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くそ田舎者どもッ!
オレは必ず社会の頂点に立ってみせる!


#6 ディエゴ・ブランドーB





●今月は61ページ!ホッと一安心。先月はお盆もあって、週刊にしても合併号がある時期だったワケで、冷静に考えればページが少ないのも自然だったかもしれません。コミックスのページ数合わせか何かの都合もあるかもだけど、ずっと40ページ以下の連載が続くって事はなさそうですね。よかったよかった。


●さて、本編はディエゴの過去から始まります。彼は強い生命力と宿命を持って生まれてきたようですね。この世界でも貧しく恵まれない少年時代を過ごしていた彼ですが、前世界のディオと違って、飲んだくれでロクデナシな父親(ダリオよりはイケメンだけど)に出会う事なく、母親からの深い愛情に包まれていた事が救いです。母親の気高さと優しさには、ディエゴならずとも涙が出ちゃいますよ。そのお陰なのか、ディエゴも母親思いの素直なかわいい子に育ってました。
しかし、母親への愛の強さゆえに、母を奪ったヤツらへの憎しみもまた強いものになっています。前世界のディオも母親を想って、涙を流して怒っていましたが。ディエゴは生まれついての悪ではなく、環境で悪になったと言えるでしょう。悪の帝王などではなく、悲しき復讐鬼なのです。復讐のためならば、手段も過程も選ばない。利用できるものは何でも利用する。邪魔する者は叩き潰す。その一念で、ここまでのし上がってきたのでしょうね。彼の行動や考えは決して許される事ではないかもしれませんが、かなり感情移入しました。応援したくなってきたし、同時に、彼の心が救われてほしいとも思います。今は歪んでしまっているけれど、本当は純粋で真っ直ぐなのだから、母親が望んだ真に気高い人間に成長してほしいものです。


●強力な憎悪に突き動かされるディエゴの能力!それは「傷付けた者(生死問わず)を恐竜化させ、支配する」というものでした。熊の死体のみならず、ドブネズミも村人も、そしてジャイロとジョニィまでもが恐竜に変えられていきます。体にヒビが入って変身ってのは、どこか「バオー」チックで不気味ですね。この能力がスタンドかどうかはまだ不明ですが、「自分の命令に忠実なしもべを作るための力」はまさにディエゴにピッタリ。
でも、こんな風になっても、馬への敬意と愛情は本物なんでしょうか。馬を殺す事だけはしないと、ジャイロも断言しています。ディエゴの本質を見抜いているのか、ただ単に楽観的なだけなのか?まあ、この作品内においては馬は無敵なんでしょうけどね。


●この恐竜化は「遺体」に宿る聖なる力で進行を抑える事が出来るらしく、ジャイロも必死です。呪いが効かないアイテムだとか属性みたいな感じで、ますますRPGっぽい。タイムリミットは3分!谷を飛び越え、ついに丘へとやって来た2人。なんと、「遺体」同士が呼び合って、そこに「悪魔の手のひら」が出現ッ!「遺体」が「悪魔の手のひら」というエネルギー地帯を生み出している事がほぼ確定。恐らく、「遺体」を失ったアリゾナ砂漠の「悪魔の手のひら」のエネルギーは、もうほとんど消滅しているものと思われます。
さらに、「遺体」を護るスタンド…、いや、あえて守護精霊と呼びますが…、とにかく出現ッ!何やらメカっぽいデザインで、時代的には合わないけどカッコイイ。何百年もこうして誰かが来るのを待ち続けていたのでしょうか。砂をかぶった下は空洞らしく、ジャイロ達に守護精霊自体は見えていない様子。透明人間が服を着てるから、なんとか存在を確認できてるようなもんです。つまりは、その「遺体」を手にした者にしか精霊の姿は見えないって事なのでしょう。チュミーちゃんもジョニィにしか見えないものと推測できますね。
精霊の両手の中には……、次なる「遺体」のパーツ:眼球がッ!心臓や眼球といった特徴的な部位が出て来た事から察するに、5巻「牙(タスク) その2」で描かれた通りのパーツに分かれていそうです。頭部・眼球・胴体・背骨・心臓・右腕・左腕・右脚・左脚の9つ。ジャイロ達がGETしようとしたその時、ディエゴがしもべの恐竜を足場にして、谷をジャンプ。そのまま「眼球」を手に入れてしまいました!彼の目的は「遺体」だった?でもやっぱ、彼がテロリストってのはしっくり来ない。ジャイロ達を殺そうと追い掛けてたら、なんかスゴそうなモノが出て来たので奪っておこうってトコかな?もしジャイロ達の言葉が理解できてたなら、「遺体」が重要な事も分かるだろうし。「遺体」が放つエネルギーを本能的に追ってるとするなら、ジョニィの位置を見失うのはちょっと不自然だし。
さあ、いよいよ盛り上がって来ましたよ!恐竜化が進行しすぎてて、かなりホラー顔なジャイロはどうなる?


●今後の予想。「遺体」を手に入れたディエゴに精霊が語り掛け、「眼球」が彼の目の中に宿ります。暴走状態に近かった恐竜能力を制御できるようになり、人間の姿に戻れるはず。「遺体」の力で恐竜化の感染力が著しく弱まる反面、手や足など部分的に恐竜化したり恐竜人になったり、自在にコントロールが可能に。驚異的な動体視力はそのままに、動かないモノも普通に見えるようになります。そして「眼球」の持つスタンド能力も獲得ッ!例えば、数秒間の「過去」や「未来」が見える能力とか、透視能力とか、千里眼能力とか、そんな感じで「何かが見える」能力。
ディエゴとジョニィは「遺体」を奪い合おうとしますが、そこにとうとう大統領の刺客が襲って来るでしょう。ここでジョニィは、ディエゴがテロリストではない事を悟ります。思いのほか、刺客は強くて厄介。しかし、自分とディエゴが近付く程、「遺体」が共鳴し合って、能力が強く現れる事にジョニィは気付きます。こうして不本意ながら、ジョジョとディオが共闘!2人で刺客を打ち倒す。そして、互いにライバルとしてちょっぴり認め合うって展開なら燃えますね。ジャイロはまぁ…、恐竜になってサポート?


大統領とテロリストの関係を考え直してみました。大統領が世界中の過激派組織と繋がり、その上に君臨しているとすると、話が大きくややこしくなり過ぎてしまうんで、もっとシンプルに。実際に手を結んでいるのは、オエコモバを始めとするネアポリス王国・反国王テロリスト組織のみ。国王のために走るジャイロの首に懸賞金をかけたのも、L.A.の言葉から推測するとテロ組織のボスあたり。その賞金目当てでジャイロを襲って来たのが、ミセス・ロビンスンにブンブーン一家、そしてシュトロハイム。ディエゴもひょっとすると、どこかで懸賞金の事を知り、ジャイロを殺してカネを得ようとしてた?
ジャイロを始末する事に協力してやる代わり、「遺体」を捜す事にも協力してもらう。こうして両者が裏で繋がったのかもしれません。
もっと因縁を加えるとするなら、例のヨセフの地図が絡んでいる可能性も。あれをグラストンベリーから盗み出したのはアメリカ関係の誰かではなく、実は、敵の多い自国の繁栄を願うネアポリス王国だったとか。アメリカ大陸の存在さえ発見されれば、聖人の記録が残る王国なら地図が何を意味しているか分かるでしょう。で、それをさらに盗んでアメリカ側に売り渡したのが、反国王テロ組織。王国側としては、断じて公にしたくない事実なので、何も知らないジャイロを利用してこっそり取り戻そうとしてるとか。ジャイロは地図に関する何らかの密命を受けているのです。地図が聖人の遺体の眠る場所を示している事に彼が気付き次第、正式に「遺体」を集めろと命令が下されたりして。
大統領としても、そういう因縁があるとすれば、ネアポリス国王のしもべであるジャイロの存在は邪魔なはず。「遺体」の事を知っていようと知っていまいと、始末しておいた方が安全。今後も「遺体」を持っていなくても、ジャイロの命は狙われ続けると思います。そんな風にマークしていたジャイロがいきなりトップに立ち、「悪魔の手のひら」を通過したのは、まさに運命的偶然と言えるでしょう。


★ようやくディエゴの背景が明かされ、キャラとしての深みが出てきました。前世界でのディオとは、扱いが決定的に異なります。同情の余地もない程にゲスな本性を持ち、見事なまでに悪を貫き通したディオ。それと比べ、ディエゴはある意味、被害者というか、かわいそうな子として見られるように過去が描かれています。
自分自身のためだけに悪として生きたディオに対し、母親への想いのために悪に堕ちてしまったディエゴ。同じ悪党でも、動機の格がまるで違いますね。それが嬉しい。きっとディエゴがこのレースの果てに迎える結末も、ディオとは大違いなものになる事でしょう。今から期待してます。




(2005年9月17日)




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