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はっきり宣言する!
我々は「スティール・ボール・ラン」レースをなんとしても成功させる!


#1 大統領命令 「死体をさがせ」@





●ついにウルトラジャンプでの連載が本格スタートッ!振り返ってみると、1ヶ月も意外と早く過ぎ去った気がします。今までの長い長い空白期間に比べたら、たかが1ヶ月待つ程度、赤子の手をひねるようなものです。
今月は新連載という事で、巻頭カラー&65ページの大ボリューム!やったぜ!カラー扉絵は、荒野に埋もれた恐竜の骨に横たわるジャイロとジョニィ。不思議で魅惑的な空間が鮮やかに彩られています。
しかし……、タイトルをよ〜く見てみると、そこには「ジョジョの奇妙な冒険 Part7」の文字。ありゃあッ!?これは一体、どういう事?あえて「ジョジョ」の名を外したはずの今作なのに、移籍に伴って正式に「ジョジョ」第7部になってしまいました。恐らくは編集部からの提案だろうと思われますが、ウルジャンという新天地で確実に読者を掴んでおくために「ジョジョ」の名が利用されたのでしょう。ちょっと複雑な気持ちになりました。


●「ジョジョ」の名を冠するようになっただけでなく、内容の方にも移籍の影響は表れていました。かつて荒木先生は「とにかくレースを描きたい」とコメントしていましたが、レースの黒幕と裏の目的、そして新たな敵とのバトル……と、もはやレースがオマケのような展開になっています。
完結しない限りは何とも言えないし、実は最初からの構想だった可能性も否定できませんけど、個人的には残念です。スティールが荒木先生、大統領が編集部に見えてしまったり…(邪推ですが)。ロマンとファンタジーに溢れる、シンプルで純粋なレースが見たいッ!


●2nd.STAGEもゴール間近。依然トップを走るジャイロ&ジョニィ組に、1人の男が迫ります。その男の名は…フレッツ・フォン・シュトロハイム!パンクなヘアーに軍服、そしてその面構えはまさしくシュトロ。片目メガネと銃内蔵の義手で、サイボーグっぽさも演出されています。
新世界のシュトロも誇り高き姿を見せてくれるのかと思いきや、なんとコイツ、テロリストやってました。情け容赦なく2人を撃ちまくり、落馬させてしまいます。彼らは何回、落馬する気なんでしょうか?顔面にも弾丸を浴びせられたジャイロですが、「回転」の力で皮膚を硬くして回避。すぐに破けてしまうペラペラな雑巾も、ギュッと絞れば硬くなるって理屈でしょうか?さすがの応用力。更には、ちゃっかり岩のカケラ(?)を無数に回転させていて、あっさりとシュトロを撃破!
シュトロは完全にカマセでした。「SBR」が「ジョジョ」のパラレル・ワールドである事や、ジャイロの能力・性格・目的・戦うべき敵をウルジャン読者に改めて説明するためだけの登場。せめて「世界一ィィィィイイイイ!」と叫んでほしかった。この分では、ノリスケさんも危なそうです。


●自分の手の中から、別の何者かの手が出て来てビックリのジョニィ。リアクション大王の名に恥じぬ慌てっぷりで笑わせてくれます。困った顔がかわいいです。そして「手」繋がりで、そのまま「悪魔の手のひら」の話へと移行。場面はスティール側へ。付き人のおっちゃん、何故か急に顔付きが凛々しくなってます。
さて、ここでレースの黒幕が姿を現しました。その男はなんと、アメリカ合衆国大統領。なんか威厳も風格も気品も感じられない、小物感たっぷりな大統領です。こいつが国を治めて、ホントに大丈夫なんでしょうか?ちょっぴりアメリカ国民が心配になります。気の荒らそうなヤツとユルそうなヤツの、2人の変なボディーガードも同行。雰囲気が初期のウェザー&アナスイっぽい…。このSTAGEスタート前の「大統領とてどうする事も出来ない」というスティールのセリフも、さりげない伏線だった?どうやらレースのスポンサーでもあるようで、レースが失敗したら「消されるかも…」と言うのも納得です。


●大統領の目的は「死体を探し出す事」。冒頭での「アリマタヤのヨセフ」の逸話やジョニィから出て来た手の聖痕と合わせて推測すると、アメリカ中に散らばったイエス・キリストの死体を集め出す事こそが、このレースの裏の目的と思われます。キリストの遺体は埋葬されて間もなく墓から消え去っていたらしいのですが、恐らく「SBR」の世界ではヨセフが遺体を運び出し、アメリカ大陸へと渡ったという事なのでしょう。神の啓示でも受けたんですかね?
ヨセフもまた「悪魔の手のひら」に引き寄せられ、そこでスタンド能力が発現したのかもしれません。数々の奇跡を起こしたキリスト自身も、強力なスタンド使いだったのかもしれません。何にせよ、バラバラに散らばった死体は強い「能力」を持つ者と引き合い、自ずと1つに集まっていくようです。その後に何が起こるか?考えられるのは、キリストの復活。復活させた者の願いを奇跡の力で叶えてくれるのなら、随分とエグい「ドラゴンボール」ですね。それとも、全ての人々の罪を清め、正しい道へと導いてくれるとか?
そして、大統領はテロリストの親玉でもあるようです。オエコモバやシュトロを襲わせたのも彼の命令。オエコモバが星条旗のペイントしてたのも頷けます。ジャイロの首に賞金を懸けたのも彼?もはやネアポリス王国だけの問題ではなく、全世界を巻き込むレベルの話になってます。世界中の過激派組織を1つに束ねているのが大統領なのでしょうか。しかしそれでも、ジャイロの命まで奪おうとする理由が今ひとつ分かりません。やはりキリスト復活とネアポリス王国には、何らかの深い因縁があるような気がします。
ネアポリス王国は教皇領の警備のために建国されており、もともとキリスト教と密接な関係があります。キリストゆかりの品物を持っていても不思議じゃあありません。例えば……、キリストの血を受けたとされる聖杯、彼を刺したとされる聖槍、彼を磔にした十字架や釘、処刑前に被せられた茨の冠……など、いわゆる聖遺物と呼ばれる物です。王国に伝わる聖遺物がキリスト復活に必要だとすれば、どんな手段でも使って来るでしょう。国の要人であるジャイロが国王のために戦って死ねば、普段はどこかに隠されている聖遺物が持ち出され、彼の葬式に使用される事になるとか…。もしそうなれば、奪い取る絶好のチャンスです。
ゾンビ馬の糸もひょっとすると、キリストの遺体を包んだという聖骸布の一部で、傷や疲れが癒えるのもその奇跡の力によるものなのかもしれませんね。


●モニュメント・バレーまでもうあと僅か!ジャイロとジョニィはアホな会話で盛り上がってます。おかげでジャイロのニョホホ笑いが久々に披露されました。やっぱこーゆー息抜きシーンがあると楽しいですね。
しかし、そんなお気楽ムードも長くは続きません。大統領が仕向けた新たな敵が襲って来たのです。ジャイロ、ヴァルキリー、荷物…と、次々と姿を消していきました。そして、ジョニィも攻撃を受け、空の方へと引っ張られます。爪の回転で何とか切り抜けたものの、謎は深まる一方。一体、敵の正体と能力とは?
敵さんの影を見た限り、仮面か何かを被り、ボロキレを纏っているように見えますね。杖らしき物も持っていて、どこか原始的なイメージ呪術師っぽさが漂っています。インディアン?意外とサンドマンの姉ちゃんだったりして…。能力は分かんないけど、モノを蒸発・気体化させる能力とかかな?う〜ん、難しい。


●細かい事をいくつか。
ジャイロのゴーグルにトーンが貼られていないのが気になりました。ヴァルキリーは左回りのコースが得意という設定は、左にブレるクセもあって「おっ」と思いました。ジャイロの言動や雰囲気もそれらしいし、「おたく」呼ばわりするトコなんかも忘れられずにいましたね。休載期間中に荒木先生はコミックス読み返したんだろうな。


★正直なところ、ウルジャン移籍による路線変更が露骨に見えてしまい、唐突感というか、強引で不自然な印象を少なからず受けました。でも、これはこれで面白い展開だし、連載1回目って事で丁寧な内容になっていたように思います。今回から読んでも、なんとなく設定は理解できそうなカンジでした。
黒幕の登場でスティールの行動や葛藤・苦悩もより詳しく描く事が出来ますし、様々な思惑や陰謀の上で踊るレースってのも燃えるシチュエーションかもしれません。レースが先に進めば進む程に、物語が加速して盛り上がっていく要素が生まれたって事ですし。期待しておきます。
今後は多分、45ページそこそこのボリュームになると思いますが、次回はまた表紙も飾るようですし、かなり優遇されているみたいなので嬉しいですね。ウルジャンの看板になってくれればいいなあ。さあ、また1ヶ月待ちましょう!




(2005年4月24日)




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