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●『D4C』は一体何体!?●





スタンド――「D4C」は多次元でも1体のみ。『遺体』のある基本世界に存在し、本体といっしょに帰って来る。
(「SBR」コミックス20巻 スタンド解説文より)


「いや… 『違う』! 「本物」はスタンドがそばにいるヤツだ…」
「スタンドはひとり「一体」」
(「SBR」コミックス21巻 ジャイロのセリフより)



皆さんもご存知の通り、『D4C』について作中ではこのように説明されています。……しかし、本当にそうなのか?本当に『D4C』は1体しか存在しないのか?読んでいると、どうしても疑問を抱かずにはいられません。『SBR』完結からすでに1年以上経ってはいますが、自分なりの答えを示さなければ、この胸のモヤモヤは払拭できないと思い、今更ながら考察してみました。



そもそも、どうして疑問を抱いているのかというと、複数の大統領が同時に『D4C』を使っていると思われるシーンがあるからです。その筆頭が、19巻でのディエゴ&ホット・パンツ VS 大統領。3人の大統領がディエゴを攻撃する際、それぞれ『D4C』を発現させていました。つまり、3体の『D4C』が1つのコマに描かれていたワケです。高速で移動する事による残像、なんて考えもあるみたいですけど。まあ、ここで描かれたのはたったの1コマに過ぎません。多少強引であっても、どちらとも取れますね。
次に問題となるのが、17〜18巻で描かれた、フィラデルフィアでのジョニィ銃撃事件です。『D4C』の能力により、複数の世界が重なり合い、不可解が連鎖していきました。その辺に関しては「なんとも回りくどく説明される しょーもない仮説」でまとめていますが、ここで重要なのは、2人の大統領がほぼ同時刻に『D4C』を使っていたという点。1人は、ディ・ス・コと共に現れ、ジャイロの後方から接近して来た大統領。もう1人は、ウェカピポを襲撃した大統領。どちらもジョニィが撃たれる直前の時刻に、『D4C』を発現させています。この2人が同一の大統領と考えるのは、さすがに無理があるでしょう。

しかし一方で、「隣りの世界」の大統領も全員『D4C』を持っている、と解釈するのも早計です。ジャイロとの戦いで、鉄球により銃で自滅させられた「隣り」の大統領2人。もし『D4C』のような近距離パワー型スタンドを持っているならば、そんなに容易く銃でやられるはずはありません。これは、スタンドを持ちながらガードできなかったのではなく、スタンドを持っていないからガードしようがなかったのではないかな、と。ジャイロの攻撃も、「隣り」の大統領はスタンドが使えないと読んでのものでしたしね。……もっとも、それだけでは「スタンドを持たない」根拠として弱いのも事実。「基本」の大統領も、けっこう不意討ち喰らって死にかけてますから(汗)。
ただ、作中で冒頭のような説明がされている以上、それをまったく無視する事も出来ません。つまり、【『D4C』は1体のみ】【「隣り」の大統領もスタンドを持っている】【「隣り」の大統領はスタンドを持っていない】……、この一見矛盾した3つの条件が同時に成立する答えであれば良いって事です。
答えは至ってシンプルでした。――『D4C』は、「基本」の大統領だけが持つスタンド能力である。「隣り」の大統領は、スタンドを持つ者持たない者がいる。「隣り」の大統領のスタンドは、『D4C』によく似たスタンドである。――これで解決です。さらに冒頭でのジャイロのセリフを尊重するなら、「隣り」の大統領のほとんどはスタンドを持たない、と言っても良いかもしれません。スタンド使いの「隣り」の大統領は、割とレアな存在なのです。『THE WORLD』持ちのディエゴと比べれば楽勝で捜し出せるレベルではあるものの、意図的に連れて来るには、時間やエネルギーを普段以上に消費してしまうんでしょう。
冒頭でのジャイロのセリフは、結果的には間違っていなかったものの、もしスタンド使いの「隣り」の大統領を連れて来られていたら危険だったんですね。まあ、あれは『D4C』がどうこうという以上に、「光のヒビ」の走る方向の方が重要視された戦術でした。大統領も本当にスタンドが1体かどうかは答えていませんし、あんまり深く気にしない方が良さげです。


では、「隣り」の大統領が持つ『D4C』によく似たスタンドとは、どんなスタンドなのか?……見た目は、ディテールに僅かな差異はあるかもしれませんが、『D4C』とほぼ同一。能力も、『D4C』と同じく次元を超える能力を持っています。ただし、『D4C』のように自在に能力を駆使できるワケではありません。「基本」の大統領の許可が下りて初めて、その能力を使用する事が可能になるのです。許可がないときは、特別な能力もない、ヴィジョンで攻撃するだけの単なる近距離パワー型スタンド。そうとでも取らないと、『D4C』となんら変わらなくなっちゃいますしね。
そして、能力的な制限はそれだけではないでしょう。「基本」の大統領は『D4C』を使う事により、無限に存在する「隣り」の世界へ、いくらでも移動する事が出来ます。片や「隣り」の大統領達はと言うと、自分が元々属している世界と「基本の世界」との行き来しか出来ないのです。明確な根拠はありませんが、「基本」と「隣り」を差別化するには、このくらいの制限があって然るべきだろうと思います。
16巻にて、大統領はルーシーに首を刺され、絶体絶命のピンチに陥りました。致命傷を受けた大統領は、もはやマトモに動く事すら出来ず。手の届く範囲には挟むモノもないため、自力で次元移動も不可能な状態でした。この時、大統領は「誰か来てくれ…」と助けを求めます。これこそが、「基本」の大統領の許可。「誰か」とは、その辺にいる警護の者ではなく、「隣りの世界」の自分の事なのです。突如、次元移動の能力が解放された「隣り」の大統領は、「基本」の自分の危機的状況を理解。すぐさま救出に向かいます。下手に直接「基本の世界」へ行って返り討ちにでも遭えばマズイので、イスを床と自分の肉体(か何か)で挟み、イスだけ「基本の世界」へ。そのままグルッと回して、「基本」の大統領を「隣りの世界」に無事回収。「基本」の大統領と肉体を融合し、辛うじてギリギリ生き長らえたというワケです。



「隣り」の大統領がスタンドを使っていると思しき描写をヒントに、このように考えてみました。ようやっと『D4C』について、ある程度まとめる事が出来た感じです。『スタンド私評』の方も、そこら辺を少し改めました。とは言え、『D4C』は全スタンド中でも群を抜いて謎多きスタンド。もしかしたら、今後もまだまだ新しい仮説が生まれるかもしれませんけどね。




(2012年7月9日)




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