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これから取りに行くぞッ!
おまえさえその気なら!


#5 ディエゴ・ブランドーA





●今までの60ページを超えるペースでの連載に油断していました。やけに短く感じるな〜と思ったら、なんと今月はたったの37ページ。とうとう恐れていた事が現実に…。他の作品との折り合いとかもあるのでしょうか?これはショッキングです。19ページで隔週連載してるようなもんです。
しかし、ここで挫けてはいけません。今こそ覚悟黄金の精神を見せつける時。前向きに考えてみましょう。

<37ページで良かった事>

1・ページが少ない分、連載が長期化するはずなので「SBR」を末永く楽しめる。
2・コミックス収録話数が5巻よりは多くなるため、ラフ画も増える。
3・かわせない。現実は非情である。

………ごめんなさい。やっぱり無理です。挫けます。


●ディエゴサウルスは全身の模様が「Dio」という形になっており、彼の自己主張の強さが窺えました。荒木先生がデザインするものは、それが恐竜だろうと何だろうと独創的な美しさと迫力を感じます。
恐竜となったディエゴは、とんでもない身体能力を手に入れましたが、代わりに動いているモノしか見えなくなっていました。獰猛とは言え、多少の知能は残っているみたいですし、ほんのちょっとでも動いたらオシマイ。『ノトーリアス・B・I・G』的な停止と無音のサスペンスに手に汗握ります。珍しくまるでダメージを与えられない敵の登場。果たして、弱点や打開策はあるのか?
なんと熊の死体までもが恐竜化ッ!どんな形であれ「死」を覆すなんて、さりげなくスゴイ事してますよ。ジョニィ達は恐竜化がディエゴのスタンド能力と見ているようですが、私はあえて異を唱えます。前回に引き続き、化石による負傷で恐竜に突然変異したと考えます。ディエゴに噛まれた者は恐竜エキスを注入され、恐竜としての命を与えられ、ディエゴのしもべとなるのでは?まるで屍生人(ゾンビ)を生み出す吸血鬼のように。


●いきなりディエゴに場外ホームランされたジャイロ。しかし、すかさず舞い戻って、様々な鉄球技を披露してくれました。密閉されたカンヅメの中に鉄球を入れたり、サンタナのように肉体を平たくしたり。回転した鉄球は、自動的にジャイロの元に戻って来る事も正式に判明。
ホント、何でもアリだなあ…。秘密なんて言わずに、詳しく教えてほしいものです。でも「平たくする」って部分は、まだ納得も出来るかな。回転で肉体を異常なまでにねじって、強引にペシャンコにしたってトコでしょう。「ねじれ」の行き着く究極のところは「平面化」。かなり無理矢理ですが。
ジャイロの「回転」が技術を超えたものになっているって説明は、ジャイロにスタンドが発現する展開への布石ではないのかもしれませんね。この「回転」の何でもアリ具合の理由付けにして、テキトーにごまかすための設定だったのかも。未だに「回転」が曖昧にされ過ぎてて、どうもスッキリしません。ジャイロはまだまだ謎が多い男だ。


●チュミーちゃんによって彫られた、ジョニィの左腕の「movere crus」の文字。これは文字であると同時に、星座の配置を示す地図でもありました。「crus」の部分にあたるフットルース山はただの目印で、山に北極星を重ねた時に北斗七星(=「movere」)が沈む場所こそが「遺体」の眠る地!荒木先生にしては巧妙な伏線に関心しました。
いかにも宝探し的・RPG的な謎解きで、冒険心がうずきます。「何かを集める」という要素はいろんな物語で扱われていますが、「ジョジョ」シリーズでは初めてですし。集める物がバラバラ死体ってあたりが荒木チックですけどね。ただ、今後も次の「遺体」への手掛かりが体に刻まれた「文字」であるのなら、マンネリ化しちゃわないかちょっと心配です。文字が場所を示している事への新鮮な驚きが薄れてしまうので。毎回の趣向を変えた謎解きに期待。大統領の胸の文字も、星座以外の何かを示していてほしい。


●「遺体」をGETすべく、丘へと走り出すジャイロ達。2人の動きに気付き、追撃して来るディエゴサウルス。次回はこーゆー構図になりそうです。ディエゴによって恐竜がどんどん増やされ、ジュラシック・パーク状態になると面白そう。厳密には恐竜じゃあないけど、プテラノドンなどの翼竜も絵的に欲しいところです。そのうち見開き扉絵でディエゴサウルスの恐竜図解を描いてくれないですかね?猫草やロッズみたく。
もしも村人達が襲われて恐竜となって、村が消失したりすれば、「ジョジョ」1部のウィンドナイツ・ロットの再現とも言えるでしょう。「ダ・ヴィンチ」でのインタビューによると、「SBR」のテーマの1つは「巡礼」だそうです。その言葉が、荒木先生自身の原点に還り、そこからまた、以前の作品で描いたテーマやキャラクター・能力・シチュエーション等を改めて巡って行こうという意味であるのならば、それは納得の展開。
そして、気になるのはディエゴの目的。ジョニィは彼もテロリストの仲間で、「遺体」を狙って襲って来ていると決め付けています。しかし、化石での負傷は彼が意図したものではないでしょうし、恐竜化も予想外の事態だったはず。「遺体」狙いとは考えにくい。大統領の刺客の仕業としても、ジョニィが次なる「遺体」を手に入れてから奪うつもりなのだから違和感があります。ディエゴのジャイロ達に対するライバル心・敵意が、偶然の恐竜化によって凶暴な殺意に変わったと見るべきでしょうか。
ジャイロ達とディエゴ恐竜軍団とテロリスト、この三つ巴の戦いになると燃えそうです。いっそディエゴが「遺体」を手に入れてしまっても良し。レースでも遺体集めでも、ジョニィのライバルになるのが理想的。


★37ページゆえか、少々物足りない回でした。ずっとこのページ数での連載はキツイなあ…。2〜3回に一度は60ページくらいにしてほしいものですよ。無理なら、せめてカラーをください…。だんだん欲張りになっていく読者の図。




(2005年8月27日)




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