ってしまうほどの強い生命力と不老長寿が得られ、それと引き替えに「岩人間」として生きる宿命を背負うのです。


花都さんは、「記憶の男」との事を誰にも相談できませんでした。家長である憲助さんはきっと、得体の知れない男やフルーツに頼ろうなどとはしないはずだからです。慣わしに従う事を良しとし、「壁の目」で家族の誰かに「等価交換」する事で「石化病」を治そうとするはず。しかし、花都さんはすでに「希望」を見てしまいました。たとえ人である事を失っても、家族の誰も失わずに済む「希望」を。
彼女は苦悩の末、すがるような思いで、「生命の実」を食べる道を選ぼうとします。大事な息子にこんな怪しいフルーツを食べさせるワケにはいかない。「石化病」を常敏から自分に「等価交換」し、それから自分でフルーツを食べればいい。その覚悟を決めつつありました。……そんな深刻に思い悩む花都さんの姿を見掛けたのが、憲助さんの父であり花都さんの義父である東方 常照。花都さん自ら常敏の「石化病」を引き受けて死ぬつもりでいるのでは、と誤解してしまいます。そして常照は、孫:常敏にとうとう発病した「石化病」を、花都さんに気付かれるより先に自分に「等価交換」してしまいました。
石化した常照と、すやすや眠る常敏の姿を発見し、花都さんは驚愕。しかし、彼女はとっさに、「生命の実」を常照に食べさせたのです。義父をこのまま死なせたくないという気持ちと、「生命の実」の効果が本当か確かめたいという気持ち、その両方を胸に抱きながら。結果、常照の石化は解け、その代わり「岩人間」になってしまいました。「記憶の男」の言葉は、やはり真実だったワケです。しかも、どういう事なのか、その翌日から常照は行方不明に。人間ではなくなったため、「岩人間」達が彼を迎えに来たのか。それとも……。
ヤバすぎる事に義父を巻き込んでしまい、花都さんは自分を責めます。でも、もはや後には退けない。自分1人で全てを背負い、何を犠牲にしてでも東方家を「石化病」の「呪い」から解くと決意したのでした。こうして花都さんは、「記憶の男」に協力する事になります。「記憶の男」も実は「岩人間」で、必然的に「岩人間」と契約を結ぶ事にもなりました。



花都さんは非常に有能な人物で、憲助さんにも比肩する程のフルーツのプロフェッショナルであり、敏腕経営者でした。(だからこそ「記憶の男」も、彼女に目を付けたワケですが。)その知識と技術を活かし、「生命の実」の突然変異種「ロカカカ」の輸入・研究にも協力。「ロカカカ」の「生命の実」への還元や、「生命の実」をも超えるパワーを宿らせるための品種改良を追求し続けます。(⇒ No.26 【第1版】参照) それは「記憶の男」の目的にも必要ですが、花都さんにとっても超重要事項。「岩人間」になる事さえなく、「石化病」だけを根絶するパワー。東方家の安寧と幸福、そして繁栄。その鍵となるのが「生命の実」と「ロカカカ」だったのです。
……数年後。東方家はますます栄え、駅前にフルーツパーラーをオープン!大々的に宣伝活動も行ない、マスコミからも多くの取材を受けました。ところが、そのうちの1人の記者が、花都さんの秘密を知ってしまったのです。実はこの記者、東方家に対して、強い怨みを抱いていました。今から1000年以上も大昔、蝦夷征伐の時代に東方家の先祖から酷い裏切りを受けた者達の数少ない生き残りだったのです。(⇒ No.15 【第1版】参照) 現在の東方家はそんな過去の罪など忘れ去っていますが、裏切られた者はその怨みや憎しみを延々と引き継いでいるのでした。この数年で急激に利益を上げた東方家を不審に思い、独自に追い続けたところ、辿り着いたのが花都さんと「岩人間」の繋がり。「ロカカカ」密売で生まれた利益の何%かを、「岩人間」から受け取っていたワケです。
記者は花都さんに証拠写真を突き付け、このスキャンダルをマスコミに売りまくる事を告げました。花都さんは己の迂闊さを悔やみ、この記者の明確な悪意に恐怖します。「岩人間」の存在や、彼らとの繋がりが白日の下に曝されるような事があれば、「岩人間」からの処刑は避けられない。東方家は終わってしまうし、愛する家族もきっと皆殺しにされてしまう。それが闇の世界と関わり、その契約を破った者の辿る末路。花都さんにはもはや、選択の余地などありませんでした。すぐさま、その記者を殺し、証拠写真なども全て隠滅したのです。


こうして、「家」と「家族」を守るため、殺人を犯した花都さん。不名誉なバッシングも一身に引き受け、刑務所行き。それでも、夫だけは自分の想いを分かってくれると信じていたのに、無情にも憲助さんは花都さんを責め立てたのでした。記念すべきフルーツパーラーのオープンを血で染め、挙げ句、詳しい事情も話そうとしない妻に、憤りを感じずにはいられなかったのです。
仕方のない事とは言え、花都さんは大ショック!夫に失望してしまいます。しかし、心のどこかでは、いつかは分かってくれるんじゃないかと期待もしている。複雑な乙女心。そんなこんなで、15年もの歳月が流れたのです。その間に、今度は常敏が「岩人間」と契約し、母の後を引き継ぐ形になります。そして、電話でのやり取りで協力し合うようになるのですが……、それに関しては別のページにまとめましょう。(⇒ No.26 【第1版(追記3)】参照)



(追記1)
第58話で、花都さんの罪状が明らかにされました。やはり殺人を犯したようですが、なんと他人の子どもを殺したらしい。それでも彼女は後悔などまったくしていない様子。一体、どんな事情があったのでしょうか?
……まぁ、ここは基本の予想は変えずに、「記者を殺した」という部分だけ修正したいと思います。「記者」を「少年」に置き換えます。

この10歳前後に見える少年は、あどけない顔をして花都さんに近付くと、態度を一変。花都さんと「岩人間」の取り引きの証拠を揃えており、それをネタに脅して来ました。実は少年、東方家に怨みを抱く一族の末裔であり、このスキャンダルで東方家を社会的に抹殺しようと企んでいたのです。少年の名は「川尻 早太(かわじり はやた)」……とか?(笑) 盗聴・盗撮・尾行など、子どもとは到底思えぬ方法で、東方家の暗部を暴き出したワケです。花都さんは追い詰められました。
この少年の言いなりになっても、スキャンダルが世に流されても、東方家は終わってしまう。少年に何もかも毟り取られるか、「岩人間」に粛清されるかの違いしかない。そして、花都さんは意を決し、少年をその手で殺めたのでした。
花都さんは「正しい事」をしたと涙ながらに訴えていましたが、これは「人」として、ではありません。「東方家」として、「東方家の妻」として、正しい事という意味です。何を犠牲にしようとも、家族を守り、家を繁栄させる。それが彼女の役目。だからこそ彼女は、神とかに対してじゃなく先祖の霊に誓ったのです。




(2016年7月7日:【第1版】更新)
(2016年12月20日:【第1版】追記1)




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