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『スティール・ボール・ラン』の『レースリーダー』誕生だあああ――ッ


#11 15,000メートル ゴール前 午前10時18分





ジャイロ1着!!1st.STAGEは、ジャイロが主人公の貫禄を見せ付ける形で幕を閉じました。鉄球でマントを帆にし、サンタアナをも利用する。見事な策でした。これを初めから計算していたのだとすれば、恐るべき野郎はジャイロの方ですね。
圧倒的な力で最初のSTAGEを制覇した事で、他の全ての選手にとって、ジャイロこそが超えるべき壁であり、最大最強の敵となった訳です。彼をこのレースの象徴・この物語の主役と我々読者に強く印象付けるためにも、ここで勝利させておく必要があったのでしょうね。つまり、まだ荒木先生の予定調和的な部分があった勝利と思われます。本当の意味で先が分からない展開になるのは、次のSTAGEからなんじゃないでしょうか?


ジョニーは大健闘でしたね。テクニックにしても気迫にしても、ディエゴとジャイロに一目置かれる程です。特殊な能力を持つジャイロ達や華麗なる操馬術を誇るディエゴに比べ、どこか地味で泥臭いジョニーが必死に喰らい付いて来る姿には燃えるものがあります。底辺から這い上がっていく男は、いつだって熱いです。
ジャイロを追い抜く事は叶いませんでしたが、彼に名前を呼ばれ、その力と根性を認められました。いよいよ鉄球の回転の正体がジョニーに明かされるのでしょうか?それに伴い、彼の過去にも触れられるはず!今回も「船に乗った事がある」とジョニーに語っていますし、やはり世界を旅して回るアウトローっぽいですね。こいつは2nd.STAGE編、早くも期待できそうですよ!


●ポコロコは敗れました。恐らく2着でしょう。ラッキーが起こったにも関わらず敗北したというのが、彼の「幻覚さん」の謎を解くカギになるのかもしれません。
つーか、今回はもはやラッキーと言うより、「幻覚さん」の指示通りに動いていただけでしたね。「幻覚さん」すら思いもよらぬ事に対しては、強運が働きにくいのでしょうか?今回の敗北でポコロコが自信を失い、「幻覚さん」の言葉を無視する行動を取るようになったりしたら面白いかも。あるいは、ここで1位にならない事自体がラッキーな事でもあるのでしょうか?ポコロコは、あくまで大金GETしてハッピーに暮らせれば良いのであって、レースそのものにこだわる必要はありませんしね。


●サンドマンも惜しくも敗北。汗だくになりながら走る彼の歪んだ顔が、彼に圧し掛かる疲労と責任の重さを物語っております。自分の帰るべき故郷をも捨て、仲間達にも理解されず、それでも皆のために走り抜く決意を新たにします。この自己犠牲とも言える崇高なる精神、泣かせるじゃありませんか。これぞ正しいヒーロー像ですよ。主人公じゃないけど。
彼のスタンドらしき能力は、大地の精霊なのかもしれませんね。白人に土地を奪われたせいで、プンプンに怒っちゃった大地に宿るエネルギー様が、自分や他の精霊達の安らかな眠りを取り戻すべく、サンドマンに力を貸しているとか。ポコロコの「幻覚さん」も含め、スタンド能力ではない可能性は充分にあると思います。


●ディエゴはホント、「ジョジョ」の時とはまったく別人ですねえ。目的のためなら手段や過程など問わない真の悪だったディオは、この新世界では影も形もありません。口は悪いけど、正々堂々と真っ向勝負を挑む白馬の貴公子です。ジョニーやジャイロに一泡吹かされ、焦って冷や汗をかいたり、驚嘆の声を出したりと、普通の人間らしさに溢れています。こんな好青年の「ディオ」を見る事が出来るとは、なんとも言えない不思議な気持ちになりますね。「無駄」とか「世界」って言葉も、彼が言うだけで特別な意味も持ってしまいます。
ディエゴはどうやらジョニーの事を知らなかった様子。あるいは、名前くらいは聞いた事はあるけど、こんなレースに参加してるとは思いもしなかったため気付かなかったのかも。いずれにせよ、今回の件でお互いの存在を認識し合ったので、今後は因縁のライバルとして戦っていく事でしょう。だんだんと奇妙な友情が芽生え、この世界でこそ親友になってほしいなと思ってます。


●ゴール前での5つ巴の大接戦。彼らが横一列に並んで激しいデッドヒートを繰り広げる図。互いの気力と気力のぶつかり合い。これが見たかったんです!これを期待してたんです!マジ燃え。「キタキタキタ―――――ッ!!」って感じでした。
31P連載だからこそ出来る大ゴマ連発の大迫力!最高に満足でした。1st.STAGEから飛ばしまくってますね。


★残念ながら、1st.STAGEがキリ良く終了した所で、次週より6月までは休載。2nd.STAGEはしばらくお預けです。想像以上に長期間、待たねばならなくなりました。6月まで時を加速させたい程です。しかし、その分だけ更に面白い物語が読めるに違いありません。もしかしたら、荒木先生は再びアメリカへと取材旅行に行かれたりもするのかもしれないし。それが作品のためになるのならば、おとなしく待ち続けるしかありませんね。
2nd.STAGEからはサバイバルの様相も呈してくるはずですから、1st.STAGEとはまるで異なる展開が我々を大いに楽しませてくれる事でしょう。




(2004年3月20日)




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