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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。
ゲームでの設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




ラ・カサ・ヴェルデ (緑の家) / 本体: ドス・サントス
< 「植物」を操作する能力 >





<特徴>
1970年代、本体:ドス・サントスが『矢』で射抜かれた事によって発現したスタンド。
ただしこの『矢』は、1986年にディアボロがエジプトで発掘した6本の『矢』とは別物である。中南米を拠点とする犯罪組織のボス:フェルナンド・アルホーンが、かつてどこかで手に入れた『矢』なのだ。
ちなみに、この時代の中南米にはまだ「スタンド」という定まった名称は無く、もっぱら「驚異の力 (ラ・マラビジャス)」「悪霊 (ファンタスマ)」、あるいは「幽体 (アストラル)」などとも称されていた。


ひげ根をたくさん生やした根菜類に似たヴィジョンを持つスタンド。その体は、水で出来ているように光を透過させる。そして、少しずつ凝固・固体化し、ぼろぼろと木屑を撒き散らす。
木陰にこそこそ隠れながら、姿を現しては能力を操るようだ。スタンド自体が独自の意志を持っているのかもしれない。


「能力」の方にスタンドパワーの大半を費やしており、その分、スタンド自体の「基本スペック」は弱いものと思われる。
恐らく、射程距離が10mほどの近距離型スタンドである。




<能力>
「植物」を操作する能力



射程内に存在する「植物」を支配下に置き、コントロールする能力を持つ。その条件として、スタンド・ヴィジョンが撒き散らす木屑を「植物」に触れさせる必要があるのかもしれない。
『ラ・カサ・ヴェルデ』のスタンドパワーは、地中に埋もれた根や茎に働き掛け、その生長を異常なスピードで促進する。小さな植物も瞬く間に「樹木」と化し、能力をフルに使えば「森」さえも作り出せる。そして、「気根」(地上に出た根っこ)を変質させ、自在に操るのだ。その能力射程は10mほどである。
なお、支配下に置いたとは言え「植物」はスタンドそのものではないため、「植物」へのダメージは、当然ながら本体:ドス・サントスにはフィードバックしない。


『ラ・カサ・ヴェルデ』の支配下に置かれた「植物」は、南米ペルーの熱帯雨林に分布する植物に似た姿へと変質していく。あるいは、サントスが望む植物に変える事が出来るのかもしれない。
作中では、クワ科イチジク属の常緑高木に変えていた。この植物は、日光を巡る生存競争が過酷な原生林に適応した植物である。他の植物や岩の基質に巻き付き、宿主植物を絞め殺す性質を獲得している。「絞め殺しの木」と称されるガジュマルやストラングラーフィグ等に類する植物なのだろう。『ラ・カサ・ヴェルデ』の能力は、その恐るべき性質・生存本能をより強力に凶暴に引き出し、利用するのである。


「絞め殺しの木」と化した植物の「気根」は、床や天井を食い破り、貫き、建物を覆い尽くしてしまうほどに生長。そして、獲物に巻き付いたり、攻撃を仕掛けたり、足場を作ったり等、様々な用途で使われる。パワーも強く、殺人も容易い。人体をキツく締め上げて殺すだけでなく、口内に大量の「気根」を詰め込んで窒息死させる事も出来る。
もっとも、無数の「気根」全てをサントスがいちいち意識的に操作しているとは考えにくい。『ラ・カサ・ヴェルデ』のヴィジョンがサントスの意思や感情を察知し、彼に代わって「気根」をコントロールしているようだ。ただし、サントスが直接コントロールしたい「気根」があれば、もちろんそれも可能である。
明確な描写は無いが、「気根」は強大なスタンドパワーを受けて生長したものであるため、スタンドにも干渉できる可能性が高いだろう。


「気根」は次の6種類に大別され、それぞれ性質や役割が異なる。

 ・「捕獲根」 : 獲物に襲い掛かって巻き付くベーシックな「気根」。ごつごつと節くれだって幾重にも絡み付き、筋組織のようになっているため、見分けやすい。
 ・「防衛根」 : サントスへの攻撃を守り、足場にもなる「気根」。
 ・「支柱根」 : 木の幹に巻き付いて、その強度を上げる「気根」。
 ・「呼吸根」 : 攻防に関わらないで放射状に伸びるか、下垂して森に酸素を取り入れる「気根」。通気組織であるため、ひげや巻きひげを生やしている。
 ・「同化根」 : 捕縛した者を木の幹に縛り付けて同化させる「気根」。
 ・「助手根」 : 捕獲根を助けて鞭のように獲物を打ったり、逃げ足をさらったりする「気根」。


6種類の「気根」のうち、とりわけ特徴的なのが「同化根」である。
この「同化根」に捕縛された生物は、そのまま搦め取られて幹の表面にめり込むように同化させられてしまう。そして、木の養分となるのだ。より多くの生物のエネルギーを取り込むほど、その「植物」「樹木」はより強靭に生育する。単純な栄養や生命エネルギーのみならず、恐らくスタンドパワーをも吸収して強くなっていくだろう。


能力を解除しても、繁茂した木々はそのまま残り続ける。元の状態に戻るワケでも、朽ちて枯れていくワケでもない。
能力射程10mを超えてしまった部分も残り続けるため、「気根」を10m以上伸ばす事も可能となる。実際、作中でサントスは、自身を地上数十mもの高さにまで運んでいた。即ち、10mという能力射程はあくまで、「樹木」や「気根」を動かす事が可能な距離、という意味でしかないのだ。
また、以前「同化根」によって取り込まれた警官達の姿が残されていたという事は、能力を一度解除し、次に再び発動させた時、前に使用した「植物」「樹木」を再利用する事も出来るという事である。そうすれば、強靭に育った「樹木」を即座に使えるので、再育成の手間も省けるのだろう。能力を解除している待機時、いずれ再利用したい「樹木」については、普通の木のようにそこらに生やしておくか、あるいは地中かどこかに隠すかしてストックしていると思われる。


恐らくサントス本人は、自分にこの『ラ・カサ・ヴェルデ』が発現した理由を、「裏社会」という森と同じ厳しい生存競争の世界に生きているからだと考えている。それも決して間違いではないのだろうが、それだけではない。サントスは家族ともすでに縁を切っている。だがしかし、過去の全ての想い出を断ち切れていたはずもなく、事実、アルホーンによって家族を皆殺しにされた際には心を大きく乱していた。
家系図を英語で「Family tree (ファミリー・ツリー)」と言うように、「樹木」は血の繋がりの象徴でもある。彼のスタンド『ラ・カサ・ヴェルデ』は、そんな彼が家族に対して長年抱き続けてきたであろう、複雑で割り切れない深い愛憎そのものなのかもしれない。『ラ・カサ・ヴェルデ (緑の家)』という名前も、それを示しているかのようである。




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