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やめろ〜〜……… おれに話しかけるな…………
二度とだ… いいな………
二度と………



★さあ、我らが「STEEL BALL RUN」の新たなるステージが開幕ですッ!長かった…。辛かった…。
ウルトラジャンプへと連載の舞台を移す事となったワケですが、もうとにかく読めればオールOK!月イチとは言え、ページ数も不明とは言え、定期的に荒木マンガが読めるのだから幸せじゃあありませんか。月刊化された事でバトルにばかりページも割いてられなくなるでしょうし、テンポ良く物語が動いてくれるかもしれません。
これからどういう展開になるのかは分かりませんが、じっくり腰を据えて描いていってもらいたいし、応援していきたいと思います。


ウルジャン通算100号という記念すべき号の表紙を飾るは、ジャイロ・ツェペリ!数ヶ月振りのジャイロの雄姿!
ワイルドなジャイロの周りに無数の真っ赤な鉄球が浮かぶ、ポップで奇妙なイラストです。鉄球がイクラに見え、なんかお腹が減りました。ホカホカご飯にかけて食べたいです。



ウルトラジャンプ プロローグ編





●ウルジャン初のカラー扉絵は、ウルジャン読者に御挨拶って事で全員集合。構図もポーズも普通で物足りなさはありますが、久し振りに彼らに会えたぜって感じで燃えてきました。
最前列の面子を見ると、すでにイケメンが主人公格にまでのし上がっている事が一目瞭然。再登場の時が待ち遠しいです。ディエゴだけ唇がグリーンで、「フン」ってな表情で明後日の方向を見つめていて、彼の孤高なムードが伝わってきました。
早くジャイロ・ジョニィ組以外のヤツらの活躍も見たいですね!


●今回はプロローグ編という事で、てっきりジャイロが祖国を旅立ってからレース会場に辿り着くまでの出来事が描かれるものとばかり思っていたのですが、そうではありませんでした。実質的に前回からの続きといって良いでしょう。
険しい崖に沿って激走するジャイロとジョニィ。オエコモバに爆破された右脚のダメージで、ジャイロはかなり消耗している様子。珍しく負傷が負傷らしく描かれてて、なんか嬉しかったです。


●このプロローグ編でメインとして描かれたのは、ジャイロの更なる過去。ブンブーン戦直後での過去話を補完するような内容です。
ジャイロの祖国はネアポリス王国。新世界ではそんな国も生まれていたようです。国王の名はデローヴォIII世。イタリア・ナポリには「カステル・デローヴォ(卵城)」と呼ばれる城があるらしく、そこから取られた名前なのでしょうね。それはともかく、以前の過去話は他人に話しても構わないレベルのもので、今回のエピソードはジャイロが胸の奥にしまい込んでいる秘密って印象でした。
死刑執行の任務のため、あえて「感傷」という人間らしい心を否定して生きる父・グレゴリオ。彼はストイック…というより、本当は弱さを持った不器用な人間なのだと思います。公と私をキッチリ割り切れるシンプルな性格なら、ここまで自分や息子に厳しくしないはず。他人と関われば必ず情が湧いてしまう優しさを持った人だからこそ、そしてそれを自分で分かっていて、そうなる事を恐れているからこそ、自らの心を頑なに閉ざすしかなかったのでしょう。何よりも家族を愛しているのに、それをなかなか表に出せない。どことなく「ジョジョ」6部の承太郎に似ています。
国王から与えられた使命の前には、性別も年齢も身分も何もなく、すべてが平等。そこに私情を持ち込むな。この父・グレゴリオの教えは、彼の「任務への誇り」「生命への尊敬の念」の表れであり、同時に「自分の優しさを押し殺す悲壮なる訓戒」でもあるのでしょう。真っ直ぐ過ぎるあまり、極端な結論に到達しちゃったんですね。


●そんな時、ジャイロはマルコ少年と出会います。少年はジャイロが狂犬女に破かれた襟あてを拾い、修理してくれていました。
「まじめに謙虚にやり続けていれば必ず幸せになれる」という父の教えを愚直なまでに信じ、代々受け継いできた仕事をひたむきに実行するマルコ。そんな彼の姿に、ジャイロは自分を重ねたのでしょう。自分と通ずるものがあるからこそ、マルコの潔白を確信できたのです。きっとマルコは、こんな事になってしまったのは自分の頑張りが足りなかったからだと思っているはずです。もっともっと頑張って働けば、必ず救われると信じているはずです。そのあまりにも迷いのない幼い瞳が、ジャイロには痛い程に眩しく映った事でしょう。
少年をかばおうと感情をさらけ出して叫び、父の教えを守ろうとすぐさま自分の感傷を必死に押さえ込もうとしております。苦悩に歪むジャイロの表情が、胸に迫って来るかのようでした。そして、そんな彼を見下ろす父・グレゴリオは何を思うのか?ジャイロの心を試しているかのようです。
結局、感情を押し殺す事も感傷を捨て去る事も出来ず、他の誰でもない自分自身の命に従ってレースに参加したジャイロ。果たして、彼の未来に待ち受けているものとは…!?


●ついに「ゾンビ馬」の正体が(一応)明かされました。「ゾンビ馬」とは何と、ファンキーな馬の壁画に使われた「糸」の事だったのですッ!……え…?ええ――――――ッ!?毎度の事ながら、まるで予測不能な答えに唖然としました。糸かよ!『ストーン・フリー』!?
おもむろに糸で傷を縫い始めるジャイロの唐突で無茶苦茶な行動に、リアクション大王ことジョニィは大慌て。この2人の関係、やっぱ笑えます。ジャイロは「ゾンビ馬」について、それなりに知っているようです。ある程度のケガなら治療できるとの事。糸を巻き付けりゃ、その部分の疲れが取れたりもするのかな?「どーゆー原理だ!?」というジョニィのツッコミももっともですが、それに関してはジャイロはスルー
ジョニィの睨んだ通り、本当に何者かのスタンド能力なのでしょうか?それとも、未知の物質か何か?謎は深まる一方です。その謎が解明される時が来るのかさえ謎です。


「おれのおやじは…手紙なんか書かないからな!」と踵を返すジャイロの姿が切ない。心のどこかで父からの優しい言葉を求めていたんでしょうね。父が家族を大切にしているのは理解していても、ハッキリとした態度で示してくれなかったから、子供の頃からずっと寂しい思いをしてきたんでしょう。任務では何かと怒られたり、自分の意見や行動を否定されてばっかだし。複雑な胸中が滲み出る、余韻の残るラストシーンでした。


●「ゾンビ馬」のあるレッド・キャニオンは、中継地点の特設街から50キロ程度しか離れてないはずなのに、何故かもう2nd.STAGEもゴール間近。このSTAGEはレースというよりも、スタンド能力の発現と説明、ジャイロの過去と目的、戦うべき敵などの設定を読者にお披露目するためのイベントとして描かれていたように思いますね。でも、やっぱり私が読みたいのはレースそのもの。最後にもう一波乱起こってほしいところです。
ゴール前でまたもイケメンが音もなく忍び寄り、ジャイロ・ジョニィとの3つ巴の接戦を希望!「中継地点の時の決着をつけようぜッ!」ってなカンジで。イケメンがこのSTAGEの王者となり、ジョニィがダメージの残るジャイロを僅かに上回る。そして、いよいよジョニィはジャイロから認められ、本格的に「回転」を伝授される、と。そーゆー展開は燃えそうだなあ。


青年誌に移動した「SBR」ですが、萌え萌え〜☆でエロティックなキャラが現れるでもなく、吐き気を催すようなグロシーンがあるでもなく、相変わらずの荒木マンガでした。荒木先生は「少年誌だから」「青年誌だから」という括り以上に、自分の掟に忠実な人だと思ってますんで、どこで連載されようと極端に作風や描写が変わる事はないと信じてます。
いよいよ次号から本格的に連載スタート!1ヶ月間、耐えましょう!……長いな、やっぱ。




(2005年3月22日)




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