TOP  <<#20 戻る #22>>



ああ…
彼を助けたい……………


#21 中継地点





●遊んでばかりの悪ガキから、すっかり一人前の男に成長したジャイロ。鉄球の回転もマスターし、その堂々とした姿からは風格さえ感じられます。もうすぐ25歳になり、処刑人としての任務を親父さんから受け継ぐところ。
しかし、例のマルコ少年の死刑判決について親父さんと対立していました。「納得した上で任務を遂行したい」と主張するジャイロと、「納得など存在しない」と厳しく切り捨てる親父さん。親父さんは「法」を信じ、それに従う事こそが全てという立場。ジャイロは、その「法」自体が間違っている事もあるという意見。一族の任務に対する誇りは同じですが、それに対する姿勢は違うようです。「納得」は「誇り」、そう考えるジャイロにとってはあまりに辛い現実。任務への使命感と自分の正義感との間で揺れています。
ところが、そんな迷えるジャイロに国王の使いが1つの提案。それは、国家の戦争にも匹敵する「スティール・ボール・ラン・レース」に優勝する事で、国王から恩赦を出してもらい、マルコ少年の刑を軽くしてもらうというもの。使いのおっちゃん、なかなか粋な事をしてくれますね。幼い頃からジャイロを見続けてきているからか、彼の気持ちを尊重し、なんとかしてやりたいと思っていたのかも。でも、以前は「裁判やり直し費用として5千万ドル必要」って事だったはずなんですが、設定が変わりましたか…?それとも恩赦プラス裁判やり直しで、マルコを無罪にしてもらうとか?
とにかく、ジャイロはマルコの命を救うため、そして自分の誇りを守るため、レースの参加を決意!レースの優勝こそが、彼にとっての荒野を渡り切る心の中の「地図」なのです。


●かくしてレースに参加したジャイロでしたが、彼が優勝に近付くほど、国王への叛逆者達は彼の命を狙って襲って来ます。ジャイロは国王のために走っているワケじゃあないけど、結果的には同じ事ですからね。その叛逆者グループが、ジャイロの首に賞金を懸けたのでしょう。マルコの奉公先だったリッピ男爵も一員だったと見るべきかな?
ジャイロが優勝するためには、レースのライバル達や厳しい自然環境を乗り越えるだけでなく、この叛逆者達との戦いにも打ち勝って行かねばならないようです。敵はスタンド能力や特殊技能を駆使するクセモノばかりと思われますし、レースはますます白熱・激化ッ!


2nd.STAGE中継地点に到着!このために街まで作るとは、手が込んでいますね。ホテルにレストラン、バーや鍛冶屋まであって、設備も充実。ジャイロはここの鍛冶屋で、失われた鉄球を作ってもらうんでしょうか?……で、そこで待ち受けるはレース係員ブラザーズ。スタート地点の受付、1st.STAGEゴール地点に続いて、これで4人目?あるいは、2人が列車で先回りしただけ?謎が謎を呼びます。
いつの間にか2nd.STAGEスタートから6日が経過していたようです。サンドマンやディエゴに差を付ける事、約1日以上!そこに現れたのは我らがジャイロ……ではなく、これまたロックないでたちの青年。名はオエコモバ。実に憶えにくい名前です。蝶の触覚かなんかのようにクルクル巻く髪(?)がチャーミング。
オエコモバは現在4位との事。ジャイロ達3人が一足早く到着していた模様。ブラザーズ曰く、1位争いでもめそうになったそうです。その様子が目に浮かぶようで、彼らの必死さと大人気なさが微笑ましい。


●ジャイロの泊まる部屋に侵入し、彼の荷物をあさるオエコモバ。いつになく品の無い言葉でオエコモバを罵り、クールに銃を構えるイケメン。「おっと会話が成り立たないアホがひとり登場〜〜」「質問文に対し質問文で答えるとテスト0点なの知ってたか?マヌケ」。非の打ち所の無い、素晴らしい煽り文句です。吉良やホルマジオも満足顔です。
オエコモバの狙いは、国王の使いからジャイロに送られた手紙。それによると、馬の疲れと傷を癒す力を持つ「ゾンビ馬」なるものを用意しているとの事。ゾ、ゾンビ……!?「ジョジョ」を読んだ者なら、誰しもが石仮面や吸血鬼、屍生人(ゾンビ)、ワムウ戦で使用された吸血馬などを思い出した事でしょう。しかし、インタビューで荒木先生は「石仮面の存在しない世界」と言っているので、そのものズバリは考えにくい。やっぱしスタンド使いの馬って事なんでしょうか?
仮にそうだとしても、どこで見付けたのか?いつ能力が発現したのか?…気になりまくりです。随分と都合のいい能力みたいで、ちょっとズルイなあ。回復できるんなら、いくらでも馬を酷使できちゃいますからねえ。他の参加者の立場がない…。


●オエコモバもスタンド使いでした。物凄いイヤな予感はしていたけど、案の定イケメンが犠牲にッ!オエコモバの能力、それは自分の肉体を爆弾化する能力。いや…、正確に表現すれば、手を広げたら爆発した辺り、イメージ的に「地雷」が近い感じでしょうか?あるいは「時限爆弾」?時計が抑えられているうちは普通に針が進むけど、手を広げると一気に針が進んで爆発とか?
オエコモバはジャイロさえ始末できれば良いらしく、イケメンには親切に忠告してくれていました。どこかのんびりとしたマイペースな言動で、掴めないヤツですな。どうやらこの爆弾能力にも射程距離の概念があるようで、一定の距離を置けば解除されるっぽい。おとなしく従っていれば良かったものを、イケメンは思いっきり逆らってしまって爆発!あまりにも…あっけなさ…すぎる……。ロープ能力を使って、一命を取り留めていると信じたいです。ここで消えるには惜しいキャラですよ。
でも、これまでの展開を見て来た限り、「SBR」はストーリーが先にある・ストーリーに重きが置かれているって印象を受けます。まあ、限られた話数で短期集中連載を繰り返すというスタイルなので、当然っちゃあ当然なんですが。「ジョジョ」はスタンド能力やバトルを描くためにストーリーが動いているような部分がありましたけど、「SBR」は逆に、ストーリーを描くために能力やバトルがあるって感じ(6部あたりもその傾向があった)。同じジャンプ漫画の「H×H」などもそうですね。だから、役目が終わったキャラは早々に退場するし、能力の設定や戦いの駆け引きもシンプルになって、全体的にテンポが良くなっているのだと思われます。それが物足りなく感じる時もあるけれど。


★ここで一旦、休載に突入。連載再開は10月!前回よりは短期間で復活するようで何より。
今までは2nd.STAGE編の前編だったようです。スタンド能力の解説、ジャイロの過去と目的、「回転」のルーツを描くのが2nd.STAGE前編。だとすれば、後編は水場をめぐるトラブルとか、砂漠の酷暑とか、砂漠ステージならではのイベントももっと描いてほしいところですね。あっさり砂漠越えされては、せっかくの環境設定がもったいない。




(2004年10月11日)




TOP  <<#20 戻る #22>>

inserted by FC2 system