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ジョジョの奇妙な冒険 (TVアニメ)






第6話  あしたの勇気



今回はまさに「痛み」「気高さ」の回でした。肉体の「痛み」は、生の喜びの裏返しであり、真に恐れるべきものではないという事が、ブラフォードとポコを通じて描かれています。そして、人に何かを遺し伝える事の「気高さ」と、恐怖に耐えて乗り超える事の「気高さ」もまた、この2人の姿を通じて描かれています。期待通りの、極上の人間讃歌ッ!
特に、ポコの回想シーンからの「あしたっていまさッ!」には、マジで涙してしまいました。熱いな〜。たまらんな〜。これぞ少年漫画の王道ですよ。「あしたの勇気」ってサブタイトルだけで泣けてくるもん。しかも、何の能力もない単なる脇役の少年がなけなしの勇気を振り絞るからこそ、感情移入も感動も出来るワケです。原作とは微妙に異なり、ポコ自身があの明り窓を発見し、自分で入る事を決めたのもイイですね。もちろん尺の問題もあったんでしょうが……、誰からの要求も嘆願もないまま、ポコが自分の弱さに自分だけで打ち勝った自分で道を切り開いたって感じでグッと来ました。

そんなポコの勇気ある行動により、双首竜の間への扉が開かれる。大盛り上がりで次回へ続く……かと思いきや、ムードは一変!哀愁漂う「ROUNDABOUT」のイントロが流れ、ツェペリさんの静かなる決意と悲壮なる覚悟が表現されています。第2話でもそうでしたけど、イントロの旋律を巧く活かしていますね。EDへの入り方がカッコイイ。
次回はツェペリさんの死が描かれる事になるので、これまた期待も高まりますね。つーか、ここまで来るともう、ラストに向けてテンション上がりっぱなし。原作の熱さと気高さを、この調子でアニメにもガンガン込めまくってほしいものです。

(2012年11月10日)




第5話  暗黒の騎士達


ジャックを倒したジョナサン一行は、ウインドナイツ・ロットへ。ポコの登場、ディオとの再戦、そしてブラフォードとの水中戦。今回もノンストップで駆け抜けてくれました。この調子だと、あと4話くらいで1部完かな。
それにしても、今回はいつにも増して解説だらけでしたね!スピードワゴンの熱くてくどい実況には笑わせられました。かと思えば、ディオもツェペリさんも負けてはいない。挙句、ついにはナレーターまでもがしゃしゃり出て来る始末!もはやアニメと言うより、紙芝居の領域です(笑)。漫画はコマの流れによって、読者にも時間の流れを感じさせます。だから、長い説明ゼリフでも違和感はありません。対して、アニメはほぼリアルタイムで、視聴者の時間も経過していくもの。そこに解説を入れるとなると、どうしても動きのない止め絵が多くなり、テンポも悪くなっちゃいますね。まあ、それが逆に味にもネタにもなるんでしょうし、原作再現に重きを置くならばやむ無しか。むしろ、あれでも省略してる方かも。

ただ、とっても残念だったのが、圧倒的な悪の大気をツェペリさんに放つディオの「無礼者がッ!」ってセリフがなかった事。入れようと思えば、十分入れられたろうになあ。些細な点ですけど、なんかリズムが狂う感じ。
もちろん、相変わらず名シーン&迷シーンの連続で楽しめましたが、正直、ちょいとパワーダウンした回だったように思います。でも次回は、「LUCK(幸運)」と「PLUCK(勇気)」のくだりやポコの「あしたっていまさッ!」など、極上の人間讃歌が謳われる回なので、今まで以上に期待しています!

(2012年11月7日)




第4話  波紋疾走(オーバードライブ)



エリナとの再会、ツェペリさんとの出会い、そして切り裂きジャック撃破。進行スピードにもすっかり慣れたとは言え、やっぱりイベント目白押しです。今回の目玉は、なんと言ってもツェペリさんでしょう。劇場版やゲームでの小山さんボイスもダンディーなおじさまで良かったけど、塩屋さんボイスは怪しい謎のおっさんってイメージ。声や演技によっても、キャラの異なる面が強調されるもんなんだなあ。塩屋ツェペリは、カッコ良くなりすぎず飄々とした魅力が出ていて、私はなかなか好きですね。
「波紋」の表現は、まあ、可もなく不可もなく。特別「おおっ!」と驚かされるようなものはありませんでしたが、「メメタァ」のシーンはしっかり再現されていました。「波紋カッター」の「パパウパウパウ」も、「人間讃歌は勇気の讃歌」も、「震えるぞハート 燃え尽きるほどヒート」も言わずもがな、見事に名シーンが網羅されております。そういう意味で、ジョジョファンは安心して観ていられる作品ですよね。

しかし困った事に、アニメそのものの感想があまり出て来ないのも事実。「あのシーンが再現されてた」だの「このセリフはカットされてた」だの、原作との比較による感想ばっかり。OPムービーにしても、まさに漫画を動かしてる感満点。本編も完璧に原作準拠。第4話にして、早くもアニメ感想に挫けつつあります(汗)。
ただ、逆に考えると、それこそがスタッフの狙いなのかもしれません。原作ファンと初めて「ジョジョ」に触れる人との橋渡しをし、より多くの人が「ジョジョ」を共有して楽しめるようにする事こそ、このアニメの存在意義なのかもしれません。原作ファンは「あのシーンだ!」「あの擬音だ!」「あのセリフだ!」「あのポーズだ!」とワイワイ盛り上がるワケですが、初めて「ジョジョ」に触れる人も、アニメを観るだけで「あのシーン」「あの擬音」「あのセリフ」「あのポーズ」をほぼそのまま体験できるのですからね。アニメでありながら漫画に近付けているのは、きっと「あえて」なのでしょう。原作「ジョジョ」は漫画という媒体だからこそ成立している作品ですし。
25周年の記念だし、みんな一緒に「ジョジョ」を楽しもうぜー!!的な娯楽作品である、と受け取る事にしました。アニメならではの表現とか何とか、もうそーゆー理屈は抜きで、漫画を読むように観る事にします(笑)。オールカラー&音声付きで動く漫画!それがTVアニメ「ジョジョ」だ!

(2012年11月2日)




第3話  ディオとの青春



これはスゴイな……。怒涛の勢いと凄まじい迫力に、完全に圧倒されました。あらゆる要素が絡み合い、マジで映画を観てるかのような感動がありました。さすがに3話も見ると、細かい不満とかも「こういうもんなんだ」と割り切れまして、純粋にその世界観に没頭しております。スタッフの気魄と熱もただならぬもので、よくぞここまでまとめ上げたと拍手喝采であります。
まったく無駄のない構成で、吸血鬼ディオとの最初の死闘をキッチリ描き切ってくれました。しかも、EDの尺を削ってまで!もうまるで最終回の如きクライマックスっぷり!いや〜、盛り上がった。手に汗握りました。でも、これだけ詰め込んでも3話掛かるんだから、たった90分で1部完までやった劇場版がいかに破天荒だった事か(笑)。

今回は絵も安定してカッコ良かったので、安心して楽しめました。さらに声優さん達の熱演も加わって、各々の人物が生き生きとしてましたね。スピードワゴンも警察(サツ)のだんなもいいキャラしてるし、ジョースター卿も崇高すぎる。そして何より、ジョナサンの気高さと勇ましさ、ディオの凶悪さと恐ろしさ。ここがしっかりと描かれてこそ、我々は今後、ジョースターの血を継ぐ者の誇り高い姿の中にジョナサンの魂を見、彼らに苦難の道を歩ませる因縁の中にディオの呪縛を見るワケですよ。
原作に敬意を表しすぎなんじゃないのってくらい原作のパワーに頼ってる感もあるんですが、ある意味ではこれが「ジョジョ」アニメ化のベストな形なのかもと思わせるだけの面白さもあります。次回からいよいよ「波紋」も登場し、ますますテンション上がってくれる事を期待しています。

(2012年11月2日)




第2話  過去からの手紙



今回からOP曲が流れました。その名も「ジョジョ 〜その血の運命(さだめ)〜」!「トリコ」並にゴリゴリのアニソンです。そーゆーのは「ジョジョ」には合わないんじゃないかと危惧していましたが……、悪くないじゃん。熱いじゃん。何度も何度も繰り返し聞いてるうち、いつの間にか耳に馴染んでしまった。特に「誇りの道を行く者に太陽の導きを 野望の果てを目指す者に生贄を」って部分にグッと来ます。ムービーも含め、ちゃんとジョナサンとディオの2人が主人公って扱いなのがイイですね!

本編は相変わらずのスピード進行で、もうディオが吸血鬼になる直前まで来てます。全て知ってる自分には面白いんだけど。コレ、初めて「ジョジョ」を見る人は付いて来れてるのかな?こうなると、アニメ単体で面白いのか、原作の面白さありきなのか、判断が難しいな。
今回はちょっと絵が不安定だったように思います。ドアップだとかなりカッコイイのに、遠目だと急にチープになっちゃってた。ジョナサンがゴリラっぽかったです(汗)。ただ、印象的なシーンでカラーリングが変わる演出はグッド!ジョナサンの髪は青から緑に、ディオの髪は黄色から紫に……って具合に。荒木先生流の自由な色使いが、絵をより引き立ててくれます。
そして、ディオが朝日のおかげで九死に一生を得たあたりからエンディングへの入り方も、自然で美しかったですね。ED曲であるYESの「ROUNDABOUT」が、イントロからして最高に渋かった。さりげにEDの絵を変えてるのも好感が持てます。

(2012年11月2日)




第1話  侵略者ディオ



まず、最初に言っておくと、想像していたよりもずっと面白かったです。片時も目が離せないってくらい、食い入って見てました。
絵柄は、原作とはあえて似せない方向なのかと思いきや、意外とイイ感じ。原作1部っぽさを残しながらも、3部以降の画風のエッセンスも取り入れ、アニメ風にうまくアレンジできているんじゃないでしょうか。声優さんの演技も熱い!ジョナサン役の興津さんやディオ役の子安さんも素晴らしいけど、いじめっ子役の声優さんは見事でした。脇役どころか、名前すらないモブのくせに存在感がすげえ(笑)。BGMも映画のように重厚で美しく、各シーンを大いに盛り上げてくれます。
脚本や構成としては、とにかくテンポが良い!つーか、さすがに詰め込みすぎじゃねーかってぐらいの勢いで、めまぐるしく次々と畳み掛けて来ます。なんと、たった1話で少年時代が終わっちゃいました。余韻に浸るヒマもないけど、それでも押さえるべきところはしっかり押さえてくれています。特に、オープニングのジョナサンとディオが交互に描かれるシーンは、2人の対照的な境遇や人生が象徴されていて感動すら覚えました。オープニングと言えば、族長(オサ)の雄姿が全カットされちゃってましたが、これはこれで面白い試みかも。「石仮面」が作中で、終始謎のアイテムとして存在できてる。視聴者も、ジョナサンやディオと同じ目線で「石仮面」の謎を追えるワケです。

ただ、悪い点……ではないんでしょうけど、個人的に残念だったのは擬音表現。せっかくアニメにしたんだから、「文字」じゃなく「音」で勝負してほしかったかな〜。原作をそのまま再現する必要なんて全然無いと思うんですよね。わざわざ再現してくれんでも、原作読むからいいよって言うか。アニメにはアニメの良さがあるだろうし、アニメでしか出来ない事で「ジョジョ」を表現してほしい、「ジョジョ」に挑戦してほしいって気持ちがあります。
まあ、細かい事は抜きで言えば、十二分に満足な出来でした。笑えるし、燃えるし、1部への想いも今まで以上に強まるし。「ビーティー」の矢印や3部以降の「TO BE CONTINUED…」など、荒木ファンをニヤリとさせる小ネタも充実。逆に、初めて「ジョジョ」1部に触れる人に対しては、取っ付きやすく敷居を低くしてくれた印象です。どうにも過小評価されがちな1部が、このアニメをキッカケとして再評価されるなら嬉しいですね。今後も楽しみにしてます。

(2012年11月2日)







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