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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。
原作の設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




ミラグロマン / 本体: 不明
< 「カネ」を増やし続ける能力 >





<特徴>
@このスタンドの起源には謎が多く、都市伝説的に語り継がれているに過ぎない。
そのため、以下に記す内容が事実かどうかは、もはや確認のしようもないという事を前置きしておく。『ミラグロマン』というスタンド名も、あくまで仮称である。


A名前も国も時代も不明だが、かつて世界中の戦争で大富豪となった武器商人がいた。そして、その子孫も仕事を受け継いだ。しかし、ある時、とても長い期間の訴訟の裁判に負け、500億ドルもの賠償金を支払う事となった。
商人はこの時点ですでに精神が壊れてしまっており、家族を殺すと、自らも焼身自殺したのだった。その焼死体のそばには、1枚の焼け焦げた紙幣が残されていたという。


B恐らく、武器商人の「カネへの執着」や「人々への憎悪」が、死後も「怨念」「呪い」のように残り、それがスタンドとなったのだろう。……しかし一方では、それよりもずっと以前の時代から『ミラグロマン』は存在していた、という情報もある。だとしたら、「カネ」という概念に囚われる「人間の醜さ」そのものなのかもしれないし、逆に、そんな欲深き者達に対する「戒め」そのものなのかもしれない。
いずれにせよ、『アヌビス神』『スーパーフライ』、『ノトーリアス・B・I・G』にも近いタイプの、1人歩きしたスタンドと言える。


C人型のヴィジョンを持つ。顔や両手にはポッカリと大きな穴が開いている。また、全身の至る箇所に、上向きの三角形が描かれている。
どこまでも上を目指す上昇志向と、それとは裏腹に、何も掴めず何者にもなれない虚無感を感じさせるデザインである。




<能力>
「カネ」を増やし続ける能力



@武器商人の焼死体のそばに残されていたという、1枚の焼け焦げた紙幣。これが全ての始まりとされている。『ミラグロマン』のヴィジョンは、この紙幣と一体化したものなのだろう。スタンドそのものと化した紙幣は、ナンバーの末尾が忌み数「13」に書き換えられたようだ。その紙幣を、ここでは仮に「13紙幣」と呼称しよう。
「13紙幣」を手にした者は、『ミラグロマン』の「呪い」を受けてしまう事になるのである。今のところ、この「呪い」を完璧に消し去る手段は無い。


A「13紙幣」の所持者は、原則的に、他人に奪われる以外の方法で「13紙幣」を手放す事が出来ない。自分の意志で、他人にあげる事も交換する事も捨てる事も決して出来ない。たとえ別の国に逃げたとしても、「13紙幣」は紙幣の姿を変えて、どこまでも追って来るのだ。
それどころか、「呪い」を受けている限り、持ち金が勝手にどんどん増えていく。買い物をしても、使った分以上の金額となって返って来てしまう。たとえ不可抗力でどこかにカネを失くしても、巡り巡って、より高額になって戻って来る。さらに「13紙幣」自体も、所持者が行動を起こすたび、細胞分裂のように増殖していくのである。これらは絶対的・運命的なルールであり、何者も逆らう事は不可能。
よって、所持者からの支払いを受けた者は、『ミラグロマン』の存在を知っていようといまいと、受け取った以上の金額を所持者に支払う結果となる。つまり、「利子を付けて返金しないと危険だ」とかではなく、本人にその意思が無くても、利子を付けて返金せざるを得ない運命になるという事だ。


B儲けて増えた分の紙幣もまた呪われ、全て「13紙幣」に書き換えられてしまう。逆に、買い物で使用した「13紙幣」は、「呪い」から離れ、普通の紙幣に戻るのだろう。
要するに、『ミラグロマン』の「呪い」を受けた者が所有する紙幣だけが「13紙幣」と化しているのだ。だからこそ、「呪い」そのものを自分から移動させなければ、決して「13紙幣」から逃れる事は出来ない。
ちなみに、「呪い」を受けた者が手にしたカネは、固有のナンバーを持たない硬貨であっても「呪い」が染み渡っている。実質的に「13紙幣」とほぼ等しい存在になっている。


C『ミラグロマン』の「呪い」は、大きく2つの段階に分けられる。「移行」の段階と、「定着」の段階である。
移行段階とは、複数人の間で「呪い」が移動している状態。「13紙幣」の所持者が、他人に「13紙幣」を奪われた状態を指す。「13紙幣」を奪った者にも「呪い」は等しく降り掛かるが、この段階ならば、まだ「呪い」は不完全である。上記Aの例外として、元の持ち主に「13紙幣」を返金する事が可能な状態なのだ。無理矢理にでも返金する事が出来たなら、その者だけは「呪い」から解放される事となる。
定着段階とは、「呪い」の対象が1人に固定されている状態。「13紙幣」を元の持ち主から奪った者が、「13紙幣」を「破壊」した状態を指す。「13紙幣」を切ったり破いたり燃やしたりして「破壊」した時点で、『ミラグロマン』の「呪い」はその者に完全に定着するのだ。逆に、元の持ち主は「呪い」から解放される。この段階を迎えてしまえば、もはや元の持ち主への返金も不可能。「13紙幣」を手放す方法は、一切の例外なく、「他人に奪われる事」ただ1つだけになる。
つまり、「13紙幣」の所持者として定着してしまったら、他人に「13紙幣」を盗んで破壊してもらえるように、巧く罠を張って待ち続けなければならないのだ。ババ抜きのように、誰かに「呪い」を押し付けるしかない。


D「13紙幣」は「破壊」された時点で、急激なスピードで増殖し、やがては所持者を飲み込む程の量になるだろう。そこまでに至ると、所持者の心も壊れ始めて来る。
初めのうちは、記憶が一部曖昧になったりする程度だが……、次第に、限りなく増え続けるカネに恐怖と絶望を抱き、食欲や物欲も減退し、生きる活力をどんどん失っていくのだ。もし最終的に所持者が死んでしまったら、「13紙幣」は新たな所持者を求め、人間社会の何処かへと消えていくのだろう。
――もっとも、「大金を所有する事」それ自体に生き甲斐を見出せる者ならば、たとえ『ミラグロマン』に呪われたとしても、それはそれで幸せなのかもしれない。




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