とんでもね強敵が多いなああ――
世界ってのはよオオ――
●…という訳で、第6話の感想です。読み応え抜群でした。この6話目の方が面白かったです。
●完全にひとり旅状態になったジャイロは、やっぱり注目の的。スティール氏からも彼の経歴を調べろとの命令があったようです。
しかし、ジョニー曰く「最初から最後まで本当に謎が多い男」との事なので、名前以外は一切が不明なんでしょうね。その名前すら、本名かどうか怪しいくらいです。まあ、謎に包まれた男には心惹かれるものがあります。ジャイロもずっとそうであってほしい。
彼がレースに参加した理由も、明らかにはされない気がします。「60億くれるって言ってんだから、取りに行って当然だろ」などと冗談めいて話す事はあるかもしれませんが、ハッキリとは語られないのでは……？
●今回はディエゴとの戦い。燃えました。まず、絵で魅せてくれます。ジャイロが後方を確認するだけでも、天地をひっくり返した絵が描かれ、目を引かれてしまいます。ディエゴがジャイロに追い付き、追い抜いていく場面でも、あたかも『ザ・ワールド』で時を止めたかのような描写がありました。ジャイロの馬が橋を破壊する所も迫力満点。さすがに31ページもあると、大ゴマ連発で大胆に描けて良いね。臨場感があって。
ディエゴの走法も、豪快なパワータイプのアブさんとは正反対で飽きさせません。優雅で知的で、理に適った戦い方。あくまで特技や才能のレベルなのが好印象。スタンドバトル一辺倒な展開からの脱却を図っているのでしょうか？ジャイロだけが特殊能力をガンガン使用してて、卑怯に思えるかもしれませんが、その分、彼には他に突出した部分が無いようなので、おあいこです。超能力でのぶつかり合いではなく、自分の長所を生かし、相手の短所を突くという駆け引きが熱いのです。
●ジャイロやディエゴの会話シーンが特にお気に入りです。やっぱ黙々と走られても困りますしね。ジャイロが相変わらず飄々としてて小気味よいです。ディエゴが自信家で一等賞大好き男のままだったのも嬉しいし、彼の口から発せられる「宿命」の二文字も感慨深いなあ。まんまとジャイロに出し抜かれた彼が「このきたならしい阿呆がァ―ッ！」と、泣きながら追って来れば笑えるんですが。現時点では邪悪さや残虐さが見えないので、今後どう出るのか？
ジャイロが馬に語り掛ける場面も、単なる乗り物ではなく、旅のパートナーである事が伝わる良い場面です。馬にもそれぞれ独特の特徴やパーソナリティーを持たせてほしいですからね。そういう意味でも、ディエゴの「馬のクセを見抜く」という特技は、これからも活かしていただきたいと思います。
●結局、あの鉄球の回転は何なんでしょう？今回は馬の脚の筋肉を活性化させたような感じでしたが。筋力が上がったから、馬のクセもより強く現れたって事ですかね？これを自分に使って、8メートルもジャンプしたのかな？絵もカッコイイし、大体のイメージは掴めますけど、マジに謎ばかり。例によって、荒木理論が炸裂しそうです。
何でも可能なご都合アイテムと化す前に、鉄球や回転能力の正体は明かしてほしいところ。定義を明確にしてもらわないと、駆け引きの妙が楽しめませんから。
●ジョニーの特技は観察力と解説力でした。ひたすらジャイロの後について、これでもかと親切に解説してくれてます。一気に脇役になっちゃってます。ディエゴとも関わりはなかったようですし。
主人公はジョニーも含む参加者全員だと思うけど、この物語のヒーローや象徴は、ジョニーの目に映るジャイロなんでしょうね。
●スタート時に描かれていなかったポコロコは寝坊してました。しかし、それが逆に幸運になり、大爆走開始。ギャグパートでありながらも、これから何かやらかしてくれるに違いないというワクワク感を抱かずにはおれません。
こいつ、好きだなあ。生き生きとしてますね。彼がいるだけで、作品内の空気が明るく和やかになる。表情がコロコロ変わるし、親しみやすい性格で、物語を動かす力を感じます。次回からのラッキーパワーでの活躍にも期待。
★しかし、このペースでレースを全て描き切るつもりなんでしょうか？短距離走の1st.STAGEですら、まだ掛かりそうなのに…。展開がダレて、読者に飽きられないためには、レースとバトルとサバイバルとギャグのバランスが重要になってくるでしょうね。まあ、今は観客も熱血アナウンサーも同行中ですが、やがては未開の荒野に突入するはずですし、様々なイベントも発生して変化が出て来るとは思いますけど。
今週の2話掲載は正解だったかもしれません。この2話は「優勝候補者にも負けないジャイロの不思議な力」が描かれています。しかも、相手がアブさんとディエゴ。ジョジョファンならば、彼らをも翻弄する能力を持つジャイロの強さが実感できた事でしょう。しかし、タイプこそ異なりますが内容自体は変わらない訳で、これを普通に2週に渡って掲載されたら、ちょっと食傷気味になりそうでした。
逆に言うなら、レースは次回から本当の進展を見せていくと思います。パラレル・キャラではない、「SBR」完全オリジナルのキャラ達がページ狭しと暴れ回るに違いありません。イケメンやハーンも、次回こそは登場なるかッ！？
（2004年2月17日）