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「ジョジョリオン」の謎と考察・予想をまとめたよ


No.40 【 「東方 花都」が犯した「罪」とは何か? 】






【第2版】
家系図にその名が記されているだけで、登場はおろか、まったく話題にすら上る事がなかった人物。それが東方 花都 (ひがしかた かあと)さんです。彼女は憲助さんの妻であり、常敏・鳩ねーちゃん・常秀・大弥ちゃんの母親でもあります。憲助さんの幼少期の出来事となぞらえて、花都さんは常敏の「石化病」を引き受けて死んでしまったのだろう、と思っておりました。……ところが、第55話で突然の登場ッ!
その人となりも予想以上にブッ飛んでいました。なんと、15年にも渡って刑務所に服役していたらしいのです。この度、ついに出所となった様子。また、息子の常敏を溺愛している風ではありますが、夫の憲助さんに対しては複雑な感情を抱いているみたいです。出所を秘密にして驚かせてやろうと言い出したり、憲助さんから贈られたであろう指輪(結婚指輪?)をポイ捨てしたり……、何というか、愛憎渦巻く心境っぽい。
果たして、そんな花都さんが刑務所行きとなるキッカケとは、何だったのでしょうか?一体、どんな罪を犯してしまったのでしょうか?



これについては、第64話にて明らかにされました。今から20年ほど昔、常敏がまだ11歳だった頃。「石化病」が発病し、記憶力が著しく低下したり顔の皮膚にヒビが入ったりしてるせいなのか、それとも東方家の慣わしでずっと女装していたせいなのか……、とにかく常敏は近所の中学生にイジメられていました。しかもこの中学生、花都さんが好みのタイプだったらしく、常敏を使って彼女の下着を盗ませたり、シャワーシーンを盗撮させたりしていたのです。
とんでもなくマニアックなエロガキですが、常敏がイジメられている事を知った女の子に、学校や警察にチクられてしまいました(笑)。イジメだけでなく、自分の変態性まで世間に知れ渡り、完全に人生詰んだエロガキ。全て自業自得のクセに逆恨みして、なんとその女の子の家に放火して来るよう常敏に命令してきたのです。しかも、世間の人達が大人になっても今回の件を憶えていたならば、花都さんを強姦して殺すとまで!
「人」としての最低限の一線さえも軽々と踏み越えたエロガキは、無意識に発動した常敏のスタンド能力により瀕死の重傷に。その事を知った花都さんは、救急車を呼ぶどころか、常敏とエロガキを「二本松」の洞に埋めて「等価交換」。「石化病」をエロガキに移し、土に埋めたまま殺害してしまったのでした。
そして、この時の彼女の行動は、後の東方家にとっても大きな影響を及ぼしていく事になります。

――5年後、偶然にもエロガキの白骨死体が発見され、身元が特定。エロガキから検出されたDNAにより、花都さんが犯人と断定され、逮捕に至ったというワケです。エロガキは「石化病」ではなく、負傷や窒息によって死んでしまったため、死体が岩石化する事なく遺ってしまっていたのでしょう。
常敏や花都さんの事情を知っていれば彼女の行動に納得も出来ますが、法的・世間的には子どもを殺した凶悪犯。妻がそんなおぞましい罪を犯し、客商売をしている東方家にとってもイメージ最悪なもんだから、憲助さんも冷静ではいられなかったはず。自分が「石化病」の身代わりになりたくないから、無関係の子どもを利用した……などと誤解したのかもしれません。彼女の話に耳を傾けようともせず、さっさと刑務所にブチこんで、一方的に縁を切ろうとしたものと思われます。
また、そんな両親の姿は、常敏の性格や考え方にも色濃い影響を与えたのでしょう。殺人さえ犯してまで自分を救ってくれた母と……、何もしてくれなかったばかりか、保身のために母を切り捨てようとした父……。以後、彼は母を敬愛し、誰にも秘密で刑務所内の母と連絡を取り続けます。元来のおとなしい性格はすっかり鳴りを潜め、母からの言葉通り「生まれた地点から上へと登って行く」精神を宿しました。勝利と幸福のために手段を選ばない男になっていったのです。一方、憲助さんに対しては、相田みつをやクワガタなど「同じ趣味を持つ者」としての親しみや、「商売の先輩」としての尊敬は抱けても、「父親」として心を開く事は出来なかったはず。


果たして、花都さんは憲助さんや子ども達と和解する事が出来るのでしょうか?東方家が家族の絆を取り戻せる事を願わずにはおれません。




なお、旧版はこちらに置いときます。 旧版




(2016年7月7日:【第1版】更新)
(2016年12月20日:【第1版】追記1)
(2017年5月7日:【第2版】更新)




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