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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。
原作の設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




レッド・ホット・チリ・ペッパー / 本体: 音石 明
< 物質を「電気」化する能力 >





<特徴>
1999年3月以前に、本体:音石 明(おといし あきら)が、虹村形兆の持つ『矢』で射抜かれた事によって発現したスタンド。


小柄な人型ヴィジョンを持つ近距離型スタンドである。
その姿は、いわゆる「恐竜人」「ディノサウロイド」(恐竜が人型に進化した架空の生物)にも似ている。長く大きなしっぽが特徴的。しっぽを持つ人型スタンドは珍しい。


詳細は後述するが、このスタンド『レッド・ホット・チリ・ペッパー』は「電気」と一体化している。
本来、他の物質と同化した実体化スタンドというものは、本体へのダメージのフィードバックが起こらないものである。しかし、スタンドが存在するための必要最低限の要素である「本体(肉体)」「エネルギー」に近い物質と同化した場合は、例外的に本体との結び付きが強くなる。スタンドのダメージが本体にもフィードバックするのだ。この『レッド・ホット・チリ・ペッパー』は、電気という「エネルギー」と同化したスタンドであるため、フィードバックが起きるようである。


長い名前であるせいか、『チリ・ペッパー』と略して呼ばれる事が多い。(以降、このページでもそう呼ぶ事にする。)




<能力>
物質を「電気」化する能力



本体:音石 明は、ウルトラ・スーパー・ギタリストを目指す若きロック・ミュージシャンであり、エレキギターを肌身離さず持ち歩いている男である。だからこそ、そんな大切なエレキギターの血液とも言って良い「電気」そのものになれるスタンドが発現したのだろう。
あるいは、彼の魂に迸る、他人や世の中に対する「怒り」「反骨心」の顕れとも言えるのかもしれない。


『チリ・ペッパー』はまず、音石自身のスタンドパワーのみで形作られた「素のヴィジョン」として発現する。しかし、このままでは非常に弱いエネルギーでしかなく、物質への干渉力もほとんど無い。そこで、最初のうちは恐らく、音石の体内を流れるごくごく微弱な「生体電気」や、周囲の「静電気」などと結び付く事でエネルギーを確保していた。
そして、次第に音石がスタンド使いとして成長するに従い、一体化できる「電気」の強さや量が増し、それに伴って『チリ・ペッパー』もより強力になっていった。やがて、電線内を流れたり、電池内に蓄えられたりしている「電気」をも我が身に取り込む事により、ついに強大なエネルギーを獲得するに至る。


「電気」というエネルギーを得た事で、「文明」は目覚ましく発展していった。また、少なくとも音石にとっては、エレキギターという楽器は「音楽」に革命を齎した存在であるに違いない。即ち、「電気」とは「進化」の象徴なのだ。そのためスタンド・ヴィジョンも、太古の「恐竜」が現代の「人間」へと進化したかのような姿になったのだろう。
そんな「進化」の名残りとして、初めは小さなしっぽが生えていた。だが、成長によって『チリ・ペッパー』を構成するスタンドパワーと「電気」が強力になるにつれ、その余りあるエネルギーがしっぽを巨大にしたのである。


スタンド・ヴィジョンが本体から離れて行動可能な範囲である「射程距離」、スタンド能力の効果が維持可能な範囲である「能力射程」。これらは本体の心身のコンディションによって僅かな増減をする事はあっても、劇的な変化が起こる事は極めて稀であり、おおよその範囲は定まっている。また、これらの射程内において……、スタンドは通常、本体やヴィジョンをスタンドパワーの「中心」とし、その「中心」から離れれば離れるほど発揮できるスタンドパワーが弱まっていく。ただし、この基本的ルールを逸脱する事が出来るスタンドも存在する。それは、自らの「結界」を持つスタンドである。
「結界」とは、特定の条件を満たした状況・環境を意味し、その条件はスタンドによって異なる。多くの場合、本体とは別のもう1つのエネルギー源とするか、空間そのものを自らの能力で汚染・支配する事が必要である。どうあれ、「結界」内に入る事が出来たスタンドは、本来の「射程距離」「能力射程」を超えてスタンドパワーを持続する事が可能となるのだ。
『チリ・ペッパー』も自らの「結界」を持つスタンドであり、その「結界」とは「電気」の伝導である。「電気」が流れている環境下であれば、強いスタンドパワーを維持したまま、(本来は近距離型スタンドでありながら)遠隔地へ移動できるのだ。そのため、『チリ・ペッパー』は都市部に張り巡らされている電線内に潜む事が多く、電線を通じて町中を自由自在・縦横無尽に移動していた。
ちなみに、『チリ・ペッパー』が「結界」から離れる事が出来る距離は、せいぜい数mである。この場合、「結界」がスタンドパワーの「中心」となっているため、「結界」から離れるほど『チリ・ペッパー』のスタンドパワーも弱まっていく。


前述の通り『チリ・ペッパー』は、「電気」と一体化し、「電気」をエネルギー源とするスタンドである。それゆえに、我が身に取り込む「電気」の強さや量によって、『チリ・ペッパー』自身の「基本スペック」も大きく強弱するという性質を持っている。
町中の「電気」を『チリ・ペッパー』に集中させ、スタンドパワーを爆発させれば、短時間ながら、近距離パワー型スタンドをも上回るパワーとスピードを発揮する。ヴィジョンはまばゆく光り輝き、刺激や熱を感じるほどの電磁波をも放つ。その代わり、これをやると、地域一帯の電力がしばらくゼロになってしまうため、よっぽど追い詰められた時だけの最終手段と言えよう。
逆に、バイク等のバッテリー内の「電気」と一体化すれば、電線から離れた場所にも移動が可能となるが、発揮できるスタンドパワーも限られてしまう。電力とスタンドパワーを消耗していくにつれ、ヴィジョンも錆びた鉄クズのような色に変わっていく。完全に電力が尽きると、強制的にスタンドが解除されてしまうだろう。その反動で、音石本体は気絶してしまうのかもしれない。


電線内において、『チリ・ペッパー』は超高速で移動する事が出来る。あまりの速さで、何体にも分身しているかのように見える程だ。「電気」であるがゆえに、そのスピードは最大で光速に限りなく近付く。
もっとも、いくらスタンド使いとは言え、普通の人間の感覚が光速に対応できるとは考えにくい。恐らく、基本的にこの光速移動は、目的地をあらかじめ明確に決めた上での移動時にしか使用されない。目的地を定めぬままに光速移動してしまったら、『チリ・ペッパー』がこの地球上のどこに行ってしまうか分からないからだ。
音石は町中に張り巡らされた電線の位置を知り尽くしており、移動ルートを具体的にイメージできる。光速移動は、そんな音石だからこそ、そして勝手知ったる杜王町だからこそ可能な芸当と言えるだろう。なお、音石にとっては、『チリ・ペッパー』が目的地に瞬間移動したかのように感じられるはずである。


『チリ・ペッパー』は「電気」をエネルギー源としているだけで、「電気」を自在にコントロールできるワケではない。「電気」を自分の方に向けさせる事には長けているが、他方に向ける事は苦手なようである。そのため、戦闘時に「電気」そのものを攻撃手段にする事は滅多になく、もっぱら手足で直接攻撃する。
ただし、作中で虹村形兆を黒コゲに感電死させたり、電話を電流爆破したりしていた事から……、『チリ・ペッパー』が数秒ほど直に触れれば、その物質に「電気」を流す事が出来ると思われる。なお、電気機器に侵入し、ある程度の操作を行うくらいの事は比較的容易であるらしい。


「電気」と一体化しているため、ゴム等の「絶縁体」や「塩水」が弱点となる。
「絶縁体」によって「電気」が封じられる事や、「塩水」によって「電気」が拡散する事があり得る。作中でも、『チリ・ペッパー』がタイヤの中に閉じ込められたり、海に落ちて全身が四方八方に引きちぎられ散っていく様子が描写された。
ちなみに……、『チリ・ペッパー』が海に拡散したにも関わらず、音石本体は無事であった。『チリ・ペッパー』も、ボロボロにはなったが、存在を保つ事が出来ていた。これは、『チリ・ペッパー』が海に落ちた時点で「電気」との一体化を解き、切り離したためである。つまり、音石自身のスタンドパワーのみで形作られる「素のヴィジョン」に戻ったのだ。これにより、「電気」は散っていったものの、『チリ・ペッパー』自体はギリギリ助かったというワケだ。とは言え、スタンドパワーの著しい消耗や、東方仗助達への敗北感・恐怖心(=「怒り」「反骨心」の喪失)のせいで、再び「電気」と一体化してもヴィジョンはボロボロのままになってしまった。


以上で述べた事柄は、『チリ・ペッパー』の「能力」と言うよりも、「電気」と一体化したスタンドとしての「性質」と言う方が正確である。
『チリ・ペッパー』の「能力」は別にある。それが、物質を「電気」化する能力である。『チリ・ペッパー』が直に触れた物質(生物・無生物問わず)を「電気」に変え、『チリ・ペッパー』と共に電線内を移動・運搬する事が出来るのだ。この能力を使って、音石は虹村形兆を殺害して『弓と矢』を奪い、また、総額5億円もの金品をあちこちから盗んでいた。
しかしこの能力は、で述べた性質とも相まって、数秒間はその物質に触れなければ発動できないようである。「絶縁体」に対しては、この能力の効果が発揮しにくくなる可能性もありそうだ。


「電気」化それ自体に殺傷性や危険性は無い。「電気」化を解除すれば、その物質は元の状態に戻る。


音石本体を「電気」化する事は、恐らく不可能。あるいは、可能ではあるが、かなりの時間やスタンドパワーを消費してしまうのかもしれない。
少なくとも、作中での描写は無い。


能力によって「電気」化した物質を、『チリ・ペッパー』に取り込んで一体化させる事は出来ない。




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