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ようこそ 杜王町へ 2
~ 黄金の街 ~






<2017年 8月29日(火)>
8月11~13日の3日間。同士達と駆け抜けた、決して忘れ得ぬ夏の日……。あれからおよそ2週間、私は単身、再び杜王町を訪れました。「ジョジョ展」は8月24日(木)に展示内容の入れ替えが行われ、翌25日(金)より第2幕が開幕したからです。
当然、これも行くっきゃない!どうせならゆっくり鑑賞したいので、有給取って、あえて平日の日中にやって参りました。朝から北朝鮮のミサイル発射で騒がしかったものの、どうにか無事に到着。狙い通り、メディアテーク前も落ち着いたものです。行列も無く、整理券をもらったそばから入場できました。「杜王新報トラベル」のフラッグを持ったおっちゃんがエレベーターまで案内してくれます。そして6Fへ。会場前を彩ってくれていたたくさんの花も、すでに今は無し。ちょっぴり寂しい風景になっていました。



メディアテーク前




ACT2開幕!!




注意書きはコレ



結論から言うと、「ジョジョ展」第2幕もやっぱり最高でした。3時間掛けてじっくり味わって来ましたよ~。カラー原画は特に変更は無く、4部のモノクロ原稿がオール入れ替え!実質、別の展覧会とさえ言えます。こいつは、入れ替え前に来た人も観なきゃ損ですよ。
では、以下、箇条書きで感想等を。


改めて観てみても、20~30年も前に描かれたとは思えぬほど美麗な輝きを誇る原画達。ダイナミックさと繊細さが両立し、1本1本の線に至るまで生命力が漲っています。
本当、何度観たって飽きませんね。仙台に住んでたら毎日来てるな。つか、この空間に住みたい。

コミックス13巻・第1話目のカラー扉絵、これも複製原画でした。ちょい上の方に飾られてるからか、絵だけでは気付きませんでした。
でも、いくつか複製原画がありますけど、本物はどうなってるんだろう?何故、これらの絵だけ複製?
後で調べた感じ、どうも東京で開催されてる「週刊少年ジャンプ展」で展示中 or 展示予定の絵の代わりに、ここでは複製原画を展示してるっぽいですね。)

コミックス31巻の表紙イラストでは、仗助の横顔と窓ガラスが割れた家が描かれています。この窓ガラス、最初に割れていないバージョンを描いて、その後、割れてる(しかも窓をちょっと開けてる)バージョンに描き直しているワケです。
「う~ん、どうしよ?やっぱ窓割るか」とか「こっちの方が不穏な空気が出るよな」とか、当時の荒木先生は色々考えたのかな。そんな風に想いを馳せるのも楽しい。

モノクロ原稿を観ると、その作業や指示の細かさに驚かされます。荒木先生の頭の中には、描く前から映像として確かに存在しているんでしょうね。そして、その映像を原稿の上にいかにして落とし込むか、いかにして効果的に表現するか、筋道も手段も見えているんでしょうね。
猫草がしのぶさんに激怒するコマなんて迫力が凄まじい。また、吉良が川尻の名前と筆跡を練習してるシーンは、何故かめっちゃホワイトで修正しまくってました。連続するように、しのぶさんが夫(吉良)にお茶を出すシーンも、背景を何度も描き直している事が分かります。当時の苦労の跡がクッキリ残されており、そんな部分も見どころの1つです。荒木先生やアシさんのたゆまぬ努力の末に、我々はいつもワクワクドキドキさせてもらえているんですね。

1枚のページの中でも、コマとコマを切断し、後でまたくっ付けていたものもありました。多分、複数のアシさんが別々に作業進行するため、こうやって切り貼りしたんでしょう。
最終的にマンガとして印刷・出版されれば良いワケで、そういう意味で、マンガの描き方って自由なんだな~と感じました。


東方邸の2階への階段の手すりにある「本屋のマーク」、心なしか、前よりもちょっぴり見えやすくなってるような気がしました。
ただの気のせいかもしれんけど、ひょっとすると、あまりに発見してもらえなくて明るさを微調整した……のかもしれません(笑)。


「ジョジョ展」会場の物販では、もうパンフレットが売り切れ。前期では1人2冊まで購入OKでしたが、どうやら在庫がヤバくなってきた模様。後期では1人1冊になった上、その日に販売する量も減らされたのか、お昼には本日分が完売する状況らしい。パンフが買えないって、さすがに極悪でしょ。増刷できないもんなのかな。
全体的に5年前よりも改善・パワーアップしたとは思いますけど、正直、物販に関しては疑問が残りますねぇ。見通しの甘さが目立って、そこだけは残念。せっかく杜王町にまで来てくれた人達には、楽しい想い出だけ持って帰ってほしいじゃないですか。後日通販でも何でもいいから、欲しい人に欲しい物がしっかり行き渡るようにしていただきたいです。





さて、「ジョジョ展」を満喫した後は、ザ・ニュー聖地の巡礼へ。「ジョジョ展」で流れている荒木先生の映像「アラキ×アルキ」。この映像の収録で荒木先生が訪れた地を、私も実際に巡ってみようじゃないかって事です。

まずは、メディアテークからも程近い「杜の都れんが下水洞窟」。SLや仗助のマンホールがある場所、でもありますね。前回来た時は「ジョジョ展」開幕前日だったので、よもやここが聖地になろうとは思いも寄りませんでした。正直、あの時は背景の一部でしかなかったんですが、改めて見ると、確かに天窓から螺旋階段や洞窟を見下ろせる!
この洞窟、定期的に見学会もやっているようなので、いつか内部にも突入してみたいです。日常の中の非日常感たっぷりで面白そう。



C60広場




天窓




中を覗く


出入口



次は、一気に離れて「瑞鳳殿」。「るーぷる仙台」という、観光スポットを巡回するバスがありまして、それに乗れば瑞鳳殿前まで楽に行けますよ。
この瑞鳳殿は、かの有名な戦国大名「伊達 政宗」が眠る霊廟。奇しくも、今年は伊達政宗公生誕450周年という記念すべき年でもあります。「ジョジョ」30周年とダブル・アニバーサリーって事で、いやはやめでたい。
バスを下り、坂道を上って行くと、両側に杉木立が生い茂る参道の石段に出ます。そこを上って行った先にはチケット売り場があり、お金を払って先へ進む事に。ちょうず舎でお清めをすると、そのすぐ隣には涅槃門。この門に、荒木先生が「S市のS」と笑ってた稲妻菱格子もありました!「杜王新報」特別版には「アラキ×アルキ」の詳細記事が数ページに渡って掲載されているんですが、そこで触れられていた門上部の「麒麟」とその裏側の「瑞雲(ずいうん)」も確認。



るーぷる仙台


参道の石段


入場は有料です


ちょうず舎


涅槃門


S市の「S」


聖獣「麒麟」


瑞雲



涅槃門の向こう側には、またも石段。ここをさらに上って行くと、拝殿の向こうに本殿が少しずつ姿を現してきます。全体は黒と金で厳かにまとめつつ、中心部はギンギンの色彩でド派手に装飾。このインパクトは圧倒的で強烈です。
左右の黒い縦格子には、金箔の菊の紋を配置。うん、気が利いてるぜ。天女の上の欄間板には、チョウもデザインされています。また、荒木先生が来られた時には閉じられていた正面扉が、思いっきり開いていました。この扉に、「竹に雀」「仙台笹」とも呼ばれる伊達家の家紋が、黄金に輝いていたのですが……、扉の向こうを覗いてみると、こっちにも発見!キレイだな~。もう、この本殿の全てが美意識の塊ですね。



石段を上ると


拝殿の向こうに


徐々に見えてきた


瑞鳳殿 本殿


きらびやか


縦格子




チョウのデザイン




竹に雀





続いて、「仙台城跡」。ここも「るーぷる仙台」に乗って行けばすぐです。鳥居をくぐり、階段を上って行くと、そこは見晴らしの良いだだっ広~い空間。その昔は、ここで立派なお城が街を見下ろしていたんでしょうけれど、今は伊達政宗騎馬像がその代わりです。三日月モチーフの兜がイカしてます。
せっかくなので、「杜王新報」特別版に載ってたのと同じポイントを探し、写真を撮ってみる事にしました。荒木先生が来られた日は快晴だったらしく、空も真っ青で美しい。しかし、今日はあいにくと曇り空。季節ゆえか、草木の生い茂りっぷりも違う。パッと見の爽やかさには差がありますが、それでもほぼほぼ同ポイントを見付けられたんじゃないかと思います。どんなもんでしょ?



バスを下車


仙台城跡


伊達政宗騎馬像


いい… 三日月です


これは→



→ここ



こっちは→


→ここ



そして、「るーぷる仙台」で仙台駅まで戻りました。物販会場の「E BeanS」にもちょっと立ち寄り、いくつかグッズを購入。
……で、ここに来た最大の目的が、荒木先生直筆イラスト入りサイン色紙 × 2枚!先日の「ジョジョ展」から帰った後に展示されたので、これだけは絶対観ると心に誓って来ましたよ。やっとこさ、念願のご対面。機嫌良さげに微笑みを浮かべる露伴と定助のラフ画が描かれています。写真はOKなんですが、ネットやSNS等に流す行為は固く禁じられているため、残念ながら色紙画像はお見せできません。
その後、外に出ようと思ったら、たまたまトニオさんの屋台「TRATTORIA トラサルディー」を見掛けたので、まだ辛うじて売ってたパンを買っときました。



見せられないよ


トニオさん屋台




袋も凝ってる


ゥンまかったです



一旦、ホテルにチェック・インしてから、晩メシを食べに出ました。目指すは「中国めしや 竹竹(ちくちく)」。荒木先生が食レポしてくれた「普通の春巻き」と「エビチリチーズ春巻き」、そして「麻婆焼きそば」。これらのメニューを制覇せねばッ!
……そう意気込んで向かったものの、なんとお店は貸し切り状態っぽい気配!なん……だと……?悔しさのあまり、牛タン屋でヤケ食いしてホテルに帰りました。明日こそリベンジしてみせる……ッ!





<8月30日(水)>
午前中はのんびり買い物なんかして、お昼に「ジョジョ展」へ。今日も楽勝で即入場できました。トータル5回目。恐らくは、これが私にとってのラスト「ジョジョ展」となるでしょう。
なので今回は、持参したパンフレットと原画とを比較しながら鑑賞してみました。パンフ自体が入手しにくい状況にある中、それを見せびらかすように広げるのも抵抗はあるんですが、もうこんな機会はそうそう無い。気に病んでもしょうがないんで、堂々と見比べて来ました。



杜王町商店街を通り


メディアテークへ





やはりパンフと見比べてみて良かった!原画と印刷の色合いの違いがハッキリ分かりました。パンフはかなり原画を再現してくれているものの、それでもまったく違います。原画が持つ繊細な色味、微妙な濃淡、鮮やかさ、深さ……、何と言うか、印刷だとそれらが平坦になっちゃってるんですよね。
荒木先生が試験管で調合して創り出した色。「ジョジョリオン」の表紙なんかは、通常4色刷りのところ、特色2色をプラスしての6色刷りで印刷しているようですが……、いくら「本物」に近付けたとしても「本物」にはなれない。それを実感させられました。原画展の価値はそこにもあります。

印刷だとやたらギンギンな発色になり、目に刺激のある絵もあります。ところが、原画を観ると、意外と薄い色だったりもしました。先生は長年の経験と研究から、印刷後の色合いをも計算した上で、原画を塗っているのです。
たとえば、「ジョジョリオン」コミックス5巻の表紙イラストなんかは、原画ではかなり色が薄く感じられます。でも、コミックスとして印刷されると、何ら違和感のないカラーになっているワケです。荒木先生が本当に読者に見せたい色は、本当に自分自身が表現したい色は、原画と印刷どちらの色なのでしょうか?

6部の屋敷幽霊の階段で全員集合してる(アナスイがまだ女性だった頃の)トビラ絵や、「ジョジョリオン」の定助・康穂・常秀・大弥ちゃんが横1列に並んで立ってるトビラ絵は、背景色が全然違っていました。
前者は、赤の色合いがまるで異なるだけでなく、原画だと白く輝く小さな光がいくつも描かれているんです。後者は、パンフだとベージュ系の背景なのに、原画だと淡いモスグリーンなので、違いは一目瞭然。これらは印刷による違いと言うより、意図的に仕様を変えた感じです。どういう理由なんだろ?



6部


ジョジョリオン





どの部の絵も素晴らしいけど、個人的には、特に6部のカラー原画が好みです。女性主人公だからってのもあるのか、華やかで艷やかで、彩り豊かな印象があって。
以前も書きましたが、コミックス6(69)巻表紙イラストの徐倫の肌の塗りの質感とか、もうめっちゃ堪らないッ!



今回もパンフはとっくに売り切れてました。てか、他のも軒並み売り切れてて、会場の物販は何とも閑散としたもの。う~む、これでいいんだろうか?
しかし、来場した客層は今回もバラエティーに富んでて……、マンガに縁の無さそうな上品マダムや、アメリカ人っぽい若いカップルの姿も見られました。荒木先生の絵に宿る「引力」は、どんな人でも引き付けてしまうのです。




その⑪


「ジョジョ展」を心に焼き付けた後は、そばでも焼いてもらおうか。そんな勢いに乗って、昨晩のリベンジです。改めて「中国めしや 竹竹(ちくちく)」へ。
ところが、開店時間は過ぎているはずなのに、まだ支度中っぽい気配!嘘……だろ……?少し時間を潰して再訪してみても、やっぱり支度中。マジか。実は帰りの電車の時間もあって、もはやあんまり猶予も残されていない状態です。仕方なく、店員さんに声を掛けて訊いてみました。すると、もう10分程で開店するとの事。それまで店内で待たせていただく事に。
グルッと見回してみると、「アラキ×アルキ」で見た、荒木先生が座られた席がありました。また、「ジョジョ展」や「SBR」最終巻のポスター、「ジョジョ」のコミックスなど、「ジョジョ」関連の物もあちこちに。「杜王新報」特別版に載ってる、このお店のページも貼ってました。イイねぇ、ここも荒木ファンにとって新たな人気スポットになりそう。



竹竹



この席に
荒木先生がッ!



「ジョジョ展」ポスターも
(前回のまで)





店内が明るくなり、BGMも流れ出し、ついに開店!注文はもちろん、「普通の春巻き」「エビチリチーズ春巻き」、そして「麻婆焼きそば」です。
やがて料理が運ばれてきました。普通の春巻きは、外はパリッパリ、中は熱々のトロットロ!タケノコのコリコリした食感が良いアクセント。めっちゃ美味しいです。エビチリチーズ春巻きは、エビチリの辛味をチーズが包み込んで、なんともまろやかな味わい。これまた超うめえ。ただ、若干焦って食べたせいで、口の中をヤケドしちゃいました(笑)。
そして満を持して、とうとうヤツが現れましたよ。麻婆焼きそばが!……確かにこれは、麻婆丼とも麻婆ラーメンとかとも違いますね。麻婆焼きそば独自の新たな味覚がある。荒木先生は 「豆腐がトロトロ」 「甘辛っ」 「麺もカリカリ」 「山椒が時間差で効いてきて絶妙」 といったコメントを残されていますが、これが言い得て妙。実際に食べてみれば、いかに的を射た食レポだったのか分かります。みなさんも仙台を訪れた際には、ぜひ味わってみてください。おいしいよ。



普通の春巻き





普通の春巻き
(内部)



エビチリチーズ春巻き





エビチリチーズ春巻き
(内部)




麻婆焼きそば



本来なら、店主に荒木先生のお話でも伺いたいところなんですが、いよいよもって時間はギリギリ!そんな余裕などまったく無く、速攻でお店を後にし、全速力で駅へと向かう。結果的には、どうにか電車に間に合いましたが、もう数十秒遅ければアウトでした(汗)。
体はすっかりクタクタ。歩き通し&猛ダッシュで足もボロボロ。それでも、思い出すのはやっぱり楽しかった事ばかり。感謝と満足感を胸に、帰路に就いたのでした。ありがとう、杜王町。またいつの日か。




こうして2017年の夏は………
ジョジョファンにとって いつもの夏よりも遥かに 熱く眩しく…
すぎていった



ようこそ 杜王町へ 2

完




(2017年9月2日)




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