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どうしても……… どうしても行きたい!
何とかして…… 『湖』へ………!! ミシガン湖まで………


#17 敵はどいつだ?





●扉絵はジャイロ・ジョニィ・ルーシーの主役3人です。みんなカッコイイけど、とりわけ目を引くのはルーシー。テンガロンハットを被り、ひときわ凛々しい表情でこちらを見つめています。その姿は、紛れもなく戦う女。覚悟を決めた彼女の戦いが描かれる時が、今から楽しみです。


●5th.STAGEも8日目。すでに行程の半分を過ぎています。サンドマンにポコロコ、ホット・パンツ、ドット・ハーンと、トップグループは相変わらずの顔ぶれ。そんな緊迫の中、ジョニィはいつものように冷静かつ客観的に状況を見極めていますね。ここらへんは、さすが天才ジョッキー。
ところが、ジョニィは大真面目にレースを考えているってのに、ジャイロは思いっきり能天気です。「失礼ィィ〜」のギャグに続き、今度は自慢のオリジナル・ソングを作っていました。この男、いつもこんな事ばっか考えてるのでしょうか?無邪気なジャイロと冷たい視線のジョニィが笑えます。ただ、もう何週間も一緒に旅してきただけあって、ジョニィもジャイロの扱い方(あしらい方?)は上手くなっている様子。一応、ノッてあげてます。ちょっと本気で気に入ってる感もありますけど。ジャイロも祖国ではあんまり友人も作れなかったろうから、やたら生き生きしてますね。微笑ましい2人でした。


●そしてジャイロ、ジョニィに祖国からの書簡も「どう思う?」と見せてきました。歌からの繋ぎ方が巧みですね。祖国からの回答は「そんなヤツ知らん」と、実にそっけないもの。しかし、このあまりのそっけなさに、逆に疑惑が浮上。ヴァチカンは本当に「遺体」と関係ないのか、あるいは、本当は「遺体」の正体を知っているからこそなのか……?まあ、物語的には恐らく後者なのでしょう。今頃、ヴァチカンやネアポリス王国の上層部は大騒ぎかも。ジャイロにも秘密で、「遺体」の確認・回収のために何者かが派遣されて来る可能性がありますね。そうなれば、遺体争奪戦は「人」と「国」がますます複雑に絡み合う形に発展していきそうです。
ジャイロに「誰か予測はつかないの?」と訊いてみるジョニィですが、何故かジャイロは汗をたらして「黙れ」と話を打ち切ってしまいました。随分と一方的で勝手なヤツです。でも、きっとジャイロの心中にも「正体はイエス・キリストでは?」という疑念が芽生えているはず。ただ、もしも本当にそうだとすれば、今までの自分の常識や世界が根本から覆される事になる。それをどこかで恐れているから、自分でも気付かぬフリをしているのかもしれません。「遺体」は聖人であるはずだが、キリストであってはいけない。その「あってはいけない事」に直面した時、ジャイロは何を思い、何をするのか?
―――などと、すでに「遺体」=キリストを前提に話してますが、もし違ってたらゴメンなさい。


●いよいよ謎の敵の攻撃開始ッ!タオルがいつの間にか切れていたり、複数の足音がこちらに近付いて来たり、小屋の中から音がしたり……と、ジョニィはヤバイ雰囲気を察します。ジャイロもそんなジョニィの危険な予感を信じ、すぐさまズラかろうとしています。2人の信頼がさりげなく垣間見えるシーンです。
攻撃は徐々にエスカレート!なんと小屋そのものが罠。どうやら小屋自体に「ザグッ」「ザグッ」という切断エネルギーが込められている様子。小屋に触れたモノは、そのエネルギーによって切断されるのです。小屋の破片に触れただけで、ジョニィの爪先も切られてしまいました。ここまで怖い能力だったとは……。『エコーズ』や『ダイバー・ダウン』というより、『スーパーフライ』っぽいイメージかも。
トウモロコシ畑から姿を現したのはドット・ハーン!こいつがディエゴの部下?その傍らでは「バカラッ」「バカラッ」と馬のヒズメの音が込められた謎の物体が並走!見た感じ、蜂の巣が恐竜化したような形です。ディエゴの部下のスタンドは、エネルギーを込めた物質に「仮の生命」を与えているのかも。それをディエゴが恐竜に変えて襲わせているのでしょう。おぞましき能力、恐るべきコンビネーション!連続して畳み掛けて来る攻撃に、ジャイロ達は大ピンチです。
ちなみに、この能力は他者が発した「音」や「エネルギー」でも閉じ込める事が可能なようです。「バカラッ」って音も、馬が発してるワケですし。ジョニィのタオルが破れていたのも、ジャイロが書簡を「ビリビリ」と破いた音・エネルギーをポットに閉じ込めたせいだと思います。音が聞こえる範囲ならどこにでも音を閉じ込められるか、小さかったり速かったりで見えにくいスタンドか、どちらかでしょう。その後にジョニィが触れたのに何ともなかったのは、「ビリビリ」の音・エネルギーが弱かったから、タオルだけでパワーが尽きたのです。以上、勝手な推測


●ジャイロの警告を無視して突進して来るドット・ハーンに、鉄球が炸裂!ところが次の瞬間、鉄球が破裂!ジョニィの『タスク』まで。ドット・ハーンは本体ではなく、罠として利用されただけの被害者だったのです。彼や愛馬の肉体には、馬の蹄鉄みたいな形の大きな傷が付いていますね。ひょっとすると、攻撃エネルギーを込められた物質は、そのエネルギーを別の物質に逃がしてやらないと自己崩壊してしまうのでは……?小屋がひとりでに切断・崩壊していったのも、そのためでしょうか?ドット・ハーンの場合、「バカラッ」というエネルギーが込められていて、そのせいで馬に踏まれて抉られたかのような傷になっているのかも。そうなると、あの恐竜に触れるのも超危険ですね。
倒壊する小屋の板を避けようとしても、やはり鉄球も『タスク』も切断されてしまいました。爪で穴を掘ろうとしても浅すぎる。ブンブーン親父をブッ殺した時や岩を貫いた時のパワーはどこへやら…。破壊力が強いのは能力発現時だけ?とにかく、ジョニィは「もうだめだ」と絶望し、消えてしまいました。小屋に突っ込んだドット・ハーンと愛馬も、どんどん削られて消滅・死亡。エグい死に方です。馬では初の犠牲者でしょうか?優勝候補の一角として善戦したチンギス・ハンの子孫、ドット・ハーン。そしてその愛馬、#1。彼らの勇姿は忘れません……。


●ジョニィが消えてしまったというのに、ジャイロはのんきに敵の分析なんてしています。ディエゴともう1人がチームを結成している事を確信。分析が終わると、ジャイロは跳び箱のようにしてヴァルキリーに騎乗!なんか勢いがカッコイイ。しかも、もういないはずのジョニィに叫んでいるではありませんか。そう……、鉄球は切断されても回転は止まらない。破片のままで穴を掘り、ジョニィを救っていたのです。
絶望して諦めてしまったジョニィに「らしくねーな」と声を掛け、鉄球を失った今、「頼りはオメーだけだ」と奮い立たせようとするジャイロ。イカした男です。ジョニィも再び心に火を灯しますが、『タスク』では勝てないと弱気になってます。『タスク』だって、もっと色々と役立てそうなもんなんですけどね……。これはほぼ確実に、「脊椎」の能力発現の展開です!「脊椎」は人体の中心って事で、ジョニィが中心となって何かを引き寄せる能力とかかな?ジョニィが弱い心を克服し、更なる生長と飢えを見せてくれる事を期待しましょう。
敵の正体は未だ不明ですが、今回を見ると、シルエットのレース参加者が2人いると受け取る事も出来ます。ポコロコの後方にいたヤツと、トウモロコシでよく見えなかったヤツ。1人が敵で、もう1人がノリスケさんなんだろうな。ノリスケさんとも共闘してくれると燃えますね!


★今月は47ページと少なめですが、去年も同じ時期に減ページがあったので想定内でした。やっぱ荒木先生にも盆休みくらいないといけませんよね。去年よりは10ページ多いし、内容も濃かったので、特に不満もありません。今月も面白かった!ジャイロの言うように、直線的な攻撃が次々と迫って来てハラハラしました。まだまだ応用の利きそうな能力ですし。またもや鉄球が破壊された事で、ブンブーン戦後にどうやって補給されたのか説明も入るかもしれませんね。
1部ゲーの描き下ろしイラストも、今の絵柄でのジョナサン&ディオが超美しい。「SBR」でジョニィとディエゴが争っているのを見ると、余計に感慨深い絵です。石仮面もよりスタイリッシュでクール!水の中のような色使いのジョナサン&ディオとは対照的に、物語の象徴として前面に押し出されていますね。ゲーム内容もダイアーさんとか使えるらしいし、ディオモードなんてのまであるようなので、こいつは買わない手はねえぜ。




(2006年8月20日)




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