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ようこそ 杜王町へ 2
~ 黄金の街 ~





その①


サマーシーズン到来!2017年の夏、宮城県仙台市は再びM県S市杜王町となるッ!そう……、今の仙台は、5年前以上に、ジョジョファンにとってお楽しみがいっぱい。
そういったワケで、今年2017年は「ジョジョ」連載30周年というアニバーサリー・イヤー。そこで企画されたのが、「ジョジョフェス in S市杜王町」なる超特大イベント!2012年の原画展「ジョジョ展 in S市杜王町」(レポートはこちら)から5年……、あの時とは比較にならない規模のフェスティバルが、荒木先生の故郷である仙台で開催される事となりました。と言うのも、仙台の各地で同時多発的に、様々な「ジョジョ」関連イベントが行われるのです。これはまさに、市をあげてのお祭り騒ぎッ!
例えば、8月13日(日)には東京エレクトロンホール宮城にて、アニメイベント「Bizarre Summer 2017 in S市杜王町」が開催。仙台フォーラスの8Fでは、「JOJO Fes CAFE in 仙台フォーラス」と銘打ち、「ジョジョ」にちなんだメニューを味わう事が出来るカフェが登場。江陽グランドホテルの2Fでは、「アニメ原画展&TRATTORIAトラサルディー in 江陽グランドホテル」という、TVアニメの原画展とテイクアウト商品を取り扱うカフェが展開。さらには、「杜王町商店街 in ぶらんど~む一番町」と題し、アーケード街の一部にアニメ「ジョジョ」デザインの横断幕やバナーフラッグ等を掲出。それだけに留まらず、杜王町循環バスやアニメ「ジョジョ」仕様列車が運行されるわ、仙台のあちこちに「ジョジョ」デザインのマンホールが設置されるわ、とにかくもうスゴイ。スゴすぎる。

しかし、そんな数多くのイベントの中でも、最大の目玉はやっぱりこれを置いて他にないでしょう!その名も「ジョジョ展 in S市杜王町 2017」ッ!8月12日(土)~9月10日(日)の期間、5年前と同じく「せんだいメディアテーク」にて催される原画展です。前回は168点の原画が展示されていたはずですが、今回はなんと期間中に内容の入れ替えがあり、合計にして500点以上もの展示なのだそう。しかも、カラー原画のみならず、モノクロ原稿も大量に拝めるというのです。タイトル通り、杜王町が舞台の4部と8部「ジョジョリオン」にかなり比重が置かれた内容になっており、見応えも充分ッ!
無論、このお祭りに参加しないなどという選択肢は存在しません。チケットも入れ替え前後のどちらもきっちりゲット。そして、さっそく行って来ましたよ。毎度の事ですが、やはり今回も一人旅です。


なお、この企画の詳細については、荒木先生の公式サイトと「ジョジョフェス」の公式HPをご覧になってください。




その②


<2017年 8月11日(金)>
朝9時半頃、仙台へと降り立ちました。仙台駅構内の広告用のデッカい画面に、「ジョジョ展」の広告映像が流れているのを見て、いきなしテンションがブチ上がります。駅の近くでは、「カメユーマーケット」と称して物販も行われる予定。その入口には、アニメ「ジョジョ」の吹き流しも飾られていました。
さて、「ジョジョ展」は明日からの開催なので、今日は1日時間があります。そして、やる事もすでに決めていました。前述の通り、仙台のあちこちに「ジョジョ」デザインのマンホールが設置されているって事で、これはもう、マンホール巡りの旅に出るっきゃないでしょう。マンホールは全部で9ヶ所。公開されている配置図も事前に印刷し、どの順番で周るかも決定済み。外はあいにくの雨でしたが、カンカン照りよりは過ごしやすいかな。



仙台駅


ジョジョ吹き流し



1つ目鈴美さん&アーノルド。明日から5年ぶりにコンビニ「オーソン」になる「ローソン」前にありました。2つ目承太郎。交差点の向こうに江陽グランドホテルを望む「ローソン」付近にありました。3つ目康一くん。承太郎マンホールのすぐ近く、広瀬通沿いの交差点にあります。4つ目吉良。アーケード街「ぶらんど~む一番町」にある靴屋「むかでや」の前にありました。
5つ目露伴。「ジョジョ展」の会場となる「せんだいメディアテーク」前にあります。6つ目仗助定禅寺通を一望できる、「杜の都れんが下水洞窟」付近にありました。7つ目花京院。彼だけ唯一、4部キャラではありませんが、それも納得。仙台花京院通郵便局のすぐそばのコンビニ「ミニストップ」前にありました。
ラスト2つは、けっこう大変。何せ、地下鉄東西線の両端の駅近くに配置されているんで。まあ、歩き疲れた足を地下鉄で座って癒やしながら旅を続けました。8つ目音石。荒井駅前のライブハウス「仙台GIGS」前にあります。そして、ラストとなる9つ目鋼田一。八木山動物公園前……と言うか、東北放送や八木山ベニーランドの鉄塔が見える場所にあります。



鈴美さん&アーノルド


承太郎


康一くん


吉良


露伴


仗助


花京院


音石


鋼田一



……これでついにコンプリート!それなりに効率良く回ったつもりが、なんだかんだでトータル3時間以上掛かりました(汗)。日頃の運動不足も相まって、スゲー疲れた~。でも、達成感はあるし、なかなか面白い企画だと思います。上にそれぞれのマンホールの写真も載せておきましたが、詳細な位置や周囲の光景などはご自分の目と足で確かめてみてください。それぞれのキャラ達の頭が向いている方向の先を見てみましょう。
ちなみに、メディアテーク近くの駐車場には「ジョジョ」痛車が駐車中!公式のものではなく、ファンの方の私用車みたいですが、場所が場所だけにジョジョファン達が集まって見物したり写真撮影したりしていました。



痛車


前方から


後ろも



ずっと歩き通しだったんで、さすがにクタクタです。腹も減り、仙台駅近くの牛タン屋でランチ。牛タンうまっ!そんで、明日からはとにかく「ジョジョ展」に集中せざるを得ないため、今日のうちにおみやげを買ったりしたのでした。




その③


<8月12日(土)>
いよいよこの日がやって来ました。待ちに待ちまくった「ジョジョ展」の日です。5年前は開幕から数日後に行ったんですが、今回は初日からの参戦。初日の初回でしか体感できない熱があるでしょうから、それが欲しかったんです。
朝の5時頃に起き、準備をして出発。今日もまた雨です。5年前は猛烈な日差しで灼熱の暑さだったので、むしろこのぐらいの方が良い。まず、ホテル近くのコンビニ「オーソン」へ。昨日までは普通の「ローソン」でしたが、今はすでに「オーソン」。店内には「ジョジョ」や「オーソン」に関する商品もいっぱい。アニメ4部の曲も流れており、気分も高まります。私はお茶と「別冊マーガレット」を購入。本日発売の「別マ」に、「岸辺露伴は動かない ~ エピソード9 D・N・A ~」が掲載されているからです。
「せんだいメディアテーク」に着くと、すでに10人程の待機列。おおっ、さすがに気合い入ってんな。整理券配布が8時からなので、私もゆっくり待ちます。さっそく「露伴」の新作を読みました。予想外にしっとりとした清らかなラブ・ストーリーで、静かな感動に包まれ、ちょっと涙腺に来ました(笑)。

8時になり、整理券配布。いつの間にやら列は長く伸び、すでに300~400人くらいはいそう。スゲー!きっと日本中から、いやさ、世界中から集まって来てくれたんでしょうね。こうやって「ジョジョ」や荒木先生で盛り上がってくれるのは、本当に嬉しい限りです。
9時頃からは改めて列を作って並び、近くのファンの方々とお話をしながら開場を待ちました。やがて列が動き出し、メディアテーク内に突入。エレベーターで6Fへ。すると、視界に飛び込んできたのは、紛れもなく「ジョジョ展」の会場ッ!前回は「白」を基調とした会場でしたが、今回は「黒」!と言うより、会場の出入り口周辺が、画集「JOJOVELLER」の完全限定版BOX仕様になってて、歴代ジョジョ&ツェペリの行進の絵がデカデカと飾られていました。イイねぇ~~ッ!ますますアゲアゲですよ!
今回ももちろん、多くの関係者からお花が贈られています。その中でも、個人的に目を引いたのが、実写映画版で仗助を演じられた山﨑賢人さんからのお花。なんか嬉しい。マスコミもけっこう来てるようだし、オープニング・セレモニーではないけど開幕の挨拶もあったりして、初回ならではの特別感たっぷり!焦らしに焦らされ、ドキドキソワソワも頂点に!



オーソン




メディアテーク前


山﨑さんから


開幕の挨拶




出入り口前の


壁面は


大体


こんな感じに


なってます



そして10時になり、いよいよ開場の時!満を持して突入です!入場時には、お久しぶりの「杜王新報」特別号外も配られましたよ!
―― 結論から言いますと、この原画展、最の高でございました。圧倒的ボリュームの原画の数々は、掛け値なしに美しき宝物です。杜王町に偏った内容だけに、4部・8部好きじゃないと物足りなく感じるかもしれませんが、どの部も大好きな私としては大満足でした。ただ……、今回も出ましたよ、「立ち止まらずにご覧になってくださーい」の連呼。いやいや、言わんとする事は分かるけど、そいつは酷ってもんですぜ!この点だけは残念でしたね。
そんじゃあ、以下、箇条書きで感想や出来事を書いていきましょう。


入場して、まず最初に現れるのは、「ジョジョ」連載スタートまでの荒木先生の足跡。このプロローグエリアに原画はありませんが、「ジョジョ」以前の作品の紹介と掲載誌の展示を見る事が出来ます。そして「ジョジョ」エリアに入ると、1部から8部まで順番に区分けされており、その細い回廊の壁に原画が展示されています。
そこを抜けると、一気に広い空間が現れ、ここからがメイン!4部・8部の大量展示です。4部は巨大なコミックス型オブジェに、8部は東方邸を模した部屋に、所狭しと原画が飾られていました。凝りに凝った展示内容、こりゃ楽しい。そしてラストは、この原画展のキー・ビジュアル「七夕の定助」が見送ってくれました。最高すぎるだろ。

4部・8部以外の部の原画は、5年前の「ジョジョ展」でも飾られていたものがほとんど。そういう意味で新鮮さは薄いけれど、5年前の追体験っぽくて懐かしさすら覚えました。それに、どの原画も何度観たって良いものです。
4部・8部の原画は、逆に、お初にお目に掛かるものばかり。4部なんか全ての巻の原画が観られるし、今じゃ貴重なパートカラーの生原稿だってあります。8部はこの5年間に描かれた新しい絵がいっぱい追加されています。さすがは杜王町展!

今まで幾度も荒木先生の原画は拝見していますけれど、毎度毎度思わずにはいられません。美しい……。
特製の原稿用紙、青鉛筆でのアタリ、下描き、ペン入れ、ベタ、ホワイト、スクリーントーン、カラー……、いくつもの工程を経て、いくつもの作業を重ねて、ようやく完成した「本物」のキラメキと立体感。これを見ちゃったら、どんなにキレイに印刷したとしても、それは結局、味気ない平面の印刷物に過ぎません。荒木先生もおっしゃるように、色の奥深さも再現し切れないし。何故か複製原画も3点ほど展示されていたんですが(コミックス1巻表紙イラスト、37巻表紙イラスト、2013年年賀状イラスト)、やっぱすぐ分かりますよ。
あまり観る機会のないモノクロ原稿は特に、荒木先生の「戦い」の跡を目の当たりにする事が出来ます。いろんな指示も原稿に書かれており、計算の上で描かれた事もよく分かる。この生々しいまでのライブ感と迫力は、ここでこそ味わえるってもんです。ずっと昔から原稿用紙に小さな穴を空けていた事も分かりましたし、昔と違って今は写植を直貼りしていないのは印刷業界自体がデジタル化した影響なのかな~とか考えたりもしました。

展示内容そのものも素晴らしいですが、他にも様々な仕掛けが目白押し。
石仮面や赤石は言うに及ばず……、4部エリアでは巨大コミックスに突き刺さった『矢』や露伴の机、「振り返ってはいけない小道」の郵便ポスト、吉良が切った爪を溜め込んだビン、「サンジェルメン」の紙袋に入った「彼女」などのオブジェもいっぱいです。本当に動く猫草とか、後ろから声が響く『チープ・トリック』とか、早人が『バイツァ・ダスト』で朝を繰り返す映像とか、単なるオブジェでは終わらない楽しい仕掛けも。
また、8部エリアではプロジェクション・マッピングを駆使したネタがたっぷり!冷蔵庫の周囲には「しゃぼん玉」が漂い、テーブル上では「ロカカカ」や折りガエル、『カリフォルニア・キング・ベッド』ちゃんなんかが現れては消えます。2階へ続く階段の奥からは、『ビタミンC』の触手が蠢く。しかも、「絶対あるはず!」と思ってよ~く見てみたら、案の定、「本屋のマーク」が階段の手すりにチラ見え。東方家の家系図なども見られ、「ジョジョリオン」初心者にも優しい。

なんと、荒木先生が故郷:仙台をブラリ旅する「アラキ×アルキ」という映像も流れていました。「麻婆(マーボー)焼きそば」なるザ・ニュー名物を食レポしたり、「瑞鳳殿」を美術的観点から語ったり、暗渠(あんきょ)内を探検してハイテンションになったり……と、見てるだけで癒される映像です。もし「ジョジョリオン」で暗渠が舞台になったら、ほぼ確実にこれの影響でしょうね。
でも先生、緊張のせいか、やたら目をシパシパしまくってたなぁ(笑)。いや~、この映像欲しいですね。豪華版としてBlu-rayとかにしてくんないかな?

正直、4部エリアは広大すぎて、周る順番というか動線というかがもうメチャクチャになっちゃいました(汗)。ここからは順番も何もなく、ある程度自由に見て回れるんですけど……、やはりコミックスの巻数通りに進んで行くのが正攻法でしょうね。それは分かっていながらも、ついつい目に入った方へ引かれて行ってしまう~!悩ましい問題です。

開幕初回っつー事で、マスコミの方々は鑑賞中のファン達に取材しまくってました。写真を撮ったり、インタビューしたり。……というか、なんと私も取材を受けてしまった!思いっきりビデオカメラ向けられてインタビューされたぜ……。いきなりでちょっとテンパりましたが、果たしてコレ、マジで放送されたんかな?カットしてほしいな(笑)。

客層はまさしく老若男女!私のようなおっさんもいれば、お若いレディーもいるし、お子さん連れの家族なんかもいる。みんな、ただ荒木先生の絵を観たいがために、日本中・世界中からここに集まって来たんです。
こんなにも多くの、多種多様な人達から、「ジョジョ」や荒木先生が愛されている事実がこの上なく嬉しい。これこそ、30年にも渡って真摯に作品を描き続けて来た証と言えるんじゃないでしょうか。1ファンに過ぎない私までも、誇らしい気持ちになります。ありがとう、荒木先生。ありがとう、同士達。



大嫌いだ




動く猫草


小道のポスト


ドラララララ


第4部 完


吹き流しが


ユラユラ揺れます



原画展が終わると、物販会場になっています。正確には、仙台駅近くの「E BeanS」がガチの物販会場で、ここでは限られた物しか売っていませんけど。しかし、ここでしか買えない公式パンフレットや限定缶バッジ、そして「杜王新報」特別版(特別号外とは別物)をしっかり購入!
さらに、これまた懐かしの「ごま蜜だんご」も売ってたので、こっちもゲット!松栄堂の関係者さんから聞いた話によると、前回も今回も包装紙はそれぞれのキー・ビジュアルのカラーに合わせているのだそう。だから前回は山吹色で、今回は濃厚ピンクなのか。そのこだわりが嬉しいですね。
そして、長い階段を下り、大満足でメディアテークを後にしたのでした。今、メディアテーク周辺は荒木ファン達の熱さと幸せで溢れています。この時、この場所に、いられて良かった。



公式パンフ




限定缶バッジ




杜王新報


ごま蜜だんご




(2017年8月26日)




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