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ここを出て行きたければ オレを殺すしかない
それが進むべき道



●今回は表紙&2巻用別バージョンカバー!強い意志を秘めたジャイロ、気合いバリバリのジョニィ、涼しげな表情のディエゴ。主役級キャラ3人がビシッと表紙で決めてくれました。さりげなくホット・パンツもいますが、前回ラスト1ページで出て来たクセにもう表紙に登場するとはちゃっかりしてます。
別バージョンカバーは青マルジャンプの表紙イラスト。この前は「大したもんじゃない」とか言っちゃいましたけど、これはこれで味がありますね。こうやって全巻分が揃えば、かなりシブくてカッコ良くなりそうです。



#9 大草原の小さな墓標@





●なんと4th.STAGEに突入してました。もう11日もスッ飛ばしてました。ゲッソリ痩せ細ったジャイロもすっかり元通り。ちょっとテンポ速すぎな気がするんですが……。レースだし月刊だからチンタラやってられないのは分かるけど、その省略された時間の中で何があったのか知りたくなってしまうのが読者の悲しき性。
とにかく、4th.STAGE「広い広い大草原の小さな墓標」がスタート!キャノンシティからカンザスシティまでの長距離草原コースです。参加選手は未だ2,000人近く残っている様子。レーススタート前に「ロッキー山脈を越えた頃には200〜300人程度しか残ってない」と予測した者もいましたが、それを遥かに上回っています。いかに強豪揃いのレースであるのかが窺えますね。


●今回で早くもホット・パンツにスポットが当たりました。まず、性別は男性のようです。基本的には一匹狼。育ちは良さそうですが、年齢も素性も不明。どうやら名前も本名ではないようです。何故か顔のペイント(?)も消えています。結局、謎だらけの男という事が分かりました。ただ、「法」と「肉」にはこだわりがあるみたい。
そして、彼もまた「悪魔の手のひら」で発現したスタンド使いと判明!彼が触れた者の「肉」を吸い取り、スプレー缶(型スタンド?)からその「肉」を泡スプレーのように吹き出させる。吹き出した「肉」は触れた部分と一体化する。なんか生臭そうだし、是非とも浴びたくないスプレーです。よくこんなヘンテコで面白い能力を思い付くものだと感心させられました。荒木先生の事だから、誰もが驚く利用法を見せてくれるのでしょう。ホット・パンツの活躍は確実ッ!


●突然のホット・パンツとの戦い。しかし、彼には「自分の牛を盗んだヤツを始末する」という単純で正当な理由がありました。「遺体」を狙って襲って来る、ワケの分からないテロリスト共とは違うとジョニィは感じたらしく、あくまで話し合いで済ませようと試みます。意外と冷静です。でも、ディエゴは問答無用で嫌悪してるんだよなあ。ジョニィの場合、理屈よりもフィーリングで敵味方を決め付けてそうですね。
ホット・パンツの背骨を回転スキャン中、その背骨1個1個に映る「T」「U」「R」「B」「O」の文字を見て、ジャイロはアルファベットをそれぞれ1つ1つバラして考える事に閃きました。文字の中にある数字を解読し、次の「遺体」の在り処をカンザスシティと特定!2進法と緯度・経度という予想は合ってましたが、「T」が「ヨコ線」「B」が「次」って意味だったのは分からなかったです。果たしてゴール地点・カンザスでどんな攻防が繰り広げられるのか?ディエゴとの一騎打ちになるのか、それともテロリストも絡んで来るのか?


●今、ジャイロ達がいる果樹園は、決して抜け出せない無限の迷宮と化していました。ホット・パンツも迷ってしまい、ジャイロ達に協力を呼び掛けます。この辺の会話シーンも個性がよく現れてますね。大人気ないジャイロとクールなジョニィが笑えました。それと、前回の「飢え」の話にも関わっているのか、今回は食べ物についての描写が多いですね。彼らが普段、何を飲み食いしているのか気になるなあ。玉ネギや卵にもヨダレ垂らして驚いてるくらいだし、ロクなもの食ってなさそう。
同じく迷ったガウチョは、近くのボロい家の主人を呼び出します。主人は今まで無かったタイプの面構えですね。ドクロのアゴヒゲがイカしてます。そして2人の決闘。あわれ、ガウチョは死亡。久々に西部劇っぽいシーンでした。自分を殺す事が脱出する唯一の方法と、家の主人は言います。
読んだ印象として、4部での振り返ってはいけない小道『スーパーフライ』を連想しました。あの果樹園は小道や屋敷幽霊のような空間で、主人もたまたま迷い込んでしまった者なのでは?あの家に入ってしまったために、家に主人として認められ、ずっと囚われてしまったとか。ホット・パンツの牛も迷い込んでて、彼が生きるために止む無く殺して食ったんです。ここから出て行くためには、何人かと決闘して殺さなくてはならない。逆に自分が殺されれば、主を失った家は力が弱まり、他の者達は抜け出せるようになる。そんなルールがあるのかも。スタンド能力とか大統領の手先とはあまり思えませんでした。
そう仮定したとして、あの家の元々の主人に秘密がある気がします。彼が読んでいた新聞も当時のもので、そこに真相が書かれているのかもしれません。どっかの組織から狙われていたアウトローマンがいて、決闘の末、ついに殺されてしまう。家も焼き払われてしまったけど、家が主人の無念を晴らそうと存在し続け、代わりの主人を求めていた。主人と認められた者が追っ手と同じ人数分、決闘して殺せば、家も満足して消える。その跡には、元の主人の小さな墓標が佇んでいる。……みたいな?


★今回は起承転結の「起」にあたる部分。前回のような熱さこそありませんでしたが、新たなキャラの登場・新たなイベントの発生で次回からの盛り上がりが期待できますね。
ホット・パンツが家の主人と決闘する事になる予感。肉スプレーで心臓周辺に肉を付ければ、撃たれても死なずに済むだろうし。でも主人を殺せても、ジャイロか誰かが間違って家に入ってしまい、自分が新たな主人になるなんて展開もあったり?これは「遺体」絡みの事件ではなく、先頭集団と後続との差を縮めてレースを緊迫させる狙いがあって描かれているイベントなのかも。この大幅なタイムロスで、遅れているイケメンも追い付けるといいな。
舞台は限定されてるけど、話がどう動くのか読めません。次回も楽しみです。




(2005年12月21日)




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