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管理人!ルッカへ行く 2
~ マエストロは賑やかに迎えられる ~




その⑬


<2019年 10月31日(木)>
本日は「LCG」2日目。荒木先生のイベント3連チャンの日。そして、私にとっては、この旅のクライマックスと言っても過言ではない一日となります。
朝8時、ホテルをチェックアウトし、約束通り送迎サービスでルッカ市街地へ!昨日の客は私だけだったんですが、今日の客はトータル5人。イタリア人コスプレイヤーの女性陣で、なんと花京院のコスをしてる人までいます。あとは「シュタゲ」のクリスもいる。は~、面白い事もあるもんだ。

幸い、道路の通行止めなども無く、車はスムーズに走行。無事、10分程度で着きました。ドライバーの兄ちゃんと別れの握手を交わした後は、脇目も振らずにテアトロ・デル・ジリオへ急ぎます。11時からのライブ・ドローイングのイベントのチケットが、9時から配られる事になっているので。……しかし!テアトロ・デル・ジリオに続く通りの方からズラァ~~~~ッと長蛇の列が伸びていました。猛烈に悪い予感……。列に近付いて確認してみると、やっぱ「ジョジョ」コスしてる人達もいっぱい。間違いなく、荒木先生のイベントのチケット列だ。うわ、マジかよ!これはもう、昨日の比じゃないね……。軽く絶望しました。
とりあえず諦めずに並びます。列は思っていた以上に早く進み、この分ならすんなりチケットももらえるかな……と期待も膨らんでいきました。ところが……、もう30~40人くらいってあたりで、「アラキのチケットはもう無くなった」との冷酷なる通告ッ!!周囲に落胆の声が溢れます。私も白目を剥いてブッ倒れそう。最悪だ、なんてこった……。先生が絵を描く姿、観たかったのに……。これだけは見逃したくなかったのに……。正直、まだ心のどこかで甘く見てたんだと思います。ワイはアホや……。そんなマヌケな油断が招いた決定的敗北。一気に老け込みました。



今日も装着


ファッ!?


ウソ…だろ……?




老化するマサさん



早くも心がポッキリ折れちゃいそうですが、今はまだ泣いてる場合じゃありません。すぐさまサン・フランシスコ教会へ向かいます!そこでお昼の2時からトークショーが開催される予定で、チケットを9時から配っているのです。そっちに賭けるしか無いッ!……っていうかさ、なんでどっちも9時からチケット配布なんだよ。厳しいって。
はやる気持ちを押さえながら歩き、教会に到着。すると、ここも長蛇の列!愕然としました。希望は… ないのか………。コミックス売り場の方にもけっこうな行列が出来てたから、うまく人がバラけたかなって思ってたのに……。いや、ハナッからこっち狙いの人もいるんだろうしな。もう、こりゃマジで無理かも。惨めな気分で列に加わりました。雨まで降り出してきて、いよいよもって泣きたい。しかし、そんな私の切ないハートとは裏腹に、列はじわりじわりと進み……、なんとチケット入手に成功しちゃったのです。それも、残り枚数的にかなり際どいギリギリのラインで。嬉しいとかいうより、とにかくホッとしました……。良かったよ~……。



茫然自失……


おやおや?


進んでるぞ


チケットGET!



まだ何も始まってすらいないのに、すでに心身はヘトヘト。休憩したり、軽くメシを食ったり。そして、時間はだいぶ早いけど教会前に戻り、おとなしく並ぶ事にしました。
すると、列に並んでいた人達が、なぜかみんなして教会に入って行くではありませんか。おっ、さすがは教会。哀れな子羊達を外でじっと待たせたりはしません。比較的前方の席を押さえ、座ってゆっくり待とうじゃないかと思っていたら……、ここで予想外の展開が。突如、コスプレイヤー達による「ジョジョ立ち教室」が開催されたのです!なるほど、待ち時間だろうと退屈はさせないって事か。2007年の青山学院大学での荒木先生講演会の時も、開演前に「ジョジョ」クイズ大会とかやったしな。そういう余興なんでしょう。
いわゆる「ジョジョ立ち」について言えば……、私個人としましては、荒木先生が描かれた絵を観るのが好きなだけであって、自分がやるのもやってる人を見るのも大して興味はありません。ただ、こうやって海外のファン達が楽しそうにしてる姿を見てるのは微笑ましい。ジョジョ愛、荒木愛に満ちてるね!



さっさと並ぶ


教会の中へ


ジョジョ立ち教室




和気あいあい



さて、ひと通り「ジョジョ立ち教室」も終わり、トークショーの時間も近付いて参りました。……ところがどっこい、何やら雲行きが怪しい展開に。スタッフに何か言われて、みんな教会から出て行っちゃった。スタッフに訊ねてみると、要するに「ジョジョ立ち教室」と荒木先生のトークショーは別イベントだから、トークショーが見たいんなら外に出て並び直せと言うのです。……は?正気ですか?
外に出て、トークショーの行列を確認すると、これがちょっとハンパじゃない長さ!何だ、そりゃ!せっかく早く来て並んだってのに、完ッ全に無駄になったじゃねーか。もう~~~、紛らわしい時と場所で紛らわしいイベントやるなよ~~~~~……。ちっとも微笑ましくねえ~~……。さっきからイタリアに翻弄されっぱなし。うんざり&ゲンナリの極地。海外1人旅なんてするもんじゃあねーな~~~。逆恨みも多分に含まれてはいますが、憤りと悲しみで今にも泣きそうです。



挫ける……




その⑭


悔やんでも悔やみ切れない、あまりに手痛いミス!無慈悲なる現実に打ちのめされ、再起不能(リタイヤ)寸前!!……とは言え、チケットをゲットしている以上、トークショーを見られるという事実に変わりはありません。今となっては、もはやそれだけが救いです。
結局、かな~り後方の席になっちゃいました。先生が先生である事が辛うじて分かる……かな?ってぐらいの距離。その上、2時からスタートのはずなのに、もう20分も押してる始末。ルーズだよなぁ、つくづく。「ジョジョ立ち」やるのも結構だけど、それよりもとっとと会場開いた方が良かったろ。



やっと入れる


先生が遠いよ



やっとこトークショーの開幕です。ここに辿り着くまでに疲弊しまくって、すっかり荒み切った私。
しかし、結果から言ってしまいますと……、いざ始まってしまえば、心底素晴らしい最高の時間となりました。荒木先生……、いやさ、マエストロも、昨日のド緊張がウソのようにリラックスして話されていました。2日目って事もあるし、11時からのライブ・ドローイングもあったから、だいぶ馴染んでこられたのでしょう。終始、会場は和やかなムードで、拍手と笑い声が絶えない幸福の空間でした。マエストロ降臨と退場の際は、正に轟音と呼ぶに相応しい万雷の拍手と歓声!みんなでスタンディング・オベーション!凄まじかった。

というワケで、今回もトークショーでの質疑応答のおおまかな内容を書き記していこうと思います。
トークのテーマは「荒木飛呂彦とメイド・イン・イタリー」。愛するイタリアについて、マエストロが情熱的に語ります。ちなみに、今回も写真撮影は禁止でした。


Q1.マエストロはルッカに来た事があるのかい?
「10年前に、プッチーニ(ルッカ生まれの作曲家)の観光でルッカに行った事があります。
 今日はこんな素晴らしい教会の、伝統ある場所でみなさんにご挨拶できる事を感謝してます。ありがとうございます。」



Q2.「ジョジョ」5部の舞台をどうしてイタリアにしたんだい?
「イタリアに旅行したいなーって思って、設定もそういう感じに、楽しく。先にイタリアに行きたいって気持ちで始めました。
 観たり、ごはん食べたり、そーゆーのしながら、それが仕事になったら幸せだろうな、と。」



Q3.イタリアのどういうところに影響を受けたんだい?
「影響は、美術館とか。料理とかも、黒い食べ物でイカスミのスパゲッティーとか、そういうスゴい物がたくさんあって。
 ぼくは料理もしますので、今日はみんなどうやって作るのかなって逆に聞きたい。みなさん、お願いいたします。」
「聞きたい事あるの。ペペロンチーノって、ニンニクをどういう風に調理するのが正しいのか?
 スライスするのか、みじん切りにするのか、磨る(する)のか、潰すのか?ぼくはみじん切り。」


「ぼくはみじん切りで、日本のダシを入れるの。」と、マエストロ流調理法を語る。
すると、会場中「ええ~~!!」「ダメだよ~!」みたいなリアクション(笑)。マエストロ、タジタジ。

本場イタリア流のレシピを詳しく聞き、
「あ~、そうなの?ダシ入れないの?」
「塩とオイル……、えっ、塩も入れないの!?トウガラシは!?」
みたいな事を言ってたような……。

そして……、
「よく分かりました。スゴイっスね!
 そういうところから発展して、ボッティチェッリ
(? 市販されてるパスタソースの事?)にしたりとかやってます。トマトソース入れたりとか。
 そういう事がマンガの役に立つんですよ。」



Q4.どうしてナポリを物語のスタート地点に選んだんだい?
「ナポリは……、ポンペイの遺跡だとか、基本なのかなと。イタリアの基本の街なのかな、と。
 その街で出発したら素晴らしいのではないかと思ったので。」


さらに、マエストロからナポリのピッツァについての質問も。
「薄いのがいいのか、もちもちなのがいいのか、どっちなんスかね?
 ……もちもちが正しいんだ!おいしい。ぼくは作れないですけど。」



Q5.カプリ島についても聞かせてもらえるかな?
「カプリ島は、ローマ皇帝の3代目のティベリウスが篭もって生活した島と聞いてますので。
 30年40年そこで生活して、誰も信用できなくて、周りも家族も信用しない孤独感が悲しいというか。そこが魅力。
 美しい風景の中にある悲しさが、スゴく好きなところ。素晴らしいな。」



Q6.それじゃあ、ポンペイはどうだい?
「一瞬のうちに閉じ込められたという火山の驚異と、当時の生活感がそこに表れていて、スゴくロマンを感じます。
 マンガの舞台にするのにピッタリかなと思った。」



Q7.マエストロはイタリアの彫刻も好きなんだってね!特に好きな作品は何だい?
「日本で「ジョジョ立ち」と言われてる「ポージング」ってのがあるんですけど、「ポージング」ってのは記憶に残るポーズなんですよね。
 それを勉強したのがローマとフィレンツェの彫刻。
 特に、ベルニーニの『アポロとダフネ』は捻じりながら植物に変身していくんですよ。
 あれはホントに「ジョジョ」の世界にピッタリなアイディアの作品です。」



Q8.……に行く前に、またまたマエストロからの質問が飛び出した!
「イタリア人に謎があって。日曜日とか階段に座ってる人よく見るけど、階段で何してんの?」

「太陽の光を浴びてるぜ!」的な回答だったようで、
「何?マンガ読んだりしてないの?マンガどこで読むの?日本人は電車とかでも読んでるよ。」

「家で読んでるぜ!」的な回答だったらしく、
「階段で読めばいいのに……。」



Q8.マエストロはイタリアのどんなところに魅力を感じてるんだい?
「夢のような、ファンタジーのような。ぼくの国から見るとファンタジー・ワールドのような。
 あり得ない歴史とか、航海時代とかを持っている、素晴らしい所です。ミステリーです。」



Q9.国や人種を超えて作品が愛されてる事はどう感じてるのかな?
「ぼくはあまり、何人(なにじん)に向けて描いてるとかは特に無いんですが、
 やっぱり人間の悲しみだとか、生きてる事の素晴らしさとかを描いてる事が理解していただけているのが、ホントに嬉しいです。」
「30年マンガを描いてきて、ルッカに呼んでいただけた事を光栄に思ってるんですけど、逆にどんなところが好きなのかな?っていう。
 30年経って、どんなところを好きになってくれて読んでいただけているのかなって、ぼくの方から聞きたいです。」



Q10.イタリアのファッションについてはどう思ってるんだい?
「何もかも素晴らしい、と。ファッションって、特にイタリアのものは、新しいものと伝統的なものを組み合わせてきてるブランドやお店が多いと思うんです。
 ローマ時代のものであったり、そういうのを現代的に新しくアレンジしてるところが。勉強させていただいてます。」




ここからは、またもや来ました!来場したファン達からの質問コーナー
しかし、ただでさえマエストロの回答から質問を想像してるだけなのに、会話までされちゃうもんだから、余計に分からなくなってしまう。ですんで、質問内容が合ってる自信はまったくありません(汗)。完璧にフィーリングで書いてます。あしからず。


Q1.美味しいスパゲッティーの作り方、分かりましたか?
またレシピを確認したり教わったり、
「白ワイン入れて。」「ダシ入れる。」「ダシは入れないの?」的な事を話しては、会場中に「ええ~~!」ってリアクションされたり。
そんな感じでした。


Q2.またイタリアを舞台に「ジョジョ」を描いてもらえませんか?
「検討してみます。また取材に来たいので。」


……ここで何やら有名人っぽい男性が登場。イタリアの人気マンガ家とかかな?その人からの質問。
Q3.昔のキャラクターを描かれると、当時の絵柄とはずいぶん違っちゃってますよね?
「絵がだんだん上手くなっていったの。最初、ちょっとヘタだったから(笑)。」


Q4.そうだ、ボクのスタンド紹介しましょうか!?……なんてジョークはお嫌いですかね?
「嫌いじゃない嫌いじゃない!(笑) スタンド、どんなの持ってるんですか?」

「いろんなジュースを作れちゃうスタンドですぜ!」的な回答だったのかな?
「何のジュース出来るの?アップル出来る?アップル!」


Q5.ところで、ずっと気になってるんですけど、『世界(ザ・ワールド)』の背中に付いてるボンベって何なんですか?
「あれ、(止まった)時間の中で息が出来るの。」
……そして、謎の有名人の質問タイムは終了。


お次の質問は、中国人らしき女の子がたどたどしい日本語で精一杯頑張って質問してくれました。
その要旨をマエストロが通訳の人に伝え、それを通訳がイタリア語に翻訳してファンに伝えるという、変則的な流れに。
Q6.マエストロは自分の作品でお気に入りのセリフはありますか?
「ありますね。……『だが断る』。」

もちろんみんな大爆笑。その上、イタリア語バージョンを教えてもらったようで、それもご披露!
『Mi rifiuto (ミ・リフィユトゥー)』
みんな大喜びでキャッキャしてました。


Q7.ディアボロの結末が嫌いなんですけど、どうしてああいう形になったんですか?
「嫌いなのか~。そっかぁ~。……嫌いなの?嫌いなのかぁ~~。イヤなの?ゴメンね!
 う~~ん……、悪いヤツなので、みなさんに印象的に示したいかな、と。」



Q8.ナランチャの死に方、あっけなさすぎじゃないですか?
「「ジョジョ」は、生きてる事の悲しみを描きたいんですよ。
 本当は幸せになるはずだったのに、運命でそこに向かわないといけない。その悲しみを描写したかった。
 だから、死ぬとしても、美しい心を残せば、仲間とかに……。そういうのを描きたかったんですよ。」



Q9.ブチャラティの胸のアレはタトゥーなんですか?
「あれね、レースになってるの。スケスケの下着、シースルーの下着。模様が入ってて。
 タトゥーじゃないの。模様模様。」



Q10.イタリアの絵画はどんなのがお好みですか?
「イタリアはやっぱルネッサンス。でも、ローマのヤツも好きですね。
 あと、現代だとジョルジョ・モランディとか好きです。」



Q11.「LCG」というイベントをやってるルッカをどう思いますか?
「まず、こういう伝統的な所でマンガをやるっていうのが、ぼくから見ればビックリして。ミスマッチっていうか。
 だから逆に、本当に伝統を重んじるイタリアのセンスが出てて、大変素晴らしいと思います。
 またもし呼んでいただけるなら、機会があれば、また来たいと思います。ホント、素晴らしい街です。」



Q12.キャラクターと母親の関係性が重要だと思ってますか?
「そうですね、鋭い。やっぱりお母さん、母親なのかな、と。
 「ジョジョ」のキャラクターの性格を一番方向付けるのは母親なのかな、と思うんですよ。
 まぁ、父親とも本当はあるんですけども、その部分は普通の事としてあるので、描きたい事はありますけど隠すの。
 母親を重点的に描いてます。」




こうして、大盛り上がりでトークショー終了。今回は幅広い内容だったから、昨日以上に面白く話を聞けました。日本のイベントではそうそう無いだろってぐらい、ファンからの質問に多くの時間を割いてくれて有り難い限り。おかげで、私も聞きたかった「またイタリアを舞台に」って質問の回答も得られたしね。
それと、後にTwitterがザワついた『ザ・ワールド』のボンベブチャラティの下着の件。ボンベについては、本当にあれが機能してるっていうよりかは、そういうイメージ・モチーフとしてデザインしたって程度のものと思います。ブチャ下着については、ヤク中のガキの腕を取り外す時にアレもズレてたので、私は一度もタトゥーだなんて考えた事は無かった。アニメでは作画の負担を減らすためにタトゥーにして固定しただけでしょ。むしろ、その事をマエストロ自身が忘れて「あれはタトゥーなんですよ」とか言い出さなくて安心しました(笑)。




その⑮


トークショー終了後は、一目散に教会脱出ッ!4時から、街の西の外れにあるサンドナートっていうメイン・ステージにて、マエストロからファンに向けて最後のご挨拶があるのです。そのイベントはチケット不要なので、とにかく早い者勝ち。急がないと!4時まで残り30分程。教会からは後方の席から順に出られたので、その分、私は有利になりました。皮肉なもんです。
重い荷物を抱えての長距離移動はしんどいけど、ここは頑張りどころ。その甲斐あって、ステージではかなり前方にまで食い込めたのでした。ようやく運も向いてきたッ!
ステージではアニソンのライブ中。日本の昔のアニソンが熱唱され、その映像がバック・スクリーンに映されています。「北斗」とか「ルパン」とか、あと女の子向けのとかね。中でも「星矢」の曲が来た時は、私も大いに盛り上がって一緒に歌いました(笑)。



急げや急げ


ステージは遠い


街の外れに出た




多分もうちょい




おっ!


ステージだ!


アニソンライブ


ペガサス幻想



4時を回ってもまだライブは続きました。前方には荒木ファンが多く詰め掛けてるもんだから、「早くマエストロを出せ!」と言わんばかりに、一部でアラキコールが巻き起こります。おいおい、気持ちは分かるけどやめとけって。アニソンのアーティスト達に失礼だろ。
ライブが終了すると、ステージ上にイスなどがセットされ始め、観客のボルテージも高まる一方!アラキコールセンセイコール、さらにはアニメ「ジョジョ」のOP曲をみんなで熱唱!あまつさえ、聖ブチャラティの肖像パネルを掲げて崇める連中まで現れた。カオスすぎる……(汗)。



聖ブチャラティ



そして、司会のおっちゃんの紹介で、またまた『マエストロ』 イロイコ・アラキ降臨……ッ!!ステージは興奮と熱狂のるつぼ!再びアラキコールが巻き起こる!私も負けじと、日本からずっと身に付けてた「和の守り」を高く掲げて、存在をアピールしてみました(笑)。ちょっとでも気付いていただけてたら嬉しいんだけど。
例によって、マエストロの他には編集2人と通訳1人も一緒。みなさん用意されたイスに腰掛け、とうとう最後のイベントがスタート!なお、ここでもやっぱり撮影禁止でした。司会の質問も、もちろんフィーリングで書いてますんで、実際はまったく違う事を言ってた可能性もあります。


「やあ、マエストロ!まずは、ファンのみんなに挨拶をお願いできるかな?」
「もう、「ジョジョ」を描いて30年。で、ルッカという素晴らしい街に呼んでいただいて、ホントに光栄でございます!
 みなさん、扮装していただいて、とても嬉しいです!」



「海外のイベントに出演するのは初めてなんだって?実際に出演してみてどうだったかな?」
「うん、ホント初めて。こんな(イベント)……。
 海外の方がどういう風に読んでるとか、まったく分かりませんでしたので。なんか、こう……、愛が伝わってきました!
 ぼくの愛も、伝わっているといいと思います。」



「ちょっと待ってよ、みんな大興奮じゃないか!マエストロの愛、伝わってるね!こんな彼ら、どうだい!?」
「ファンはホントに……、なんかみなさん、熱い……。
 みんな、しかもね、なんか……、ステキ!好きです!」



「この「LCG」っていうイベントに対して言いたい事はあるかい?」
「「ルッカ・コミックス」、ホントありがとう。
 50年もやってるって初めて知ったので、スゴい伝統があってイイね!っと思います。」


「あとね……、イタリア語、覚えたの。イタリアに来て、1つ単語覚えました。
 …………『Mi rifiuto (ミ・リフィユトゥー)』

 これは今後、マエストロの持ちネタになりそうな勢いで、みんな大喜び。私の周りからも「ダガコトワル!」って声が聞こえてきました(笑)。


「おっと、あっと言う間にお別れの時間だ。マエストロ、最後に一言いいかな?」
「ホントにこの度、こんな素晴らしい所と……、こういう、みなさんと同じ時間を共有できて、本当に幸せでございます!
 30年「ジョジョ」を描いて良かったな、と。
 また来ますので、よろしくお願いいたしますッ!ホント。」



ステージは短い時間でしたけど、その言葉の1つ1つからマエストロの敬意や感謝や愛情が伝わり、本当に胸に迫るものがありました。特に最後の挨拶なんて、わざわざ立ち上がって、我々ファンの方をじっくりと見渡し、手を振り、笑顔を浮かべながらしてくださって。声もちょっと震えてて、マエストロとしても万感の想いが溢れてきたんだろうなぁって……。ステージから去る時も、最後にもう一度振り返って、みんなに手を振ってくださいました。
マエストロの言葉はもちろん、一挙手一投足にも、とにかくジ~~ンと来ました。こういう方だからこそ、世界中から愛されリスペクトされているんだと、心で理解できましたよ。海外のファン達も、マエストロが何か発言する度に拍手喝采だったもん。この一体感、楽しかったな。本当に来て良かった。荒んだ心も癒やされた。全てが報われた。色々あったけど、それでも今は満足。清々しい気持ちになれました。ありがとう、マエストロ・アラキ!



終了直後のステージ


余韻が残る会場



―― これにて、私にとっての「LCG」は全て終了ッ!!結局、日本人らしき荒木ファンの姿は、2~3人の女性を見掛けたくらいでした。そう改めて考えると、レアな体験が出来たよなぁ~。
あとは、ルッカ駅からフィレンツェへ。プラットホームが、フィレンツェから来た時に降りた場所と真逆の位置にあるため、わざわざ鉄橋を渡って回り込まないといけません。要注意です。列車は「LCG」帰りの人達で埋め尽くされたものの、席は確保。途中、帽子にグラサン、「紳士(hentai)」と書かれたマスクを付けた怪しすぎる男が隣に座ってきましたけど、どうにか事なきを得ました。

夜7時、フィレンツェに到着。飲み物と食料を買い、そのままホテルにチェックイン。フィレンツェでは毎回お世話になっている、駅近くのホテル「BONCIANI (ボンチアーニ)」です。
部屋で休んでいると、突如、隣の部屋から「キャァァアア―――ッ!!」という女性の悲鳴・絶叫が響いてきました。ビックリした~。殺人鬼でも現れたのかと焦りましたが、あとから笑い声も普通に聞こえてきた。何なんだ?虫でも出たのかな?やれやれだぜ。



さらば、ルッカ




駅は大混雑




フィレンツェ帰還




ワッフルも買った


ホテル「BONCIANI」




その⑯


<11月1日(金)>
帰りの飛行機は明日の便。つまり、今日が実質最終日となります。ところが、荒木先生のイベントを終えて緊張の糸がプッツリ切れちゃったのか、どうにも体調がよろしくない。熱とか咳とかじゃなく、単純に溜まってた疲労が一気に襲って来たって感じ。こりゃあ、あまり無理はしない方いいな。
ホテルをチェックアウトし、駅に向かいます。そして、おなじみの「フレッチャロッサ」のビジネスクラス。目的地はローマ!帰りの飛行機が出る場所って理由ももちろんありますが、6年前の「借り」を返しに行くのです。6年前に行った時は、コロッセオも「真実の口」もただ見るだけ。「トリトーネの泉」に至っては、工事中で見る事すら叶わずというオチでした。(詳細はこちら) その無念を、今こそ晴らす。そう、これはローマ・リベンジなのです。


1時間半程の列車の旅。朝10時頃、およそ一週間ぶりにローマテルミニ駅へと降り立ちました。あれはほんの一週間前なのか……。なんだか、随分前の出来事みたいに感じるよ。この一週間、濃密すぎたな~。
まずは、一週間前にも泊まったホテル「Windrose(ウインドローゼ)」に行き、荷物を預かってもらいました。無論、今夜も宿泊します。身軽になったところで、さっそく「トリトーネの泉」に向けて歩き出しました。こうやってローマの街を歩くと、やはり今までのどの街とも異なります。ナポリ、フィレンツェ、ルッカ、そしてローマ。街ごとにそれぞれ、町並みも空気も何もかもが違う。今回は行かなかったけど、ヴェネツィアなんて最たるものだし。そういう街の「個性」や「キャラクター」がどれも立っているからこそ、旅をしてても面白いし、荒木先生もイタリアを「ジョジョ」の舞台にしたってワケですね。
「トリトーネの泉」に到着!おおっ、工事はしてない!やっとお会いできましたよ。まさしくここが、ジョセフとシーザーがケンカした場所……!残念ながらハトの姿はありませんでしたが、原作通りの形をしている彫刻に感動。コロッセオや「真実の口」は紛いなりにも見る事は出来ていたので、完全に初見となるここが一番嬉しかったかも(笑)。ちなみに、観光客はちょこちょこ来てました。



テルミニ駅




またよろしく


あれはッ!




トリトーネの泉




裏側





続いて、コロッセオを目指します。今回は確実かつ効率的に入場できるよう、事前にチケットも購入済み。ただ、入場時間が決まっており、その時間まではかなり余裕があります。体調も優れないので、急がずに、休憩も挟みながら歩きました。
その途中、トレヴィの泉ヴィットリオ・エヌマエーレ2世記念堂も通過。ああ、懐かしい。変わってないなー。記念堂からは作中でのブチャラティ&セッコと同じルートで、トラヤヌスの記念柱フォロ・ロマーノを横目にまっすぐ進み……、とうとうコロッセオ師匠のお出ましですッ!



しばし歩き……


奥に進むと


トレヴィの泉


激混み


今日は暑い


記念堂



記念柱



なんかの遺跡



フォロ・ロマーノ



向こうに見えるは
コロッセオ!





その⑰



ローマが存在する限り、変わりなくそこに在り続けるコロッセオ。6年前と同じように私を迎え入れてくれました。ローマどころか、イタリアのシンボルとさえ言えますからね。神聖さすら感じさせる存在感は、まさに2000年という歴史の重みそのもの。その横には、アニメ版で描かれていた八角形の緑色の売店も建っており、アニメの聖地巡礼をしたい人にとってはここも重要なポイントかな。
そして、コロッセオと並び立つのがコンスタンティヌスの凱旋門。6年前に苦い経験をした場所なので、十分に気を引き締めていきましょう(笑)。
それにしても、相変わらずの人、人、また人。スッゲー混雑です。しかし、私にはチケットがある!コロッセオは、チケットを持っている人と持っていない人とで入り口が別になってて、持っている人は悠々と入場できるシステム。持っていないで並んでいると何時間も待つハメになるので、チケットは事前購入がベストです。本当に雲泥の差。荷物チェックをクリアすると、あっさりコロッセオ内部に入れました。



コロッセオ到着!


左手には……


売店も!


この存在感


そびえ立つ





凱旋門





右:チケット無し列
左:チケット有り列





余裕で入場




コロッセオ内部は各自自由に見て回る事が出来ます。私はもちろん、「ジョジョ」や荒木先生に関係する場所を中心に探索!
ナランチャが殺されたアーチの鉄柵は、原作みたく上側に設置されてはいませんが、それっぽいムードのを撮影しときました。2階に続く階段も、思いのほか見付けるのに大苦戦。内部の構造というか、マップを知らずに来ちゃったからな~。ディアボロ登場シーンや『レクイエム』が下りていくシーンなどを思い浮かべながら、階段を上っていきました。これまた原作そのまんまのビジュアルとはいかないまでも、雰囲気で感じ取れたら勝ちなのです。
また、2階でのポルナレフ vs ディアボロのポイント付近からは、ジョルノ達の進入路ブチャラティが倒れた場所といった重要ポイントを見下ろし、感慨に耽りました。



コロッセオ内部!




念願叶った




十字架




賑わってます




アーチの鉄柵


2階到着




2階からの眺め




重要ポイント




ディアボロ?


レクイエム?



コロッセオにおける個人的メインは、何と言ってもコミックス61巻著者近影で荒木先生が写っていた場所。同じポイントを探し、ついに発見ッ!ここにかつて先生が立っていたんだなぁ……。
しかし、帰国してからよくよく見比べてみると、アングルが微妙に違う事に気付きました。もうちょい斜め上から見下ろすアングルで撮るべきだったか~。しくったー!でも、まぁ、とりあえず良しとしておきます。



61巻著者近影


同じポイント





無事にコロッセオ巡礼を終え、凱旋門でボッタクリ被害に遭う事もなく、次の聖地へと向かいます。
作中でジョルノ達が『レクイエム』を追って行ったのと同じルートを辿り、やがて着いたのはサンタ・マリア・イン・コスメディン教会。この教会の中にあるのが「真実の口」。当然、行列が出来ていましたが、30分程で私の順番となりました。寄付としてコインを1枚支払い、「真実の口」の中に手を突っ込みます。隠し階段を開くための秘密のスイッチが無いかと上の方を入念に調べてみましたが、それらしい物は見付からず。てか、思っていた以上に「口」の中は浅かった。



サン・グレゴーリオ通り




なんかの建物


水道橋




チェルキ通り




見えてきた




教会


並ぶ




真実の口





めでたくローマ・リベンジ達成ッ!本当なら、ここからさらに足を伸ばし、サンタンジェロ橋を再訪。そして、ヴァチカン市国にも行ってみるつもりでした。システィーナ礼拝堂のミケランジェロの壁画とか、サン・ピエトロ大聖堂の同じくミケランジェロの「ピエタ像」とか、可能であれば拝んでみたいと考えていたのです。あと単純に、自分の足で国境をまたぐという経験をした事が無いんで、ここでやってみたかったんです。……いかんせん、この体調。これ以上動き回って、本気で寝込んでしまっても一大事です。今回は諦めた!
ホテルに帰るべく、テルミニ駅方向に向かいます。その途中で、大勢の警官達の姿。何か事件でもあったのか?すると、前方より謎の大行進が近付いて来ました。カーニバルでもやってんのかと思いましたが、どうもそういう感じでもなさそう。別に危険な雰囲気ではないし、よう分からんけど、恐らくデモの行進だったっぽい。いきなりの展開に面食らいました。ただ歩いてるだけでも何かしら起こるよな~。
……で、テルミニ駅で飲み物や食べ物を適当に買い込み、ホテルにチェックイン。回復に専念し、ひたすらゆっくり過ごします。こうしてイタリア最後の夜は更けていくのでした。



警官だ


おやっ?


!?


何事……?


テルミニ駅帰還




その⑱


<11月2日(土)>
あとはもう帰るだけ!ゆっくり休養したおかげで、体調もそこそこ回復しました。
ホテルをチェックアウトし、テルミニ駅へ。レオナルド・エクスプレスのチケットを券売機で購入。券売機を使うのは5年ぶりだったせいか、ちょっと苦戦しましたけど。なんかうまく行かねーな~って思ったら、現金NGの機種でした(汗)。それと、近くの券売機にいたおっさんがジプシー風の女に声を掛けられたら、急に激昂して怒鳴りまくったのでビビッた。
電光掲示板のそばに座って、レオナルド・エクスプレスのプラットホーム番号が表示されるのを待ってたんですが、一向に表示されず。心配になってググッてみたら、レオナルド・エクスプレスは23と24のホームで固定されているっぽい。う~ん、最後まで翻弄されとるなぁ。
ようやくレオナルド・エクスプレスに乗って、フィウミチーノ空港に到着。とっととチェックインを済ませます。その際、翻訳アプリで調べた「Vorrei un posto sul lato corridoio (通路側の席を希望します)」という文面をカウンターの人に見せたところ、「OK、OK」って感じで、無事に通路側の席を押さえる事に成功。よしよし。


そして、出国の手続きも全てクリアし……、お昼3時過ぎの飛行機で日本に向けてテイク・オフ!
機内では、ひたすら寝てました。座席備え付けの娯楽設備の使い方がさっぱり分からず、「テトリス」も出来やしません。隣に座ってた日本人夫妻も困ってました。故障してんのか?テーブルも壊れてて傾いてるしさ。
私は海外旅行する時はいつも、「日本に着くまでは日本食は食べない」というマイ・ルールに従ってたんですが……、正直、今回はもはや限界。機内食で、普通に日本食を選んじゃいました。日本食と呼んでいいものかちょいと疑問ではあるものの、和風の味付けやお米は美味。



さあ、帰ろう


フィウミチーノ空港


飛行機に乗る


機内食(日本食)



<11月3日(日)>
やっぱ12時間のフライトはこたえます。体もあちこち痛いし、機内も妙に暑い。キツイわ~……。
日本時間で午前11時頃、成田空港に到着ッ!一週間ぶりの母国、本当に安心します。言葉が通じるって楽だ~。空港で食った天ぷらそばはもう、最高でした。コレよ、コレ!コレを欲してたのよ!トコトン日本人だな、俺は。そして、羽田空港へ移動し、そこから地元の空港へラスト・フライト!ついに懐かしの我が家に帰宅できたのでありました。



帰国!


東京!


日本食、最高




―― かくして、前泊含めて8泊10日イタリアの旅は幕を閉じました。レポートもかつてなく長くなっちゃいましたね。
ホンット~にしんどかった……。一週間以上も旅行するって、自分には無理だな。なんか旅してると食事もおろそかになっちゃうし、熟睡も出来ないし、些細な事がいちいちうまく行かなくてストレスだし、せいぜい3~4泊が限度だわ。それがよく分かったよ!普通の人なら、きっともっと要領良く振る舞って旅を満喫しているところでしょうが……、所詮は私。要領も頭も悪く、言葉も分からず、コミュ力もろくに無い。そんな超インドア派の私が1人きりでイタリアに挑んだ。その結果がこれです!まぁ、良い事も悪い事も嬉しい事も辛い事も、全部ひっくるめて、これが他の誰でもない” 私 ”の旅なんだ。そう納得しました。
でもな~……、「LCG」2日目のライブ・ドローイングを逃してしまった事は、どんな綺麗事で自分に言い聞かせたとしても、悔しくて悔しくて納得できんのよなぁ~。この無念だけはごまかし切れるもんじゃない。大マジで一生の悔いとなって残る事は確実です。ライブ・ドローイングの画像とかレポとか見ても、メチャクチャ有り難いと同時に、やっぱ羨ましすぎて血の涙出そうになる(笑)。

ただ、そんな私ですが、ポルナレフと同じ心境でもあるんです。「つらいことがたくさんあったが… でも楽しかったよ」「マエストロがいたから この旅は楽しかった」
荒木先生や「ジョジョ」がこれほどまでにイタリアで、ヨーロッパで、ひいては世界中で熱く愛されているって事が、肌で実感できました。そして何より、そんな時間と空間を荒木先生やファン達と共有できた事が幸せです。この旅で関わった全ての人達に、そして巡り逢わせてくれた運命に、心より感謝いたします。グラッツェ!…………けど、海外は当分いいや。






管理人!ルッカへ行く 2

完




(2019年11月30日)




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